批判は全て攻撃だと理解する病理

 この精神構造はもはや病気ですよ。
 自意識過剰と言いましょうか、被害妄想と言いましょうか、あれだけマスコミがかばっていたのにも関わらず、この精神構造が解けないのは、もはや病気としか言いようがありません。
 

 細野幹事長、レーダー照射問題で会見
 
 中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦などにレーダーを照射していたことについて、民主党の細野幹事長は「中国側がさらに事態をエスカレートさせたということであれば、それは由々しき事態だ」と述べました。
 一方で、民主党政権時代に外交姿勢が弱腰だと批判した自民党に対し、「危機管理に与野党の対立を持ち込んだ自民党のやり方は間違っていたと私は思う」と批判した上で、「我々は、危機管理においてそういうことはしない。政府与党にしっかり対応してもらいたい」と指摘しました。

 
 すみません、テレビ局の記事リンクはすぐに消えてしまいますので、まとめブログの方をリンクさせていただきました。
 で、ツッコミどころ満載の細野民主党幹事長の発言ですが、どこが一番ダメかと言いますと、政府への批判を「与野党の対立」と解釈しているのが一番の間違いなのです。
 おそらく自分達が今まで行ってきた「政府への批判」が、「無駄に対立を煽る党利党略での批判」だったと自覚があるからそう言ってしまっているのでしょう。
 自分がそうだから相手もそうに違いないという、そういう低脳な発想です。
 
 なぜ自民党が野党時代に民主党政府の外交防衛政策を批判していたかと言えば、その民主党政府の手法では国益を損なうと自民党が判断したからこそです。
 別に相手が民主党だからというワケではありません。
 批判の対象は民主党ではなく「手法」なのです。
 ここを勘違いしてはいけません。
 
 むしろ自由主義、民主主義においては、大切な問題、重要な問題ほど、多くの人の意見に耳を傾ける必要があります。
 危機管理もそうです。
 民主党はその危機管理においてそのような手法が正しいと判断した、でも自民党はその手法はおかしいと判断した、別の政党はさらに違うと判断した、このように大切な問題だからこそ意見の違いがでるワケです。
 その上で最終的に判断するのが政府の仕事であって、間違っても「批判するコトが間違い」とか「外野が意見を言うな」と言っては、民主主義の崩壊にしかなりません。
 結局民主党政府の失敗は、そういう外の声に対して自らの意志、つまり「これが正しい方針だ」という確固たる自信が持てずに、しかし他人の意見を受け入れるだけの度量もなく、ただただ迷うだけ迷って時間を無駄に浪費したところにあるのです。
 全ては民主党自身の意志が決定出来なかったところにあるのです。
 それを「他人が口を出したから」と言うのは、あまりにも無責任であり責任転嫁であり、なにより自らの無能さをさらけ出しているコトにしかなっていません。
 
 民主党政府に、与党として政府としてその方針が正しいと真に信じられるのであれば、野党に何を言われても自らの方針を貫けば良かったのです。
 それが出来なかったのは全て民主党自身の責任です。
 そこに他人の責任が入り込む余地はありません。
 だから再び野党に戻った民主党も、もし自民党安倍政権の方針に反対意見があれば、それを堂々と述べればいいのです。
 今回みたいに「対立を煽った自民党が全て悪い」なんていやらしく言い放つ必要なんてありません。
 今回の問題で言えば、ではどうするのが「民主党としてのベスト」だったのかというコトを、理屈立てて理論的に蕩々と語ればいいのです。
 もしくは「安倍政権のここの施策は○○という理由で間違っている」と批判すればいいのです。
 それも出来ずに、過去のネタミツラミだけを愚痴るだけとは、本当にどうかしているとしか思えません。
 結局「自分に自信が最後まで持てなかった」末路なのでしょう。
 
 全ては「自分達への批判は全て攻撃」と思ってしまう精神構造がなせる技です。
 こんな体たらくでいったいどういう考えで政権運営していたのでしょうか。
 自分達は常に悪の組織に付け狙われているとでも思っていたのでしょうか。
 もはや病気ですよね、それ。
 別に再建する必要もないとは思いますが、このような精神構造のままでは、いつまで経っても民主党は再建されるコトはないでしょう。
 というか、このまま消えて無くなるだけでしょうね。
 
 ただ日本のためには、民主党でなくてもいいので、キチンと建設的な意見を言える、真に国益になると自信を持って発言でき、その上で政府を「質せる」野党の出現を臨むところです。
 いまのところいませんが。