みんなでK国に旅行に行った時のことです。
やえ達はみんな同じバーチャルネットアイドルということで、とってもリラックスして旅行を楽しんでいました。
物価は安いし食べ物は美味しいし治安はいいし、すごく楽しい一日でした。
まだ明日もあるんですけど、そのままの楽しいテンションのままで夜に突入。
一室に集まってワイワイ騒いでました。
とっても楽しみにしていた海外旅行ということもあって、その夜はちょっと修学旅行的なアヤシイ雰囲気だったかもしれません。
あはははははは、それはイイですねぇ〜
いやー、それ悪趣味だよ〜
えー、いいじゃんいいじゃん
普段はこれでもアイドルですから、一応それなりに周りの目にも気を遣いますし、例えプライベートな時間であってもいつでも他人から見られているということを意識しています。
でもここは外国ということもあり、また一緒に来ているみんなもアイドルですからその辺を気にする必要が無いんですね。
だから他の方達も、いつもお見かけする感じとはまた違った、いわゆる普通の女の子っていう感じがしました。
お仕事ももちろん楽しいですけど、こういう時間もとても楽しいです。
しかし、レイホウちゃん大丈夫かなぁ
昼間はそんなに疲れてる表情じゃなかったんだけどねぇ。
ちょっとスケジュールが無理すぎましたかね
でも時間もちょっとしかないし、日本に帰ったらまた忙しいし
旅行に来た分、仕事が詰まっちゃってますしね(汗
ゆっくり寝ておけば大丈夫よ
実は、この旅でまぶだちになったれいほーさんなんですけど、この日の夜、ちょっと具合が悪くなって夜のおしゃべり会には出ずに、別室で寝ていたんです。
アイドルという職業上、少々の体調の悪さでも仕事をしなければならないのですが、それだけに一般の人よりは体調が悪い時の対処法というものは心得ているんです。
あ、やえ、用心のためにお薬を持ってきているんですよ
わー、さすが用意周到ね
これ飲んだらすぐ直っちゃいますから
そうそう、調子が悪い時はお薬を飲んでぐっすり寝るのが一番だよね
じゃあついでにれいほーさんの様子を見てきますねー
はーい、よろしくー
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
トントン
れいほーさーん、大丈夫ですかー?
・・・・・・・・・・
トントントン
・・・・・・・・・・
あれ?
寝ちゃってるのかな?
カチャッ
れいほーさーん・・・お邪魔しまーす
寝ているかもしれないという思いから、やえはなるだけ音が立たないようにゆっくりとドアを開けました。
時はすでに11時。
当然外は真っ暗です。
やっぱりれいほーさんは寝ているのか、部屋の明かりも落とされていました。
れいほーさ・・・・・・・・・・はっ
明るい場所に目が慣れていたせいで、れいほーさんがどこにいるのか分からなかったんですけど、でもすぐにその居場所を把握することができました。
それは、闇夜の中を窓から伸びる一筋の月明かりがスポットライトのように、寝息を立てているれいほーさん自身だけを照らし出していたからです。
異色の宗教家アイドルとして人気を博している彼女ですけど、まさにその姿からは神々しさを感じずにはいられませんでした。
・・・綺麗・・・。
やえは、れいほーさんが病気で寝ているのをも忘れ、ついつい声に出してその単語をつぶやいてしまった。
まさにその言葉しか今のれいほーさんの姿を形容できません。
カチッ
ボーン・・・ボーン・・・ボーン・・・
・・・はっ
一瞬だったのか十数分だったのか、やえはれいほーさんの姿に時が経つのを忘れて見とれてしまっていたんです。
時計の音で、ふと我に返ったやえは、れいほーさんが病気であることを思い出しました。
・・・あ、れいほーさん、お薬もってきま・・し・・・・・・
・・・あっ・・・。
我に返ったやえでしたが、今度はさっきとは別の意味でれいほーさんの今の姿に見とれてしました。
さっきまでのその神々しさのせいなのか今まで全く気づかなかったのですが、れいほーさんの、息苦しそうに身もだえ、汗をジッとかき、布団を乱してその美しい四肢を惜しげもなく晒しているその姿に・・・。
・・・れ、れいほーさん・・・ちゃんとお布団に入らないと悪くなっちゃいま・・・
れいほーさんは普段は宗教家、聖職者として振る舞っている身です。
アイドルではありますが肌の露出は最小限に押さえ、その身は神の捧げているのだと公言していらっしゃいます。
それだけに、やえもこんなに露出している脚を見るのは初めてでした。
アイドルとしてはありがちなんですが、えっちであまりよろしくない雑誌なんかでは時々「ものずこく綺麗な脚だ」と噂になっていましたし、アイドル仲間の中でも肌のきめ細やかさも相成ってその噂は定説になっていたんです。
それは、噂に違わず、いえそれ以上だとやえは思いました。
・・・れいほーさん、綺麗すぎる・・・・
窓から差し込む神々しさを感じずにはいられない月明かり。
普段は隠しているその美しすぎる四肢。
神に仕える身としてのその凛とした顔。
きめ細やかな肌から艶めかしく滲む汗。
熱からか息苦しそうに寝悶える姿。
・・・れ、れいほーさん、そ、そのままじゃ、汗で・・・体が冷えちゃいますから・・・きがえ・・着替えましょう・・・ね。
それはれいほーさんに言っているのか、もしくはやえ自身に言い聞かせているのか、言葉には力が入っておらず上の空で、やえ自身誰に言ったのか、少なくともれいほーさんに確認するために言ったのではなかったでしょう。
自然に口からそんな言葉が出てしまいました。
・・・れいほーさん・・・
そう言いつつ、やえはれいほーさんを見たまま後ろにさがり、ドアとノブを手で確認していました。
・・・お着替え・・・しましょうね。
カチャッ