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バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳

総理大臣評価論5-福田康夫-


 では福田総理の評価について書いていきましょう。
 
 まずやえの印象を言いますと、政策能力はあり、実は外交が得意で、当選回数のわりには年齢を経ているので経験は豊富な上に、元来の性格からか冷静沈着(であろうとしているのかもしれませんが)なので、総理大臣という職に耐えうる能力は持っている人ですが、残念ながら本来であれば総理になるべき人じゃなかったのになってしまったのが不幸だったと言える人です。
 まぁ逆に言えば、総理大臣になるような人じゃなかったのに総理になるコトができたのは、政治家としては幸運だったと言えるかもしれませんけどね。
 ただやはり、1年で政権を終わらせてしまったのは、かなりマイナス評価にせざるを得ません。
 それがどんな理由があってもです。
 
 もう少し詳しく分析していきましょう。
 「総理になるべき人じゃなかった」というのは、偏に永田町のパワーバランスの中心にいるような人ではなかった、という意味です。
 例えば派閥の会長やそれに近い人とか、時の総理総裁にすごく近い人とか、派閥ではないにせよ幅広いグループを率いている人とか、そういう人ならば総理の座に近しいと目されるワケですが、しかし福田総理はそういうタイプではありませんでした。
 まして所属している派閥は清和政策研究会(当時は森派)というタカ派の派閥ですが、福田総理本人はそのような雰囲気は全く感じない、むしろ宏池会的な雰囲気すら持っている人です。
 おそらくお父さんの福田赳夫総理が清和会の創立者みたいな立場ですから、その流れで清和会に入っていたのでしょうけど、やっぱり福田康夫総理からは安倍さんや森さんのようなタカ派的な雰囲気は感じないですよね。
 そして当時は当選6回目でしたから、派閥の中心という立場でもないワケです。
 閣僚経験は安倍さんよりはありましたが、それでも昔で言う「財務大臣か外務大臣、それと党三役の両方を務めるのが総理の資格」に比べれば全然経験不足です。
 どれもこれも、福田総理は総理になれる環境にはなかった人なんですね。
 つまり結局福田総理も、小泉総理がぶっ壊した「清和会一強の自民党」と、これまた小泉総理が作ったと言える「麻垣康三」という後継者候補という、外的要因によって総理大臣になってしまった、なれてしまった人だと評するのが適切なのではないかと思っています。
 また、「自民党末期」という雰囲気も後押ししたと言えるかもしれません。
 
 果たしてそれは、結局政権が1年しか持たなかったという結果で証明されてしまいました。
 第一次の安倍総理と同じく、「政治家としての総合人間力」不足によって、政権を投げ出さざるを得なくなったのです。
 まして安倍総理は参議院選挙(の敗北)という辞任理由に足る理由があった(安倍さんはそれを理由にしませんでしたが)一方、福田総理は国政選挙をしないままでの辞任です。
 ねじれ国会において国政機能がストップするよりは自分が身を引いた方がいいという理由は、国益に適うかどうかは判断の迷うところですが、ただ結局「毎年1年ごとに総理が替わる」コトがどれだけ国益を損ねてきたのかを考えれば、せめて選挙で国民の信を問うまでは続けるべきだったと言うべきところだと思っています。
 
 念のために言っておきますが、福田総理の辞任の本等の理由はアメリカからなんとかかんとかっていう話があるようですが、やえはこれに与しません。
 そもそもそれが本当だったとしても、いやしくも経済大国日本のトップのクビと引き換えにしなければ止められなかったなんて前例を作ってしまうコトが日本を軽くしてしまう行為だと断じざるを得ませんし、それこそ「自分が総理として正式に断る」コトこそが日本国総理大臣としての責任だったと言えるでしょう。
 まぁこのお話が本当だったとしてもウソだったとしても、当時の自民党と福田総理に対する世間のプレッシャーはすごかったですから、そこから解放されたいと思ってしまったのは人としては理解できます。
 が、やはり政治家としては、そこは低い評価を出すしかないワケなんですね。
 
 小泉政権時に長らく官房長官を務め、一時は「影の外務大臣、影の防衛庁長官」とまで言われた人ですから、政策能力や調整能力はかなり高い人です。
 特に中東関係へのパイプは、議員になる前の前職の関係からも強いモノを持っていて、日本の政治家としては強い武器となっていました。
 ですから、「落ち行く自民党時代」ではない、平時の自民党政権下であれば、それなりに有能な総理になっていたのではないでしょうか。
 こう言ってはなんですが、第一の安倍さんはどのタイミングでもあの結果になっていたと思います(そもそも小泉後はそんなに悪いタイミングではなかった)が、平時の福田総理であれば着実に実績を遺していたのではないのでしょうか。
 
 福田総理で1つ功績を挙げるとすると、やはり消費者庁の創設でしょうか。
 消費者問題って本来自民党のフィールドではないハズなんですが、これを福田総理が手を付けたというのは、かなり画期的だと言えます。
 と同時に、やはり清和会的じゃない人だなという印象をさらに強めているんですけどね。
 ちなみにその時の担当大臣に指名したのが、いまの外務大臣の岸田文雄さんです。
 消費者庁を作るっていう作業は、本来その役所が持っていた権限を引き剥がす作業になりますので、役所としては最も抵抗する作業になるのですが、岸田さんはあっさりとこれを達成してしまいました。
 もしかしたらあまりこの件については印象が薄い人の方が多いかもしれませんが、しかしそれは福田総理と岸田大臣の手腕が高かった証左とも言えます。
 なぜならマスコミが騒ぐ場合は、対立を面白おかしく煽る時ですから、それがなかったというのはかなり巧く消費者庁創設を実行したと言えるワケです。
 
 この辺のコトからも、平時であれば質の高い政治が福田総理の下ならできたのではないかと残念に思います。
 
 では次は、麻生太郎総理です。
 この人の場合、状況が状況だったので、評価はだいぶ難しいんですけどね。
 



批判のための批判でしょ?


 やえはどうしてもこの批判には首をかしげざるを得ないのです。
 
 先日安倍総理や麻生副総理や岸田外務大臣がアメリカに行ってトランプ大統領などに会ってきたワケですが、その訪米前に日本の新聞やテレビなどで「安倍総理がトランプ大統領へのお土産に、日本の年金でアメリカの雇用拡大のための投資を行うと伝えるのではないか」と、けっこう大きな扱いで報道していました。
 というか今でも探せば普通に記事は出できますね
 そしてこれについては、テレビをはじめとしてほとんどが否定的に伝えていました。
 確か国会でも野党がかなりのトーンで批判していたハズです。
 例えばこんな記事です。
 

安倍政権が年金数兆円をトランプに献上! 国民には運用失敗のツケを押し付け年間14万円も年金カットしておきながら
 
 一体、どれだけトランプの犬になるつもりなのか。そう思わずにいられないニュースを2日、日本経済新聞が報じた。なんと、日本の公的年金をアメリカのインフラ事業に投資、それによってアメリカにおける数十万人の雇用創出につなげる経済協力をおこなうというのだ。

 
 リテラの記事ではありますが、でもなんだかんだテレビとか野党とかも、トーンの強さはともかく、このような批判の仕方をしていたワケです。
 
 しかし果たしてこの批判はどうなのでしょうか。
 やえには批判のための批判にしか思えません。
 
 まずこの問題、1つは「日本の年金運用のために外国への投資は適切なのか」という問題がありますが、今回はこの問題ではありませんので触れません。
 というか、それはまずこれまで行われてきた年金の運用の仕方を精査してみれば済む話で、ちょっと探せばこういう記事もありますように、「海外投資をするな」と今の段階で急に言い始めるのは、ただの安倍外交への批判のための言いがかりでしかないと言わざるを得ないでしょう。
 

一喜一憂するなかれ:年金運用「5兆円損失」議論にモノ申す
 
 安倍内閣は発足以来、年金運用で国債から株式へのシフトを進めてきた。2014年10月には基準とする運用ポートフォリオ(資産構成割合)を、それまで60%を日本国債などの「国内債」で運用するとしていたものを35%に引き下げる一方で、国内株式を12%から25%に、外国株式を12%から25%に、外国債券を11%から15%にそれぞれ引き上げた。債券中心、国内中心から運用方針を劇的に転換して、株式と債券を半々とし、海外投資へと大きくシフトしたのである。

 
 まぁこれからも海外投資での運用についての是非は議論してもいいとは思いますが、少なくとも今回の訪米だけをターゲットにした批判は全くの言いがかりでしかないと言うしかありませんし、何より今回考えたいのは「アメリカ追随だ」という手の批判についてです。
 
 ではこういうニュースが仮に流れてきたら、本当に「追随外交だ」と大騒ぎされるのでしょうか。
 
中国が公的資金を投入し、日本の雇用拡大のための投資を行うと発表。
 
 もし日本のアメリカへの投資が「アメリカ追随外交」と言うのであれば、この中国の日本への投資も「中国による日本追随外交」と呼ばなければなりません。
 「日本はアメリカのポチだ」と言うなら、「中国は日本のポチだ」と言わなければなりません。
 しかし果たして本当にそういう批判が起こるでしょうか。
 いえ、まず間違いなく、こんな批判は起きません。
 だってそれって日本側から見たら日本が優位に立つっていうコトになるのですから、つまり「アメリカ追随」という批判が正しければ、この中国の日本に対する投資に対しては「日本外交の大勝利だ」と言わなければウソになってしまいます。
 ……はい、絶対にそんな言説は起きませんね。
 むしろ起こるのは、「中国資本による日本進出の危機だ」と言うべきなのではないでしょうか。
 少なくともやえは、その見方の方が正しいと思います。
 
 そもそもの間違いが、投資を貢ぎ物だと考えてしまう思考でしょう。
 例えばとある会社の株を買うっていう行為に対して、「それはその会社への貢ぎ物をしているだけだ、会社の犬か」なんて言ってしまう人がいるでしょうか。
 いやまぁ絶対にいないとは言いませんが、少なくともその見方は間違っていると言わざるを得ません。
 世の中の投資家は全て犬なのですかと。
 もし本当の追随の犬がいるのであれば、それはむしろ、対米になったら何でもかんでも追随と考えてしまうその思考方法そのものが追随の犬の発想だと断じざるを得ません。
 
 もっと言えば、他国のインフラや雇用に対して日本の資金で握られるのであれば、それはむしろ日本のイニシアティブを発揮できるチャンスじゃないですかね。
 例えばさっきの例で中国が日本へ投資という話をしましたが、もしこんなコトになれば「中国脅威論」が日本国内で一気に噴出すると思いますけど、それってつまりはそういうコトですよね。
 インフラや雇用という国家の根っこを外国が握るってコトなのですから、そのスキがあるなら、むしろ投資する方が望むところと言えるのではないのでしょうか。
 ですから、投資する方に対して脅威論を唱える方がむしろ自然で、投資する方に対して追随だ犬だと言うのは、あまりにも無茶苦茶すぎる批判だと言うしかないのです。
 
 「日本はアメリカの雇用を奪っている」との発言に対し、「じゃあ日本の資金でアメリカの雇用拡大の投資を行いましょう」は、むしろかなり返しとしては鋭いモノではないでしょうか。
 だってこんなコト言われたら、これ以上日本批判はできないですよ。
 まして「日本資本を注入するスキを得られた」のですから、ただ反論するだけではない、ピンチをチャンスに変えた返しだと評価するべきではないのでしょうか。
 
 こうしたコトからも、やはり「アメリカへの投資」に対して追随だ犬だという批判は、ただの批判のための批判だと言うしかないのです。
 



総理大臣評価論4-安倍晋三(第一次)-


 では今回は安倍晋三総理です。
 ただし今回は自民党が下野する前の、小泉総理の後の第一次安倍内閣の安倍総理だけについて言及していきます。
 
 まずバッサリ言っちゃいますと、やえの小渕総理以降の自民党の総理の評価は、安倍総理(第一次)が一番低いです。
 と言うと語弊が多少出ますが、この時期確かに成立させた法案などは大きいモノが多く、例えば教育基本法改正ですとか防衛庁の省昇格ですとか、政策的には評価できるモノが多いのですけど、ただ政権運営という面では一番ダメだったと言わざるを得ません。
 きびしいコトを言いますと、総理大臣になれれば権力も権限もありますから、自らの政策をある程度強引に押し通すコトはできるワケで、事実、第1次安倍政権の頃はかなり強引に法案を通したイメージがありますが、しかしそれを繰り返せば色んなところから反発は出るワケで、決して日本は王国ではない以上、味方にも敵にもある程度の配慮をしなければ、いろんなの人にその座から引きずり下ろされてしまうワケです。
 そしてそうなってしまえば、政策そのものの評価も下がってしまいますし、なにより安倍さんに期待した人を裏切る結果にしかなりません。
 そういう意味で、総理になった以上は、できるだけ長く続ける努力というのも、総理にとっては大きな仕事の一つなんですね。
 いえ、政策を実現させるためこそ、長く続けなければならないのです。
 安倍さんは、そこが一番分かっていなかったと言わざるを得ないのです。
 
 ではなぜ第一次の安倍総理はそんな体たらくだったのかと言えば、それはもう権力を自らの力で取ったとは言いづらい形で総理大臣のイスに座ったからでしょう。
 安倍晋三という個人に全く不自由や苦労がなかったなんて言うつもりは毛頭ありませんが、ただし、権力の取り方を見てみれば、それはかなり優遇された、エレベーターで上り詰めたというのは否定できないところです。
 初の閣僚は官房長官という各役所に命令を下せるような役職ですし、党だって当選3回なのに突然の幹事長に就いたワケで、「苦労して上り詰めた」とはさすがに形容できない出世です。
 副大臣も官房副長官という、やはり各役所に命令を出せる役どころです。
 そしてあれよあれよという間に、麻垣康三とは言われつつも、事実の上のポスト小泉として小泉後の総理となりました。
 それも当選5回という、本来議員としてはまだまだこれからだという期数においてです。
 苦労はなかったとは言いませんが、しかし自ら取ったイスだとはねさすがに言えないワケなのです。
 
 そうした権力に対する姿勢について甘さが残る中で総理になった安倍総理は、その巨大な権力に対して自らの思想に沿う政策を、言わば権限の力だけで押し通してしまい、そして権限だけでは通用しない部分に対する配慮が足りなかったために、余計に内外に不満を貯める政権運営を行ってしまいました。
 そしておそらくこれは、安倍総理自身が一番気づかないままに、です。
 特に第一次の時の安倍総理の後半は、「なぜダメなのか」というコトすらも分からないままだったのではないのでしょうか。
 「自分は常に正しいコトをしている」「間違いなど存在しない」「なぜ批判されなければならないんだ」と、疑いもなく突き進んでしまい、自身への反発すら、なぜ反発されているのか理解できなかったままに、第一次政権の幕は下りてしまったのでしょう。
 
 第一次の安倍さんの突然の辞任は、基本的には体調不良と説明されていますが、もちろんその要因がなかったとは言いませんけど、それでもあのタイミングでは「続けられなくなってしまい辞任するしかなかった」という、リタイヤでの辞め方だったと言うしかありません。
 そしてそれは、民主党政権も含めての6人続けて1年で辞めてしまうという総理の前例の呼び水にもなってしまいました。
 もちろん全ての責任が安倍晋三個人にあるとは言いませんし、エレベーター式の権力ののぼり方も安倍さん個人の責任だけではありませんが、やはり政治家は結果責任、権力の怖さをしらないままに揮うコトしか頭になかった第一次の安倍総理は、言わば「子供っぽい総理」に終わってしまったと評するしかないのです。
 
 もしかしたら今回のこのやえの評を読んで怒る人がいるかもしれません。
 「普段、政策を見ろと行っているくせに、安倍総理の政策については評価しないのか」と思う人もいるかもしれません。
 でも、だからこそなんですね。
 もし政策が評価できる人が権力を握ったのであれば、なお「権力を維持する方法」も頑張ってもらわなければならないのです。
 それはある種の選挙にも通じる部分で、いくら優れた政策を持っていたとしても選挙で勝てなければそれを実行するコトなんてできないワケですから、「選挙に明け暮れるだけの政治家なんて」みたいな斜に構えたような、言い換えれば甘えた考えでは、政治家としては大成しません。
 まして選挙や権力闘争が、政治家としての器を磨き、人間を大きくするコトに繋がるワケですからね。
 政治家とは、選挙であり権力に対する姿勢も含めて政治家なのです。
 ですからやえ自身は政治家でもなんでもありませんから政策をサイトとかで取り上げる時は政策のみで評価しますが、しかし政治家自身が「政治家は政策だけをやっていればいい」となってしまい権力の維持に無徳着になってしまうと、その最も大切な政策を実行するコトができなくなりますし、そうなれば結果的に国民こそが不利益を被るのですから、政治家として総理大臣として評価するというコトならここ込みで、むしろこここそを評価すべきだと思うのです。
 第一次の安倍総理の「失敗」を、「でも政策はよかっただろ」と正しく評価できないままに終わると、次の期待する政治家も同じ轍を踏んでしまいかねません。
 ですから、政策も大切ですけど権力の維持の方法も大切ですよと、そう評価しなければ線の細い政治家ばかりになってしまい、それは結果的に国民に不利益をもたらしてしまうコトになってしまうでしょう。
 例えば稲田大臣です。
 やえが稲田大臣の政策をどう評価するかはともかくとしても、もし今の稲田大臣のままに総理になってしまえば、絶対に失敗しますし、その混乱は国家国民に大きなキズを与えてしまうコトでしょう。
 それは、一国民としても、また稲田大臣を応援している人はなおさら、ここをシッカリと踏まえておく必要があるんだと思います。
 
 そういう意味で、やえとしましては第一次の安倍総理は、自民党の総理の中では最も評価の低い総理となってしまいます。 
 逆に言えば、この時代を教訓とした第二次以降の安倍総理は、これまでにない最強レベルの総理に生まれ変わったと言えるでしょう。
 
 では次は福田総理ですね。
 



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