シリーズ「ネット選挙で一般人が出来るコト」-概要編- 1

 あまおちさんがツイッターでネット選挙に関するコトを発言したら、思いの他反応が多くて、ネット選挙解禁に際して候補者やその関係者以外の一般人としては何が出来るのかっていう点についての情報に需要が多そうだというコトが分かりましたモノで、やえも、あまおちさん監修の元にネット選挙についてまとめてみようと思います。
 やえも調べながら勉強しながら聞きながら書いていきますので、もし間違い等があればご指摘下さい。
 一応万全を期しているつもりではあります。
 
 また、まずは法律的な面からのネット選挙解禁の概要を書きます。
 なぜそうなのかという論拠の部分ですね。
 それが一通り終わったら、次に「実践編」として、具体的にどんな活動ができるのかを書いていきます。
 もし法的根拠なんてどうでもいい、とにかく出来るコトを教えてくれっていう人は、実践編が分かりやすいと思います。
 けっこうな分量になると思うので、ゆっくり、でもできるだけ早く書いていきますので、よろしくお願いします。
 
 
シリーズ「ネット選挙で一般人が出来るコト」-概要編- 1
 
1.ネット選挙が解禁となっても公職選挙法の中身については変わっていない
 
 まず大前提としてのお話として、選挙期間中やそうでない期間において、選挙に関する様々な規制が公職選挙法で定められているワケですが、今回のネット選挙解禁が法改正で成ったとしても、それはあくまで「今まで出来るコトがネット上でもできるようになる」というコトでしかないというコトを確認してください。
 
 例えば、元々公職選挙法においては未成年の選挙活動は禁止となっていますから、未成年が選挙カーに乗って「○○をお願いします」とか言ってしまうのは公選法違反となります。
 単純労務と言って切手を貼るだけとかそういう行為であればOKなのですが、一般的に想像されるような「選挙活動」は未成年は出来ないコトになっています。
 そしてこれはネット選挙が解禁されたとしても同じコトです。
 ネット選挙が解禁となったら選挙期間中には「○○に一票を」と言うコトは合法となりますが、この行為というのはあくまで「選挙活動」となりますから、未成年がこれを行うコトは違法となります。
 つまり十四歳であるやえが、いくら選挙期間中だとしても「○○党に投票すべき」と言ってしまうのは、これは違法行為なんですね。
 ですからやえは参議院選挙の時も、そんなコト言いません(笑)
 
 ネット選挙は、新しい概念を作り出す法律ではありません。
 単に「今まで出来ていたコト(出来ないとされているコト)がネット上でも適用される」というだけなのです。
 ですから、ネット選挙を理解するためには、今までの公職選挙法をまず理解する必要があります。
 ネット選挙解禁を「ネット上では何やってもOKとなった」と勘違いしてしまうと、いつの間にか公選法違反になってしまってましたなんてコトになりかねないですから、ここは注意したいところです。
 
 
2.ネット選挙とは「ネット上で投票できる」ワケではない
 
 これ以外と多い誤解のようなので、一応念押しのために書いておきます。
 今回のネット選挙解禁は、投票用紙を持って役所などに足を運んで候補者の名前を書いて投票する行為から解き放たれた、家にいながらネット上で投票できるようになるシステムが導入されたワケではありません
 この夏の参議院選挙も、投票自体は、郵送されてくる投票用紙を持って役所などに行って候補者の名前を書いて投票する、いつもの方式で投票する必要があります。
 もちろんこのまま法改正がならなければ、次の衆議院選挙もです。
 
 将来的には、ネット上から投票するように出来るシステムが構築されるかもしれませんが、少なくとも今は違いますので、誤解しないようにしましょう。
 今回の「ネット選挙解禁」とは、「選挙活動」がネット上でできるようになる、という意味です。
 ですから、もっと正確に言うなら「ネット選挙活動解禁」と言った方が適切なんでしょうね。
 
 
3.選挙期間前に出来るコトは今までと全く変わらない
 
 1で「ネット選挙が解禁となっても公職選挙法の中身については変わっていない」というお話をしましたが、つまり選挙期間前に出来るコト(やってはダメなコト)は今までと全く変わっていませんから、選挙期間でない期間は今まで通り出来るというコトになります。
 今回のネット選挙解禁の法改正とは、あくまで「選挙期間中に出来るコトをネット上でもできるようにした」だけですから、これまで出来ていたコトはもちろん変わらず出来るワケです。
 当サイトも含めて政治についてネットでは色々な言説が飛び交っていますが、これは公選法でなんら制限されていたモノではありませんから、ネット選挙解禁となったとしても、何に影響されるコトなく今まで通りというワケです。
 ですから選挙期間に入るまでは、いままでなにか意識して活動していた人は気にせずそのまま活動すればいいんですね。
 
 ただ注意すべきコトは、ネット選挙解禁となったために実社会で活動するより意識的なハードルが低くなったせいもあって、よりネット上で選挙活動を行おうと意識して活動する人が増えるのではないか、その結果として、選挙期間中にしか出来ないコトまでを選挙期間外で行ってしまう可能性がある点は注意が必要です。
 注意すべきは、「ネットでは何をやってもOK」ではないというコトです。
 意味としては1の「ネット選挙が解禁となっても公職選挙法の中身については変わっていない」と同じで、公職選挙法に禁止されている行為はネット上でもダメなのであって、当然として選挙期間中以外に禁止されている行為はネット上でも禁止なのです。
 
 例えば「投票依頼」です。
 「○○候補に一票を」というセリフは「投票依頼」であり「選挙活動」です。
 ですから、このセリフをネット上に書くコトも、選挙期間中ならOKですが、そうでない期間(6/20現在もそうです)は違反となります。
 「○○党に投票しよう」も同じです。
 もし選挙期間以外の日にツイッターで「次の参議院選挙には必ず○○党に投票しよう」と言ってしまうのは選挙違反となりますので、ここは明確に注意すべき点です。
 
 では何が出来るのか、というのは実践編で書いていこうと思いますが、少なくとも「選挙期間前は今までとは変わらない」のであるワケですから、政党や現職議員がネット上で行っている活動と同じコトは出来るというコトです。
 ですから、政党がネットにアップしている記事やブログなどを紹介したりリンクしたり、ツイッター上でリツイートするコトは、基本的には何ら問題の無い行為だと言えるワケです。
 たまに公選法が分かっていない議員がいたりして、それ公選法違反行為じゃないんですか?なんてコトをやってる議員もいたりするので100%安全とは言い切れませんが、まぁ基本的にはOKです。
 
 よって「選挙前には何が出来るの?」という質問に対しては、「普段の政治家の活動を紹介する」っていう答えが一番無難で、そして最も効果的な活動だと言えます。
 これは「政治活動」の紹介です。
 「政治活動」と「選挙活動」は別モノで、政治活動の紹介さえ禁止であれば、国民は普段の政治家の活動を知るコトが出来なくなってしまうのですから、政治活動の紹介は全く問題はないのです。
 よって贔屓な政党や政治家がいるのであれば、ネット上で積極的に「政治活動」を紹介すればいいでしょう。
 
 もちろん他の法律にも気を遣いながらです。
 国会議員が載せた写真であっても、著作権は写真を撮った人や制作者にあるのですから、無断でそれを流用するコトは著作権違反になります。
 例えばよく誤解されているところですが、公務中の国会議員自身には肖像権は無いコトになっていますが、しかし「政治家を写した写真」には著作権があります。
 やえが安倍総理を自分のカメラで写してネットにアップしたとしてもやえ自身は合法ですが、もしその写真を誰かが勝手に流用して自分のサイトにアップすると、その行為は「やえに対する著作権違反」になります。
 ここは注意しなければなりません。
 こういう公選法だけでなく全ての面でのコンプライアンスに注意しながら活動していく必要があるワケです。
 
 
(つづく)