怒りは北朝鮮に向けなければ

 北朝鮮が、いよいよ日本列島を越える形でミサイルを発射しました。
 言うまでもなく、とんでもないお話であり、許してはならないコトであり、野放しにしてはならない事態です。
 
 しかしこの事態に対して、なぜか日本政府に怒りの矛先を向けている人達がチラホラと散見されます。
 でもそれって、ハッキリ言って北朝鮮を利する行為ですよね。
 北朝鮮がトンデモナイ行為をしたコトをもって日本政府を批判するのであれば、北朝鮮としては今後ますますミサイルをバンバン撃ってしまうコトになるんじゃないでしょうか。
 変なお話、やえがキムの立場だったらそうしますよ、だって撃てば撃つほど日本の政権に打撃を与えられるんですから、こんなおいしいお話はありません。
 敵対する相手が喜ぶコトをしてどうするんですかと。
 
 これ、もっと怒らなければならないコトなんですね。
 もちろん北朝鮮に対してです。
 いまの日本の報道や雰囲気って、ではミサイルが本当に日本本土に飛来したときにはどうしたらいいんだっていう、そんなお話ばかりしている気がしてならないんですが、ちょっとそれってズレてるとしか言いようがありません。
 なぜなら、対処すべきは「いかに撃たせないか」だからです。
 撃った後にどう対処すべきかは、全く準備しなくてもいいとは決していいませんしそれはそれで大切ですが、しかしそれよりも「撃つ前の対処」の方が格段に大切であるというコトは、本来言うまでもないコトのハズです。
 何事も、戦いは始まる前に勝敗がついているモノですし、少なくとも勝つためには勝つ道筋が見えてなければなりません。
 でもいまの日本では、この議論が全くできていないのではないのでしょうか。
 撃った後にどうするか、なんて後手後手の事後策しか考えないというのは、あまりにもまずい考え方だと言わざるを得ません。
 
 日本の国土を飛び越えてミサイルを撃ってきたワケです。
 例えばこれがアメリカだったらロシアだったら、いったいどんな反応をするのでしょうか。
 ロシアは過去に、間違って飛行機が領空内に入ってきただけで撃墜していたような国です。
 そしてそれが国際的に何か制裁を受けるような問題に発展したとは記憶していません。
 まして今回は、平和利用が確実な民間航空機なんかではなく、核兵器すら積むコトができるミサイルです。
 この段階まできて、「撃ってきた後どう対処しよう」と言っているのは、さすがに平和ボケしていると言われても仕方ないのではないのでしょうか。
 
 やえは感情論は好きではありませんが、怒りという感情を理性的に表すコトは、場面によっては必要です。
 そしていまこそ、その時でしょう。
 撃つ前の対処をさせるために日本政府に怒るべきだと言う人がいるかもしれませんが、それで政府の力を弱めれば北朝鮮の思うツボです。
 むしろ北朝鮮への怒りが国民の中で高まれば、その方が北朝鮮に対する対策が強いモノになっていくコトでしょう。
 政治とは政治家の考えを変えさせるモノなのではなく、国民の意思と総意によって変えさせるモノなのです。
 
 いま日本は戦後最大の岐路に立たされていると言っても過言ではありません。
 この重みをどう国民自身が考えるのか、ひとりひとりが大変な決断を迫られていると言えるでしょう。