明日民主党の新代表が決定するワケですが、やっぱりというかなんというか、ツッコミどころが満載な感じになってきました。
とりあえず、今日の決まる前の段階で言っておきたいコトを言っておこう思います。
■「政治空白を避けるため」→予算委員会・本会議欠席
今回の民主党代表選挙は、代表選挙公示から投票までの期間がたった3〜4日程度というものすごい超短期決戦であり、その本意は小沢院政の達成のためというコトは先日お伝えしましたが、民主党はこのタイトな日程になったコトを次のように説明しています。
「政治空白を避けるため、なるべく早く代表選挙をすべきだ」
昨日から鳩山候補はよくテレビに出ているようですが、そこでも今回の日程について、このように説明していました。
でも民主党、そうは言ってもこの前の補正予算の採決の予算委員会と本会議をサボりましたよね?
補正予算案が衆院通過 与党、会期延長を検討
政府の追加経済対策の裏付けとなる2009年度補正予算案は13日夜の衆院本会議で与党などの賛成多数で可決され、参院に送られた。民主、社民、国民新の3党は本会議を欠席し、共産党は反対した。
|
代表選挙してもしなくても、結局国会をサボるのであれば、一緒じゃないですか。
もし「政治空白を避ける」というのを一番に考えて行動しているのであれば、その最も重要なお仕事である委員会と本会議を欠席するなんてしないですよね。
結局つまりこんなのはただの言い訳に過ぎないというのは明かであり、よって別の裏の意図があるのも明らかだというコトにもなるワケです。
■政策論議無き代表選
結局鳩山元代表と岡田元代表の一騎打ちになりまして、それなりにメディアに顔を出して支持を両者とも訴えていますが、やえにはどうしてもこの二人の違いがよく分かりません。
もちろんいままでの歩んでこられた歴史というモノが二人にはありますし、共に代表をつとめた経験者ですから、どのような人なのかというのは分かるのですが、こと今回の選挙においては違いが全然分かりません。
例えば政権を取ったときの経済対策の財源はどうするのかという質問には、結局ふたりとも
「無駄を無くす」
としか言いませんし、振られると一番困る顔をする話題である消費税増税についても、結局ふたりとも
「いずれ景気が良くなったら考えるけど、いま言うべきコトではない」
としか言いませんし、自分が代表になったら何が変わるのかという質問についても、結局ふたりとも
「政権交代すれば全てが変わる」
としか言いません。
やえには何が違うのかさっぱり分かりません。
こんな状況にあるにもかかわらず、やっぱりマスコミは民主党にやさしいなぁと思います。
前回の自民党の総裁選挙の時は、マスコミはこぞって「候補に政策の違いがない」と必死に喧伝していました。
実際のところは5者5様、政策も性格もみな個性的で、政策の中身もちょっと演説でも聞けば一目瞭然大きな特徴がそれぞれあったのに、むしろマスコミは内容を伝えたらまずいと思ったのか、政策以外のコトで批判にならない中傷まがいの報道ばかりしていました。
当時の鳩山民主党幹事長もこんなコト言ってたんですけどね。
鳩山氏が自民総裁選を「政策なき品評会」
自民党の後継総裁レースについて「政策の中身は聞こえてこず、顔だけが見えている。政策抜きの品評会に共鳴するはずがない」(鳩山由紀夫・民主党幹事長)などと批判を強めた。
|
顔すらもよく見えない今回の民主党代表選挙はこれでいいのでしょうか。
唯一両者の違うところと言えば、小沢代表への距離でしょう。
鳩山さんは代表に復帰したあかつきには、小沢代表に選挙対策本部長に就任してもらうと言ってます。
対する岡田さんは、人事については特に明言をしていません。
結局、蜜月鳩山か一定の距離を置く岡田か、この違いしか無いような印象しかやえには受けません。
つまり「小沢院政」が誕生するかどうかです。
ま、確かにこうなるかどうかは大きな違いとは言えるのでしょうけどね。
■「国民を巻き込んでリーダーを決める米大統領選をイメージした」
さすが民主党、何言っているのかさっぱり理解できません。
代表選にディベート導入=民主
民主党は14日、小沢一郎代表の後継を選ぶ16日の代表選の際、候補者同士のディベートを行うと発表した。候補者が司会者の質問に答える形で公約などをめぐって議論を戦わせる。中央代表選挙管理委員会は「国民を巻き込んでリーダーを決める米大統領選をイメージした」としている。
|
議員投票しかできないのに、「国民を巻き込んで」と言ってしまっている意味が全く分かりません。
だれか解説してください。
そもそも候補者同士が顔を合わせて討論するという方法は自民党でも毎回やっているワケで、目新しくもなんともない上に、アメリカ大統領選挙なんて全然関係ないですよね。
正直やえは最近オバマさんは迷走しているような気がしてならないんですが、それでもオバマさんの「チェンジ」という言葉だけを切り取って、勝手にいいイメージとして使い続けるというのは、節操がないんじゃないでしょうか。
ところで自民党総裁選挙の時は、マスコミも民主党も「パフォーマンスだ」の大合唱でしたが、「国民を巻き込む」という理由で討論会を開催すると言っても、国会議員しか投票できないのですから、こんなの100%パフォーマンス以外何者でもないですよね。
むしろパフォーマンス以外の何を狙っているのか全く分かりません。
あいや、パフォーマンスにすらなっていないというコトなのかもしれませんが。
■岡田さんが新代表になった場合
鳩山さんか岡田さんかという二択の場合、世間一般的に言えば民主党としては岡田さんの方がイメージアップに繋がるでしょう。
いままで代表経験の無い人が新代表になるというのが一番良かったと思うのですが、残念ながら民主党にはその器はなかったというコトで、二択ならまぁ岡田さんというところです。
ただ先ほども言いましたように、政策的には鳩山さんとの違いがいまいち分かりません。
岡田さんが代表の時も、これといった特徴が無かったような記憶もあります。
やっぱりというかなんというか、自民党の足を引っ張るというのは頑張っていた気がしますが。
それから、クリーン岡田や真面目頑固岡田として岡田さんはキャラを確立してはいますが、なんかどうもやえとしてはその真面目さって官僚的な真面目さの雰囲気を感じてなりません。
もともと官僚出身ではありますが。
いやそれが悪いとはいいません。
そもそも、言われたコトは着実に遂行する能力というのは官僚のよい特徴であると思いますし。
ただ、岡田さん本人も言っている「脱官僚」「政権交代すればしがらみがなくなる」とかいう言葉に対しては、岡田さんのイメージから、どうもしっくりこないというか、説得力を感じないんですよね。
岡田さんのイメージで言えば、「官僚をうまく使いこなす」と言った方が、よっぽど現実味があるんですよね。
もしかしたら自民党に居続ければ、いい大臣になれたのかもしれません。
対麻生で考えれば、「派手な麻生」に対して「地味な岡田」になってしまい、下手したら埋没してしまい可能性は否定できないと思います。
まぁその辺はマスコミがフォローするとは思いますが。
それから、岡田さんでは民主党内をまとめきれるかどうかは、かなり難しいような気がします。
特に今回は、昔と違い着実に民主党の中に根を張った小沢派を敵に回してのコトですから、非主流派の小沢一派がどのような嫌がらせをするか分かりません。
もともと岡田さんは一匹狼なところがありますので、なおさらです。
このように様々な意味で、岡田さんが代表になった不安定要素が残り続ける民主党というコトになるでしょう。
■鳩山さんが新代表になった場合
まぁ、小沢院政の始まりですね。
まずこの一言に尽きると思います。
また、民主党としては「変わった」「チェンジ」という印象を国民に与えたいと思っているのでしょうけど、しかし鳩山さんって、いまの民主党の結党の立役者であり、結党時の幹事長代理であり、そしてその1年後には第二代の代表になっていた人です。
代表就任時は平成11年ですから、もう10年も前になります。
自民党で言えば、当時の総裁・総理大臣は故小渕恵三さんですから、なんとまぁ、ものすごく前の出来事の話のようです。
民主党というのは、こんな昔から未だにトップが変わらない政党でもあると言えるのです。
もちろん、コロコロトップが変わるコトが良いコトだと言うつもりはありません。
しかし、仮にトップが変わらず政策や主張もずっと一貫して10年ずっとやっていけているのでしたらそれは素晴らしいコトだと思いますが、民主党はそうではないですよね。
一部の人たちだけで代表の座をたらい回しにしているだけで、主張の一貫性もなく、つまり全く成長しない政党と言わざるを得ません。
結局、権力ゲームを民主党内部で繰り返しているだけで、ここ数年は岡田・前原という新しい風を入れてはみたけど、ここでまたその主導権を立党者に戻したというだけに過ぎないのです。
しかも小沢というジョーカーを用心棒にしてですね。
政策的には、小沢民主党とほとんど変わりはないでしょう。
政策というか、自民党のやるコトなすコト全て反対というスタンスですね。
で、政権をとった時にどのような施策を実行するのかは、まったく未知数です。
分かりません。
ただし、鳩山さんは民主党結党時から常に民主党のトップに居続けた人ですから、いわゆる民主党らしい政策は政権を取った次々に打ち出してくるのではないでしょうか。
例えば、外国人参政権付与法案ですとか、ミサイル対応や海賊対策などに見た防衛無策ですとか、働かなくてもお金をバラまく農業政策とかですね。
さらに輪をかけて鳩山さんの場合は、友愛とかいう宗教じみたキーワードを使い、「日本は日本人だけのモノではない」とか言い出す、国家観無き政権が出来上がってしまうコトでしょう。
正直やえはこわいとしか言いようがありません。
このように鳩山さんが新しい民主党の代表に戻った場合、いままでの民主党体質は全く変わらず、政策は日本にとって最悪で、しかも実体は小沢院政だという、最悪の形になると言えるでしょう。
そしていまのところ、そうなる可能性が高いようですね。