皇統問題3 神武天皇家でなくなったら過去の日本と現代の日本が断絶してしまう
天皇が日本にとってどれだけ大切で重要でそして尊いのかというお話はいまさらなのでしませんが、こと皇統問題というのは、天皇が日本にとって必要という以上の意味も持つというコトは、正しい認識が必要です。
というのも、女系容認論者の中には、どこか「天皇さえ存在し続ければいい」と思ってしまっている人がけっこういるように見受けられるからです。
天皇がいままでどれだけ苦労して継承してきたのか、その連続性の意味を理解せずに、ただ天皇が日本の頂きに存在していればそれでいいんだと、そう思ってしまっているワケです。
違います。
天皇は存在するだけで尊い存在だというコトは当然としてあるのですが、さらに万世一系で「神武天皇家として続いてきたからこその意味もある」という、さらに一歩先の重要性も忘れてはいけないのです。
連続性の大切さは、反面教師として中国…というか、シナ大陸の辺りに発生する国家群を見れば一目瞭然です。
あそこの地方に発生する国家は、最近まで「皇帝」がトップとして人民を治める国家でした。
歴史で習ったと思いますが、殷から始まって最後の皇帝は清のラストエンペラーですね、こういう「皇帝」が治めていた国です。
しかし、これらの国家群は「1つの同じ国家」ではありません。
簡単に言えば、殷と清は全く別モノの国なんですね。
たまたま同じような土地の上に別の時代に国家が出来ただけで、実際は法律も違えば皇帝の家も血筋も違うという全然別人が治める国であって、むしろシナ大陸に発生する国々というのは、皇帝を武力でもって虐殺した者が新しい皇帝に就くという皇帝の断絶によって新国家が発生するというコトを繰り返してきた土地柄ですから、一緒どころが正反対の国家の繰り返しなのがあの辺の土地の歴史なワケなのです。
さらに言うならば、日本にも攻め込んできた元という国は、モンゴル帝国の一地方でしかない国家であり、つまり支配者はモンゴル人であって、現在の中国の支配者民族である漢民族ですらない国ですから、ここに「同じ国である」という要素は1つも無いと言うしか無いんですね。
ちなみに清も満州民族が支配者である、ラストエンペラーも満州人ですから、元とも違う、現在の中国とも違う、そういう国家なのです。
よく「中国4000年」なんて言いますが、中国というのは中華人民共和国、もしくは中華民国の略称ですから、4000年も続いていないんですね。
あれはただの、なんて言いましょうかね、いま風で言うならばステルスマーケティングでしかないワケです。
シナ地方に発生する国家は、これはそれぞれが独立した、全く継承性のないバラバラの国家なのです。
でも日本は違います。
日本も時代によって為政者や憲法や政治体制は変わってきました。
古代から平安時代にかけては天皇親政の政治体制でしたし、それ以降から幕末までは武士による武家政権でしたし、明治から昭和の途中までは天皇が政治のトップでありつつしかし選挙のある民主制に近い政治体制でしたし、現代は天皇は政治権力は全くなく国民が主権者の国になっています。
憲法的に考えても、古代は十七条の憲法とかあって、その後に日本式の律令制度が長らく続き、明治になってから現代憲法が施行されました。
確かに日本も時代によって為政者や憲法や政治体制は変わってきました。
でも日本は、中国やその他の国とは一線を画するのです。
世界で最も古い国家なのです。
その根拠はなんでしょうか。
そうです。
それが「神武天皇家」なのです。
日本は古代から現代まで一度も途絶えるコトの無い「神武天皇家を戴く国家」なのです。
初代神武天皇から受け継がれた神武天皇家の継承のルールを守り続けた天皇が今でもそのまま続いている国家が日本なのです。
だからこそ世界で最古の国家と言えるのです。
「天皇が存在する国」では、片手落ちです。
それは「皇帝が存在する国」も同じコト、シナ地方の国々も1つの同じ国だと言うのと同じコトになってしまいます。
神武天皇家という存在は、時代時代に全く別モノの皇帝や王がいればそれで続いているという意味ではなく、あくまで1つの家として常に存在し続けているからこその連続性であって、世界の中では「神武天皇家」が最古の天皇・皇帝・王として続いているからこそ、ここに意味を見いだせるワケなのです。
もし現代日本の天皇が神武天皇家でなくなれば、この連続性が途絶えてしまうコトになるのです。
だから「神武天皇家の継承のルール」は何が何でも続かせなければならないのです。
神武天皇家でなくても天皇は天皇だろと言う人もいますが、しかしこのように、ただ天皇という存在が日本にいればいい、という問題では全くないのです。
もし現代が「神武天皇家」でなくなったら、どうなってしまうでしょうか。
もはや過去の日本が、現代と同じ国家だと言う理由がなくなってしまうのです。
無いですよね?
もしあるというならどのような理屈を持って過去の日本を今と同じ日本だと言えるのか是非教えて貰いたいワケですが、この過去から続く世界最古の国家という価値を失わないために、男系と神武天皇家にこだわらなければならないのです。
ここをキチンと理解しなければなりません。
では次回は、皇統問題最終回、神武天皇家の継承の仕方や、それが途絶えそうになっているというのは「事実」だという事実というお話をしたいと思います。
ディスカッション
コメント一覧
おはろーございます。
やえが「天皇家」と使っている場合は、これは「神武天皇家」と言っている場合のみだと思います。
これは縦の繋がりを表す意味です。
初代神武天皇から今上天皇までの、この歴史の縦軸を表す言葉として「家」という表現を使っています。
しかし問題にされている「天皇家」というのは、これは説明にもありますように「皇室や内廷を指す」場合かと思われます。
具体的に言えば、天皇皇后と愛子内親王殿下、また場合によっては東宮や秋篠宮の方々も含めて「天皇家」と呼んでしまっている場合もあるように見受けられます。
やえはこのような場合には「家」という表現を使っていません。
天皇は唯一であり、皇后ですら天皇とは並べられない存在なので、それをひとくくりにするような表現は使っていないハズです。
もし使っているのでしたらやえのミスなのでご指摘いただきたいのですが、「神武天皇家」と表現している場合は、この概念とは全く違うというコトをご理解いただければと思います。
「天皇家」という表現がちょっと気になりました。Wikipediaによると、
「今日において皇室や内廷を指す際に「天皇家」という表現が用いられる事があるが、この言葉は戦後になって「天皇制廃止」という概念から広まったものであり、私生活の単位である「家」に対し、「皇室」は国家の一器官として天皇や皇族によって構成されるので、その本質は私生活では無いので「天皇家」という表現は正しくないという説がある。」
との説明がありますが、その辺どのようにお考えなのでしょうか。