なぜTPPを国会で議論しないのでしょうか

2012年4月15日

 TPPのお話です。
 やえにはとても単純で純粋で素朴な疑問があるのです。
 それは、なぜこの問題を国会で議論しないのでしょうかというコトです。
 
 ここまで大きいお話ですし、国民の関心も高い課題です。
 というのも、現在どうも議論が空回りしているというか、賛成の人も反対の人も様子見の人も、どうも一方的に意見を言っているだけで、その意見が絡み合わない雰囲気ですよね。
 またどちらかと言えば、国民の意識の方が高くて、マスコミの方が追いついていないっていう感じもします。
 人権法などの時とは違い、なかなか難しい問題ですから、マスコミの中の人がよく理解していないというのもあるのでしょう。
 だから扱いづらいのかもしれません。
 でもそれって結局、国会で全然議論がされていないからなのではないでしょうか。
 
 やっぱりですよ、昼間とはいえNHKで中継される国会の委員会において議論がされれば、マスコミとしてもニュースの素材がそれだけで作られるのですから取り上げやすくなってニュースになりますし、また国民としてもその中継を見るコトが出来る、後からネットで見るコトだって出来るワケですから、国会での議論があると無いとでは全然違ってくるのではないでしょうか。
 また、国会議員の先生方って、やっぱりスペシャリストですよ。
 一部ちょっとどうなんだと首をかしげなければならない議員もいますが、基本的には議員さんは優秀な方達です。
 そういう人が議論するコトによって、それは国民としても、考えるキッカケになるワケですし、また論点も整理されるというか、問題があるならそれがまた浮き彫りになると思うんですね。
 少なくともやえはそうです。
 やっぱり議員さんの政治のプロの目からくる視点には、よくハッとさせられます。
 このように、政治のプロである議員さんが議論し、それを国民が見て、またマスコミがそれを流すコトによって、議論はさらに深まっていくのではないでしょうか。
 それこそ、国民にとっては大変に意義の深いコトであり、国益に繋がるコトだと思うのです。
 
 それなのになぜ国会でTPPの議論がされないのでしょうか。
 
 そもそも条約締結となれば国会での承認が必要になるんじゃないかと思うのですが、それなのになぜ国会で議論がされないのでしょうか。
 それとも、政府が海外諸国と約束した後に、なし崩し的に国会承認を貰おうと、半ば事後承諾に持ち込もうとしているのでしょうか。
 そんなのあまりにも傲慢で卑怯で、なにより国民軽視ですよね。
 これはもう、むしろTPP専用の特別委員会を設置する(特別委員会は新規で設置出来ます。例えば現在は復興特別委員会等があります)ぐらいの覚悟で国会で熟考しなければならいなのではないでしょうか。
 
 つまり、政府が結論を出す前に、国会で議論すべき問題なのです、このTPPの問題は。
 それなのになんでしょうか、この体たらくは。
 やっぱり野田内閣って、議論からさっぱり逃げようとしているとしか思えません。
 国会もすぐ閉じたりしていましたし、菅内閣と何が違うというのでしょうか。
 むしろ野田総理本人が貝の口のように閉ざしているので、さらに何を考えているかすら分からなくなってしまいました。
 
 それとも、復興が先だからとでも思っているのでしょうか。
 もしそうであれば、ではTPPをどうするのかという交渉するかしないかの段階で、いったん諸外国との交渉を打ち切るべきでしょう。
 諸外国に「日本は大震災からの復興を先にしなければならないから、全ての交渉は待ってくれ」と説明しなければなりません。
 でも野田内閣は、それすら出来ていないんですね。
 もうアメリカや諸外国に言われるがままです。
 本当に外交が下手くそです。
 自民党政権の時の外交は、国内では評価が低くても、よくよく見れば巧いなぁと思わず唸るような手法もありましたが、民主党政権になってからは、本当にアメリカからも中国からも韓国からも言われるがままです。
 こんなのは外交とは言いませんよ。
 「日本は復興対策が先だ。それが終わるまでは、せめて三次補正が終わるまでは一切の交渉はしない」と、断固たる態度を示すコトが、いまの日本にとっては必要なのです。
 これすら出来なくて、野田内閣に他のどんな外交が出来ると言うのでしょうか。
 こんなコトすら出来なければ、他の案件だってどうせ言われるがままでしょう。
 復興が先という理屈は分かります。
 もし本当にそう思っているのであれば、諸外国との交渉は一切断ち切るべきですが、それなのになんでしょうか、なぜ野田総理はTPP参加を口にしているのでしょうか。
 むちゃくちゃです。
 
 それとももしかしすれば、国内的には「復興が先だから」と国会での議論を避けつつ、しかし外国に対しては言いなり交渉を進めているという、二枚舌でも使っているのでしょうか。
 最悪ですよ。
 こんなの、売国と言わずしてどう表現するというのでしょうか。
 間違えないでくださいね、TPPの参加について「売国」と言っているのではありません。
 国民を裏切る二枚舌を使うコトを売国と言っているのです。
 本来なら逆です。
 外国には「復興が先だから」と言いつつ時間を延ばして、その間に国内ではTPP議論をしっかりする、というのが本来の日本政府のあり方です。
 これこそが外交です。
 でもやっぱり、野田内閣は日本を売りたいんですかね。
 国内の議論は一目散に逃げだし、外国に対しては平身低頭言われるがままにする。
 これが野田内閣であり、民主党政権の姿なのです。
 
 TPPは、なにより国会での議論がまずあってしかるべきです。
 TPPに参加すべきという意見も、拒否すべきという意見も、それはどちらが正しいというコトより以前に、やはり国権の最高機関たる国会において、しっかりと議論されるべきでしょう。
 いえ、されなければならないハズなのです。
 
 いったいいまの体たらくはなんなのでしょうか。