国会議員の国民の代表であり、行政府をチェックするのは当然の仕事

 甘利大臣の件で一言言っておきたいコトがあります。
 
 甘利大臣の不祥事そのものについては、やえは特に触れようと思いません。
 違法であればそれは捜査当局が判断するコトであり、また最後には裁判所が判決を下すべき問題であって、法律に照らし合わせて出される証拠の全てを閲覧できる立場でない一般人の身では、正しい判断などできようもないからです。
 もちろん、ある事象に対して政治資金法などからどう考えるべきかっていう解説ならできますから、機会があればしたいと思いますが、いまはそもそも報道されているコトが事実かどうかすら疑わしい段階なので、今日のところは中身に触れません。
 それより、もっと気になるコトがあります。
 
 最近の報道の仕方を見ると、なにやら国会議員が役所に問い合わせするコト自体が悪であるかのような伝え方をしてしまっています。
 新聞ではさすがに分かっているのか「○○省の幹部が問い合わせがあったことを認めた」とかいかにも悪いコトをしてますよという雰囲気だけ出して、直接的に糾弾するような書き方はしていませんが、テレビなんかではもっと直接的に、タレントを使うコトで、悪いコトをしているかのような印象操作をしていますよね。
 つまりそういうコトです、もうこれだけで分かりますよね。
 国会議員が行政府に問い合わせをするコトそのものは、決して悪ではないのです。
 
 なぜなら、国会議員は国民の代表だからです。
 言わば国会議員は国民そのものです。
 しかし行政は、トップが国会議員もしくは総理に任命された閣僚であったとしても、大臣や副大臣などだけで行政の全てを見張るコトなどできるワケもなく、時に行政は自らの組織の理論を優先させるコトがあります。
 こんなコトはいまさら言うほどのコトじゃないですよね。
 一昔前は「官僚政治」なんて言われたコトもありましたが、やはり何万人にもなる役所の規模を考えれば、国民の常識よりも組織の常識を優先させてしまうコトは、これは人間が人間である以上どうしても出てくるコトなんだと思います。
 
 つまりは国会議員はここを監視する役割も負っているんですね。
 時に組織論に凝り固まった役所の理論を、国民の代表たる国会議員が世間の常識に解き直す。
 これはまったく悪の行為なのではなく、むしろ民主主義にとって必要な行為とすら言えるでしょう。
 
 もちろん、もちろんですよ、国会議員を頼り一企業が自らの利益のためだけに権力を笠に着て、常識を越えるような有利な立場を得ようとしたのであれば、それは悪です。
 もし今回の件がそうであれば、それは悪だと言うしかありません。
 しかし、国会議員が行政に問い合わせや現状の報告を求めたり、また行政の対応を改めようとする行為そのものは、決して悪ではありません。
 ここをごっちゃにして、単なる政治家叩きに転嫁させては決してなりません。
 もしそんなコトをしてしまえば、国民自らが官僚政治を呼び込んでいるだけにしかなりません。
 ここは冷静に判断すべきです。
 
 国会議員は国民の代表であり国民そのものであるってコトを忘れている人が最近多い気がしてなりません。