あさって解散

 ええっと、突然すぎて何がなんだかってところなんですが、あさって衆議院は解散されるようです。
 もう説明するまでもないと思いますが、今日の国会での党首討論において、野田総理が安倍自民党総裁に対して「定数削減を次の通常国会でやると約束すれば、あさってにでも解散する」と言い、安倍総裁もすぐにそれに呼応したコトで、もはやあさって解散が事実化しているというのが今です。
 あれだけ「具体的な日にちは挙げない」と言っていた野田総理ですが、いったいどうしたんでしょうかね。
 そこまで追い詰められたってコトなのでしょうか。
 
 いまのところ1つ言えるコトは、これは野田総理の壮大な自爆テロってコトです。
 
 野田総理の菅直人じみた解散のための条件の最後に、憲法問題とは一切関係の無い国会議員定数削減を出してきました。
 つまり、定数削減やるなら解散してやるよっていう、いまさら条件を出せる身分では無いくせにの逆ギレ条件提示ですが、しかしそれが総理大臣という立場の強いところ、野党もここに乗らざるを得なくなったワケですね。
 でここで重要なのが、定数削減っていうモノが国民の大部分において無条件正義になっているという点です。
 やえはここで何度も安易な定数削減は民主主義の根幹の破壊と警鐘を鳴らしているところですが、しかし国民の中ではもはや定数削減は理由がどうであれ正義となってしまっています。
 ですから野田総理としては、この風潮を最大限利用しようとしているのでしょう。
 定数削減と言えばとかにく支持されるのですから、後が無い野田総理としてはこの風潮に迎合して活路を見出そうとしているのだと思われます。
 他の点についてはもはや何をやってもダメな野田内閣と民主党ですが、とにかくここだけを強調するコトでせめてなんとかならないかと、負けるにしてもその傷が浅くならないだろうかと、そういう思惑なのだと思われます。
 
 正直、戦術としては悪くないとは思います。
 議員定数の削減が国民の中で無条件正義となっている中では、これを全面に出すというのは、選挙という戦いの意味だけで考えれば、悪くない戦術です。
 ただし、こんなのは国会や民主主義の私物化ですよね。
 議員の定数については、そもそも削減すべきだけなのかという点も含めて、選挙制度の問題もありますから、そんな簡単に答えを出していい問題ではありません。
 まして選挙の条件にしていい問題では決してありません。
 憲法問題は時間との戦いですが、そうでない部分の定数や選挙制度の問題についてはいくらでも時間をかけていい、言い方を変えれば選挙制度を変えなくても問題というべき問題はないのですから、それでいいのですから、ただ単に国民の「議員をネタにして溜飲を下げる」という自己満足以外の急ぐべき理由なんてないのですから、ここは本来じっくりと議論しなければならないのです。
 削減だけではない、むしろ増やす方向も見据えながらの議論が必要なのです。
 
 ですからこの野田総理の行為は自爆テロなのです。
 何も生み出しません。
 本来、その意義という面から、削減ありきではない根本からの議論をすべき問題なのに、野田総理がこうやって選挙のための人質にとってしまったがために、その議論がおざなりになりかねません。
 ただ解散をするために削減しよう、ただ選挙するために早く法案を通そう。
 本当に国家国民のためにはどうすべきなのかっていうのが全て置き去りになってしまっています。
 こういうのは良くないとやえは思います。
 
 まぁとにかく選挙になりそうですね。
 はてさてこの先どうなるのでしょうか。