日本BBSの理想

 この「日本を良くしようBBS」は見ての通り議論ページである。
 インターネットには数多くの議論系ページが存在している。
 しかしその中身を見てみると、個人攻撃があったり、罵倒があったり、また的外れな意見があったり、議論にもならないような意見と呼べぬものがあったりする。
 もちろん全てのページを見て回ったわけではないし、全部そうとは限らないだろうが、それでも伝統を重んじる保守系ページでも罵倒に近い書き込みが存在しているし、民主主義を信奉する進歩系ページでも相手の意見に対して全く聞き耳持たずといった態度の書き込みが存在している。
 少なくとも私が見たことあるページの中では、このようなページしかなかった。
 もちろんそれが完全悪だとは言いわないし、匿名性がもたらしたメリットに対するデメリットという意味合いもあるので、それは享受せざるを得ない場合もあるかもしれない。
 しかし私はそれを是とは思わない。
 インターネットは公の場であり、なんでも個人の思うがままの世界では無いはずだ。
 それならインターネットという場を放棄しろ、という意見も聞こえてきそうだが、それは違うはずだ。
 年齢や性別などを考えなくてもいいという匿名性のメリットはもちろんあるし、世界中どこにいても議論ができるという地理的なメリットもある。
 簡単にアクセスできるので、今まで議論の場に参加できなかった人でも簡単に参加できるというメリットも大きい。
 議論をするという意味でこれほど大きなメリットはないと思う。
 そして、この恩恵を預かる対価として必ずデメリットも享受しなければならないということは無いはずだ。
 逆に言えば、匿名性だからこそ本当に意見のみで議論が出来るのではないのだろうか。
 そう思いこのページを作った。

 管理の仕方によりインターネットでも罵倒を無くすことは出来るだろう。個人攻撃も無くすことは出来るだろう。議論にもならないような意見とは呼べない書き込みも減らすことも出来ると思う。
 しかしインターネットでそのような、言わば相対的に見て“きつい管理”をするのはいやがられる傾向にある。
 そのような管理は、言論の自由の侵害だ、と言う人も多く存在する。
 しかし果たしてそうだろうか。
 私がやりたいと思っていることは、リアルワールドでの議論とそう変わらないはずだ。
 テレビの議論番組では罵倒など以ての外だし、一般社会であまり親しくない人間に対して「バカ」等の言葉は絶対使わないだろう。
 もちろんバカという言葉も使いようであるし、私の個人HPでもよく使う言葉だから一概に言えないが、少なくとも議論の中で相手に対しての反論をこの一言で済ますことは出来ない。
 こんなことはリアルワールドでは常識だしマナーである。
 敬語も同様で、あまり親しくない人間に対しては敬語を使うのは常識である。
 ましてインターネットの世界では相手の顔も分からなければ年齢も分からない。
 相当親しくならない限り敬語で接するのは当然である。
 私が言っていることはごく普通のことで、リアルワールドの“普通のこと”をインターネットでやろうしているのだけである。
 インターネットの世界が元々変なのであって、それを正そうとする事が言論の自由の侵害になるはずもなく、結局自由というものの本質が分からなくなってしまっている人間が多くなってしまっていると言えるのだろう。

 まぁ、建前はそうであるのだが、やはり相対的に見てこのページは規制が堅いと呼べるページだろう。
 私はそれでいいと思っている。
 また、このページは【堕天使の槍】に比べ相互リンクなどの宣伝活動をあまり行っていない。
 私は、社会思想は分かる人間にだけに分かればいい、という考え方は違うと思っている。
 少なくとも日本においての思想革命は、“全く政治等に無関心の人間にさえ無意識に思想が行き渡っている状態”だと考えているので、自分の考えを世に伝えようと思う場合には分かりやすく面白く伝えようと心がけているし、また人間全員が全員難しい考えを持つ必要はないと考えている。
 しかし議論をするということになれば話は別である。
 議論だけの話ではない。私がやっているようなHPをするにしても議論をするにしても、自分の考えを世間に出そうとするのであれば、それなりの深い考えが必要だし、公の場に考えを発表するのだから責任も必要である。
 考えを発表するという立場は、観衆でいるという立場より一歩踏み込んだ責任が発生する立場である。
 無責任のままいたいのであれば発言してはいけない。
 言ってみれば、インターネットの無秩序ブリはこのような無責任でいたいのにさらに発言までしたいという我が儘な人間のせいであるとも言える。
 多くの人間が集まればこのようなガキのような人間が混じっていることがある。
 特に、急に人間を集めるようなことをすればこの傾向が顕著になる。
 だから当ページはあまり目立った宣伝活動をせず、本気で議論したいという人間はいずれ訪れることになるだろうというスタンスを取りたいと思っている。
 またそうすることで集まる人間が増えても質を保つ事も出来るだろう。
 常に質を保っていれば、場違いな人間は入りづらい状況になるだろうし、もし間違えて紛れ込んだとしてもそれなりに対処できるというものである。
 純粋な意見のみの議論というものを行っていきたいという思いから、当ページは宣伝活動をあまりしていないのである。
 アメリカの大統領選挙が最近あったが、それを見ていてもアメリカの議論というものは、自分を上に持っていこうとするよりは、相手を下に下げてやろう、という傾向にあるように見える。
 もちろん日本に入るわずかな情報のみでの印象なので、全てがそうではないだろうが、しかしそういう部分が目立つ形で存在するのは事実である。
 私はそういう議論はしたくない。そんな議論の中からは何も生まれないと思う。
 選挙は相手に勝つという目標があるが、多くのネット議論は相手に勝つというレースをしているのではなく、議論の中から問題を解決すること、さらに自分にプラスになるものを生み出すものであろう。
 だからネット議論に罵倒や個人攻撃は必要無いはずだ。
 もしインターネット議論の全てが公を無くしてしまった罵倒や個人攻撃のみの世界になったとしても、当ページだけはそのようなものを排除した純粋意見議論をしたいと思っている。
 現在のネット世界を見渡してみれば、相手を引っ張るような議論の方向に向かっていると言わざるを得ない。
 カッコイイ事を言うのであれば、当ページが純粋意見議論の最後の砦となりたいと考えている。

 繰り返すようだが、相対的に見れば当ページはきつい管理になるだろう。
 私はそれを言論の自由の侵害とは露程も思わないので、それを実践していく。
 具体的に言えば、いくら理論的に優れている意見だとしても、それが敬語も使っていないのならまだしも、はじめから相手をバカにしているような態度がにじみ出ている書き込みであるなら、私はその人に対し警告を発する。
 いくら論が立っていようとも、「そんなことも分からないバカなのか」みたいな書き込みは許さない。
 また逆に、いくら敬語を使い丁寧な書き込みでも、全く内容の無いただ相手に反論するだけのような書き込みも許さない。
 私の経験なのだが、私がいくら理論で反論しても相手は「君の非常識さを公言する内容ですね。馬鹿馬鹿しい。」とか「君の発言が雑音ではなく、君自身が雑音です。」とかこんな反論を書いてきた人間と議論したことがある。
 今出した例は実際に私に言ってきた書き込みなのだが、いくら敬語を使っていてもこれでは議論にならない。
 馬鹿馬鹿しいで済むのなら、馬鹿馬鹿しいとアホらしいの2つだけで全てが事足りるだろう。
 このような書き込みを許していると、ズルズルと罵声が飛び交う掲示板になってしまう。
 もちろんこのような書き込みに対しては警告を発し、もし改善されないのであれば削除も辞さない。
 当然のことだが、内容もなく礼儀もなく罵倒のみの書き込みなどに対しては警告無く即刻削除する。
 これはルールとかそういう問題ではなく、集団社会に生きる人間として当然のことである。
 無制限な野放しをすることが自由ではない。
 何度も言っているが、それらは何も難しいことを言っているのではなく、普通に議論をしようと言っているだけである。
 罵倒でしか議論が出来ない人間は議論というものをしてはいけない人間なのだ。
 私は議論の中から何かを生み出すための議論をしたいのである。

 私は当ページの主催者であり管理人である。
 当ページは結論を出すという他の議論ページでは見られない特殊なことをやっており、そのためには私が第三者的な立場で冷静かつ公平な判断をしなければならない立場だ。
 だから本来ならば私が当ページで議論を行うのは適切ではないのだが、しかし現在はそんなに活発には議論は行われていないし、やはり私だって議論したい(笑)
 私が目指す理想の掲示板を自分で作ったのに、その理想で自分が動けないのは何か矛盾をも感じてしまう。
 だから今は積極的に(とはいっても結構ほったらかしにしてしまっているので議論が止まりがちなのだが)議論に参加している。
 将来もっと当ページが賑やかな状況になれば、私はあまり議論に参加せず、しかしあまりに私が議論したいような状況になれば消極的に議論に参加する、という形にしたいと思っている。
 言ってみれば「結論を出す」という目標は、不毛な議論を無くすという目的のために作られた旗印、象徴みたいなものだから、そこまで重要視する必要はなく、一番重要なのは議論の内容であるのだから、それが一番良いと思っている。
 この辺は私を信用してくれとしか言えないのだが、また悪質な書き込みに対する処置も明確な明文化は出来ないし、しても仕方ないし、それも私を信用してくれとしか言えないが、何度も言っているように特に難しいことを言っているのではないのだから、正常なバランス感覚を持っている人なら理解してくれるだろう。
 逆に言えば、それが分かる人間だけ当ページに集まればいいと思っている。

 無秩序なものを作るより秩序を作る方が難しいと思う。
 しかしインターネットが今よりさらに無秩序な世界になってしまうと、それは破滅への階段を駆け上がっているようにしか思えないので、私は違う道を進みたいと思う。
 カッコよく綺麗にまとめてしまって申し訳ないが、私の考えと理想の結果の一つが当ページであるのだから、出来るところまでやっていきたいと思う。
2000/12/16

NEXTHOMEBACK