連用制ダメ、絶対

 民主党が政治改革法案を今日衆議院に提出して、衆議院では民主党が多数を占めているために可決したようですが、この中身は定数の削減だけでなくいわゆる「比例代表の連用制」も含まれている内容です。
 とりあえず参議院では反対多数で否決される予定ですから、法案が成立はしないので一安心ではあるのですけど、ここでもう一度、すごく簡単に連用制の異常さを説明しておこうと思います。
 以前書きました詳しい説明はこちらにありますので、計算式とか根拠が知りたい方はそちらをご覧ください。
 
 簡単に言います。
 今までの選挙制度のもとでの当選数が例えば
 
 A党-比例10人・小選挙区10人 計20人
 B党-比例10人・小選挙区 3人 計13人
 C党-比例 5人・小選挙区 5人 計10人
 
 だったとします。
 しかしこれが連用制になると、得票数は全く同じでも
 
 A党-比例 3人・小選挙区10人 計13人
 B党-比例13人・小選挙区 3人 計16人
 C党-比例 9人・小選挙区 5人 計14人
 
 こんな感じになるんですね。
 ここでのポイントは、「得票数は上下どちらの例も全く同じ」という点です。
 比例票も小選挙区表も全く同じ得票数なのに、連用制っていう制度を導入するだけで、ここまで結果が変わってしまうのです。
 
 実際の当選数は詳しく計算してみないと分からないですから上の例は参考程度に見ていただければと思うのですが、連用制とは「小選挙区での当選数が比例の当選数に影響を与える」という点が大きなポイントです。
 つまり、「小選挙区でたくさん勝つと、比例では当選数を減らさせる」のが連用制なのです。
 どう考えてもこれおかしいですよね。
 
 比例とは文字通り数学的に比例するっていう意味合いの制度です。
 ですから、「10人当選する中で、A・B・C党が50万票・30万票・20万票を獲得したのなら、それぞれの党で5人・3人・2人という当選数になる」と現行制度ではなります。
 わかりやすいですよね。
 わかりやすいというか、当然ですよね。
 「比例」なのですから、得票数に比例した数の当選議席を得られるのが当然すぎるお話です。
 
 でもそれを破壊するのが「連用制」なのです。
 
 どう考えてもおかしいじゃないですか。
 自民党が民主党がじゃなくて、普通に考えてこんな制度あり得ないですよ。
 むしろ、小選挙区が強い自民党を狙い撃ちで弱体化を狙っている制度としか言いようがありませんし、なにより選挙とは民主主義の根幹なのですから、民主主義を破壊する制度と言うしかないのです、この連用制というモノは。
 
 これを推進する民主党は、絶対の敵である自民党を倒すために選挙制度と民主主義を利用し私物化して、それを破壊しても構わないとすら言ってしまっているワケです。
 最悪の行為ですね。
 だからこれは絶対にダメなのです。
 連用制は絶対にダメです。
 1ミリたりとも、その正当性の理由は見当たらないのです。