ワタミを自民党に連れてきたのは河村選対委員長?

 今日はこちらのコメントにレスです。
 

 アントンは個人的にはネタ枠として許せるけど、他の2人は酷いですよね。
 山本太郎なんて放射脳すぎて日本出て行くとか高らかに叫んでいた愛国心もないアホなのに。
 こんな軽薄なアホが議員になっているだけで不快です。
 なんか選挙違反しまくってるらしいのですけど、取り消しになったことってあるんですかね。
 スルーされまくってた当てにならない法律って印象なんですが。
 ある筋の情報によればワタミを公認したのは選対委員長の河村建夫氏だそうで・・・。
 親韓だの親中だのっていう議員はろくな事をしませんな。
 
 とりあえず選挙の日は池上さんの番組が鉄板で面白いと思いますw

 
 選挙違反の件については後日また詳しく取り扱うとして、今日は「ワタミを公認したのは選対委員長の河村建夫氏だそうで・・・。」について一言言っておこうと思います。
 
 これ、噂の出所についても一応調べたんですが、ちょっと恣意的な言い方かなと思っています。
 かなり表現の仕方の問題になるんですが、例えば「ワタミを公認した」と表現する場合と、「ワタミを自民党に紹介した」「自民党に連れてきた」と表現する場合では、厳密性において意味合いが違ってきます。
 多分パッと見た感じではどちらも同じような印象を受けると思いますが、この場合「公認した」という言い方だと逃げ道があるんですね。
 おそらく「ワタミを公認したのは選対委員長の河村建夫氏だそうで・・・」と言ってる方は、ほとんど「ワタミを自民党に紹介して立候補させたのは河村委員長だ」というイメージでもって語っているんだろうと思うのですけど、しかしこの場合、文字にした時の厳密な意味と、頭の中に浮かんでいるイメージとはかなり乖離してしまっているんですね。
 結論から先に言うと、これだけでは「ワタミを自民党に紹介したのは河村委員長だ」と断言できるほどの論拠は存在しないのです。
 
 河村委員長がその職権によってワタミの人を公認したのは事実です。
 だって自民党選挙対策委員長ですから、委員長の裁可がなければ公認されません。
 特にいまの「選対委員長」は三役クラスとされていて、権限がかなり強化されていますから、選対委員長の裁可無しに自民党で公認を受けるコトは、おそらく幹事長職権を持っても難しいと思われます。
 よって「河村委員長がワタミを公認した」という表現は間違いではありません。
 
 しかしこれがイコールで「自民党に紹介した」というコトにはなりません。
 立候補者がどうやって自民党と縁が出来たのかっていうのは、これはもう人それぞれすぎて一概には言えません。
 親が政治家であれば紹介される必要はないでしょうし、秘書さんでも同じですね、でもそうでない場合は様々な縁によって自民党と繋がりを持って紹介されるコトでしょう。
 例えばある地方の名士の人なら、その地元選出の国会議員や地方議員さんの紹介によって自民党公認への手続きを踏むとか、なんらかの仕事上の付き合いで自民党の議員と繋がりができたとか、大臣の時に直接仕事の関係を持った官僚さんとか、様々な繋がりが考えられます。
 あの杉村タイゾーさんは、自薦で自民党に連絡を取って、まぁそこまで言うならと比例名簿の最下位にお情けで入れてもらったら、たまたま自民党が大勝してしまったために予想外に議員になってしまったというのは有名なお話ですよね。
 このように、「自民党との間に縁を作るキッカケとなった人」と、その先の党内手続き論としての「公認した人」というのは必ずしも一致しない、むしろ一致しないコトの方が多いと言えるのです。
 特に自民党の場合、選挙区の候補者は、まず都道府県連(自民党の地方支部みたいなもんです)が先に党本部に公認申請するコトになっていますから、最初の最初のキッカケは、党幹部でない場合の方が多いと言えるでしょう。
 
 今回のワタミの人は比例のお話ですが、では衆議院の単独比例だったタイゾーさんの例をとれば、「公認した」のは当時の自民党幹事長の武部さんの職権によって公認されたワケですが、しかし「自民党に紹介した」という人は存在しない(飛び込み自薦)ワケですから、確かに「武部幹事長が公認した」という言い方は間違いではありませんが、しかし「武部幹事長が自民党に連れてきた」と表現するのは間違いなワケです。
 それなのに「公認した」という事実だけをもって「タイゾーは武部幹事長が連れてきた」と言ってしまうコトは、この例からハッキリと間違いだと言えるワケですね。
 当然タイゾーさんだって、最初は「自民党公認」だったのですから。
 つまり同時に、ワタミの人の件についても、河村委員長が「公認した」という書き方では間違ってはいませんが、「最初のキッカケ」とか「強い後押しがあって公認された」とか、そういう意味での河村委員長の影響があったとは、噂の出所の論拠からは全く断言できません。
 この噂の出所の論拠は「河村先生が選対委員長だ」というのと「河村先生が親韓的だ」というモノだけでお話を進めているようですが、この2つでは「ワタミを連れてきたのは河村委員長だ」と断言できる論拠には一切ならないのです。
 選対委員長だけが推薦できるっていうのでしたらまだしも、そんなコトは事実として無いワケですから、最初にワタミの人を自民党に紹介するキッカケを作った人が別に存在する可能性は、これだけの材料では否定できないのです。
 もちろん河村先生がキッカケの可能性も否定できませんが、少なくとも断言する材料にはならないというコトです。
 まして「親韓的だ」というのは言うまでもなく一切断言の材料にはなりませんね。
 
 「公認」というお話であれば、さらに自民党幹事長や総裁の方が権限は上です。
 簡単なお話、選対委員長が裁可を出しても総裁がそれを否決すれば、公認はされないでしょう(選対委員長の権限が強くなっている今は逆もしかりだと思われますが)。
 組織上、幹事長と総裁は党運営の全ての責任者となっているのですから、全ての後任者は幹事長も総裁も裁可を必ず出しているのです。
 ですからワタミの人も「石破幹事長から公認を受けている」「安倍総裁から公認を受けている」という言い方も事実としてできるワケです。
 よって「選対委員長だから」という論拠だけで「連れてきた」と表現できるのであれば、「ワタミは石破幹事長が連れてきた」とか「ワタミは安倍総裁が連れてきた」という言い方もできてしまうコトになります。
 こんな書き込みもあったりします。
 

 【悲報】渡邉美樹ワタミ会長の自民党比例区擁立は安倍首相直々の要請だったことが判明
 
 自民党は31日、夏の参院選比例代表に
 新人で飲食店チェーン・ワタミ会長の渡辺美樹氏(53)を公認した。
 同党の公認候補は選挙区49人、比例31人の計80人となった。
 
 渡辺氏は公認を受けて党本部で記者会見し、
 4月に安倍晋三首相と都内で会食した際に出馬を要請されたと説明。
 豊富な事業経験を挙げて
 「経済や教育、福祉分野で必ず役に立つことができる」とアピールした。
 
 渡辺氏は2006年の第1次安倍内閣で教育再生会議のメンバーに就任。
 11年の東京都知事選に出馬した際は民主党都議団の支援を受けたが、
 石原慎太郎氏に敗北した。

 
 これだけ見れば「ワタミを自民党に連れてきたのは安倍総理」と読めなくもありませんよね。
 まぁこれも結局印象操作であって、文字上の厳密な意味と、文字を読んだ上でのイメージとが乖離している例です。
 さっきも言いましたように、最終的な公認の決定権は総裁にあるワケですから、このワタミの件が「下から上にあがってきた」ので、最終面接的な意味で安倍さんが会食をしたっていう可能性も、この文面だけで判断するなら、十分にあるワケです。
 というか、たぶんそうでしょう。
 もちろん本当に安倍さんが誰の紹介でもなくワタミの人を勧誘した可能性は否定できません。
 でも同時に、これだけをもって「ワタミの人は、誰からの紹介でもなく安倍さん本人が直々にオファーした」と断言するだけの論拠にもならないってコトなのです。
 安倍さんに会わせる前にワタミの人とコンタクトをとっていて、安倍総裁との最終面接的な会食という場をセットした仕掛け人が存在する可能性は、この文面だけでは否定できないコトなのです。
 
 ワタミの人に対する評価は人それぞれあっていいと思います。
 けど、ワタミの人を最初に自民党に紹介した人が誰なのかは、これはちょっと分かりません。
 立候補者の選定というのは党勢に直接関係してくるモノですから、自薦他薦を問わず様々なチャンネルによって党や党幹部にオファーがあるでしょう。
 ですから、そこを全て知ろうとするのはかなり難しいコトです。
 ただその上で、決定権という意味においては、役職からかなりハッキリさせるコトができます。
 自民党の場合は、河村選挙対策委員長にも決定権と責任はありますし、石破幹事長にも当然ありますし、なにより安倍総裁は党のトップとして一番重い責任があるというのは言うまでもないコトです。
 もし、これらの事実を無視して公認したっていうだけの論拠を持って河村委員長だけの責任を押しつけるような言い方をするのであれば、それはあまりにも現実を無視した無責任な物言いだと言わざるを得ません。
 ここはシッカリと確認しておくべきところでしょう。