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TPP:反対論を考えてみる 5


 5回にもなりましたこのシリーズ、とりあえず今回で最終回にしたいと思います。
 コメントもたくさんいただきましたので、次回はコメントレスをさせていただきます。
 
 
5.アメリカの法律で裁かれるようになる
 
 もうかなり暴論というか、根拠の無い妄想論としか言いようがありません。
 どうもこの論の根拠としては「国内法より海外との条約の方が優先させられる」というモノがよく挙げられているようですが、確かにこの一文だけなら間違いではないのですけど、でもそれを拡大解釈しすぎです。
 TPPは関税ゼロにするコトを定める条約です。
 ですからこの条約を結んだ後に、国内法として「関税を課す」というモノを作ったとしても、これは無効ですよって言うのは正しい認識です。
 でもここまでです。
 例えば昨日の例で言えば、アメリカの製薬会社の薬を迅速に売りたいからとTPPを理由として日本の許認可制度を撤廃しなければならないという理屈にはなりません。
 TPPと日本の許認可制度法との間には何ら因果関係がありません。
 よって「TPPが根拠となって」の許認可制度撤廃はあり得ないのです。
 
 ただし、として2つあります。
 1つは、やえはいまのところTPPは関税ゼロの条約だと認識していますが、それ以外にも何か強制力を持つ形での中身がある場合はまたお話が違ってきます。
 しかしいまのところそんなお話は聞いたコトが無い(例外として誤解されているISDS条項がありますが、それは次の項目で)ですから、いまのところはそれを前提にお話を進めています。
 ですからもしそういうのがあれば、ぜひ具体的に教えて欲しいです。
 
 もう1つは、アメリカが日本の法律に注文を付ける、その求めるという行為自体は誰にも止められないというコトです。
 逆に言えば日本からだってアメリカに注文つけるコトはできるのですからね。
 それを言われた方が受けるかどうかはともかくとして、他国に注文を付けるという行為は、それ自体を制度反対にする論拠とはなり得ないでしょう。
 それはただの外交なのですからね。
 ここは批判する際にキチンと分けて考えるべきコトです。
 
 ものすごくバカバカしいお話で、日本のアダルトビデオがアメリカ準拠になってモザイクが無くなるとかいうお話をどこかで見ましたが、でもですよ、確かに日本の国内法がTPPのもとに全てアメリカナイズされるというのでしたら、これは正しいコトになります。
 バカバカしいと思いませんか?
 そもそも「アメリカの法律に」っていうのがおかしいんですよ。
 TPPは締結国全てに対して等しく適用されるモノであって、その条約に「アメリカの国内法が最優先させられる」とあるなら別ですが、そんなコトはあり得ないワケで、であるなら「アメリカの法律で」と言うのはおかしいんですよ。
 なぜ他の国の法律が上だとかにならずに、いつも常に「アメリカ」なのでしょうか。
 ちょっと陰謀論すぎる気がします。
 
 
6.ISDS条項が危険
 
 最後です。
 これは以前にお話しましたように、「条約を破った場合、被害を被った投資家がその国の裁判所に依らずに直接国家に対して損害賠償を求めるコトができる」という内容の条項です。
 例えば日本のA社と韓国のZ社との取引の中で、Z社がTPP違反をしたためにA社が被害を被った場合、ISDS条項がなければ、A社は勧告の裁判所にZ社を訴えなければならないコトになります。
 しかしこの場合、果たして本当に公平公正中立な裁判が成されるでしょうか。
 しかしISDS条項があれば、A社は直接韓国に対して賠償を求めるコトができますし、そしてその訴えは第三国で行うコトが可能なのです。
 これがISDS条項です。
 
 なぜかこのISDS条項が、アメリカの法律に従わなければならなくなるという論拠として挙げられるコトがあるのですが、それは大きな誤解です。
 普通に調べれば普通に出てきますし、この前国会でもそのような説明がされていたようですから、ここはキチンと冷静に受け止めておくべきでしょう。
 
 そしてもちろん、これは貿易が成された後のトラブルに関する条項ですから、その前段階での貿易のルールに影響を与えるモノではありません。
 ISDS条項があるからアメリカに有利とか、そういうお話にはならないんですね。
 TPPに則って正しく履行されるための「セイフティーネット」なのですから、これを理由にTPPのシステムに関する批判をするのは不適切です。
 ISDS条項が不公正な内容になっているのでしたら批判はあってしかるべきですが、ISDS条項の存在がTPPのルールに影響を与えるかのような言い方は間違いなのです。
 
 
 さてこれでとりあえずこのシリーズはこれで終わりにしたいと思います。
 やえも調べながら書いているのですが、調べて思ったコトは、やっぱりデマや流言がけっこう多いというコトでした。
 やえはこういう風潮は大嫌いです。
 いつかの人権法や国籍法の時のコトを思い出します。
 反対するのはもちろん自由ですが、しかしその論拠にウソを使ってはいけません。
 そうした時点で、その主張さえもウソになります。
 ここを分かって欲しいです。
 決して「目的のために手段を選ばなくてもいい」とはなってはいけません。
 それはテロリズムの考え方だというコトは理解しておくべきでしょう。
 
 ぜひともこれからもTPPに対するご意見をいただればと思います。



コメント:3

せい 13-04-06 (土) 0:17

反対論に対するウソ・捏造が多い事は分かりました。
しかし、私としては、納得できるメリットが示されていないという理由だけで、すでに賛成する理由がありません。中国包囲網、10年で10兆増、コメの関税などどれも反論の方が説得力を感じ、魅力を感じませんでした。
そもそも自分はグローバリズムがリーマン・ショックで終わったという認識を持っており、関税を0にするTPPの目的自体、「世界経済の政治的トリレンマ」というものを参考に、これからの時流に反するものと思っておりますゆえ。

nao 13-04-06 (土) 0:32

>例えば日本のA社と韓国のZ社との取引の中で、Z社がTPP違反をしたためにA社が被害を被った場合、ISDS条項がなければ、A社は勧告の裁判所にZ社を訴えなければならないコトになります。

これちょと誤解があるようで、ISDS条項は投資家同士の紛争の解決のためではなく国家to海外投資家での不利益取扱いについて紛争の解決を行なうためのルールを定める条項ですよー
詳しくは外務省の

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/pdfs/tpp20120327_06.pdf

ここでどうぞー

ぷぺー 13-04-06 (土) 13:01

元々は民主党政権下で発生した問題という点もあるでしょうね
あの馬鹿共が絶対にまともな外交など出来るわけもない、むしろ喜々として日本のマイナスを選ぶ=アメさんの言いなり
丁度当時のアメリカはどん底で日本をしゃぶりつくすTPPに活路を見出した、みたいな話もありました
そういう危機感がかなり強かった時期という事は背景にあると思います。
 
アメリカさんが住民犠牲にしたガスで生き返りダウが上がってきたし、日本も安倍自民になってまともな外交が期待できる状況なので
当時とはまた変わってきたと思うのです。
いまだにメリットはいまいちわかりませんがデメリットの懸念は薄まってきたのではないでしょうか。
結局本当の所は何が狙いで日本にとってどういうメリットがあるのか、アメリカや他の国にとって何があるのか。
そういったものを国民にはっきりと知らせて欲しいですね。
過去の経緯が不安だらけだった事から、今この件で必要なのは国民の安心感ではないでしょうか。
その安心感が明示されないからこそやましい所があるんだと勘繰る心理もあると思います。
知らせて良い事なら知らせるべきなのです。知らせて悪い事なのだとしたら懸念が事実だったという事ですしね。

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