今日は選挙についてのテクニカルなお話をしたいと思います。
取り上げるのは、このニュースです。
HPに「当選お礼」 東国原氏の後援会、指摘受け削除
21日の宮崎県知事選で当選した東国原英夫(そのまんま東)氏(49)の後援会「そのまんま会」のホームページに、公職選挙法違反の疑いがある「当選お礼」の文言が掲載されていたことがわかった。会は県選管から指摘を受け、22日午前に削除した。
文言は「多数の県民の方々のご支援・ご声援を賜り、そのまんま東(東国原英夫)を県政へ送ることができました。心より御礼申し上げます」との内容。当選を喜ぶ東国原氏や支援者らの写真も添え、22日未明に掲載したという。
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このニュースを読んで、いったい何が問題なんだろうと思われた方も多くいらっしゃったコトでしょう。
しかしもちろんこれにも根拠があるワケです。
これは選挙においての大原則となるのですが、選挙運動は選挙期間にしか行ってはいけません。
選挙が近くなると候補者やその支援者が普段とは違う活動をしはじめますが、厳密に言えば、それも選挙運動かそうでないかという区別はけっこうハッキリついています。
そして選挙運動とは、簡単に言えば「投票に関わる行為」と考えればいいかと思います。
例えば「この候補者に投票してください」と言うのは選挙運動ですが、「この人の後援会に入会してください」と言うのは選挙運動にはあたらないというコトになっています。
で、選挙運動はある期間中にだけ行うコトが認められています。
公示から投票日前日までです。
だいたい2週間ぐらいなのですが、この期間に限り、直接投票に関わるような行為である選挙運動を行うコトができるのです。
その上でこのニュースを読んでいただきたいのですが、「当選御礼」はどういう行為なのかと言えば、やはりこれは「投票に直接関わる行為」であると言えるでしょう。
なにしろ「“自分に投票してくれて”ありがとう」と言っているワケなのですから。
特に文書については選挙法では厳しく定められており、投票に関するような文書は、選挙期間中に特に認められた、選管から出された証紙がつけられたモノしか配布してはならないコトになっています。
現在の法律ではインターネットも文書扱いですが、よって、選挙期間でもなく、証紙も貼っていないホームページ上に、投票についての文章を載せるのは選挙違反になる、というコトなのです。
この場合「当選させていただきましてありがとうございました」と書くのはダメですが、「これから県のために一所懸命働きます」と書けばOKだったんですけどね。
もうひとつ例をとってみましょう。
これ過去にも言ったことがあるかもしれませんが、いまでも街角で時々政治家さんのポスターを見かけると思います。
いまこれを読んでいる方はそのポスターはどうなんだと思われるかもしれませんが、実はいま貼られているポスターをよくよく見てもらったら分かるのですけど、この手のポスターは政治家個人をアピールするポスターではなく、演説会告知用ポスターとか党員募集ポスターとかだったりするのです。
というか、そういう体裁にしているんですね。
つまり、政治家個人をアピールする目的のポスターなら、それは選挙用に他ならないので、今の時期はアウトなのですが、演説会告知ポスターなら、それは選挙ではなく演説会のためのモノなのでセーフ、という、そういうコトなのです。
選挙法についてはいろいろと思う人もいるかもしれませんが、とりあえず基本としては、選挙期間というモノを定めないと年中大変なコトになりますし、また文書等も制限しておかなければお金がある方が有利っていうコトになってしまうので制限しているってワケなのです。
配れる枚数も決まっていたりしますしね。
ただ、ネットについては、むしろお金がかからない選挙につながりますので、無制限に認めるというのはまた問題があると思いますが、全く駄目っていうのも時代のそぐわないでしょうから、はやく法改正すべきだとはやえも思っています。
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