日本サッカー協会は個人思想を押しつける組織

 あまおちさんが先週だいぶ怒っていた件について、こちらでも取り上げておきたいと思います。
 日本サッカー協会が旭日旗を試合会場に持ち込み禁止にしようとした件です。
 まずはいきさつについてこちらの記事をご覧下さい。
 

 「旭日旗」禁止措置、一転し撤回 サッカー協会「職員が拡大解釈」
 
 19日から日本で開催されるサッカーのU-20(20歳以下)女子ワールドカップ(W杯)について、大会の組織委員会(委員長、小倉純二日本サッカー協会名誉会長)が、政治的なメッセージに当たりトラブルの原因となるとして、観戦者の「旭日旗」のスタジアムへの持ち込みをいったん禁止しながら、開幕直前の17日になって撤回していたことが分かった。組織委は「職員による拡大解釈があった」と説明している。
 組織委の窓口を務める日本サッカー協会によると、旭日旗の禁止は職員の一存で決定。「政治・宗教的なメッセージと結びつけてはならない」とするFIFA(国際サッカー連盟)の規定を「拡大解釈」(同協会)し、爆竹や発煙筒、電子拡声器などとともに持ち込み禁止物に指定。ホームページを通じて10日、サポーターらに告知した。
 ところが16日夜、別の職員がホームページ上の記載に気づき、「禁止はおかしいのではないか」と問題視。検討の結果、17日に同記載を削除したという。

 
 サイトを記録するサービス「魚拓」にも、これを書いていた日本サッカー協会のページが残っています。
 

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 スタジアム観戦される皆様へ
 
会場への持ち込み禁止物に関して
下記の物を持ち込むこと、又は使用することは禁止されています。
 
◎競技の進行を妨害するおそれのある物…ガスホーン、レーザーペン、ホイッスル等
◎競技の進行を妨害するおそれのある物…発煙筒、爆竹、花火、その他の危険物又はそれに類するもの
◎旭日旗(デザインされた、応援フラッグ・応援バナー含む)
◎電子拡声器(埼玉・神戸会場)

 
 なんなんですかね、これ。
 まずですね、こんなコトをする権限が本当に日本サッカー協会にあるのですかと問い質したいです。
 
 理由があるなら分かります。
 「競技の進行を妨害するおそれのある物」というのは書いてるままの正当な理由があるのですから、それを規約としてキチンと公開した上で徹底させるのであれば、どの観点からも問題とはならないでしょう。
 仮にこれを不服として裁判をしたとしても却下されるだけでしょうし。
 しかし「旭日旗」の場合は理由がありません。
 「競技の進行を妨害するおそれ」とは違い、ただ単に存在そのものを名指しして禁止しようとしています。
 もし公共の福祉に資するのであれば禁止も仕方ないでしょう。
 でもなにをどう考えも「旭日旗」を禁止する正当な理由は存在しないのです。
 むしろあるならキチンと示して下さいと。
 もし正当な理由が存在しないのに一方的に公共の場での個人の行動を束縛するなんていうコトをしているのであれば、それは個人の考え方を一方的に押しつけている行為であり、もはや憲法違反とも言える愚行としか言いようがありません。
 
 記事によりますと「政治的なメッセージに当たりトラブルの原因となるとして、観戦者の「旭日旗」のスタジアムへの持ち込みをいったん禁止」とあります。
 政治的なメッセージ?
 よく分かりませんね。
 
 旭日旗って歴史はかなり古く、そのデザインは武家の家紋にも使われていたという記録が残っています。
 そもそも旭日旗のデザインを普通の常識的な日本人的感覚で見れば、「日出ずる国」を起源とした太陽のマークを意匠化した日の丸からさらに発展させた、太陽から光が差し込んでいるというデザインですよね。
 つまり国旗である日の丸の発展系と言いましょうか、延長線上と言いましょうか、その旗に込められている考え方というのは全く同じなワケです。
 「日出ずる国」である日本を象徴している旗ですよね。
 さて、これのどこに「政治的なメッセージ」があると言うのでしょうか。
 
 想像するに中国や韓国からの「軍国主義の象徴」とかいうイチャモンの類でしょうか。
 はぁではなんですか、イスラム社会とか中国もよく言ってますが、「米帝主義」という言葉をそのまま受け取れば、スターズアンドストライプス、つまりアメリカ国旗の星条旗ですね、これも「軍国主義の象徴」になり、サッカー協会は禁止すると言うのでしょうか。
 戦争を経験したコトある国であれば、全ての軍隊は自らの国の国旗を掲げて戦うのは当然です。
 中国だって韓国だって、自らの軍隊は全て今の国旗を掲げて他国の兵士を殺しています。
 韓国軍がその国旗をバックにベトナムで何をしたのか、忘れてたとは言わせませんよ。
 では別視点で見て、例えば中国とかベトナムとか共産主義国の旗っていうのは基本的に「赤旗」の上に星や碇のマークをあしらっているものですが、赤旗そのものが共産主義のシンボルマークです。
 日本共産党の機関誌も「赤旗」って言いますよね。
 そう考えれば、中国などの国旗の方がよっぽど「共産主義」という「政治的なメッセージ」が込められていると言えるのではないでしょうか。
 
 まぁこんなコトを言い出したキリがないワケですよ。
 そのメッセージのためだけに作られた旗やシンボルであればまた別なのかもしれませんが、さきほど言いましたように旭日旗はかなり以前から歴史的に使われているモノで、ましてそのデザインは「太陽から日が差している様」のモノであり、日の丸とまったく基本思想は変わりません。
 「日出ずる国」ですね。
 確かに過去にそのデザインが様々なところ、例えば軍隊とかに使われたコトはありますが、それはその民族の基本思想に基づいているデザインであれば、その民族が軍隊をはじめとした様々な場面で使うのは半ば当たり前のお話です。
 例えば十字軍で旗として使われたから十字架は戦争の象徴だって言いますか?
 そしてそういうシンボルマークはなにも戦争だけに限りません。
 スポーツの場だって、その1つです。
 戦争やスポーツに限らず、国というカテゴリーで何かをする場合は、それは古今東西どこでもずっとですね、その「民族に根付いているシンボルマークを旗として掲げて戦う」という行為は普通のコトなのです。
 むしろ戦争などの歴史の一部分だけ歴史から切り離して取り出して、この部分があるからダメだと言う方が「思想の押しつけ」なのです。
 見るべきは、そのシンボルマークがどこから生まれ出たのかという部分です。
 そのデザインは、「その民族の基本思想に根付いているからこそ長年歴史と共に使われ続けてきた」のです。
 この基本思想を尊重しない方が思想の押しつけというモノでしょう。
 
 さてでは日本サッカー協会はどのような理由でこのような「押しつけ」をしてきたのでしょうか。
 だいたいにして言い訳がましいですよね。
 「組織委は「職員による拡大解釈があった」と説明している」「別の職員がホームページ上の記載に気づき、「禁止はおかしいのではないか」と問題視」って。
 もしこの言い分が正しいとしても、では決定権を持っていない一職員が公式サイトの規約を自由に改竄出来る体制になっているというコトですから、それはさらに問題だと言わざるを得ません。
 そもそも問題を指摘したのはネットじゃないですかと。
 しかもこれは憲法問題にすら関わる問題のハズなのに、いま現在の日本サッカー協会サイトのトップページには、訂正や謝罪のコメントやリンクが一切ないのです。
 ここまでの大事件をしておいて、ある意味日本国民の誇りを傷つけたのにも関わらず謝罪もせずなかったコトにしようとしているのです。
 
 よってもう、日本サッカー協会はこういう組織だと言うしかありません。
 サイトに公開したのですから、サイトにキチンとケジメを付けない限りは、日本サッカー協会はそういう組織です。
 日本サッカー協会は個人的思想を押しつける組織なのです。