☆やえニュース☆

  麻生メルマガレビュー社保庁の責任 2北のミサイルと国内防衛意識今こそ憲法論議の時改憲の覚悟麻生メルマガレビュー経済対策は金持ち優遇?日本の防衛的先制攻撃北朝鮮に対する国連安保理批難議長声明で合意最強の政治家

平成21年4月2日

 麻生メルマガレビュー

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  ■○■○■   麻生内閣メールマガジン第25号    ■○■○■ 
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 ★☆新年度にあたり、太郎ちゃんねるの装いを新たにしました。
 総理があなたの質問にお答えします。どんどん質問をお寄せください。☆★
 
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 ●麻生太郎の「強く明るく」
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 [安心と活力のための政策総動員]
 現在、金融サミットに出席するため、ロンドンに来ています。ロンドンでは、珍しく空が晴れわたっています。久しぶりにロンドンに来ましたが、街が見違えるほどきれいになっていて驚きました。昨年前半まで景気が良かったからでしょう。
 サミットでは、世界経済の成長回復に向け、地球規模での協調を強化するため、日本の経験を生かし、積極的にリーダーシップを発揮したいと思います。
 
 こんにちは麻生さん。
 つい先日、元気に森田健作新千葉県知事と握手していたと思ったら、今日はイギリスのロンドンなんですね。
 お疲れ様です。
 ところでやえの中のイギリス・ロンドンのイメージというのは、石造りの町並みで、ちょっと薄暗くて、霧に覆われていて、ご飯があまりおいしくない、というモノだったりします。
 偏見でしょうか(笑)
 しかしよくよく考えなければならないのは、この今の不景気というのは、アメリカが原因となって始まり、世界規模となって膨れあがっている、全世界的なモノであるというコトです。
 決して日本だけが不景気なのではなく、日本が原因というワケでもありません。
 だからこそ、変な犯人捜しに陥るのではなく、いまこそ前を向いてみんなで一所懸命がんばって努力して、この不景気を乗り越えていこうと気概を持たなければならないのではないでしょうか。
 
 先週金曜日、平成21年度予算と関連法が成立しました。私は、「予算の早期成立が、最大の経済対策である」と申し上げてきました。これで、昨年度の二度に渡る補正予算に加えて、「景気対策の3段ロケット」が完成しました。
 
 予算案は憲法の規定により衆議院だけで済むので比較的早く決まりましたが、予算案ではない関連法案がなかなか進まないのが、本当に残念でなりません。
 麻生さんがおっしゃっているように、今回はスピードこそが最も大切な回復への要素です。
 それなのに、一部の勢力は、自分の都合だけで、党利党略だけで審議を拒否して無駄な時間だけを費やしてしまいました。
 例えば高速道路の1000円の対策は初日からなかなか盛況のようでしたが、これがもっと早く実現していれば、当然ですがもっと早く経済効果もあったワケですよね。
 麻生さん、さらなる補正予算を計画とのコトで、がんばってもらいたいと思います。
 
 新年度予算では、雇用保険の加入対象者を、これまでは1年以上雇用される見込みのある人だけだったのを、6カ月へと短縮し、非正規雇用の方の生活保障を強化します。雇用保険料自体も引き下げます。例えば、年収500万円の標準世帯では、会社とご家庭あわせて、年間で約2万円の負担減になります。
 医師の確保や救急医療機関への支援の充実、新型インフルエンザ対策の強化など、国民生活の安心の確保に、重点的に措置を講じました。
 また、介護従事者の報酬を3%引き上げ、処遇の改善と人材の確保を図るとともに、出産一時金を42万円へ引き上げるなど、安心して出産・子育てできるように、支援を拡充します。
 すでに実施中の平成20年度の第一次、第二次補正予算は、おかげ様で大きな成果を上げつつあります。
 
 なんかやえは思うんですが、出産の一時金の引き上げとか、なんでもない時は「子供が産みにくい社会だ」とか「政府はもっと支援すべきだ」とか言っておきながら、いざ支援を始めると、なぜか対策が給付金しかないかのように扱って、肝心のコトをほとんど報道しなかったりします。
 あまりにも偏っている、アンフェアな報道としか言いようがありません。
 もう何度も言ってますように、本来マスコミの使命は、こういう対策を政府が行った結果、どういう効果が表れたのか、表れつつあるのか、そして現場の問題点はないのか、そういうところを丁寧にすくって、明らかにするコトではないのでしょうか。
 それが国民のため国家のためだと思います。
 
 中小企業の金融支援については、「緊急保証」と「特別融資」とで、これまでに、約50万件、10兆円が実行され、300万人を超える方々の「雇用の安心」につながっています。
 地方の高速道路については、28日から「休日はどこまで行っても千円」が始まりました。多くの方に利用していただいています。先行した本四架橋やアクアラインでは、周辺の観光地にも賑わいが戻った、と伺っています。
 妊婦健診の実質無料化も実現しました。
 定額給付金も4月中には、ほとんどの自治体で給付が始まります。既に給付金を受け取ったというご意見も頂いております。是非、消費拡大に使ってください。
 
 これももう何度も言ってて恐縮ですが、やえとしては、日本の景気浮上のために最も効果が期待されるモノは、おそらく中小企業への支援だと思っています。
 日本の経済は、中小企業によって支えられていると言っても過言ではありません。
 ですから、そして体力的にギリギリでやっている中小企業こそを支援するのが、日本の景気対策経済対策にとって最も重要だとやえは思います。
 マスコミは本来ここを重要視して、丁寧に現場を取材すべきなのです。
 でも実際やっているのは、ただの政権批判ばかり。
 そう言えば朝日新聞の社員が匿名掲示板で差別発言を繰り返していたとかニュースになっていましたけど、ホントいまのマスコミは日本のためという視点が全く抜け落ちているとしか言いようがありませんね。
 
 しかし、先日発表された雇用情勢は、有効求人倍率が6年振りに0.6を下回るなど、経済は厳しさを増しています。また、2月の国内の自動車生産が、前年比で半分以下に減少するなど、日本経済は、今なお、「経済危機」とも言える状態にあるとの認識で、危機感を持っています。
 
 求人は時期的なモノがありますから、どうしてもリアクションが数歩遅れて出てしまうんですよね。
 ですから来年度もちょっときびしい数字が続くかもしれません。
 
 私は、先月、合計10の分野で、80名を超える各界の有識者から、幅広く、ご意見を伺いました。オール・ジャパンで知見を集め、国民一体となって、この危機に立ち向かうことが必要です。
 このような状況を直視し、私は、ロンドンに出発する直前、政府・与党に、「新しい経済対策」の策定を指示しました。
 政府としては、これまでの経緯にとらわれることなく、大胆な発想で、最大限の対策に取り組む。私は、これを「安心と活力のための政策総動員」と表現します。
 
 オール・ジャパンになればいいんですけどね。
 実際のところは、必ず抵抗勢力が出て、しかもそれがより良い日本のための議論ではなく、ただ抵抗のための抵抗に終始するだけですから、もうなんともならないんですよね。
 国民も、結局それは最終的に自分自身に跳ね返ってくるのですが、まぁそこまで考えていない人、残念ながら多いんですよね。
 
 今やらなければならないポイントは3つです。景気の底割れを防ぐこと、雇用を確保し、国民の痛みを和らげること、そして、未来の成長力強化につなげることです。
 経済危機脱出のための、第4段ロケットを作ります。3つのポイントをキーワードに、政府・与党で力を合わせ、政策を具体化し、4月半ばに皆さんにお示しできるよう、早急に検討を進めます。
 景気回復を確実にすることが、私に与えられた最大の使命。断固たる決意を持って、出来うる限りの政策を集中的に実施します。
 
 3段ロケットから4段ロケットに移行ですね。
 やえは思うのですが、冷静に考えれば、アメリカの金融危機当時に比べて、麻生さんの経済対策の3段ロケットが揃った今は、かなり雰囲気が変わっていますよね。
 景気は、言ってしまえば気分の問題と言えます。
 麻生さんがいまこうやって色々な対策をしているというコトを国民がまず受け止め、もちろん中身について議論し吟味するコトは大切ですが、入り口から否定するのではなく、いま自分は何が出来るのかを考えながら、経済について問題に当たっていくのが、回復への一番の道なのではないはないでしょうか。
 
 さて、4日から8日にかけて、北朝鮮が、国連安保理決議に違反して、飛翔体を発射すると発表しています。
 北朝鮮による飛翔体の発射は、わが国を含む北東アジア地域のみならず、国際の平和と安定を損なう挑発的な行為であり、断じて容認できません。世界各国と緊密に連携し、北朝鮮に対し、引き続き、発射の自制を強く求めていきます。
 仮に、発射がなされた場合、万が一の事態に備え、防衛大臣に破壊措置命令を出させ、警戒体制を強化しています。
 発射が強行された場合には、すみやかに、テレビやラジオなどを通じてお知らせします。政府として、国民生活の安全を守るため、万全を期してまいります。
 
 相変わらず日本には平和ボケした脳内がお花畑のアレな人が絶滅せずにしぶとく残っているようですが、なんですかね、この際北朝鮮のロケットというのはミサイルでも衛星でも日本にとっては関係ないハズなのに、どうしてこれが議論になっているのかやえには不思議でなりません。
 だって、仮に爆発能力のない人工衛星だったとしても、日本国内に落下したら危ないじゃないですか。
 落下したところに人がいたら、確実に死にますよ。
 ですから、飛翔体の正体がなんであろうと、国内に落ちてくるのでしたら、それを排除するのは当然です。
 人工衛星だからといって、落下するのを指を口にくわえて見てて、それで死者が出たら、だれがどう責任を取るつもりなのでしょうか。
 もちろん一番悪いのは北朝鮮ですが、「人工衛星だから迎撃するな」と言っている人は、人工衛星を雨か何かだと勘違いしているとしか思えません。
 もしくはもう正常な思考が出来ない可哀想な人になってしまっているか。
 他人の家に人が死ぬほどの物体を飛ばすコト自体が非常識なのであり、領土領海領空問わずに「日本国内」に入ってくるなら、何であろうと迎撃するのが普通人常識人の判断でしょう。
 麻生さんの英断に期待しています。
 
 
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 ●編集長のひとこと
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 金融サミットに出席する総理に同行してロンドンに来ています。現在の危機は一国で対処しても克服できません。世界各国が協調することが不可欠です。日本としてやるべきことをきちんと実行し、各国に働きかけを行うとともに、連携をはかっていきます。
 
 松純先生こんにちは。
 相変わらず麻生さんにピッタリですね(笑)
 
 これまでの外遊に劣らず、総理の意気込みは、相当なものです。移動の機内でも、今回のサミットでどのような対応をとるべきか、熟慮を重ねていました。私も、総理の会談などの結果について記者団の皆さんにご説明する役割をもっていますが、ビジネス界出身の総理が自らの知識と経験をもとに活躍する様子をしっかり皆さんにお伝えできればと思います。
 
 大舞台に強いというのは、総理大臣としては大きな武器ですよね。
 なかなか総理が活躍するところを日本のマスコミは伝えようとしませんが、それだけに私設応援団の松純先生にはがんばってもらいたいところです。
 
 今週から、「太郎ちゃんねる」は、読者の皆さんから寄せられた質問に総理から答えてもらうこととします。なお、年齢や性別など質問者が記入されたご自身の情報も掲載させていただきます。総理に質問のある方は、どうぞお寄せください。(松純)
 
 ちなみに今週は
 
 「Q:総理に就任されて半年がたちましたが、感想を教えてください。(東京都、40代、男性、会社員)」
 
 という質問でした。
 なんかこの質問あまり面白くなさそうですから、もっとアレな質問に答えて欲しいですね。
 「ゴルゴに狙われたらどうしますか?」みたいな(笑)
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、ローゼン閣下を応援しています。
 

平成21年4月3日

 社保庁の責任 2

2.日本の役所システムは民間企業の常識と比べられるほど単純ではない
 
 次に2です。
 役所と民間企業とを比べるという手法は、社保庁の問題に限らず、色々な問題でなされる手法ですが、でも現実問題はそんなに単純なモノではありません。
 例えばリンク先のブログさんには
 

 社保庁の平の職員がかりに怠慢の極みだったとしても,その仕事を別組織に切り替えたり,仕事の一部を別組織や民間に委託するのには,何らの違法性も,交渉の必要性もないわけです。それができるのにしなかったのは,管理職やトップの責任なわけで,これを部下が抵抗したからだと後になって言い逃れるのは,失笑ものです。

 という一文がありますが、これはかなり現実無視の論でしかありません。
 民間企業なら経営者の判断で、現場の人間の部署を変えたり、業務を別会社に委託したりするコトは出来るでしょう。
 しかし公務員はそうはいきません。
 もし業務を民間に委託するのであれば、かなり大変な作業が必要になると想像できます。
 わりとどうでもいい業務ならまだしも、台帳を紙からコンピューターに写すという、社保庁の業務の中核である個人情報を取り扱う仕事なのですから、これはかなり重い仕事になります。
 であるなら、おそらく法改正はまだしも、最低限省令などの改正は必要になるのではないかと予想されます。
 またそうでなくても、かなりデリケートな個人情報を取り扱うコトになりますので、少なくとも永田町の意向を伺う、つまりある程度の政治問題になるコトが予想されます。
 
 例えばいま一部の地域で駐車違反の取り締まりを警察から民間に業務委託をしていますが、これを変えるのもかなり大変な作業が必要でした。
 相当の部分について政治が動いたというのは、記憶にある人も少なくないと思われます。
 役所って手続きが大変なのです。
 トップが思い立ったら吉日とホイホイ変えられるモノではないのです。
 それは総理でも同じですし、むしろおそらく総理自身が一番それを分かっているのではないでしょうか。
 
 ですから少なくとも「何らの違法性も,交渉の必要性もないわけです」というのは、かなり現実無視、というか現実をよく分かっていない一文だと言わざるを得ません。
 特に国家公務員の場合、これは最近の問題でも取り扱われていますように、その身分問題は長官や大臣ではなく、人事院が保障しています。
 そして人事院はかなり政府とは距離が置かれている特殊な役所であり、政府や政治が手を突っ込むにはかなり面倒なお話になってしまうのです。
 給料一つとっても、総理大臣をもってしても、一存では難しいお話なのです。
 この辺は最近の人事院の騒動で理解できる人も多いでしょう。
 だからこそいま人事院の改造論が出ているワケで、これは「大切なのは中身です。」の更新でお話ししたように、問題を改善するにあたっては出口だけを見るのではなく、その原因を変えるべく、システムの部分である人事院を変えようと、麻生内閣はいま改革を行おうとしているワケですね。
 この中身が適切かどうかは今回の場合は置いておくにしても、これほど公務員制度というのは複雑なのです。
 
 さらにひとつの例を挙げておきますと、社保庁の解体は決まっていると言いましたが、新しい組織を作る場合、自民党は一定の制限を決めて、問題がある職員は採用しないという方針を打ち出しています。
 しかしこれ、実は現実にはとても難しい問題なのです。
 というのも、先ほども言いましたように公務員には人事院や人事委員会(地方の人事院のようなモノです)の強力な後ろ盾がありますので、実際これを不服として裁判に持ち込まれてしまった場合、政府側が負けてしまうのではないかという可能性が、法的に見てもあるようなのです。
 裁判ですので実際やってみなければ分かりませんが、こういう可能性が語られる時点で、相当に公務員制度というのは複雑で難しくて“強固”なモノであると言えるのです。
 簡単に民間企業と比べられるモノではありません。
 
 また、こういう制度があるからというのもあるのでしょうけど、公務員の抵抗というモノを甘く見てはいけません。
 時に総理のクビさえも吹っ飛ばすくらいです。
 そういう現実を前にした場合、「これを部下が抵抗したからだと後になって言い逃れるのは,失笑ものです。」と言ってしまうのは、ちょっと軽すぎる言い方なのではないかと思わざるを得ません。
 まして労組のバックに付いているのは、国会議員集団である民主党という政党です。
 単に「部下」と呼べるようなシロモノではないワケです。
 
 民間企業なら、単純に経営者vs労働者という視点だけで語っても事足りる場合もあるでしょうが、霞が関はこれでは済まないのです。
 よって「民間ではこうできるのだから」という理由は、全くの無意味です。
 
 
 (つづく)
 

平成21年4月6日

 北のミサイルと国内防衛意識

 さて、みなさんもうご存じだと思いますが、北朝鮮が日本方向に向けて何らかのロケットを発射しました。
 一段目は日本海に、二段目は太平洋に落下し、本体の三段目はどこに行ったのかは分かりませんが、とにかく日本を飛び越えて行ったのは事実のようで、この飛翔体が人工衛星の実験か兵器としての実験かはともかく、というかこの二つはほぼ一緒なのですけど、どちらにしても日本にとっては危険きわまりない行為だったというのは言うまでもないコトです。
 これから日本、そして日本国民は、現実味のある危険をどう対処するのか、あらゆる面において真剣に考えなければなりません。
 
 今回の件、やえは「かなり実践的な予行演習が出来た」という風に考えるのがいいんじゃないかと思っています。
 もちろん北のテポドンが日本国内に落下するのでしたら、演習とは言わず実際に打ち落とすのが当然ですが、それでもとりあえず今回の発射に関しては冷静に考えれば今回はまだ直接的な「攻撃目的」ではないのは確かです。
 それが兵器としての実験か、人工衛星としての実験かは分かりませんが、どらちにしても実験には間違いありません。
 少なくともロケットの本体部分には、兵器に分類されるような部品、例えば核兵器ですとか爆発する何かですとかは、積まれてはいなかったと思われます。
 もちろん積まれていなくても当たれば人は死にますから、落下すれば打ち落とすのは当然ですが、だからこそ日本としては今回のコトを「実践度の高い予行演習」と考えられるのではないかと、やえは思うのです。
 ですから、北がテポドンを撃ったコトは喜ぶべきコトではありませんが、日本が演習できたのは良かったコトだと思います。
 これは、イラク戦争の時の自衛隊、また様々な海外派遣の自衛隊に対する評価と同じようなコトで、イラク戦争自体、また海賊などの海外派遣しなければならない理由自体は決して喜べる理由ではありませんが、それでも自衛隊が海外で実地経験できるという点においては、とても日本の国益になる評価すべき事柄だと言えます。
 そういう意味で、今回の北の件でまたひとつ日本が貴重な経験が出来たというのは、素直に良かった点だと言っていいと思います。
 
 当然ですが、それは反省点も含めてです。
 
 緊急情報ネットワーク、通称エムネットが、一度誤報を流してしまいましたが、こういうトラブルはない方がいいに越したことはありませんが、それでもむしろ本番さながらの事態だからこその原因だったかもしれませんから、であるなら、それはそれで日本の経験値的には大変な意味があったと言えるでしょう。
 どうも民主党や共産党、社民党などの野党は、かなりトンチンカンなコトを言って批判をしているようですが、今回の反省を教訓に今後日本のためにどうするかという議論ならまだしも、混乱を招くなどと言っているのは、それは自分達のその言動が一番そうですよとしか言いようがありません。
 どうして今回のこの北の件に関してまでをも政争の具に出来るのか、やえには信じられない気持ちでいっぱいです。
 誤報は誤報として反省すべき点ですが、もしこれがその誤報をヘンに隠したとかならまだしも、誤報だというコトを瞬時にエムネットでまた流しているワケですから、当時の関係者の危機意識はむしろ高かったと見るべきでしょう。
 結局、北がテポドンを撃った、また撃つ前から「撃つぞ」と報告をしている中で、さらにすぐ隣国にミサイルを平気な顔して撃つような国があるという事実の中で、では国民はそれを受けてどう対処すべきなのか、そこが一番大切なコトなので。
 それを政府を全否定するかのように言い立てて、言うにもかいて「だから政権交代だ」とか言ったところで、そんなのはむしろ逆に国政を混乱させ、敵にスキを見てるコトになるだけなのではないでしょうか。
 
 今回のコトについて、やえは言いたいコトがいろいろあります。
 一番は、やえがいついつもいつも言っている憲法改正についてですが、これは後々語っていくコトにしましょう。
 
 とりあえずは、今回のこの事態というのは、日本にとっても初めての事態であり、こういうコトが現実に起こるんだと国民はしっかりと認識すべきだ、というコトです。
 今回は政府が事前にかなり強く警告を発し、また国民にも注意を促して、最悪ミサイル防衛システムで北のテポドンを打ち落として…というところまで想定していたワケですけど、もしかしたら今回のこの対応は普通のコト出と思っている人もいるかもしれません。
 しかしこれは普通ではないのです。
 日本にとっては初めての経験だったのです。
 数年前の、結局は大失敗に終わりましたが、北朝鮮のミサイル発射の時は、結局日本は何も出来ませんでした。
 もちろん警告ですとか、経済制裁はしましたが、軍事的には何も出来なかったのです。
 そういう意味で今回の日本の対応は有史以来初めての経験であり、世界大戦以来世界最低の軍事オンチ国になてしまった日本としては、こういう経験をひとつひとつ重ねるコトが最も大切なのです。
 失敗も貴重な経験です。
 それを批判の材料にするのではなく、次に活かす材料にするのが、日本のためになるのです。
 
 いきなり本物の実践になってしまって、そこであわてて何も出来ないというよりは、今回のような、中途半端な実践で訓練が出来たというのは、日本にとって良かったコトだと、やえは思っています。
 

平成21年4月7日

 今こそ憲法論議の時

 今こそ憲法論議の時です。
 むしろ今を逃していつするというのでしょうか。
 いつもこの話になると、今回のような事態の時には「こういうタイミングに便乗してけしからん」、逆に平時の時は「なぜ今この時期に波風を立てるようなことを言うのかけしからん」と言って、結局議論自体を封じるようなコトを言う人がけっこういますが、だったらもうこの機運の時こそ議論してしまうのがちょうどいいでしょう。
 特に今回は、かなり実践的な訓練をさせてもらったのですから、これを活かして次に備えましょう。
 
 しかし、日本国内は全く憲法論議の議論になっていません。
 正直やえはとても情けなく思います。
 
 結局日本の軍事政策は最後は全て憲法によって阻害されていると言っても過言ではありません。
 いま存在する様々な法律や法令、また解釈や現実的装備まで、これらは全て憲法が元になって作られているモノです。
 今までは、解釈やなにやらでギリギリの現実的妥協点を見つけてきて、だましだましやってきましたが、それももうそろそろ限界に来ていると言えるのではないでしょうか。
 例えば今回の件で、もし本当に北が爆撃能力を持った兵器としてのロケットを打ち上げて日本に落としていたら、これはまず戦争になると思いますが、それでも日本は北朝鮮に出兵して空爆や陸軍による制圧行動は出来ません。
 全て米軍任せになるでしょう。
 もちろん今まで積み重ねてきた細かい現実的妥協点が色々とありますから、例えば後方支援とかですね、全く戦争にタッチできないというワケではありませんが、それにしても攻撃された張本人が直接手を出せないというのはなんともお粗末な話なのではないでしょうか。
 結局日本が一人前の普通の国になるためには、憲法改正しかあり得ないのです。
 だからこそ、いまキチンと憲法論議をしなければならないハズなのです。
 
 なにより憲法論議に関するコトでやえが一番情けなく、また腹立たしく思うコトは、憲法改正を政治家任せにしか思っていない人がものすごく多い、というコトです。
 
 憲法改正は国民の事案です。
 建前論で言っても、憲法改正に対しては国会はあくまで発議をするだけで、決定をするのは国民による国民投票です。
 つまり主体は国民です。
 また実質的に考えても、政治家だけが権力闘争や駆け引きだけでどうこうできるというモノではないのは、国の仕組みを考えれば理解できるでしょう。
 憲法改正発議には国会で2/3の議決が必要であるのですから、しかも日本は二院制であり、しかも参議院は一回の選挙では半分しか選挙されないワケですから、普通に考えたら憲法改正は一党だけで出来るような事案ではありません。
 よって、国会で発議するだけでも国民の大きな後押しがなければ出来ないのです。
 国民の後押しによって2/3の議席を改憲すると第一公約に掲げている政党に与えるか、もしくは日本の雰囲気を改憲しかないと拉致問題の時のような風にするか、どちらにしてもこれは国民主体の、国民にしかできない、国民がやらなければならないコトなのです。
 
 それなのに、たまに「憲法改正を扱わない麻生はダメだ、自民党はダメだ」とか言ってしまっている人がいます。
 やえはこういう発言を聞く度に見る度に、同じひとりの国民として情けなく思います。
 自分達がしなければならないコトを棚に上げて他人に責任を押しつけているのですから、まして人によってはそれをネタに悦に入っているだけなのですから、情けないを通り越してため息しか出ません。
 憲法の問題は、国民ひとりひとりが自分のコトとして考えなければならない問題です。
 確かに政治家は一般人より権限は大きく、よって責任も大きいですが、しかしだからといって憲法問題は責任の全てを丸投げしていい問題ではありません。
 そもそも国会における議席の割合、国会議員自体も、これは国民が選んだ結果なのです。
 憲法改正には2/3の議決が必要なのは分かっているコトで、しかしそれができないような政党の割合になっているのでしたら、それはだれのせいでもない、まして総理大臣だけの存在でどうこうできるハズもない、国民自身の責任以外何者でもないのです。
 
 憲法改正しないというのは、それはつまり国民が「憲法を改正しない」と選択しているコトに他なりません。
 今の状態は、国民が自ら「改憲しない」という状態を望んで選択しているという状態なのです。
 国民はこの事実を受け止めなければなりません。
 
 憲法改正して出来るコト、憲法改正しなくても出来るコト、それはそれぞれ様々あると思います。
 それは時代によっても変わってくるコトで、いま自衛隊は海外で派遣できるまでになりました。
 しかしやえは、日本が“普通の国”になるためには、「戦争が出来る国」になる必要が絶対にあると思います。
 そしてそれは、絶対に憲法改正が不可欠です。
 今の憲法がある限り、どう解釈しようとも、どうごまかしようとも、他国並みの戦争は出来ない国にしかなり得ません。
 もちろん憲法改正は通過点であるゴールではなく、憲法改正した後にやらなければならないコトは山のようにありますが、それも憲法を改正しなければ出来ないコトばかりです。
 今の日本は憲法を改正し、軍事的にも一人前の国になるような土台を作るコトが、まずもっていまの日本には急務だとやえは思っています。
 
 憲法改正は国民が国民の意思によって責任のもとに成される問題です。
 国民こそが主体となって考えなければならないのです。
 

平成21年4月8日

 改憲の覚悟

 「麻生さんが憲法改正を言わないからダメだ」とかいうセリフは、国民として、甚だしく責任転嫁の態度でしか無く、情けない発言だとやえは思います。
 これはつまり、「政治家が言ってくれないと国民は考えるコトも出来ない」と言っているのと同義です。
 情けなくないですか?
 憲法の問題は、総理がどうこうではないのです、政治家がどうこうではないのです。
 国民が国民の意思によって、責任において、憲法を主体的に改正するのです。
 憲法は自分の問題なのです。
 
 政治的にも言ってみましょうか。
 例えば麻生さんが本心では憲法改正がしたいと思っていたとしても、しかし現実には不可能というコトは、ちょっと考えれば分かるコトです。
 なぜなら、衆議院では公明党を入れれば2/3は与党で持っていますが、参議院では自民党は半分すら議席を有していませんので、参議院では与党だけでは憲法改正の発議が出来ません。
 また、参議院の場合は解散がありませんから、仮に麻生さんが憲法改正の意志を示して、そのための議席を与えて欲しいと訴えても、参議院ではどうにもなりません。
 おとなしく数年先の次の参議院選挙を待つしかないのです。
 であるならば、政治家という現実的問題に対処すべく立場にある人にとっては、「やるかやらないか」ではなく「出来るか出来ないか」を考えなければならないワケで、そう考えればいまここで憲法改正の問題を取り上げたとしても、すぐには出来ないのですから、敢えてやろうとはしないでしょう。
 国民の立場であれば「やろうじゃないか」という声は大切ですが、政治家の立場であれば「実現可能か不可能か」という問題は、絶対に考えなければならない問題です。
 現実的問題を考えた時、現状を考えれば、麻生さんがここで憲法改正問題を取り上げるというのを求めるというのは無茶な話だとやえは思います。
 
 まして、憲法改正を掲げていた安倍総理は、国民の意思によって引きずり下ろされているのです。
 たった数年前にこういう事件が起こっているにも関わらず、「総理が取り上げないからダメだ」と言ってしまうのは、やっぱりどうしてもあまりにも国民の無責任にしかやえには感じられません。
 麻生さんが本心ではどう思っているのかは分かりません。
 分かりませんが、いままでの政治信条を推察するに、少なくとも福田さんや民主党よりは憲法改正をしたいと思っているのではないかと期待できる政治家ではあります。
 ですからもし仮に、麻生さんに小泉さん並の支持率があったらどうなっていたか、そう思うとやえは残念でならないのです。
 
 これが野党第一党が改憲を第一公約に掲げているのでしたら、「憲法改正を言わない今の総理はダメだ」と言うのもいいでしょう。
 しかし現実はどうでしょうか。
 小沢民主党代表が改憲を言ってますか?
 民主党政権になったら憲法改正が出来るのですか?
 いまの麻生さんにNOを突きつけるコトは、それはつまり日本が民主党政権に移行するコトをほぼ指し示しているのですが、その結果としてますます憲法改正に遠ざかるようなコトをするのは、果たして正しい言動と言えるのでしょうか。
 やえにはまるで意味が分かりません。
 
 この事例だけ見ても、総理大臣に改憲の責任を押しつけようとしても無意味だというコトが分かるのではないでしょうか。
 誰かひとりだけに責任があるという状態にするのは、問題を進めるという意味ではとても分かりやすく、またスピードを持って問題を改善するコトができるというメリットがあります。
 しかし民主主義という制度は、その真逆の制度と言えます。
 民主主義は、出来るだけ多くの人の意見を聞いて、多くの人の意見が反映されるような結論を得よう、という制度です。
 この場合、大切なのは「出来るだけ多くの人」というところであって、スピードは度外視しているのです。
 この民主主義の原則の中で、さらに日本の中では最もこのルールを当てはめているのが、憲法改正事案です。
 国会で2/3の議決によって発議され、さらに国民投票で1/2の賛成が必要とされています。
 こういう制度の中では、ひとりだけにその責任を問うようなコトを言っても、全く無意味です。
 もし仮に、総理の独断で憲法が改正されるような仕組みになっているのでしたら、「総理ぜひ改憲の決意をお願いします」と言うのもいいでしょう。
 でも現実はそうでないのですから、まして総理にNOを言うとますます改憲が遠ざかるだけなのですから、そこは自分の責任を棚上げするのではなく、現実を見つめて、改憲するにはどうするコトが一番いいのかを冷静に考えるべきでしょう。
 
 日本の国会の仕組みを見れば、政治家だけの意志で憲法を改正させるコトは不可能です。
 よって、絶対に、発議するだけでも国民世論の後押しが絶対不可欠なのです。
 まして、何度も言ってますが、憲法問題は国民自身の自分自身の問題です。
 「誰かに言われなければ、政治家に言われなければ考えられません」なんて甘ったれたコトを言っているようではダメです。
 国民としての覚悟が足りません。
 何度でも言いますが憲法改正は国民の問題であって、国民の責任のもとに行われるべき課題です。
 建前論で言っても、日本国憲法は日本国民のための憲法なのですから、国民が自ら動いて変えるのがスジというか、当然の話なのではないでしょうか。
 自分のコトを自分でやるのは当たり前です。
 誰かに言われてやるのではなく、自分から改憲するという意志を持たなければなりません。
 「憲法改正の発議をしなければとんでもないコトになってしまう」と、政治家に思わせるぐらいの意志を、主権者である国民が自ら示すコトが、国民の責務であるとやえは思います。
 
 
 ごめんなさい、今日は実はweb拍手で敵基地攻撃能力について書いて欲しいと言われたので、それを書こうと思っていたのですが、思いの外熱くなってしまって憲法改正についてと長々と書いてしまったので、また次回敵基地攻撃能力について書こうと思います。
 よろしくお願いします。
 

平成21年4月9日

 麻生メルマガレビュー

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  ■○■○■   麻生内閣メールマガジン第26号    ■○■○■ 
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 ★☆今週号では、佐藤委員長が全国交通安全運動について語ります。また、
 奈良県立万葉文化館長の中西進氏からメッセージをいただきました。☆★
 
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 ●天皇皇后両陛下ご結婚満50年を迎えられて
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 明日、天皇皇后両陛下は、ご結婚50年をお迎えになります。国民の皆さんとともに、心からお祝い申し上げます。
 50年前の昭和34年、両陛下のご成婚の馬車でのパレードを見ようと、テレビに釘付けになった国民の皆さんも多かったと思います。
 両陛下のご長寿と皇室の弥栄をお祈りします。
 
 内閣総理大臣
 麻生 太郎
 
 日本国民として天皇皇后両陛下に心よりお慶び申し上げます。
 皇室と日本の永遠の繁栄を願い、陛下のご健康をお祈り申し上げます。
 
 
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 ●麻生太郎の「強く明るく」
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 [北朝鮮、ルール破りに断固たる対応]
 「北朝鮮から飛翔体が発射された模様。」
 日曜日の午前11時32分、公邸で待機していた私のもとに、発射の第一報が届きました。すぐさま、国内各地や航空機、船舶の安全確認、情報収集態勢の強化、国民への迅速な情報提供を指示しました。
 第一報が届いてから1分後、政府からの連絡を知らせるテロップがテレビで流れるのを確認しつつ、急ぎ、官邸地下に設置された危機管理センターに向かいました。
 次から次に新たな情報が届くなか、11時48分に日本から2100kmの太平洋上で追尾が終了。私は、落下物による被害が生じていないか、安全確認を徹底するよう指示しました。
 
 というワケで、北朝鮮の何らかのロケットの話です。
 なんかこう色々とワケの分からないコトを言っている人もいますが、しかし自分の頭の上を得体の知れないモノが飛んでいるのに、それをぽけーと指をくわえて見ている姿は、常識的に考えて滑稽と形容するしかない姿でしょう。
 危険な事態に対しては危機意識を持って対処するのが当たり前です。
 麻生さんは、総理大臣としては言わば当たり前の対処を、日本初として、冷静にキチンと対処されただけなのです。
 
 幸いなことに、被害は発生しませんでしたが、北朝鮮が発射を強行したことは、安全保障上の重大な挑発行為です。ミサイル関連の全ての活動を停止するという国連安保理決議にも違反し、断じて看過できません。
 わが国として、直ちに北朝鮮に対して厳重に抗議するとともに、国連安保理に緊急会合の開催を要請しました。
 
 結局これは国家の信用問題です。
 今まで北朝鮮は、日本に対してだけでなく、あらゆる外国に対して様々な行為をしでかしてきました。
 例えば麻薬製造疑惑、偽札製造疑惑、領海侵犯、武器密輸、そして国家ぐるみでの他国人の拉致と、核開発。
 まだまだ挙げればキリがないほどありますが、どれも現代国際社会の中で国家の信用を失墜させるような行為を、今まで何度も繰り返しています。
 「日本も含めて他の国はロケットを何度も打ち上げているのに、なぜ北朝鮮だけダメなのか」という北朝鮮の主張をそのままスピーカーしている日本人もいますが、このような信用を失わせる行為をしておいて「今回だけは安全だから文句言うな」と言っても誰が信じると言うのでしょうか。
 極端な例、殺人犯が包丁を持っていたら、いくら料理のためと言われても、構えるのが人間の素直な心情でしょう。
 
 現在、国連安保理において、協議が進められています。わが国としては、北朝鮮がこれまでの国連安保理決議を遵守するとともに、六者会合を速やかに再開し、核開発や拉致問題を含め、話し合いに応じるよう、強く求めていきます。
 国際社会が一致団結して、迅速に北朝鮮に対して、強いメッセージを送ることが大切です。そうしなければ、北朝鮮に誤ったメッセージを伝えることになります。
 
 今まで他国に散々迷惑かけてきたのですから、世界の危機となるような行為(核開発とミサイル開発)はお前は禁止だ、と言われるのは当然です。
 それがイヤなら、今までキチンと他国に信用を得られるように心がけておけばいいだけの話です。
 難しいコトを言っていません。
 それが国と国との付き合い方です。
 人と人との付き合い方と代わりはないでしょう。
 
 先のロンドンでの金融サミットでも、日本の立場を、米国のオバマ大統領やロシアのメドヴェージェフ大統領、中国の胡錦濤国家主席、英国のブラウン首相、韓国の李明博大統領などに説明し、北朝鮮の行動が平和と安全を脅かすものであることを確認しました。引き続き、日米韓など関係国で協力連携しながら、国際社会全体としての連携に向け、働きかけを強めていきたいと思います。
 
 必ずこの手の問題になると、日本の反対を主張するのが中国とロシアです。
 この二国はいつもおかしなコトを言うなぁと思っている人もいるかと思いますが、ちょっと発想の転換をしてみて下さい。
 実は中国やロシアが言うようなコトを、一部ですが日本人の中でも主張する人がいます。
 「人工衛星って言ってるんだから人工衛星だろ」「北朝鮮だけがダメというのはおかしいだろ」
 中国やロシアという国は、このような日本ではちょっとアレな人たちの割合が多い国なのです。
 歴史的に見ても、この二国は日本の常識とは違う常識で覆われているのです。
 日本ではアレな人が多数を占め、国家の枢軸を握っているので、中国やロシアはアレな国になってしまうのです。
 こわいですね。
 

 来週、わが国の対北朝鮮措置の一部について期限が到来します。北朝鮮には、重ねて、挑発的行為からは何も得るものはないと、強く伝えねばなりません。
 これらの措置について、これまで半年間だった期間を1年間に延長することを目指すとともに、国連での協議を踏まえつつ、早急に結論を出します。
 今回の発射に際し、政府としては、国民の安全を守るため、迅速な情報提供に努めました。今回の経験を今後に活かしたいと思います。
 そして何よりも、国民の皆さんが、冷静に対処頂いたことに感謝しています。
 
 前も言いましたように、今回はかなり実践に近い訓練が出来たと思うのが、今回は妥当だと思います。
 ですから一番大切なのは、麻生さんもおしゃるように「今回の経験を今後に活かす」です。
 国連の場では、ちょっとアレな国がアレな主張をしていますので色々と難しいコトも多いようですが、どうにか頑張ってもらって、そしてまた日本独自でも強い態度をとってもらいたいと思います。
 こういう時に麻生さんが総理で良かったと、つくづく思います。
 ぜひ日本のために引き続きがんばってください。
 
 
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 ●編集長のひとこと
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 5日午前11時32分、発射の第一報を受けて、総理、官房長官、私を含む3人の官房副長官は、一斉に官邸の危機管理センターの本部室に駆けつけました。緊急参集した関係省庁の担当者が走り回り、つぎつぎと入ってくる緊急連絡が会議を遮る。常に状況に応じた瞬時の判断と対応を迫られる。こうした緊迫感の中、総理は、終始厳しい表情で、皆を叱咤激励しながら、矢継ぎ早に具体的な指示を各部署に与えていました。
 
 こんにちは松純先生。
 なんて言いましょうか、ミサイルの対応ですから、文字通り秒単位での判断と対応ですよね。
 しかも日本にとってははじめての出来事ですし、想像を超える大変さだったのではないでしょうか。
 本当にお疲れ様です。
 
 日本の領域内に落下物はないか、空と海の航路の安全は確保されているか…。総理は、国民の皆さんの安全を守るための対処はもちろんのこと、一刻も早く皆さんに安心してもらうための迅速な情報提供にも常に気を配っていました。国民の皆さんの安全はもとより、「安心」を確保する。これは、政府にとって、最も重要な使命のひとつです。国を守り、国民の安全と安心を守る、という総理の強い決意が、ひしひしと伝わってきました。
 
 ところで、官邸の地下にあるという危機管理センターって、なんか格好良さそうですよね。
 なんか、アニメの宇宙戦艦の司令官とかが真ん中に座って指示しているような感じで麻生さんはやっておられたのでしょうか(笑)
 ふと気になってしまいました。
 
 現在、日本全国が順番にさくら色に変わっています。桜と日本人の関わりについて、奈良県立万葉文化館の中西進館長から寄稿をいただきました。古くから桜を愛する日本人。美しい桜咲くこの日本をこれからも守り続けるのが、私達の使命だと思います。(松純)
 
 ああ、今年やえはまだお花見してないですね。
 松純先生も麻生さんもお花見するヒマもないかもしれませんが、これからさらに補正予算が待っていますので、頑張ってください。
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、ローゼン閣下を応援しています。
 

平成21年4月10日

 経済対策は金持ち優遇?

 本日は、天皇陛下と皇后陛下の御成婚50周年の日です。
 天皇皇后陛下におかれましては、この50年、とても波瀾万丈の、一般人には想像し得ない多くの御苦労があったかとお察しますが、東宮殿下として天皇陛下として日本のために深い愛情を注がれてこられましたコトに、国民として感謝の気持ちでいっぱいです。
 日本国民として天皇皇后両陛下に心よりお慶び申し上げ、皇室と日本の永遠の繁栄を願い、陛下のご健康をお祈り申し上げます。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 さて。
 麻生さんがさならる経済対策として現在補正予算を組み始めていますが、その中に贈与税の引き下げというモノを掲げています。
 贈与税とは、文字通り、誰かから誰かにお金などを贈与する時に、その額に応じて税金をかけるというモノです。
 構造としてはだいたい相続税と中身は似たようなモノなのですが、ものすごく簡単に言えば、相続税は死んだ人から生きている人へ、贈与税は生きている人から生きている人へかかる税金です。
 そして今回の経済対策ではこの贈与税を、家を買う目的で贈与する場合は免税しましょう、という内容で検討が進められているようなのです。
 
 これに対し一部のマスコミは以下のような内容で批判しています。
 「こんな対策、もともと金持ちにしか意味のない、金持ち優遇政策だ」
 曰く、だいたい贈与税というのは親や親族から子に対してお金を贈与するワケですが、そもそも贈与するお金を持っていない“庶民”には全く恩恵を受けられない制度でしかなく、また自民党がお金持ちのコトしか考えてない政策を実行しようとしていると、そんな風に批判するワケです。
 減税対策をするとだいたいこのような批判が出てくるのですが、やえはそのたびに、ああこの人達は目先のコトにしか考えが及ばないのですねとしか思えません。
 
 経済とは、ものすごく簡単に言うといかにお金が世の中を回るのかであり、回るスピードが速ければ速いほど好景気になって、逆にスピード遅いと不景気になります。
 つまり、多くの人がジャンジャンばらばらお金を使いまくったら、それで好景気になるワケです。
 バブル経済期というのは、人はこぞって如何に派手にお金を使うのかというコトに心血を注いでいました。
 ラーメンを食べに飛行機で北海道に行ったり、ホテルのワンフロアを全部貸し切ったり、夜のお店でどちらがギブアップするまで高級酒を頼み続けるのかチキンレースをしてみたりですね。
 あの時代は、土地の価格というコトがもちろん下支えとしてありましたが、全員がバブルに浮かれてお金を使いまくっていたからこその好況という部分もありました。
 
 そう考えれば、お金を持っている人にお金を使いやすい環境を用意してお金を使ってもらうというのは、社会全体で考えれば大きなメリットになると言えるでしょう。
 お金をたくさん持っている人がため込んで使わない状態が、一番経済を停滞させる要因になります。
 ですからむしろ、お金を持っている人にどんどん使わせる制度にするコトが、結果的にお金をあまり持っていない人にも給料などをアップさせるためになると言えるでしょう。
 またこれは麻生さんも言ってましたが、家を買うと、家だけではなく、家具や家電製品やその他もろもろたくさんのモノを買いますので、それだけでも税収のアップになりますし、経済効果も他の買い物と違ってかなり高くなります。
 昨年度にも住宅ローン減税とかありましたけど、家に関する税金優遇に力を入れているのは、こういう背景もあったりします。
 
 当然ですが経済が良くなれば、お金をそんなに持っていない人、贈与するだけのお金が無い人にも、恩恵が回ってきます。
 いま日本は不況のどん底だからこそ政府としては、如何にお金を使いやすい環境を整えるのか、というところを苦労して努力しているワケです。
 それなのに、その経済の仕組みを完全に否定するかのような「一部の人だけに恩恵があるような」という批判は、まるで意味を成さないでしょう。
 またそれだけならまだしも、「全ての人に恩恵がある」という対策である給付金にすらケチを付けるのですから、もうどうしろというレベルです。
 相変わらずマスコミは、批判のための批判、とりあえずケチを付けておけという目先のコトしか、自分のコトしか考えられない人たちばかりだと思わざるを得ません。
 
 そもそもですね、ここをごっちゃにしている人が多いようなので言っておきますが、経済対策と生活対策は別モノです。
 モノによってはかぶるモノもありますが、違うモノは違います。
 
 この贈与税減税の対策は経済対策です。
 如何にお金を使いやすい環境を整えるのか、ひいては、お金が良く回り景気が良くなるようにするための経済対策です。
 しかしこれに対して「金持ち優遇政策をするぐらいなら、お金を持っていない人への社会保障を手厚くしろ。医療費とか保障しろ」という批判は、これは生活対策・社会保障政策であり経済対策とは全然別モノです。
 パッと考えても、家を新築する場合と、病院に行く割合が増える場合と、どっちが景気により多く刺激を与えられるかと言えば、どう考えても新築する場合ですよね。
 病院に行く機会が増えても、景気への刺激が全く与えられないとは言いませんが、しかしやっぱりその効果は格段に違うワケで、どうしても生活対策は生活対策でしかありません。
 もちろん社会保障を手厚くするというコトは時と場合によって必要ですし、不況だからこそ必要であるという主張も間違いではないと思いますが、しかしだからと言って、経済対策からひっぺがして生活対策しろというのは、全くスジが通りません。
 両方大切なのですから、バランスを見ながら両方を実施しなければなりません。
 もし国民が、景気なんてどうでもいいから社会保障だけを厚くしろと言うのでしたら別ですが、少なくとも政府、麻生さんとしては、経済対策も生活対策も同時に行うというスタンスです。
 よって、経済対策は経済対策として考え、生活対策は生活対策として考えると、別々で考えなければならないのです。
 
 経済対策も生活対策も、政策によって、その恩恵を預かる人は取捨選択されます。
 家を買う人に対する減税は家を買う人にしか恩恵が預かれませんし、高速道路1000円は車を持っていなければほぼ無意味です。
 中小企業の資金繰り対策は中小企業経営者、また間接的にはそこに勤めている人にしか意味がありませんし、地方で今ものすごく期待されている公共工事も直接的には建設業関係者にしか恩恵を預かるコトは出来ません。
 そしてそれは生活対策も同じです。
 医療費にしてもあまり病気をしない人や若い人にはあまり意味はないでしょうし、公立学校の授業費引き下げは公立学校に通っている子供がいる家庭にしか恩恵は預かれませんし、出産費用手当も結婚していない人やそれなりのお年になっている夫婦にも関係ない話でしかありません。
 どんな対策も、たいていは恩恵にあずかれる人がしぼられる政策の方が多いと言えるのです。
 
 政治として考える上では、こういう人によってバラバラの経済対策や生活対策を、全体で見るコトが一番大切なのです。
 様々な対策がある中で、では最終的に全体としてはどうなるか、ここが重要なのです。
 政治は全体としてどうするのかという視点で見なければならないモノであり、確かに本当に個人のコト自分のコトしか考えないのであれば、自分に関係ない政策を批判したくはなるのでしょうけど、でもそれは所詮我が儘と言えてしまえる態度でしかないのではないでしょうか。
 いまの日本に必要なのは、景気を脱するコトであり、それに至るまでの痛みをどう和らげるかです。
 そういう意味において、経済対策を施しつつ、生活対策もしていかなければなりません。
 こういう構造を理解せずに、ただ自分のコトしか考えていないような批判をしていては、我が儘だけでなく、いずれそれがまわりまわって自分に跳ね返って害を与える結果にしかならないでしょう。
 
 弱者には生活対策をしつつ、お金を持っている人にはどんどんそのお金を市場に出してもらうようするのが、いま麻生さんに求められているコトなのです。
 

平成21年4月13日

 日本の防衛的先制攻撃

 というワケで、今日は日本の防衛的先制攻撃について考察してみたいと思います。
 
 まず日本で軍事について考える場合、どうしても憲法の縛りがありますので、憲法的に法律的にどうなのかを考える必要があります。
 例えばいくら軍事的に優れた技術や兵器が開発されたとしても、憲法によってそれが持てないとされていたら、日本ではどうやっても持てません。
 立憲君主制であり法治国家である以上、そして民主主義国家である以上、憲法と法律は絶対です。
 政治家だって憲法と法律があるからこそ権力や権限があるワケで、憲法や法律を破ってまで権力を振るうコトはできません。
 
 では、防衛的先制攻撃は日本は憲法的に考えて可能かどうかですが、これは結論から言うと、可能です。
 やえの記憶が確かなら、かなり昔に日本は防衛的先制攻撃が出来ると時の政府が政府見解として出していますので、憲法的にはこの行為は「専守防衛」の範囲内だと認められていると正式に言えます。
 本来ならなら、その具体的な文言も紹介したいのですが、これがですね、確か戦後間もないぐらいの昔の話でして、ごめんなさい、ちょっと見つかりませんでした。
 よって、それだけではなんなので、もうひとつ根拠を示しておきたいと思います。
 今は農水大臣なのに、防衛省管轄のコトについて口を出しまくっても誰にも文句言われないかなり大臣としては希有な存在の、というか、もはや防衛関係では誰も口出しできなくなってしまった石破さんの、『国防』という著書からです。

 今のところ日本は、敵基地攻撃能力を保有する意志をもっていません。ただ、仮にこれから東京に向けてミサイルを撃つぞという宣言があり、ミサイルに燃料を注入し始めてたということであれば、それを我が国に対する急迫不正の侵害に着手したとみなして、敵地を叩くことが法理論的には可能です。それは憲法違反でもなんでもないと整理されています。(石破茂『国防』新潮社134頁)

 石破さんがこの著書を出版された時は閣僚ではありませんでしたから、これをもって日本の正式な見解とするコトは出来ませんが、おそらく戦後最強の防衛大臣と言っても過言ではない石破さんの言葉ですから、まぁまずこの問題について日本はこういう解釈を持っていると言っても間違いないでしょう。
 そしてこれはおそらく、さっき言いました戦後間もないころに出した政府見解のコトを指して、石破さんはこのように言っておられるんだと思います。
 石破さんも著書によって、「自分はこう考えている」という書き方ではなく、「整理されています」という書き方からも、それが分かると思います。
 石破さん、その見解を引用してくださればよかったのですが、『国防』には書かれていませんでした。
 
 さて、とりあえずこれにより、少なくとも「防衛的先制攻撃」は日本でも可能である、というコトが分かりました。
 では次に、日本はこの能力をハード的に有しているかどうかです。
 これについては、やえはあまり詳しくないので、またまた石破さんの『国防』から引用です。

 しかし実際にはそうした戦力を持つことを自衛隊は禁じられてきました。「攻めてきた敵から身を守るための武力だけあればいいでしょう。でも向こうまで出かけていって攻撃しては駄目ですよ」ということになっていたからです。
 ですから、第一章で述べたとおり、自衛隊の持つF−15戦闘機には敵地攻撃能力はありません。それを言うと、政治家のなかにすら「世界最高性能の戦闘機じゃなかったのか」と驚く人がいます。確かに最高性能を誇る戦闘機です。一機百億円もします。でも、あくまでも敵の戦闘機を攻撃する能力が最高の戦闘機なのです。

 この文章は、この前の引用した文章の続きですので、「そうした戦力」とは、ミサイルの敵地を叩く能力のコトを指しています。
 つまりですね、今の日本には、敵基地を叩く能力はまるで持っていないというコトになります。
 世界最高峰の戦闘機を持っていたとしても、それはあくまで対戦闘機に対する攻撃能力を持っているだけで、対地攻撃能力は外されている戦闘機しか日本は持っていない、というコトになります。
 
 もひとつ面白い文章を見かけましたので、ご紹介したいと思います。
 元自衛官の人が2chにスレを建てたモノの、まとめブログのレスです。

 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/28(土) 20:26:38.38 ID:SdMFLabZ0
 
 こういうの見たらカッコ良くて強そうに見えるけど
 実際は竹島奪還も微妙なレベルなのか
 http://www.youtube.com/watch?v=ru8E1fLA4Ps
 
 >>135
 用途が違うんだよー
 戦闘機で言うとF(ファイター)はいるけど
 B(ボンバー)とA(アタッカー)がいないんだ

 なかなか今の日本の軍力を端的に表している言葉だと思います。
 もちろんこの方が本当に元自衛官の方かどうかの確証はありませんので、これだけを根拠には出来ませんが、様々な情報からすれば、これは妥当な表し方だとやえは思っています。
 
 このように、今の日本には、敵基地並びに敵地を攻撃する術を持っていないのです。
 
 では持てばいいじゃないか、という議論になると思います。
 特に憲法ではそこを制限されていないのだから、ただ政府見解によって持たないとしているだけなのだから、見解を変えて持てばいいじゃないか、という意見があろうかと思います。
 この言い方はスジは通ります。
 よく注意しなければならないのが、憲法上その権利を持っていると解釈していても、政府はそれを行使しないと決めているモノもよくあるというコトでして、例えば集団的自衛権が有名で、これも集団的自衛権の行使は憲法違反ではないとされていますので行使するコトはすぐに可能ですが、日本政府はこれを使わないと公言しているので今は使えないと認識されているというワケになるのです。
 ですから、憲法的にはOKだけど、今のところ使うつもりはないと公言している防衛的先制攻撃も、これを行使するべきだと言うのは、論としては成り立っています。
 
 その上で、やえも、可能ならば、少しでも日本の防衛力が上がるなら、そういう能力を自衛隊が持ってもいいとは思います。
 自衛隊の戦闘力が上がるコトに反対はしません。
 でも、持つ場合でひとつ考えなければならないのは、現実的にはかなり敵基地攻撃能力は法的な問題で大きな制限があるというコトです。
 例えば、さっきの石破さんの文章を読み返してみてください。
 
 仮にこれから東京に向けてミサイルを撃つぞという宣言があり、ミサイルに燃料を注入し始めてたということであれば、それを我が国に対する急迫不正の侵害に着手したとみなして、敵地を叩くことが法理論的には可能です。
 
 これ実は、かなり敵地を叩く場合の前提がきびしいコトが分かるでしょう。
 この例を逆に言いますと、「東京に向けてミサイルを撃つぞという宣言」と「ミサイルに燃料を注入し始めてた」という前提がなければ、敵地を日本が今の憲法下では攻撃するコトが出来ないと言えるワケです。
 では例えば、この前の北朝鮮のミサイル実験はどうでしょうか。
 この場合、北は飛翔体のコトを兵器であるミサイルとすら言っておらず、もちろん日本に向けて発射するとも言っていませんので、もし今現在自衛隊が北朝鮮にあるミサイル発射基地を攻撃できる能力を持っていたとしても、防衛的先制攻撃は出来なかったと言えるでしょう。
 またもし、何らかの事情で日本のミサイルが落ちたような発射体だったとしても、もちろん日本のMDで迎撃は出来ますが、少なくとも発射前まではミサイルとは北は言っておらず、日本にも向けていなかったため、ましておそらくミサイル本体には兵器的な能力は積んでいなかったと思われますので(あくまで今回は発射実験でしょうから)、防衛的先制攻撃は不可能だったとやえは思います。
 
 現実はこうです。
 やえが解釈するに、あくまで日本の今の憲法では「攻撃を防ぐだけの能力」に限られていますので、よって仮に日本が先制攻撃をするにしても、当然ですがそれは相手の攻撃力に対してだけに限られますし、またその攻撃力が日本に対して向かっていると確証出来る場合のみに限られます。
 これは相当きびしい制限です。
 
 例えば北朝鮮がミサイルの燃料を注入しているのが確認され、また核弾頭が積んでいると確認されたとしても、それが日本に向かっていると確証が得られなければ、自衛隊が攻撃するコトは出来ないと言えます。
 これが、アメリカに向かっていると確証が得られれば、集団的自衛権が認められていれば攻撃も出来るかもしれませんが、しかし現実的にはどうでしょうか。
 日本に向けたとしてもアメリカに向けたとしても、いちいち第一発目をどこに撃つかなんて、昔の武士の一騎打ちじゃあるまいし、敵が宣言するでしょうか。
 もし北が本気で日本に攻撃を加えたいと思うなら、いちいち宣戦布告をせずに、出来るだけ不意を突く形で攻撃をすると思います。
 その場合、日本は果たしてどれぐらいの精度で日本に向けて発射すると確証が持てるでしょうか。
 やえはかなり難しいんじゃないかと思います。
 
 
 (つづく)
 

平成21年4月14日

 北朝鮮に対する国連安保理批難議長声明で合意

 今朝方、北朝鮮のミサイル発射に対する国連での取扱いについて、ひとつの答えが出そうだというニュースが入ってきました。
 

 北朝鮮の発射を非難する議長声明採択 国連安保理
 
 北朝鮮のミサイル発射問題で、国連安全保障理事会は13日午後(日本時間14日未明)、公式会合を開き、発射を非難する議長声明を採択した。弾道ミサイル関連活動の停止などを求めた06年10月の対北朝鮮制裁決議(決議1718)に対する違反を明文化し、再発射の自制を要求。国際社会が一致して北朝鮮に態度変更を迫る内容となった。
 安保理は発射から9日間で、法的拘束力はないものの、異例の強さの議長声明の採択にこぎ着けた。

 

 国連安保理、議長声明の要旨
 
 一、2009年4月5日の北朝鮮による発射を非難、発射は安保理決議1718に違反。
 一、北朝鮮に同決議の完全な順守を重ねて要請。
 一、北朝鮮に再発射をしないよう要求。
 一、全加盟国に同決議の完全な順守を要請。
 一、安保理制裁委員会に禁輸品目と資産凍結の対象者リストの追加作成を要請。
 一、6カ国協議を支持、早期再開を要請。

 この合意について、様々な意見があろうかと思います。
 例えば、結局決議ではなく議長声明になったコトについて、日本は中国やロシアにおもねって弱腰外交になってしまったと言う人もいるでしょう。
 また例えば、結局日本は最後までアメリカ頼りで、アメリカが途中から消極的になったからダメになったと、そう言う人もいるかもしれません。
 
 しかし逆に、評価する向きもあるかと思います。
 今回やえがなかなか納得したのは、このブログさんです。

 『読売新聞』jの記事に伝えられたところによれば、日本政府は、始めから「決議案」採択に持ち込めるとは思っていなかったようである。要するに、「議長声明案」にどれだけ日本の主張を入れられるかが主戦場だったというのである。その目論見は、ほばパーフェクトに達成された。要するに、北朝鮮が、今後、どのような名目で「飛翔体」を飛ばしても、それは、安保理決議違反であり、非難されるという合意ができたののである。これに中国とロシアが加わったことの意味は大きい。北朝鮮が同じことを次にしたときに、中国やロシアが北朝鮮をかばいにくくなったのは、間違いあるまい。「外堀」は埋まったと観るべきであろう。

 日本がどのような形であれ、はじめから内容を重視していたのであれば、確かにパーフェクトの内容だったと思います。
 特に「発射は安保理決議1718に違反」と明記できるのは大きいです。
 今回の議長声明で今回の北の行為は明確に「決議違反」と言っているのですから、実質的には1718決議を再採択したと言っても過言ではないぐらいだと思います。
 また「全加盟国に同決議の完全な順守を要請」「安保理制裁委員会に禁輸品目と資産凍結の対象者リストの追加作成を要請」など、ただ単に北を非難するだけにとどまらず、実際に効果が期待される実行力のある内容も含まれていますので、ここも十分評価に値するところではないでしょうか。
 さらに、改めて6カ国協議の支持と再開を明記しているコトで、決して日本の今までの主張、拉致問題も含めた6カ国協議の日本の態度も、全く理解されていないコトではないと国連でも認められると言ってもいいんだと思います。
 確かにこの内容を見れば、記事にも書いてありましたように「異例の強さの議長声明」と言えるでしょう。
 
 ところで、そもそも、国連決議と議長声明は何が違うのでしょうか。
 一般的には、国連決議は法的拘束力があり、議長声明には無い、とされています。
 またウィキペディアにも、『一般に、安全保障理事会決議は、法的拘束力を持っているとされているが国際連合憲章においては、安全保障理事会が決定した場合のみに法的拘束力をもつ。そのため、議長声明、公式コミュニケ、非公式となるプレスステートメントの順で拘束力が弱く、これらはコンセンサスで決められる。コンセンサスは全会一致が必要のため、プレスステートメントでも非常任理事国の1カ国でも特定の言及記述をブロックできることはあまり知られていない』と書かれており、まぁそんなような感じなのでしょう。
 ただやえがどうも分からないのが、国連における「法的拘束力」というモノです。
 
 例えば国内法でしたら、もしこれを守らない輩がいる場合、国内においては警察という実力部隊が強制的に法を執行します。
 窃盗罪を犯せば、警察が身柄を拘束し、また裁判を経て禁固刑など本人の意志に関わらず無理矢理罰を与えます。
 つまり法は、このような実力行使が出来る部隊によって「法的拘束力」が担保されていると言えます。
 しかし国連の場合はどうでしょうか。
 国連は国家に対して実力行使が出来る部隊を持っていません。
 たまに国連決議を根拠とした多国籍軍が組織されて戦争になるコトはありますが、あれも基本的には、それぞれの国家に所属する軍隊が自主的に実力行使に参加しているだけで、決して国連加盟国全てに義務があるワケではありませんし、国連の意志だけで動いている部隊でもありません。
 ですから、いかに国連決議による法的拘束力があると言っても、実はそれを担保する実質的な力というモノは、今の世界には存在しないです。
 
 例えば、今回の議長声明で引用されている「国連決議1718」を見てみましょう。
 主な内容は次のように整理されます。

・北朝鮮が2006年10月9日に行った核実験を非難
・北朝鮮に対し、これ以上の核実験と弾道ミサイルの開発・発射の中止を要求
・北朝鮮に対し、核拡散防止条約と国際原子力機関(IAEA)への復帰を要求
・北朝鮮に対し、既存のあらゆる核計画と大量破壊兵器を、完全な、検証可能な、不可逆的な方法で放棄することを決定し、核不拡散防止条約とIAEAが定める条件に厳格に従って行動することを決定
・国連憲章第7章第41条に基づく経済制裁を実施することを決定( 臨検の実施、奢侈品の禁輸、戦闘機・軍艦・ミサイルなどの特定の兵器の禁輸とそれらに関連する物資や技術やサービスの移転や調達の禁止等を決定)
・北朝鮮に対し、直ちに無条件で六者会合に復帰することを要請

 こちらは国連決議ですので、一般的には法的拘束力があるとされているモノです。
 しかし実際どうだったかと言えば、みごとに北朝鮮にはミサイルの開発と発射をされてしまいましたね。
 こうなると、一体全体、国連の言う法的拘束力とは何の意味があるのかと、疑問に思わざるを得ないでしょう。
 確かに今回の議長声明では、北のミサイル発射が国連決議違反だと確認されたワケですが、しかしだからといってそれに対する罰を与えるコトは難しく、またミサイル開発や発射について結局はそれを止める実行力を国連も他国も持ち得なかったコトを今回のコトで如実に示してしまったと言えます。
 ぶっちゃけた言い方をするならば、国連決議だろうとなんだろうと、それを破ってもすぐにはどうにもならないのです。
 正直言いまして、これが国連の限界なのでしょう。
 
 こういう限界を目の当たりにしたとき、果たして日本は今後国連に対してどう捉えてどう付き合うべきなのかを今一度考え直してみる必要があるのではないでしょうか。
 
 日本の外交はよく日本人自身が「弱腰」だとか言いますが、今回の異例の強さの議長声明は、日本がいたからこそ実現できた議長声明だと思います。
 日本は安保理の常任理事国ではありませんので、日本が理事国になるためには数年に一度行われる非常任理事国の改編によって選出される必要があるワケで、つまりですね、今回の北のミサイルの事態が起きてしまった時に、日本が理事国になっていたのはたまたまの偶然であり、幸運だったとも言えるでしょう。
 今回はそういうたまたま日本が理事国だったときに偶然起きた事件だったワケで、よってもし今日本が理事国でなければ、おそらくここまで強い議長声明には出来なかったと予想されます。
 場合によっては北朝鮮がミサイルを発射しても、もっと弱い内容の、下手したら議長声明より低いプレス発表で終わっていた可能性も否定できません。
 そう考えれば、日本の外交力は、あながち弱いモノとは言えないのではないでしょうか。
 
 ただ同時に、異例の議長声明を出し、国連決議があったとしても、実質には何も出来ないと言っていいぐらいの力しか国連にはないというのも現実です。
 やえは決して国連が全く無力無能で、いますぐ脱退すべきだとか、国連分担金を0にしろとか、そこまでを言おうとは思いませんし、一方、国連決議や議長声明が全く意味がないとは言えず、それなりに国家に対して、またその国の政治家や国民に対して、ある程度の影響力があろうコトは否定しません。
 しかし国連は万能であるというのも、幻想に過ぎません。
 実際国連は、最も重い意志決定である決議を出しても、一国のミサイル開発と発射を止めるコトは出来なかったのです。
 それが現実なのです。
 
 これらの現実を踏まえたとき、おそらく今の日本人に必要なコトは、国連はこの程度だという実像を把握するコトなのではないではないかと、やえは思います。
 
 結局自分の国は自分で守るしかないのです。
 アメリカのアフガニスタン戦争は、これは国連決議も出て中国やロシアも賛成した戦争ですが、確かにこの戦争は国連のお墨付きがあるとは言えますけど、それでも実際に戦争をしたのはアメリカ軍をはじめとする各国の軍隊です。
 つまりは、各国が軍隊を出さなければ、アフガニスタンへの戦争は出来なかったのです。
 国連だけでは実行力を持ち得ない証拠です。
 やえは今回のコトについて、例え拒否権を発動されようとも、もの凄く強い内容の決議を、それこそ一切の貿易を禁止し、最悪戦争が出来るぐらいの内容の決議を日本が最後まで主張しても良かったとは思っています。
 それに対し、中国とロシアが我が儘な拒否権を発動したと世界にアピールできるなら、それはそれで効果はあると思いますので、そういう選択も日本にはあったと思います。
 しかしどらにしても、最後の最後では、日本は自分で外国をどうこうする力を持っていません。
 そのもの凄く強い決議が通らなかったら日本は独自に何かをしなければならなくなりますし、もし仮に通ったとしてもやっぱり日本は戦争が出来ないのですから最後のワンプッシュは出来ないのです。
 ここだけがどうしても日本の弱いところであり、そう考えれば、中ロも合わせた全ての国が1つの約束事を結んだという議長声明を出せたというのは、日本にとってはやはり最良の結果だったとは言えるのではないでしょうか。
 そして同時に、日本の国連と外交に対する課題を浮き彫りにしたとも言えるでしょう。
 
 日本人は、まず国連に対して何を求めているのか、そして現実的には国連は何が出来るのか、何が出来ないのか、まずそれを認識し、そして日本はこれから何をすべきなのかを真剣に考えなければならないでしょう。
 

平成21年4月15日

 最強の政治家

 石破さんに対する「戦後最強の防衛大臣」という表現に対して、一行ボードで異論が出ているようですが、ちょっとこれは政治家の評価というところでいいキッカケだと思いますので、この際触れておきたいと思います。
 
 まず勘違いして欲しくないのは、やえが「最高」と評価しているというワケではないというコトです。
 「最高」ではなく「最強」です。
 ではこの違いは何かと言いますと、一言で言えば「説得力」とか「影響力」とか言ったところでしょうか。
 
 石破さんは日本の防衛関係の政治家として、以下の3点において、ものすごく強いモノを持っています。
 
 ・永田町(政治家)に対する説得力
 ・霞が関(官僚)に対する影響力
 ・国民(帥}スコミ)に対するプレゼンス力
 
 まず永田町における説得力ですが、もはや石破さんは防衛関係における見識が他の政治家の群を抜いており、防衛大臣でもないのに公式非公式に関わらず様々な場で政治家から質問を受けるような立場になってしまっています。
 またこれは先日の更新でも書きましたように、いまは農水大臣ですが、大臣が他の省庁に関係するような持論をブログやテレビなどでオープンにしゃべるというのは、かなり異例です。
 例えばよく見るような大臣会見などを思い浮かべて頂きたいのですが、基本的に他省庁のコトをマスコミに聞かれたら「管轄外のコトなのでコメントは差し控えたい」というようなコトを言うように、基本的には現職大臣は自分の所轄以外コトに関するコメントは出来るだけ言わないのが通例です。
 しかし石破さんに限っては、防衛関係のコメントを出しても、すでに永田町では誰も口が出せないほどの説得力を持ってしまっているので、誰もそれについて意見が言えなくなってしまっているワケです。
 こういう事態というのは、永田町にとっては異例中の異例と言えるでしょう。
 これは石破さんが、永田町ににらみが効く、という意味ではなく、論によって中身によって納得せざるを得ない説得力を持っているという意味においてですから、なおさら凄いと言えるでしょう。
 このように永田町において国会議員の中において石破さんは、もはや防衛関係について第一人者になっているワケです。
 
 次に霞が関に対する影響力ですが、これは防衛庁が防衛省になる時にも書いたと思うのですが、いまの政治家の中で「初代防衛大臣」にふさわしい人物は、2人のうちのどちらかだろうと言われていました。
 一人は実際に初代防衛大臣に就いた久間章生先生、そしてもう一人は石破さんです。
 役人に好かれる政治家というのはいろいろな要因がありますが、例えば全くその分野に対して見識が無くて官僚のいいなりのような人も、そう言う意味では好かれるという表現が使われるコトはあります。
 しかしもちろんのこの場合は、バカにされているという意味を多分に含みます。
 では自分の考えをシッカリ持ち、バリバリ意見を言う人が好かれるかというと、そうでもありません。
 むしろ自分の主張ばかりを通す人は嫌われる傾向にはあります。
 ひどい人で言えば、田中マキコ氏ですね。
 もちろんどちらも程度の問題であり、官僚の言い分をキチンと聞き自分の主張も理屈をキチンと通して、最後は政治家の責任の下に決断をすれば、素晴らしいリーダーシップの持ち主だと、高い評価が得られるでしょう。
 この辺が、久間先生も石破さんも、霞が関ではとても評価が高いのです。
 
 また、永田町に対しても影響が高ければ、それがそのまま霞が関の評価にも繋がります。
 これだけではないのですが、例えば象徴的な例で言えば、永田町にも影響力が高ければ、自分たちの役所の要求を通してくれるよう尽力し実際通してくれますし、もっと端的に言えば予算をいっぱい取ってきてくれるからです。
 そういう意味で、説得すれば納得してしまう石破さんの永田町での説得力が、そのまま霞が関での評価、そして影響力に繋がり、いつしか「石破先生にお願いしよう=石破先生に逆らってはいけない」という連鎖に繋がって、ますます影響力が強くなるワケです。
 これは防衛関係だけではなく、全ての分野において、霞が関と永田町の関係においてよくある構図です。
 
 ちなみに念のために言っておきますが、現場というのは霞が関に含みませんので、残念ですがあまり現場の評価というのは永田町霞が関の評価には直結しません。
 特に政治家の仕事というのは、全体を見渡し国民の意見も取り入れつつバランスを取るコトですから、現場の意見を必ずしも聞かなければならないというコトにはなりません。
 政治家は指揮官であり、戦術ではなく戦略を練る人ですからね。
 現場での意見でどうしても必要なモノがあれば、それはその役所の中で上にあげてもらって、役所としての意見にしなければなりません。
 予算なんていうのも実はそういう仕組みで出来ているのですが、日本の行政は基本的にはボトムアップの組織になっているのです。
 
 最後に国民に対するプレゼンス力ですが、これは説明するまでもないかもしれません。
 正直、帥}スコミと書くのはちょっと違う気もするのですが、一応こうさせていただきました。
 石破さんは先の自民党総裁選挙に出てから知名度もグングン上がってきましたし、その前からも、あの独特の風貌とねちっこいしゃべり方、そしてなにより、キチンとお話を聞くととても分かりやすく納得できる内容のしゃべり方は、よく政治を見ている人なら納得するところでしょう。
 政治や専門分野について、いかに専門知識がない人に説明を分かりやすくするのかというのは、政治家や専門家にとっては永遠のテーマでありますが、石破さんのそれをいとも簡単にこなしてしまう力を持っています。
 昨日石破さんの著書である『国防』を紹介しましたが、あれ一度読んでみて下さい。
 ものすごく分かりやすいです。
 そして口調が、脳内でリピートできるような石破口調なのです(笑)
 あのネチネチしたしゃべり方と、でも聞けば納得せざるを得ない分かりやすいしゃべり口切り口とあのキャラというのは、政治家にとってかなり強い武器と言えるでしょう。
 このように、国民に対しても石破さんは、かなり強い説得力を持っていると言えるのです。
 
 石破さんはこの3点について、とても高いアドバンテージを持っています。
 また、これら3点全てに言えるコトですが、防衛関係に関しては、今までここまでの力を持った政治家がいなかったというのは、やはりひとつ大きなポイントとしてあります。
 例えば戦後歴代もっとも経済に強い政治家と言えば誰だ、という質問を出したとしたら、おそらく人それぞれかなり多くの政治家の名前が挙がると思います。
 それはつまり、経済を自負する政治家が多く、また国民も政治における経済という分野をかなり大きなモノとして認識している証拠とも言えるでしょう。
 ですから経済の専門家という肩書きは政治家にとって強い武器となっていたワケです。
 しかし防衛に関しては、これを専門にして外に大きくアピールしてきた政治家が今までいなかったというコトはあります。
 ですから相対的に見て、戦後日本政治における石破さんの防衛に関する存在感は、とても大きくなっているというコトが言えるワケです。
 
 以上3点において、つまり戦後日本政治における政治家の中で、相対的に言ってとても石破さんの力は大きいと認められるので、石破さんのコトを「戦後最強の防衛大臣」と書いたのです。
 久間先生は霞が関における影響力はかなり大きいですが、他に2点には石破さんに及ばないですしね。
 ただしこれは、最初にも言いましたが、「最高の防衛大臣」という意味ではありません。
 
 この3点の「強さ」を見た場合、石破さんは防衛関係では現在最強の政治家だと思いますが、政治総合力という意味で見た場合は、もっと強い人がいます。
 最近で言えば、小泉さんでしょう。
 小泉さんは、総合的な部分で、「政治家に対する説得力」「役人に対する影響力」そして「国民に対するプレゼンス力」は、相当なモノがありました。
 その力は、戦後日本政治においてはトップクラスの、田中角栄に勝るとも劣らない力を持っていたと言っても過言ではないと思います。
 小泉さんの破壊力は、良くも悪くも「最強」のレベルにあったと言ってもいいでしょう。
 
 しかしこれは「最高」だったという意味ではもちろんありません。
 小泉さんが残した政治が日本国家にとって良かったのかどうかは、人それぞれ評価が分かれるところだと思います。
 最高の政治家だったと言う人もいますし、最低だったと言う人もいますよね。
 つまり、最高とか最低とかいう表現は主観的評価の表現ですから、これは人それぞれなのです。
 評価という部分において国民が政治家をどう評価するかは人それぞれですから、実際の政治行動の結果に対しての具体的な中身に対する評価というのは、その政策事に人それぞれが評価すればいいと思います。
 この辺は、軍事も経済も他の問題も同じようなコトが言えるでしょう。
 経済も、人によって正しいとする基準が違いますし、また専門家や学者の言うコトが必ずしも現実的に正しいとも限りません。
 結局経済も軍事も現実問題ですから、政治力学なども考慮しながら実現する力をどう持つのかという部分は、決して無視できないファクターだと言えるでしょう。
 ですからやえが石破さんに対して、最高の防衛行政を行った(行うであろう)政治家であると評価しているかどうかというのは、「最強」という意味においては、まったく別問題なのです。
 
 よく、「政治家の資質とは何か」みたいな質問があって、なかなかこの質問には明確な答えを出しづらいのですが、今日挙げました3点は、その答えの一端に成り得るのではないかと、やえは思います。
 もちろんこれだけとは言えないですけどね。
 ただ、こういう現実論の中で、防衛関係を専門としてここまで様々な分野に対して強い力を持ち得た政治家というのは、戦後日本政治の中では、石破さんは希有の存在であり、政治家という枠組みにおけるその力の強さという意味において、石破さんは「最強の防衛大臣」と言えるワケです。
 そして、このような政治家が多く輩出されるようになってほしいと思いますし、それはつまり国民が軍事に対してもっと関心を持つというコトに他なりませんから、やえはそれを強く望んでいます。