特定秘密保護法騒動のまとめ

 今回の騒動をまとめると、『マスコミが煽ってデモ隊が付けた火にまんまと乗っかってパフォーマンスに明け暮れた野党が起こした大騒動だった』と言えるでしょう。
 
 マスコミと国会周辺のデモ隊がちょっと大騒ぎすれば、それが国民の総意だと勘違いしてしまう民主党をはじめ、維新の会もみんなの党も、いったい何事なんでしょうかね。
 というのも、やえはキチンと記録しているワケで、ちょっと前までは秘密保護法の問題なんてたいした政治問題じゃなかったんですよ。
 前も話題にしましたが衆議院で可決する前の段階では、この法案はまず自民党が公明党と協議して与党案を作り、その後、野党である維新の会とみんなの党とも協議して、与党案を修正して「与野党修正案」を作るに至ったんですね。
 これ、協議の段階とかいうお話じゃないんですよ。
 「合意した」お話だったのです。
 つまり維新の会もみんなの党も、そりゃ妥協などはあったでしょうけど、その上で自らの議席数に応じた国民の声を反映させるべく、自らの案の一部を法案に盛り込むことで、「納得して」「合意した」んです。
 さらに言えば、結局最後は闘争のための闘争に逃げた民主党ですら、最初は「修正協議に入る段階」までには至っていたのです。
 実際実務者同士で修正協議も行ったと見受けられます。
 民主党でさえ、この法律の必要性は感じていたワケなんですよ。
 まずこの騒動についての前提条件として考えなければならないのは、一時期とはいえども、共産党と社民党を除く全ての政党が、部分部分は不満を持ちつつも、しかしこの手の法律は作らなければならないモノだという共通認識を持っていた法案だと、さらに言えば、実際その動きまで見せた法案だというコトをしっかりと認識しなければなりません。
 いちいち民主党政権時代のコトを振り返ったり画像を張るまでもなく、衆議院の採決直前までは、ほぼ全ての政党が「必要な法案だ」と認識していたモノが特定機密保護法案だったのです。
 
 しかしマスコミの必死のあおりに呼応したデモ隊が、ついに民主党に火を付けるコトに成功しました。
 それがいよいよ衆議院の委員会採決直前でおかしくなったのです。
 そしてギリギリの時間闘争と、会期末大騒動にまで発展してしまったのです。
 
 でもですね、ここでちゃんと「騒動が起きる前は全党が理解していた法案だ」という事実を踏まえておけば、違う事実が見えてきます。
 維新もみんな民主もも「与党の手続きが丁寧ではなかった」「審議時間が足りない」という2点を御旗の錦にしてこの法案や自民党を批判していますが、これらはまったく当てはまらない、つまり言いがかりにしかなってないコトが分かるのです。
 与野党の修正協議と合意ですが、実はこれは、まず与党案が衆議院に提出されてある程度審議した上で持たれた協議と合意なんですね。
 それは民主党などが「修正案は数時間しか審議してない」と言っていたコトから見えてきます。
 逆に言えば、40時間ぐらいは「与党案のままの法案」を審議していたコトになりますからね。
 つまりですね構図としては、40時間もみっちりと与党案を審議した上で、議論した結果として、維新の会やみんなの党や民主党との意見の違いがどこにあるのかが見えてきたから修正に至った、と言えるワケです。
 国会審議の結果「ではここが意見対立のポイントですから、ここの意見の溝を埋めましょう」というコトになって行ったのが修正協議ですよね。
 まとめますと、「与党案を野党と国会で協議し、その結果浮き彫りになった相違点を修正協議で埋めた」というのが、騒動直前の国会の動きだったのです。
 
 あれ?
 これのどこが「審議時間が短い」のでしょうか?
 
 いつも言ってますが、長い短いなんてモノは相対的でしか言えないモノですから、何と比べて長い短いと言っているのか比較しなければならないですが、ただここでのポイントは、「一度国会で審議した後に、各党が持ち帰って、修正協議している」という点です。
 維新の会もみんなの党も民主党も、国会で審議した後、一回党内に持ち帰って修正協議に臨んでいるんですよ?
 もしですね、本当に「国会の場で審議時間が足りない」と最初から思っていたのであれば、「一旦持ち帰って、修正協議をする」なんて行動には出ないでしょう。
 本心から審議時間が足りないと思うのであれば、「まだ修正協議する段階ではない」という言葉が出るハズですよね。
 でも実際の行動は、「持ち帰る」であり、さらに「与党と修正協議」をして、さらにさらに維新とみんなは「合意」までしているのです。
 
 いったいぜんたい、この「事実」を前にして、なにがどう「時間が足りない」と言うのか、やえにはさっぱり理解できません。
 
 そしてこの事実を前にすれば「与党の対応が丁寧ではなかった」という批判も、まったくの的外れというコトが分かるでしょう。
 自民党は、最初はキチンと時間をとって国会で審議を40時間やって、その後、そのまま採決するんじゃなくて、ここがポイントです、衆参どちらも自民公明で過半数を採っているのですからやろうと思えばそのまま採決しても全く問題はなかったのに、それでも出来るだけ多くの党ににも賛成してもらおうと、わざわざ修正協議の場を作ったのです。
 ましてアリバイ作りのためだけの「場」ではなく、キチンと「合意」という結果まで出しているのです。
 それは「自民党も妥協して自らの主張を一部は取り下げまで野党の意見を取り入れた」というコトですよ。
 これがねじれ国会ならまだ「法案を通すため」という理由にもなりますが、いまは違いワケですよね。
 野党なんて放っておいても法案は通るのです。
 つまりこれはもはや「丁寧に法案を審議するために行った協議と合意だった」としか言いようのない、それ以外の理由はまったく見つからない対応だったと言うしかないじゃないですか。
 これのどこが「丁寧ではなかった」のでしょうか。
 民主党政権の方がよっぽどか、野党無視で形だけの審議のまま、数時間で採決なんてザラだったじゃないですか。
 どの口で「丁寧じゃない」なんて言えるのでしょうか。
 
 むしろ自民党の視点からすれば、自分は丁寧にやってきたつもりだったのに、ある日突然いきなりちゃぶ台をひっくり返されたと感じたかもしれません。
 やえならそう思わざるを得ませんよ。
 そしてそれは、「丁寧ではない」どころの騒ぎではなく、もはやこんなのは「裏切り」ですよね。
 自民党の目からは、維新やみんなが「裏切った」としか映らなかったのではないのでしょうか。
 合意をした後のちゃぶ台返しなんですから、それは当然だと思います。 
 そう考えれば、もはや自民党に残されている手段は、強引でも前に進めるしかなかったのではないのでしょうか。
 だっていくら「協議」し「合意」したところで、どうせまた裏切られるとしか思えないのですからね。
 いつかの三党合意が思い返されるコトでしょう。
 こう考えれば、もはや「丁寧ではない」という言葉は、批判のための批判の材料でしかないと言わざるを得ないのです。
 
 なぜ維新やみんなはちゃぶ台をひっくり返したのかと言えば、それはもう「マスコミに屈した」としか言いようがないでしょう。
 もっと言えば、大騒ぎする人達に対するパフォーマンスだったのです。
 そうすれば自分たちへの支持が集まると思ったのでしょう。
 まぁ実際大騒ぎしていた人達から(デモ隊には中核派もいたとかいうお話ですが)は支持を得られたのかもしれません。
 でもそのために起こしたコトというのは、与党に対する「裏切り」と、無用な国会の混乱です。
 こんなものはもはやワガママとしか言いようがないのではないでしょうか。
 
 民主党政権によってちょっとは野党もマスコミもマシになるかと思いましたが、大変残念なコトですね。
 相も変わらずマスコミに振り回されるのですから。
 こんなコトを繰り返しているようでは、また「第二の民主党政権」が誕生してしまいかねません。
 それを止めるのは国民自身というコトを忘れないようにしなければならないでしょう。