なぜNHKが一個人の意向で行動を決定させるのか

 歌手の小林幸子さんがコミックマーケットにサークル参加したというコトで、ここ数日ちょっとした話題になっていました。
 

 小林幸子、コミケ86に「降臨」 建物の外まで続く長蛇の列
 
 東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の日本最大級の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)86」が最終日を迎えた8月17日、歌手の小林幸子さんが初めて参加した。今年でデビュー50周年を迎える大御所らしく、コミケ初参加ながらも人気サークルが配置される“壁サークル”として扱われた。小林さん自らがブースに立ち、ミニアルバムCD「さちさちにしてあげる♪」を販売した。

 
 これ自体は特に何かあるってワケじゃなくて、小林さんみたいな大物がコミケに出るっていうところが場代を感じるところではあるんですが、やっぱり自由に表現を公開できる場っていうのは、そもそもネット自体がそういう場でもあるワケで、これだけ広く普及している現象を鑑みても、誰にでも平等に与えられるべきモノなんですねと改めて思うワケです。
 
 それはともかくとしても、やえがちょっと違和感を感じますのは、小林幸子さんがコミケに出ざるを得なくなった、その理由です。
 こう書くと小林さんがイヤイヤコミケに出たかのような書き方になってしまうので、厳密には正確ではないのですが、ただその一因になったのは確かだという「事件」があるんですね。
 これはNHKの紅白歌合戦に出れなくなった理由と地続きなのでご存じの方も多いかと思いますが、簡単に説明しますと、次のような理由です。
 
・小林幸子さんが自分の事務所のゴタゴタで、社長などと揉める。
・その結果、小林幸子さんは独立して個人事務所を立ち上げる。
・しかし元所属事務所社長が芸能界の大物社長と懇意で、その大物がマスコミ各社に小林さんを扱わないように圧力をかける。
・その結果、NHKもその圧力により紅白歌合戦にも出場させないようにする。
・活動の場を無くした小林さんは、芸能界のしがらみの無いネットのニコニコ動画に活路を見いだす。
・その中でコミックマーケットという場を知り、サークル参加に至る。
 
 ハッキリ言えばよくあるお話ではあります。
 タレントが所属事務所と揉めて、独立したはいいけど圧力をかけられて芸能界を干されるというのは、珍しいお話ではありませんよね。
 正直、芸能界と関係ない世界に住んでいるやえにしてみれば、本当に腐っている業界ですねと呆れるしかないのですが、まぁ文字通り関係ないので関係ないお話です。
 芸能界という身内同士で足の引っ張り合いをしているだけであれば、勝手にやっていればいいと思います。
 そうしているウチに、どんどんテレビを筆頭とした既存メディアの影響力が低下していくだけでしょうからね。
 ただひとつやえが今回言いたいのが、その身内の足の引っ張り合いに、NHKまで参加しているという点です。
 
 NHKは国営放送ではありません、ありませんが、しかしその受信料は、法律によって義務的に支払うコトが定められているモノです。
 完全に民営会社であれば身内の足の引っ張り合いも勝手にしてればいいじゃないですかでもいいのかもしれませんが、NHKだけはそうはいきません。
 フジテレビに近年バッシングが増えて経営が厳しくなったというのはネットでは有名なお話ですが、ことNHKに関してはテレビを持っているだけでNHKを見なくても受信料を支払う義務があるだけに、選択の自由が無いのですから、そこはやはり全ての国民に対して公平で平等でなければならないハズです。
 それなのになぜ、ただ一民間人でしかない某大物芸能事務所社長の意向だけでNHKの行動が決定されなければならないのでしょうか。
 NHKはいつ一個人の所有物になったのでしょうか。
 
 これがまだ、法律を犯したとかという理由ならいいんですよ。
 NHKがその人を排除する理由も分かろうというモノです。
 しかし、自分の所属する事務所と揉めたなんてお話は、完全に身内揉めでしかなく、一般視聴者にも国民にも一切関係ないお話でしか無いのであって、それを国民に押しつけるかのようなNHKの行動理由になってはならないハズなのです。
 いったいどういう大義でNHKは、国民には一切関係ない理由で小林幸子さんを排除したのでしょうか。
 NHKがそんな「個人的な理由」で行動を決定するのであれば、自ら進んで視聴料の義務化を捨てなさいと言いたいです。
 
 NHK受信料に対してはいま色々なところで議論になっているところですが、少なくともこのような視聴者や国民を無視した行動を取るのであれば、もはや法律で国民を縛るような特権を持っておくべき存在ではないと言うしかありません。
 この問題だけでなく、いまNHKは様々な「公益放送局」らしからぬ内容の放送をしていると問題になっているところであり、このような体たらくであるなら、もはやNHKは一民間放送局に変えるべきでしょう。
 こんな体たらくであれば、一度NHKは解体すべきだと思います。