政党支持率の過去

2012年4月15日

 先日、政党支持率なんて政党を評価する材料には一切ならない、むしろ邪魔にしかならないというお話しをしましたが、もう1つ、いまの政党支持率を論拠とする評価論がものすごく無意味で適当で、結局理由無き自民党叩き・民主党応援にしかなっていないというコトが分かるお話しをしたいと思います。
 まずはこちらをご覧下さい。
 

 ■ 時事世論調査から見る政権交代
 2009年8月30日の第45回衆議院議員選挙において民主党は308議席を獲得する歴史的大勝利を収めた。戦後日本の繁栄を築いた自民党が時代に適応する能力を失ったために、有権者は民主党の政権担当能力に不安はもちつつも、政権交代による変革の可能性を選択したというのが、一般的理解のように思われる。例えば、『日本経済新聞』は「戦後日本の成長モデルそのものといえた自民党政治に、有権者は強烈な「ノー」を突きつけ、次の四年を、巨大民主党という未知なる「非自民」に委ねた」(「未知なる与党に託すもの」2009.8.31)と整理し、また、『東京新聞』は、「政権担当能力への疑問には目をつぶっても、変革と革新の未来に賭ける、が民主党躍進の理由」(「未来につなげる政治を」2009.8.31)と論じている。もちろん有権者というのは一枚岩の存在ではなく、その中には多様な意見が存在したはずである。しかし、四年前と比べると、大勢の人々の選択が自民党から民主党へと変化したことは疑いない。本稿では、2005年9月から2009年9月までの時事世論調査結果を利用して、政権交代選挙を準備した過去四年間の世論の変化に接近する。

 
 文章はあまり重要ではなくてですね、リンク先のグラフを見てみてください。
 過去の政党支持率も載っているワケですが、注目なのが、小泉内閣以降の安倍・福田・麻生内閣時の自民党と民主党の政党支持率です。
 どうでしょうか。
 民主党の政党支持率が自民党のそれを超えたのは、一度の例外もなく麻生内閣の末期の時だけです。
 しかも逆転したのは麻生内閣の7月ですからね、もう選挙が既定事実になった時にはじめて民主党は自民党の政党支持率を超えたのです。
 
 この事実は、まぁ選挙になると露骨なマスコミの民主党応援合戦が始まるっていうのもあるんですが、そもそもですよ、「政党支持率は基本的に与党の方が高い状態が普通」というコトを示しているワケです。
 安倍内閣だって麻生内閣だって、マスコミのバッシングの質は、いまと比べればとんでもなくひどいモノでした。
 麻生内閣の時のひどさはもう何度も行ってますから繰り返しませんが、安倍内閣の時だって、いったいぜんたい「お友達内閣」っていうバッシングはなんなのですかと。
 大臣のほぼ全員が選挙の結果として国民の負託を得て選出されている国会議員であるハズなのに、それを「お友達」揶揄するとは何事でしょうかと。
 こんなのは国民をバカにしている言葉としか捉えようがないのですが、それが普通にまかり通っていたのが当時の「気持ち悪い空気」です。
 
 でもそんな中でも、自民党の政党支持率の方が民主党のそれより高かったのです。
 
 最近よく聞きますよね、「そんなコトやっても自民党の支持率は上がらないぞ」とか、「いくら民主党が失点しても自民党の支持率は上がってないじゃないか」とか、「自民党の支持率が低いというのは自民党の反省が足りないから」とか。
 でも実はこれは全然違うのです。
 自民党の政党支持率は、実はかなり高いのです。
 支持を得ているのです。
 今までのこういう自民党バッシングというモノは、全てデタラメだったというコトがこのデータから明らかになったと言えるのではないでしょうか。
 
 自民党の支持率は、もう1年ぐらい前からすでに民主党の支持率に近づき、場合によっては民主党を超えているコトもあります。
 このコト自体がもう、過去のデータから比較すれば、異常事態なのです。
 政党支持率は評価の対象にはなりませんが、客観的比較分析論をするとすれば、もはや国民は民主党に辟易している、自民党には期待しているという結果が出ていると言えるでしょう。
 決して過去のデータを参照すれば「自民党は未だに国民からそっぽを向かれている」とは口が裂けても言えないハズです。
 こちらの調査では、「民主党15.0%」「自民党21.4%」ですよ。
 もはや自民党待望論が国民の中で巻き起こっている、と自民党が野党というコトも併せて表現しても、決して大げさではない数字なのではないでしょうか。
 
 マスコミは数字やデータすら解釈をねじ曲げて報道するのです。
 しかもそれは「自民党に不利な解釈」です。
 つまりこれは、明らかに意識して「自民党叩き」と「民主党応援合戦」をしている、なによりも証左と言えるでしょう。
 
 みなさん騙されないようにしましょう。
 数字ですら、冷静に自分の目で自分の頭で確認するようにしてください。