一行ボードでのある書き込みに対して、やえは ? しか頭に浮かばなかったんですが、もしかしてこの記事のコトなんでしょうか。
中国のギョーザ中毒情報を「隠ぺい」…民主、首相に説明要求
中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、中国国内での被害発生情報が7月7日に日本政府に伝えられていたことが外務省の説明で判明したことを受け、民主党の直嶋政調会長らは12日、首相官邸で岩城光英官房副長官に対し、国会の閉会中審査を開き、福田首相に被害を公表しなかった理由について説明するよう文書で申し入れた。
文書では、首相や政府の対応について、「(中国国内での中毒被害に関する)情報は、日本国民はもとより、食の安全を所管する内閣府、厚生労働省、農水省にも一切伝えられなかった」と指摘。その上で、「首相や日本政府は、国民に対し事実を隠ぺいし、必要な対策を何も取らなかった。福田内閣は『安心実現内閣』を標榜(ひょうぼう)しているが、中国政府の安心を実現する内閣と言わざるを得ない」と厳しく批判した。
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もうちょっと想像力は働かないのでしょうか。
結局この問題はすでに外交問題なのですから、どうしても駆け引きというモノは存在してしまいます。
中国側としても、この問題を引きずって日本との関係を壊したくないですから、今回の情報をずっと隠し続けておくという選択肢をとるコトは難しいと判断したのでしょう。
もし日本側が独自にこの情報をキャッチした等というコトになれば、ますます中国は厳しい立場になりますから、そういう意味からも中国から情報を「渡してあげる」という方法に出たのだと思われます。
そしてその上で、日本側に出した条件が、サミットが終わってからにしてほしい、というコトだったのではないでしょうか。
世界が注目する、しかも政治問題を扱うサミット中に公表されると、さすがに中国はメンツ丸つぶれだと思ったのでしょう。
そういう意味において、情報を提供する代わりに公開時期はもうちょっと待ってくれと中国は日本側に提示したというところが、今回の一連の流れ場そういう駆け引きの中で生まれたモノだったのではないかとやえは想像しています。
日本人はどうしても「日本が被害者なのだから」という思いから、「何事も無条件に非を認め謝罪すべきだ」と思ってしまいがちですが、もちろんこの考え方は間違いではないとやえも思っていますけど、残念ながら外交はそんな単純な話ではありません。
日本国内では日本の権力が及ぶからこそ、情報や証拠を隠しても強制力を持って捜査できますが、しかし外国に対しては日本の警察も権力を及ばすコトは出来ません。
これが例え日本側が完全に被害者でもです。
日本で人殺しが殺人罪であるのは、日本の法律によってそう規定されているからであり、ただそれだけの理由でしかありません。
そして日本国内において法律がキチンと機能する理由は、日本国内が日本政府の権力下にあると世界が認めており、また警察などのある程度の実力を持つ実行部隊が存在するからです。
ですから、これは拉致問題にも言えるコトですが、例え日本の法律で規定する犯罪行為であったとしても、その捜査を日本の警察が外国で行うコトはできませんし、そもそも犯罪だと、お前は加害者で自分は被害者だと認定するコト自体、外国に対してはできないのです。
もしそれを100%履行させようとするなら、国内における実力行使のための警察という位置づけのように、軍隊によって戦争を起こし、実力をもって無理矢理に履行させるしかないでしょう。
しかし戦争以外の手段を考えるのであれば、交渉を相手国と行うしかありません。
日本の警察が捜査するにも相手国と交渉をして許可を得なければなりませんし、情報を得るコトすら許可を求めなければなりません。
繰り返しますが、いくらこっちが被害者だと言ったとしても、外交問題である以上、相手の同意が必要なのです。
その中で情報を得るためには、やはり外交ルート同士の信頼関係というモノは不可欠と言えるでしょう。
いくら仕事上のコトとは言え、人間関係というモノは無視できません。
これは外交だけでなく、あるゆるビジネスや、学校なんかでも同じコトですよね。
国同士だってそうです。
そういう関係の中で、今回の餃子の情報が日本にもたらされたワケであって、そして相手は「公開時期を遅らせて欲しい」と条件をつけてきたワケで、だったらその条件を飲んでも、ある程度は仕方ないと言えるのではないでしょうか。
もしここで突っぱねて、今後この問題だけに限らず、色々な場面で中国が日本に一切情報を渡さなくなってしまったらどうするのでしょうか。
それこそ大きく国益を損ねてしまうかもしれません。
まして今回の情報、そこまで急いで公開しなければならない性質のモノではないと言えるのではないでしょうか。
いつ公開されようが、まぁさすがに1年後とかは話になりませんが、せめてサミット最中だけはというコトでしたら、飲んであげても許容範囲だと思います。
どちらにしても、これでますます中国側に非があると、証拠が揃ってきているワケなんですからね。
むしろいちいち目くじらを立てて、日本政府の足を引っ張るようなコトをしても、むしろそれは中国政府の利にしかならないでしょう。
中国は焦っていると思います。
以前にもやえは言ったコトがあると思うのですが、中国側はなんとかこの問題を幕引きとしたいと思っているようですが、しかし日本政府の各担当役所が「こんなんで国民が納得するワケないだろ」と突っぱねている、というのが今の餃子問題の日中間の構図です。
実際日本においては日に日に中国のイメージは悪くなっていますし、また今日の問題だけにしてもなんとオリンピック開幕の2日前公表という、サミットは回避したけど中国にとってはイヤすぎるタイミングで公表して、先日の更新でも言いましたように、日本からの観光客はなんと去年より減っているという状況です。
中国はこれらのコトに対して確実に焦っているハズですから、一番大切なのは、日本人が常に強い態度で中国を見続けるコトなのではないかと思います。
確かに今オリンピックで世界中が盛り上がっているかもしれませんが、しかし先日も言いましたように、オリンピックはオリンピック、それと餃子問題は別問題です。
オリンピックが終わっても、日本人が引き続き高い関心を持って餃子問題に目を向け、厳しい態度で中国に接するコトが、なによりも中国にとって一番つらいコトでしょう。
外交とは単純なモノではありません。
色々と難しい面もあるでしょうし、あまり一般人には知られないきたない部分や、闇の部分もあろうかと思います。
しかしだからこそ安易に政府叩きに走るのではなく、キチンと正面を向いて、批判すべき人に向かって批判の声を上げるコトが一番大切だと、やえは思います。