☆ 過去ログ ☆

 サッカー国内リーグは盛り上がるのか /  第22回参議院議員通常選挙か /  第22回参議院議員通常選挙か (下) /  民主党・鳩山内閣と菅内閣のマニフェスト違反と無責任態度の一覧 /  政治家はパフォーマーでいいのか /  参議院選挙、民主大敗、自民勝利 /  本当に敗北の原因が分からないのであればもはや末期 /  本当に敗北の原因が分からないのであればもはや末期 (下)


平成22年6月29日

 サッカー国内リーグは盛り上がるのか

 ひさしぶりにオレ登場である。
 
 サッカーワールドカップでは、日本は善戦するも決勝トーナメント一回戦で敗退してしまうという残念な結果に終わってしまった。
 もちろん地元開催以外で決勝トーナメントに初めて駒を進めた歴史的な大会であったことは、監督以下選挙や関係者に賞賛の拍手を送りたいと思う。
 予選リーグではいつもの日本代表とは思えない確変ぶりで、むしろ予選の時の方が違和感を感じなかったわけではないが、当然結果は結果、これを1つの歴史として刻んで、日本サッカーは益々レベルアップしてほしいと一ファンとして思うところである。
 
 ところで、この話は前回のW杯の際にもよく聞かれたと思うんだが、日本のサッカー熱がW杯や代表戦ばかりに向いて、しかし一方国内リーグであるJリーグは全然盛り上がらないと、この時期に良く関係者からボヤかれるところだ。
 日本代表にもっと強くなれと言うのなら、会場に足を運んで国内リーグを盛り上げ、その金でレベルアップが図れるようになるのだから、日本代表の時だけ大騒ぎするのではなくJリーグも応援してくれと、そう主張する関係者は少なくない。
 それは日本代表の時だけサッカーを見る、いわゆる「にわかファン」に対するある種の当てつけ的な意味もあるだろうし、またにわかを潜在的サッカーファンと位置づけて、これを国内リーグにも引き込めば大きな力になるだろうという願望もあるだろう。
 そしてその主張そのものは間違っていない。
 代表が強くなるためには、その下支えである国内リーグの強化なしにはあり得ないだろうから、「強くなれ」と言うなら「国内リーグも見に来い」と言うのは筋が通っている。
 
 ましていまJリーグは全体的にあまり経営がよろしくない。
 あの名門東京ヴェルディ(元川崎ヴェルディ)が経営破綻してしまい、Jリーグ本体が一時的とは言え直接経営に乗り出さなければならないハメになってるし、こっちの記事では、サッカーが日本プロスポーツ中の人気でも相撲に抜かれたと調査結果が出ているという有様。
 この記事は約一ヶ月前のものなので、今の相撲の体たらくを見れば、またサッカーの方が上になっているだろうが、それでももし相撲があのままならもしサッカー代表が全敗で終わっていたらと考えれば、かなり厳しい結果になってしまっていると言えるところであろう。
 実際経営は悪くないクラブもあるだろうが、決して楽観視できるというほどでもないと思われる。
 そもそもサッカーの日本代表は世界に比べればまだまだ格段に弱い。
 だから経営的な面、技術的な面併せて、日本代表が盛り上がる時にはいつもこの手の話題が出るのであろう。
 
 確かにここ数日熱狂しまくった日本国内のサッカーファンが、残らず全て国内リーグにも興味を持ち、一定の間隔でサッカー場に足を運ぶようになったとすれば、Jリーグ数年で世界有数のプロリーグになるだろう。
 客が増えれば入場料だけでなくスポンサー料も跳ね上がるので等加速度的に選手の年俸も増え、それは同時に世界トップレベルの選手をもJリーグでプレイさせられるという意味になるのだから、これこそレベルが上がる最も確実な方法だ。
 ヨーロッパの、人口も国力も日本にまるで及ばない国が、サッカーは日本より数倍強いなんてところがゴロゴロしているわけで、日本の国力や企業力を考えれば、これは決して夢ではない話であろう。
 「サッカー日本代表が強くあって欲しいと願うのであれば、国内リーグこそを応援すべきである」
 この理屈は正しい。
 
 しかし残念ながらオレはJリーグの試合、というより、サッカーの試合を直接見に行こうとは全く思わない、思えないのである。
 なぜか、という話をする前に、オレ自身の話をしておく。
 オレはわりとサッカーというものをスポーツとして好いている。
 別に学生時代にサッカー部に所属していたわけでも、関係者がプレイしていたわけでもないが、もともとスポーツ観戦は全般的に好きだし、サッカーもルール等知っていた方だったから、だからトヨタカップなんていうのはJリーグが発足するずっと前からいつも見ていたクチだ。
 そしてJリーグが発足するというニュースを聞いた時には「おお、これで野球と同じようにメシ食いながらサッカーが見れるな」と思ったもんだし、ジーコが来日して日本でプレイすると聞いた日には、頭の中は疑問符だらけだったもんだ。
 あの神様ジーコがなぜ日本なんかにと。
 いまでこそジーコは日本でも有名だが、Jリーグが発足する前の日本でのジーコの知名度はあまり高くなく、テレビのちょっとしたニュースの一部でしか取り上げられてなかったのは、もはや信じられないかもしれないが、懐かしい時代だったと言えるだろう。
 こんなオレだから、今になって「代表だけだろう」とか「にわか」とか言われると、ちょっとカチンと来る。
 むしろ今ここ数年でJリーグを一生懸命応援しだしたたヤツよりも、サッカーというものをずーっと好いていたのだから、そんな連中ににわかとは言われたくないとは思う。
 「自分よりも熱心ではない」と言われればそこは否定しないが、しかしオレは決してサッカーは普段は興味ないことはないし、にわかでもない。
 まぁオレがスポーツが盛んで、一時期のサッカー王国の、日本サッカーの標準語は広島弁であるとすら言われていた時代があったぐらいの広島の出身というのもあるのかもしれないが。
 ま、それぐらいオレはサッカーが好きな方であるということだ。
 
 しかしそれでもオレは、残念ながら実際にサッカー場に足を運ぼうとは思わない。
 なぜか。
 オレは「サポーター」が嫌いだからだ。
 Jリーグが発足してからしばらく、オレは一度実際にサッカー場に足を運んで試合を観戦したことがある。
 もらい物の券だったのでひいきのサンフレッチェの試合ではなく、またゴールネット裏の熱狂的応援団の近くでもなかった試合ではあったが、でもそれはむしろ「サッカーというスポーツが好きな」オレにとっては十分行こうと思える動機だった。
 まぁたまにはサッカーを生で見るのもいいよね、という感じで行ったわけだ。
 
 そこで事件が起きた。
 あまり詳しく書くのもアレなんで簡単に書くが、せっかく落ち着いてサッカーを見ようと思ったのに、隣に座ったヤツがうるせーのなんの。
 場所的に応援歌を歌うところでもなかったし、大声を張るところでもなかった。
 そんなに客も入ってなかったので、必死に応援しているのはゴールネット裏だけぐらいなもんで、あとはむしろ静かなもんだった。
 オレが座った席(指定席)のまわりもそんな静かな雰囲気だった。
 それなのにただひとりだけ、もううるせーのなんの。
 周りを省みず、ひとりで大声を出し、歌い、奇声を発する。
 しかもお前はラジオかと言わんばかりにいちいち実況する。
 「おーっと上がった上がった!! 入るかぁぁぁ。キーパー取りました!!」
 しかもひいきチームがパスするだけで「ナイスパスだ!!」と言う。
 パスミスでもパスした瞬間叫ぶ。
 お前は接待ゴルフか。
 ずっとこんな感じだったので、いい加減うるさかったし、まわりも迷惑していたので、一応文句は言ったし、その場ではおそらく奥さんらしき人にもたしなめられて一時は静かになるのだが、でも5分後にはそれも忘れて、また実況し始める。
 まったくもってつまらんサッカー観戦だった。
 
 別にそいつひとりのせいで、全てのサポーターを嫌いになったとは言わない。
 確実にオレのサッカー場に足を遠ざけるキッカケとしては十分な出来事だったが、それだけで全てのサポーターがダメだとは言わない。
 思ってても言わない。
 ただ、そんなことがあった後、このようなやつの行為を肯定するかのような考え方が広まっていった、もしかしたら元々だったのかもしれないし、海外がそうだからと安易に模倣しだしたのかもしれないが、もうオレの思想とは相容れない、オレに言わせてもらえれば歪みすぎている考え方になってしまっていたのが、オレを決定的にサッカー場から遠ざけてしまったのである。
 
 サポーターは12番目の選手であり、その存在によって応援チームが有利になるよう務めるのは当然の義務である。
 
 例えば基本的にブーイングっつーもんは、敵に対しても見方に対しても、よほどの「悪行」をしなければしない行為である。
 サッカーでは遅延行為だとか、野球ならエラーだとか、プロレスならラフプレイだな。
 これはスポーツにおけるブーイングの基本だ。
 しかし一部の「サポーター」は違う。
 単に自分の応援していない敵対するチームがボールを持つだけでブーイングをするのである。
 そんな馬鹿げた行為があるかい。
 サッカーに限らずスポーツというものは基本的に相手がいないと成り立たない。
 陸上などの記録計のスポーツでも、それをプレイしている選手がもし自分ひとりしかいないのであれば、それはもうひとり遊びでしかなくスポーツとは呼べないだろう。
 まして球技は必ず相手があるスポーツであって、だからこそ共にそのスポーツを作り上げる相手にも一定の敬意を持つというのは、ある意味当たり前の行為であろう。
 それなのに、そんな当たり前の行為を「サポーター」は平然と踏みにじるのである。
 
 しかもサポーターはこの行為を、サポーターとして当然の行為だと言い張る。
 自分たちは12人目のプレイヤーなのだから、自分たちが勝つために出来るコトを全て行うことがなぜ悪いのかと、そう言うのである。
 相手への敬意もなくただただ罵倒してミスを誘う行為が、12人目のプレイヤーとして当然だと平然と言う。
 もはやオレには受け入れられない考え方だ。
 
 またそもそもこの考え方は、スポーツという枠を飛び出しているとしか思えない。
 プレイヤーがプレイヤー同士で競うのかスポーツであって、プレイヤー以外の人間がプレイヤーとして堂々とまじれるのであれば、それはスポーツというものの前提が崩れてしまう行為だ。
 プレイヤーはルール上は平等であるからこそスポーツであり、もちろん自然環境や客入りで多少ゲームが左右されることはあっても、それはあくまでも客が客でありつづけるという前提のもとでだ。
 極端な話。客がプレイに乱入してひいきプレイヤーを有利にしても、それをスポーツだとは呼ばないだろう。
 よってスポーツがスポーツであるためには、客は客であり続けなければならないのだ。
 サッカーのサポーターも、物理的には客という立場をギリギリ保ち続けているので(時々暴走して没収試合や無観客試合が行われるが)、いまのサッカーがスポーツでないというつもりはないのだが、しかしオレにしてみればそんなサポーターの考え方が気に入らないのである。
 ファンや客ではなく「サポーター」とサッカーの場合呼ぶのは、ある意味客をサッカーに呼ぶための宣伝文句であるのにもかかわらず(もちろんその言葉が出来た歴史はあるのだろうが、それでも「無観客試合」というものが成り立つ時点で、すなわち客がいなくともサッカーというスポーツは成り立つという時点で、サポーターは客の別称でしかないというのは証明されていると言えよう)、それを超えようとする考え方が嫌いなのだオレは。
 平然と「自分たちは12人目のプレイヤーだ」と、自らの立場をわきまえないその考え方がイヤなのだ。
 
 オレはスポーツに限らず自分の立場をわきまえない人間は大嫌いだ。
 
 というわけで、オレはサッカー日本代表は強くなって欲しいと思うが、実際にサッカー場に足を運んで国内リーグを見に行くことはまずしないだろう。
 わざわざ不快な思いをしに金を払って行くなんて馬鹿馬鹿しいからな。
 それで結局日本代表があまり強くならなかったとしても、それは仕方ない。
 オレは自分が不快な思いをするのを我慢してまで強くなって欲しいとは思わないからだ。
 悪いがそこまでの思い入れは「Jリーグ」には無い。
 
 よく「海外では当然だ」とか「海外の方がもっとすごい」とか言うヤツもいるんだが、別に外国の汚い真似を日本がする必要はないだろ。
 むしろオレは別にそんな行為をしなければ強くなれないなら強くならなくてもいいと思う。
 どちらかと言えば、初心者でもサッカー場に足を運びやすい環境を作る方がよっぽどか日本サッカーのレベル向上に繋がると思うんだが。
 
 みんなで騒ぐのが目的っていうやつもいるだろうし、それは別にわざわざ否定しようとは思わんが、そういう行為によって本当にサッカーが見たいと思うファンをサッカーから遠ざけているっていうことも知っておいて欲しいと思う。
 W杯では、普段サッカー見ないだろうってやつも大騒ぎしていたから、もうそういうバカなヤツらのことまで管理できないのは当然だが、それでも少なくともオレは、サッカー場に国内リーグを見に行きたいとは思わない。
 日本のW杯が終わり、サッカーファンであるオレの、狼狽心ながら日本サッカーとJリーグについて苦言である。



平成22年7月2日

 第22回参議院議員通常選挙

 あと一週間後に迫りました第22回参議院議員通常選挙について軽く触れておこうと思います。
 
 今回の選挙、争点は何かと言いますと、んー、なんでしょうね。
 と言うのも、今回の選挙、本来は「歴史的政権交代を果たした民主党鳩山内閣の8ヶ月の中間評価」が争点となるハズでした。
 しかしその鳩山内閣は、100%自分の言動によって自業自得でピンチに追い込まれ、そしていとも簡単にあっさりと政権を投げ出して、選挙直前にその責任から逃げ出してしまいました。
 「鳩山総理」は一度も国政選挙によって国民の信を問わないまま逃亡したのです。
 今まで散々マニフェストを簡単に裏切ってきましたから無責任なのは分かっていましたが、まさか選挙前逃亡という最悪の無責任っぷりを見せつけられるとは、おどろきと呆れとしか表現のしようがなく、どちらにしてもこれではもう評価対象者の鳩山総理はいないワケで、これが争点とは成り得ないワケです。
 
 ただ本来的に言えば日本の政治は議院内閣制ですから、今回の選挙の本当の争点は、「民主党政権」の評価を争点にすべきという考え方もあるでしょう。
 そもそも鳩山総理から菅総理に代わったからと言って、鳩山・小沢の政治とカネの問題が消えて無くなるワケではありませんし、小林千代美議員の選挙違反の罪が消えるワケでもありませんし、石川知裕議員が有罪判決を受けた事実も消えるワケでもありません。
 また沖縄米軍基地問題をひっかきまわすだけひっかきまわした罪も鳩山総理が辞任したからと言って消えるワケではありませんし、ガソリン税の暫定税率廃止や高速道路無料化、後期高齢者医療制度の廃止や官房機密費の全面公開など、鳩山内閣のもと数々のマニフェスト違反を繰り返してきた罪が消えるコトは決してありません。
 民主党政権になってから8ヶ月、いや9、10ヶ月ぐらいでしょうか、これらの民主党の政治に対して、いまこそ選挙の争点として国民の信を問うというのが、今回の選挙の本来のあり方だとやえは思います。
 
 ま、マスコミ的にはこれを争点にすると確実に民主党が大敗北を喫するので争点にしようとしないのでしょう。
 選挙の争点というモノは別に法的に定められているモノではありませんから、往々にしてどうしてもマスコミ主導でつくられる場合がほとんどです。
 小泉さんの時の郵政民営化がかなり特殊だったと言えるぐらいでしょう。
 今回の選挙の争点が消費税増税と言われているのも、やえにはちょっと違和感があります。
 さっきも言いましたように、先の衆議院選挙の結果が「歴史的政権交代」と言うのであれば、なおさら今回はその「歴史的な意味」の中間的評価を与えるべき選挙が今回の参議院選挙となるべきであるハズです。
 そしておそらく鳩山総理が辞任していなければそうなっていたコトでしょう。
 しかし鳩山総理が辞めたからそれを争点にしなくていいという理屈には全くなりません。
 むしろ菅総理はまったくなんにもしていないのですから、いまだって十分に民主党の鳩山内閣の評価という点を争点とするコトができるハズです。
 でもそれを今言う人はほとんどいませんよね。
 この辺がマスコミの作為的なモノを感じてしまうワケです。
 
 さらに言いますと、そもそも増税なんていうモノが選挙の争点になりうるのかどうかという根本的な疑問もあります。
 だれが「税金が高くなります」と言って支持する人がいるのでしょうか。
 もちろん全くいないとは言いませんし、やえもそれなりの環境が整っていれば賛成しますし、いまでも反対はしないと言っているワケですが、基本的に「税金をあげます」と言って、いやっほー素晴らしい政策だーなんて手放しで喜ぶ人なんていません。
 賛成する人でも「致し方ない」と思うぐらいが関の山です。
 やえだって税金がなければうれしいと思います。
 ですから増税という政策は、常に国民と対峙しながら進めていく政策であって、これを選挙の争点と言ってしまうのは無理があるとしか言いようがありません。
 増税を口にする人や政党も、出来るなら増税なんてしたくない、できければ減税したいと本心では思っているワケで、タイミングや額、また経済政策にからめての議論であるならまだしも、増税の是非だけを争点にするというのは、はじめから無理な話でしかないと思います。
 
 というワケで、今回の選挙の争点は、なんだかよく分からないという結果になってしまいました。
 もうひとつの可能性としては、「菅総理は果たして総理として相応しい人物なのか」という点もあり得るワケですが、これは民主党が見事に菅隠しを行い、予算委員会すら開かず議論が成されないまま国会を閉幕して見事に逃げ切って、争点になりませんでした。
 この日本戦後民主主義最悪の悪行を目の当たりにして黙っているマスコミもその片棒を担いでいると言わざるを得ないところですが、こう考えればやはり、選挙の争点もマスコミ主導ではなく、国民本位で考えなければならない問題だと改めて言うべきなのでしょうね。
 なぜ自分はこの人にこの政党に投票するのか、それは自分が自分で考えるべき問題なのです。
 
 アナタが考える今回の選挙の争点は果たしてなんでしょうか?
 
 ところで、結局今回の選挙はなんのための選挙かよく分からないのですが、確実に言えるコトがひとつあります。
 
 
 (つづく)



平成22年7月5日

 第22回参議院議員通常選挙 (下)

 (つづく)
 
 ところで、結局今回の選挙はなんのための選挙かよく分からないのですが、確実に言えるコトがひとつあります。
 
 それは、この選挙の結果によって与党が過半数を割ってしまうコトになれば、与党民主党の国会運営がますます厳しくなるというコトです。
 いわゆるねじれ現象ですね。
 しかも自民党政権時のねじれ現象と違い、いまの衆議院では民主国民の与党で2/3の議席も持っていませんから、もし参議院で否決されれば、衆議院での再議決も出来ず、もれなく全ての法案は廃案になるというコトになってしまいます。
 総理大臣の指名と予算案とその他ちょっとのコトは衆議院に優先権がありますので通りますが、法案などは全て否決廃案となるのです。
 もともと先の国会でも民主党は議論せずしての強行採決を連発したぐらい国会運営が下手くそ、というよりも、まともに議論と運営をする気がなかったワケで、民主党としては数の力だけが頼みだったのですから、もし参議院で与党過半数割れが起こった場合、もはや民主党には何の手だても無くなってしまう状況になってしまいます。
 
 よって今回の参議院選挙では、過半数が確保できるかどうかというのは、とてもとても大きなターニングポイントなのです。
 
 ではいま参議院はどのような状況なのでしょうか。
 参議院の定数は242人ですから、過半数は122人です。
 そのうち与党が占める議席数は、なんと122議席なのです。
 もちろんこれは社民党を除いた数、もうちょっと具体的に言うと、民主党・国民新党・日本新党の合同の数です。
 国会内では政党ではなく会派という単位で数を数えるのですが、参議院では民主党が多数を占める会派を「民主党・新緑風会・国民新・日本」という長い名前での会派で組んでいて、この名の通り民主党と国民新党は同じ会派として一つにまとまっています。
 これがぴったり122なのです。
 社民党が与党の時代は、「民主党・新緑風会・国民新・日本」と「社会民主党・護憲連合」というふたつの会派を併せた数が与党だったのですが、いまは「社会民主党・護憲連合」は与党ではありませんから、いまの与党はぴったり122です。
 あと議長と副議長は会派を離脱するコトになっていますから、ギリギリになっても123人が与党系議員数と言っていいでしょう。
 ちなみに衆議院の場合は、民主党と国民新党は別会派で、ちょっとこの辺が一般になじみが深い政党とは別の事情の国会内の話ですから分かりにくいかもしれませんが、とにかくいま与党は参議院では本当にギリギリすぎる数しか持っていないというコトです。
 
 よって、与党が過半数割れを免れるためには、最低限1議席も落とさないよう現有議席を守らなければならないワケなのです。
 
 次に選挙制度についてですが、参議院の場合、選挙は半数ずつ行われます。
 定数が242人ですから、一回の選挙で121人ずつ選挙されます。
 つまり参議院選挙自体は、参議院の任期である6年の半分、3年ごとに行われるコトになります。
 例えば1人区と呼ばれる県では一回の選挙で1人しか参議院議員は選出されませんが、しかし合計すると2人参議院議員が存在するコトになります。
 2人区では4人ですね。
 これらが3年ごとに順番に選挙されていくという仕組みなワケです。
 
 今回の改選組の与野党の勢力を見てみましょう。
 民主党の改選組は54人、そして国民新党は3人で、併せて57人ですね。
 つまり与党は57議席以上ととらなければ、参議院での過半数を割ってしまうという計算になります。
 よってこの57という数字が、与野党の勝敗ラインになると言えるでしょう。
 57を超えれば国民はこれまでの民主党政権を是と評価したと言え、もし56以下であればこれまでの民主党政権は間違っていたと評価しているというコトになるでしょう。
 まず1つ今回の選挙の注目点が、この57という数字です。
 
 その上で、やえはもう一つ注目点を挙げておきたいと思います。
 自民党です。
 先の衆議院選挙に負けてからというモノ、ネットでもマスコミでも自民党はえらい言われ方をしてきました。
 もうその存在は歴史的意義を終えたとか、古い政治の象徴だとか、また民主党が何かやらかすたびにスケープゴートに使われ、自民党とどっちもどっちと言われるのはまだいい方、それでも自民党よりは民主の方がマシだとか、さんざんなコトを堂々と言われ続けてきました。
 しかも、もしそれが具体的な指摘を含んでのモノならまだしも、なぜ自民党がダメだったのかという具体的な指摘もなく、ただただ罵倒されるばかりだったと言えるでしょう。
 やえも自民党を100%全て素晴らしい政治を行ってきたとは言いませんが、理不尽な言われ方の方が多かったと思っています。
 例えば少なくとも民主党が沖縄米軍基地問題で自民党案に戻ったのであれば、やはり自民党案はそれなりに考え抜かれた誰しもが納得しうる案だったと評価されてしかるべきでしょう。
 しかし自民党に対しては評価というコトがまるでされてこなかったというのは、政治を見る見方としては間違っていると言えるのではないでしょうか。
 
 そんな自民党ですが、今回果たして何議席獲得できるでしょうか。
 今回の自民党の改選組は38人です。
 ですから単純に考えれば39人以上当選すれば、国民はある程度の評価を自民党に下したと言えるでしょう。
 もし民主党以上の議席をとれるようでしたら、それはもう民主党の野党時代の主張に従って即座に衆議院を解散すべきでしょうし、なにより上回らなくても、民主党に拮抗する数を得られれば、いままで自民党は必要のない政党だというマスコミ等の評価は国民視点に立っていなかった間違った評価だったと言うのが当然というコトになるでしょう。
 例えば民主党も自民党も50前後の獲得議席だった場合、自民党の衆院選挙後の主張は国民に届いていたというコトに他ならないと思います。
 この国民の判断は、キチンと冷静に判断すべきでしょう。
 
 もちろん選挙はまだあと一週間あるので結果がどうなるか分かりませんし、そもそも選挙で勝ったからと言ってその主張の内容が全て正しいというワケでもありません。
 主張や政策については、選挙の結果がどうであれ、国民ひとりひとりはそれぞれ自分なりに精査し、主張するべきであり、そうしてこそ民主主義政治が正しく行われると言える状態になるのですから、やえも選挙後も主張すべき点があれば主張していきたいと思っています。
 ただしそれはなんでも好き放題言っていいという意味ではありません。
 今回の参議院選挙、果たして結果はどうなるのか、それを冷静に分析するという行為も、政治を見る上に置いて大切なコトでしょう。
 
 さて先の衆議院選挙で行われた「歴史的政権交代」は、国民にとってはどのような評価を下すコトになるのでしょうか。



平成22年7月7日

 民主党・鳩山内閣と菅内閣のマニフェスト違反と無責任態度の一覧

■民主党のマニフェスト違反
 
・米軍沖縄基地「最低でも県外」
 →自民党案へ
 
・後期高齢者医療制度
 →野党時代は廃止法案を提出したくせに、つまりいつでも廃案法案を出せる状態なのに、与党になってから一切動きなし。つまり廃止させるつもり無し。(お年寄りいじめの後期高齢者医療制度 廃止へ(民主党)
 
・高速道路料金無料化
 →実質値上げ
 
・ガソリン税の暫定税率廃止
 →そうでしたっけ? フフフ
 
・子ども手当
 →全額支給断念
 
・官房機密費
 →鳩山退陣直前に多額を引き出す
 
・官僚の天下り禁止
 →前以上に「公務員に手厚い内容」の制度を作る
 
・消費税は4年間上げません。議論もしません
 →菅総理が増税示唆
 
 
■民主党・鳩山内閣と菅内閣の政治に対する無責任態度一覧
 
・口蹄疫が発生し、自民党が委員会等でそれを指摘するも、農水大臣は強行外遊に出かけ、被害を拡大させる。
 
・委員会でのもみ合いで、押してもないのに勝手に転び、車いすに乗って被害者ヅラし、押したと一方的に決めつけている自民党議員を懲罰動議にかける。
 →http://www.amaochi.com/yae_log180.html#100514
 
・石川議員辞職勧告決議案を握りつぶして廃案にする。
 
・厚生労働委員長(民主選出)に対し、強行採決しないならクビにするぞと脅し、本当にクビを切る。
 →http://www.amaochi.com/yae_log181.html#100527
 
・今年の通常国会においての強行採決は10本以上。
 →『「強行採決は国民を愚弄する行為」鳩山代表が街頭で訴え』2002/06/14
 
・しかもほとんどが数時間しか審議時間がなく、ほとんど議論がされていない。
 →http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1275360946/
 
・鳩山総理が政権を投げ出す。
 
・それにより強行採決したのにほとんど法案は成立せず廃案。
 
・鳩山内閣は法案成立率50%程度だったという戦後最低の記録を残す
 →http://mainichi.jp/select/today/news/20100616k0000m010056000c.html
 
・菅総理が誕生するも、一度も委員会を開催せず、議論から逃げて国会閉会。
 
・菅内閣と民主党がなぜ消費税を上げたいのか、上げて何に使うのか、いまだに説明せず、ただ野党と話し合いたいと責任転嫁。
 
・テレビ討論に出ても現総理大臣として「今なにをするのか」を全く説明せず、ジミンガーしか言わない菅総理。
 



平成22年7月9日

 政治家はパフォーマーでいいのか

 参議院選挙の注目区、東京選挙区について一言言っておきたいと思います。
 
 参議院東京選挙区の定数は5で、全国で一番多い選挙区なのですが、しかしこれに対し立候補した人がなんと24人もいるという、かなり激戦区の選挙区になりました。
 と言っても東京選挙区はいつもこんな感じではあって、例えばネットではおなじみの唯一神又吉イエス氏とか、この前の衆院選で東京一区から出てたった987票しか獲得できなかったマック赤坂氏とか、どこまで本気なのか分からないような人まで出ていますので、実質的な倍率というのはもうちょっと低いでしょう。
 しかしそれでも、民主党から2人、自民党からも2人出している上に、公明・共産・社民他、みんなやたちあがれや改革など、すべての政党が立候補者を出しているので、激戦区であるコトには変わりません。
 
 その中で一番の注目候補は、やはり蓮舫行政刷新担当大臣でしょう。
 いまのところその知名度を生かし、もしかすれば過去最多得票をとるんじゃないかとか言われているぐらいです。
 どちらにしてもトップ当選は間違いないというのが、いまのところの下馬評ですね。
 
 しかし、こんなんで本当にいいんでしょうか。
 言うまでもなく蓮舫議員が有名になったのは「事業仕分け」によるモノであるワケですが、この事業仕分け、もはやトンデモナイモノでしかなかったというのは、当サイトはよく伝えてきたところです。
 
政府の事業仕分けに大疑問
事業仕分けとはいったい何だったのか
事業仕分けが如何にデタラメで適当の産物かが証明されました
 
 当サイト的には事業仕分けがはじまった直後から批判していましたが、当初マスコミはこれをベタボメしてヨイショしていましたね。
 しかしこれは珍しい動きだと思うのですが、マスコミの動きとは裏腹に、専門家や有識者の中にはこれを批判する人たちが出てきて、例えば科学技術や宇宙開発の問題や漢方薬の問題、スポーツの問題などでなどで著名人が批判しましたので、さすがにこれをマスコミも伝えざるを得なくなり、国民の間でもマスコミとは違う評価の目で見る人たちが出てきました。
 こうして徐々に事業仕分けのうさんくささが明らかになってきたワケです。
 そもそも蓮舫大臣本人が、「仕分け結果、何が何でもではない」と、あっさりと事業仕分けの存在そのものを否定しているのですから、またやえも言ってきましたように事業仕分けには法的根拠が全く無く、国会での議論にも参加しない程度の会議だったのですから、やっぱりパフォーマンス以上の存在意義は確認できないワケです。
 もはや民主党のマニフェストが詐欺の代名詞「詐欺フェスト」とさえ揶揄されるのと同じように、事業仕分けについてもパフォーマンスの代名詞と言ってもいいぐらい、くだらないモノだったと言えるでしょう。
 
 しかしそれでも、蓮舫大臣の人気が高いというのが現実です。
 今回の選挙、まだ蓮舫候補が当選するとは決まっていませんが、もしかなりの差を付けてのトップ当選となる可能性が非常に高いと言われています。
 でもそれってはつまり国民は、「実際政治をどう動かすかよりも、パフォーマンスの方が大切」とお墨付きを与えるというコトに他ならないコトになってしまうのではないでしょうか。
 
 実際事業仕分けはいったい何を成し遂げたのでしょうか。
 マスコミとかがこれをヨイショする場合、その理由としてはほとんど唯一「今まで見えなかった税金の使い方が見えるようになった」とばかり言いますが、こんなのいままで非公開だったワケでもなく、今まで国民が見ようとしていなかっただけでしかないワケで、まして「国民が見えた」だけでは具体的に何か政治が動いたコトには全くなりません。
 むしろ国民がのぞき見根性で下手に見るコトで、政治や現実問題がむしろ失敗する場合だってあります。
 軍事作戦が事前に知られればその作戦が失敗するコトもありますし、これは警察にも言えますよね、立てこもり犯に対して警察がどのような配備に付いているのかマスコミがヘリコプターで逐一報道するモノですから、犯人から丸わかりになってしまっていたなんて本当にバカバカしいコトが、過去にありましたよね。
 また外交や内政でもいいのですが交渉ごとというのも、なにからなにまで全て公開すればいいっていうモノではありません。
 このように、「国民が知るコトが出来た」=「政治的に成功」とは決して言えないのです。
 そんな中で、この「知るコトが出来た」以外の成果を事業仕分けは何か出しているのでしょうか。
 
 まして国民が知らないウチに事業仕分けで削られた予算が復活しているモノもあるのです。
 「予算の流れが見えるようになってよかった」と言いつつ、事業仕分けという舞台でしか政治を見ようとしない人には全く見えない形で予算の復活をさせる。
 これは民主党自らが「事業仕分けとはまるで意味のないパフォーマンスだ」と認めているコトになるでしょう。
 舞台だけ作ってやれば国民はそれに食いついて、ショーをありがたく観て拍手喝采を送り、裏のコトなど関心が無くなってしまう、むしろ裏のコトを隠すために表で大々的にショーを上演したとも言えるでしょう。
 「予算の流れが見えるようになった」と言いつつ見えない予算がたくさん作られていたという、目の前のにんじんに踊らされて走っている馬よりも、事業仕分けに踊らされた国民の姿というのはあまりにも滑稽でしかなく、国民をバカにしたショーでしかないのです。
 
 政治的には何も実績をあげるコト無く、まして唯一良かったとされる「流れが見える」という理由さえ完全に的外れな、むしろ隠れ蓑にしかなっていない、まったく意味のない行為が事業仕分けなのです。
 
 国民は政治に政治家に何を期待するのでしょうか。
 果たして役人や独立行政法人を公平なルールもなく一方的にリンチする様を見せるだけで、それが「政治的成果」と認識してしまうのでしょうか。
 いま蓮舫議員はついに大臣にまでなってしまいましたが、果たしていままで蓮舫議員が大臣になるまでの実績を上げてきたのかどうかというのは、大いに疑問でしかありません。
 
 結局この日本の中心でありもっとも人口が多く大激戦区である東京選挙区において、蓮舫大臣がどれだけ得票するのかによって、国民の政治を見る目はどのようなモノなのかがある程度見てくると言えるのではないでしょうか。
 先日の更新でも書きましたように、民主党が政権をとってからというモノ、まったく日本の政治はダメダメになってしまいました。
 民主党はいったい何を成し遂げたのでしょうか。
 政治的にどのような実績を成果を上げたのでしょうか。
 これも事業仕分けへの評価と同じで「政権交代したコトがよかった」と、まるで実体のない空虚な部分でしか民主党を評価する声が聞こえてきません。
 これでは日本の政治は悪くなる一方でしょう。
 政治家はただただパフォーマンスに走るだけで、それはつまり権力の座に座るコトが目的と化していて、本来の目的である「権力を手に入れてから何をするのか」が全く抜け落ちている状態と言えるでしょう。
 
 蓮舫議員はその民主党の「権力を手に入れるのが目的」という間違った政治家としてのあり方の象徴と言えます。
 果たしてその象徴が今回の選挙でどれぐらい得票するのか、1つ注目点だと思います。
 それは今後の政治を見る上で、でもです。



平成22年7月12日

 参議院選挙、民主大敗、自民勝利

 参議院選挙の結果が出ました。
 一言で言えば、「民主大敗・自民勝利、みんな躍進」というところでしょう。
 数字を出してみましょう。
 
 民主44 国民0
 自民51 公明9 みんな10 たちあがれ1 改革1
 共産 3 社民2
 
 改選前の民主は54議席でしたから実に10も落としたコトになり、また自民の改選前は38でしたから13議席も伸ばすという、ある意味みんなの党よりも大躍進したと言えるかもしれません。
 もちろんみんなの党は0からの10ですから、大躍進なのは変わりありません。
 ただ、それでも第三極とマスコミが持ち上げるほどは、自民党の伸び幅より少なかったコトから見れば、国民は期待していないと言えるでしょう。
 躍進は躍進でしょうけど、絶対数では自民公明に対して小さすぎますしね。
 むしろみんなの数は、自民民主公明以外の小政党で取り合ったぐらいのイメージじゃないかとは思います。
 
 まずですね、この数字ですが、これは今回の選挙で改選した人だけの数字ですから、今回選挙ではなかった人もいるため、参議院全体としては勢力図が変わってきます。
 非改選を併せた数字になりますと
 
 民主106 国民3
 自民 84 公明19 みんな11 たちあがれ3 改革2
 共産  6 社民 4 その他 4
 
 となりまして、第一党は民主党というのは変わらないコトになります。
 ただし、もう大きく伝えられています通り、与党である民主党と国民新党は過半数を割り込むコトとなり、もし与党しか賛成しない法案であれば、参議院で全て否決されるコトになってしまいます。
 参議院の過半数は122ですから、仮に社民共産を巻き込んでも与党過半数には至らず、公明党を味方に付けるか、もしくは社民+みんなぐらいをしなければ、総理の指名や予算の成立や条約の承認など以外の案件は、全て成立できないコトになります。
 しかも、民主政権以前の自民党公明党連立政権の時代は、この両党で衆議院2/3以上の議席を持っており、この場合参議院で否決されても、もう一度衆議院で採決をして2/3以上賛成すれば法案は成立するという憲法規定がありましたので、自公政権の時はまだ法律を通す手だてがあったワケですが、今の民主国民政権は衆議院で2/3ありませんから、文字通り手も足も出ない状態なのです。
 菅内閣はたった1ヶ月程度の就任期間でいよいよ追い込まれたと言ったところでしょう。
 
 では今回のこの結果は、果たしてなにが原因だったのでしょうか。
 
 おそらく消費税の増税が一番理由として、特にテレビ等では挙げるのではないかと思います。
 これは菅総理や民主党の幹部が口にしているコトからも、おそらく一番大きな理由で挙げられるところだと思います。
 しかし果たして本当にそうでしょうか。
 そもそも消費税増税は自民党が先に言いだしたモノですし、そして内容についても自民党の方が遙かに具体的に選挙前から提示していました。
 それは当サイトでもお伝えしてきた通りですし、むしろ民主党は「野党と話し合いをしたい」と言っていただけですから、「消費税が上がって欲しくない」という理由だけで民主党が負けたと言ってしまうのは無理があるのではないでしょうか。
 それは結果にも出ています。
 例えば有権者が本当に「消費税が上がって欲しくない」という理由だけで投票行動を決めていたのであれば、民主が激減したとしても、しかし自民もせめて微増ぐらいなモノで、みんなや社民共産がもうちょっと増えてもよかったのではないでしょうか。
 でも結果としては、みんなよりも増税を一番具体的に掲げていた自民の方が増えた数は多かったワケです。
 少なくとも自民の13議席増というのは、消費税が論点だけならあり得ない数字です。
 もしくは国民は実はドM説だったという以外でしたら。
 よって単純に「消費税増税論によって民主は敗北した」とは言えないでしょう。
 いくら参議院選挙とは言え、この主張のまま自民党が与党になれば、ほぼ確実に近い将来消費税は増税されるだろうというコトぐらいは、国民も理解しているハズです。
 
 であるなら、結局民主党の大敗の理由、そして自民党勝利の理由はなんだったのでしょうか。
 
 民主が国民からNOと言われたのは、もちろん様々な理由があるでしょう。
 消費税も全くないとは言いませんが、それよりもやはり民主党政権であった鳩山内閣時代の政治とカネの問題や沖縄弁軍基地問題のぐだくだや、また強行採決連発の最悪の国会運営など、そしてなりよりマニフェストを破りまくってきたという“実績”が、国民に“評価”されたのではないでしょうか。
 当サイトではいつもいつもこれらは指摘してきたところですが、さすがにこれらがここまで積もり積もれば、比較的民主党に同情的なマスコミでさえ庇えきれず、そして国民の目を欺くコトも出来ず、このような結果になったのは、言わば自然だったと言えるでしょう。
 ひとつひとつはその場その場でなんとか鎮火できても、しかしそれによって残ってしまった灰はたまり続け、いつの間にかチリも積もれば何とやらと、大きな山になっていたワケです。
 ある意味自爆自滅と言ってもいいかもしれません。
 
 ただ、それでも、選挙中の雰囲気を考えれば、自民が大勝利した理由は、民主が自滅したというだけでは説明が付かないと思います。
 
 ひとつ注目すべきポイントがあります。
 自民党は今回民主党よりも議席を増やしましたが、しかし実は比例だけを見れば、民主党の方が議席をとっているんですね。
 比例は民主16議席に対し、自民は12しか取れていません。
 かなり差が開いたと言ってもいいでしょう。
 自民党の強さは、選挙区の一人区で勝ちまくったからと言えるワケです。
 これはちょっとしたねじれ現象ですよね。
 
 なぜなら、もしこれが、比例も自民党が民主党を凌駕した上で、一人区も勝ちまくったというのであれば、それは前回の衆議院選挙のように、1か0かだけの極端な結果になりがちな、実際はちょっとの差でも全体としての結果は大きく変わってしまうというような、「風の選挙」になったと分析できるでしょう。
 一人区という制度は、票差が10票対9票でも結果としては1と0にしかなりませんから、例えば5つの区で全て10票対9票、合計すれば50票対45票という僅差だったとしても、議席数はなんと「5対0」という極端な大差が付いてしまうワケです。
 これは衆議院選挙の方が顕著でして、衆議院選挙の場合は全ての選挙区が一人区ですから、風によってはこんな極端な結果が出やすいワケで、そこに一人区制の恐ろしさがあるワケなのです。
 しかし今回の参議院選挙の結果は確かに自民党は一人区で勝ちまくりましたが、比例では民主に負けているワケで、これでは自民に風が吹いたから棚ぼた的にバタバタと1人区でも勝てたというコトでは無いでしょう。
 
 言い換えれば、「比例は民主と書いたけど、選挙区では自民党候補者名を書いた」という人がけっこういたというコトを物語っているのです。
 
 これは、自民党の底力を見せつけたというところなのではないでしょうか。
 小泉以前の、地域密着型の伝統的な自民党選挙を復活させた、それを復活させるコトができた自民党の底力を発揮したと言えるのではないでしょうか。
 特にその象徴が山梨選挙区でしょう。
 あの民主党参議院会長の輿石議員と、自民党新人の女性候補がほぼ一騎打ちを繰り広げましたが、民主側は日教組の組織選挙を展開する一方、自民は公募で立った新人が地域を地道に回って徐々に支持を拡大させていって「重点区」にまでのし上がった選挙になりました。
 結果としては輿石議員が当選しましたが、その差はなんと3800票差という参議院ではちょっとあり得ないような僅差でした。
 もちろんこれは自民党側も谷垣総裁や小泉進次郎衆議院議員を何度も山梨入りさせて相当力を入れたというのもありますが、やえとしてはそれ以前に、「重点区」にまで持ってきた新人候補さんの努力があってこそだと思っています。
 有名人の街頭演説などのいわゆる空中戦だけで勝てるほど選挙はあまくないですからね。
 それでいけるなら、どこでも勝てるワケですから。
 そして山梨だけでなく、29ある1人区で自民党は21もの議席を獲得したのは、このような地道な地域密着型選挙を復活させた、それをどの選挙区でも徹底できた自民党の底力があってこそだったと言えるのではないでしょうか。
 その努力と底力が、「比例は負けても、選挙区で勝った」という結果に繋がっているんだと思います。
 
 やえは選挙前に言いました。
 例えば民主党も自民党も50前後の獲得議席だった場合、自民党の衆院選挙後の主張は国民に届いていたというコトに他ならないと思います、と。
 正直やえは自民党がここまで伸びるとは、よもや民主よりも多くの議席を獲得するとは全く思っていませんでしたので、かなり予想外の結果ではありますが、でもやっぱりこれは結果ですから、自民党という政党はマスコミなどで言うほどひどい党ではないと国民はある程度認めているというコトでしょう。 
 自民党に期待している人も少なくないと言えるハズです。
 
 さてこの結果を受けて民主党はどのような行動を見せるでしょうか。
 しばらく永田町に注目です。



平成22年7月13日

 本当に敗北の原因が分からないのであればもはや末期

 本当に敗北の原因が分からないのであればもはや民主党は末期でしょう。
 一行ボードの書き込みを見てびっくりしました。
 
 名無しサン<07/12 23:45>民主を連日叩いてくれたマスコミに感謝だねやえちゃん!!
 
 よもや民主党が今回の参議院選挙で大敗北を喫した原因がマスコミの叩きだったと思える人が存在したなんて、やえはもうびっくりするしかありません。
 もちろんこの人がかなり特殊なのだろうとは思いますし、これをもって民主党そのものやその支持者が全てこんな考え方だと言うつもりはありませんが、しかし選挙以前からネットの大海原を泳げば確かに「マスコミは民主を叩いている」と言っている人もいないコトもありませんでしたし、今回大恥をかいた日刊ゲンダイなんかはいつもそんな論調で妄想文を載せていましたから、まぁそういう人もいるのでしょうと思うしかないところです。
 
 一応真面目に答えておきましょう。
 鳩山総理が政権を投げ出して菅総理に代わってから、マスコミが「政権を党内でたらい回しにするな!」「衆議院選挙で国民の信を受けてない総理じゃないか!」と言われていないという事実ひとつとるだけで、菅総理と民主党は十分にマスコミに“守られている”と言っても過言ではないでしょう。
 しかもこれらのセリフは民主党自身が作りだした言葉です。
 自分が作ったルールを自ら破っているのですから、自分ルールを他人に押しつけられていた形の麻生総理よりも、むしろ菅総理の方が強く非難されなければおかしいと言えます。
 それなのにマスコミはこのような批判はほぼ皆無でした。
 この事例ひとつとっても、十分に民主党はマスコミに守られていたと言っても過言ではないのです。
 
 まして今回民主党と菅内閣は大敗北を喫しましたが、それなのにマスコミはやっぱり「直近の選挙でNOを突き付けられた」とか言いませんよね。  安部総理の時は同じように参議院選挙で負けてしまいましたが、その時はすぐさまマスコミは連日連夜にわたり辞めろコールを叫び続けました。
 その結果、残念ながらその叩きのせいが大きいでしょう、安部総理は体調を崩されてしまい、総理を辞めざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。
 それなのになんでしょうか。
 菅総理に対しては、まるでいっさいこんな歴史が無かったかのように、マスコミは知らん顔です。
 朝日なんてすごいですよ。
 昨日7月12日付けの社説でこんなコトを書いています
 
 ■短命続きもう卒業を
 民意は、菅首相率いる民主党政権に退場を促すレッドカードを突きつけたのだろうか。
 政権交代そのものが間違いだったという判断を下したのだろうか。
 そうではないと私たちは考える。
 2大政党の主な公約が似通う中で、何を選ぶのかが難しい選挙だった。
 とはいえ比例区の得票では民主党が自民党を上回り、非改選議席を加えれば、なお第1党だ。有権者は民主党に猛省を迫ったが、政権を手放すよう求めたとまではいえまい。
 民意は一方で自民党を復調させた。ようやく実現した「2大政党による政権交代のある政治」をさらに前に進め、鍛え上げるよう背中を押したととらえるべきだろう。
 菅首相は選挙結果を受け、続投を表明した。一層の緊張感を持って重責を果たしてもらいたい。
 日本では、「第二院」である参院選の敗北により首相が交代させられる事態がしばしば起こってきた。
 よほどの惨敗ならやむを得ないとしても、短命政権が相次いだ大きな要因だ。それは腰を据えた政策の遂行を妨げ、国際社会での存在感を著しく損なってきた。もう卒業すべきだろう。
 そもそも参院選は「政権選択選挙」ではない。
 自民党一党支配の時代、有権者は総選挙で自民党を支えつつ参院選では時の政権の失政を厳しく裁いた。両院の選挙を使い分け「永久与党」を巧妙に牽制(けんせい)してきたともいえる。
 政権交代時代を迎えた今、参院選のそのような機能は見直していいはずである。政権の枠組みの変更や首相交代はあくまで総選挙を通じて、という原則に立ち返るべきだろう。
 
 何を今更『もそも参院選は「政権選択選挙」ではない』と言っているのでしょうか。
 ここまで露骨に「民主擁護」するなんて、みっともないとしか言いようがありません。
 しかも最後の二行は要約すれば、「自民党政権の時はダメだったけど、いまはもう言わなくてもいい」なんて、完全に開き直っているのです。  昔の自民党も当たり前のコトですが、選挙の結果として与党にいたワケで、国民の選択として自民党政権が続いてきたワケであり、しかしそれにも関わらず「永久与党」なんていう言葉で表現するのは、それは選挙そのものすら無かったと言わんばかりの印象操作でしかありません。
 ここまで露骨な擁護もないでしょう。
 
 安部総理と言えば、あの時も散々マスコミは「強行採決を連発して強引な国会運営をしている」と非難していましたが、しかし鳩山内閣に対してはほとんどそのようなコトは言われませんでした。
 たまに指摘はされても、それが倒閣運動のエネルギーになるまでには全くならず、どちらかと言えば、「自民党もやったじゃないかと」と、なぜかジミンガーを持ち出して、そのデタラメさを中和させようと躍起だったとすら言えるでしょう。
 もしかしたら鳩山内閣が10回も強行採決をしたと知らない人も、実は国民の中にはけっこう多いのではないでしょうか。
 
 でも、同じ強行採決という言葉でくくっても、本当のところという部分については安部内閣と鳩山内閣は全然違いますよね。
 安部総理の時は何十時間も審議したのにも関わらず当時野党だった民主党は時間稼ぎのために採決に反対するので、与党自民党としては致し方なく強行採決せざるを得なかったワケですが、鳩山内閣の場合はたった数時間しか審議時間をとらず、まともに議論しないまま強行採決を10本以上も連発したワケで、さらに強行採決した本数で言っても鳩山内閣の方が多かったワケで、まったくもって安部内閣の時と鳩山内閣の時を同列に語るコトはできないのです。
 それなのにマスコミは「批判の仕方や内容の力加減を意図的に変えて」伝えてきたのです。
 このように事実を冷静に並べて比べてみればとんでもなくマスコミは民主党を守っているワケで、それを批判されれば叩きと見なしているのかどうかは知りませんが、以前のマスコミをあり方を省みようともせずただただ叩かれた叩かれたと言うのはものすごくみっともない姿だと思います。
 
 むしろあのような書き込みをする人というのは、果たしていったいぜんたいどのような理由で民主党はマスコミに叩かれていたと感じているのでしょうか。
 ここまでの擁護をされ守り続けられている民主党政権をもって、どうすれば「マスコミに叩かれた」と言えてしまうのか、やえにはその思考構造がさっぱり理解できません。
 ぜひとも具体的に教えていただきたいところです。
 もちろん「叩く」という表現を使っているのですから、米軍基地問題のような政策に関する批判や、議論から逃げて強行採決連発や菅新総理の国会逃亡などの政治に対する姿勢の問題への批判や、また外国人参政権問題などの基本的な政治思想への批判などではなく、「内容の伴わない理不尽な文句という意味」の罵詈雑言ですよ。
 安部総理や麻生総理に向けられた、まったく政治的に無意味な罵詈雑言が今回本当に民主党政権に向けられていたというのでしたら、是非とも教えてください。
 やえはとっても興味があります。
 
 「まったく政治的に無意味な罵詈雑言が今回本当に民主党政権に向けられていた」と言えば、こんな書き込みを見つけました。
 
 
 (つづく)



平成22年7月14日

 本当に敗北の原因が分からないのであればもはや末期 (下)

(つづき)
 
 「まったく政治的に無意味な罵詈雑言が今回本当に民主党政権に向けられていた」と言えば、こんな書き込みを見つけました。
 まぁ匿名日記なんで、やっぱり極一部の変わった人の書き込みかもしれませんが、なかなか興味深いので取り上げておきます。
 
 また情弱どもが民主の惨敗に大喜びしているが。
 
 また情弱どもが民主の惨敗に大喜びしているが。
 お前らこそが日本の癌ってことに早く気づこうぜ。
 鳩山のときもそうだけど、日本のトップを馬鹿にして喜んでやがるクズども。
 あのなー、仮にも日本の民意で選ばれたトップなわけ。
 それを馬鹿にするってことはイコール自分たちが馬鹿ってことだぞ。
 しかも外国人にルーピーって馬鹿にされて大喜び。馬鹿じゃねーの。
 自国のトップを馬鹿にされて喜ぶ自国民なんて日本くらいだよ。
 恥ずかしくないのか。国辱行為に喜ぶなんてお前らホントに日本人かよ。
 自民信者は麻生は政局よりも経済政策を優先させて偉いとか言ってるが、
 お前らこそ政局に一喜一憂してるクズじゃねーか。
 一丸となって経済政策すべき、っていうんならもうちょっとは今のトップ応援しろや。
 お前らこそが日本の政治をぐらぐらにしているわけ。
 一年ごとに総理が変わるのもお前らがトップを見捨てているからなの。
 無能はお前らだっての。いちいち総理やめさせて何がしたいんだよ。
 政策が気に入らないってんなら提言すりゃいいの。陰口の言い合いなんてレベル低すぎだよ。
 ネットで人気の評論家連中はベーシックインカムなんて夢物語に逃げ込んでるしな。
 「これで全て解決!(キリッ」てか。それってハルマゲドンでぜんぶ綺麗になるっつってたオウムとどう違うんだよ。
 でかいこと持ち出してぎゃーぎゃー言い合ってるだけで今の問題が解決したら政治家なんていらないよ。
 ほんと、アホばっかだわ。こんなニュースばかり見てると日本に帰りたくなくなるね。
 こっちじゃ反対するにしても「いかに政府に届かすか」をきちんと考えて行動してる。どんな奴でもな。
 お前らのやることなんてネットでぐちぐち言い合って箇条書きコピペを貼って喜んでるだけ。
 ぶっちゃけ有名人の悪口が言えりゃなんでもいいんだろ?ほんと低レベルだよなぁ・・・・。
 
 政策の中身や政治思想また政治に対する姿勢の問題と、ただ単に叩く行為や倒閣運動そのものとは、まったく違うモノであるというコトが分からない人ってけっこういるんですよね。
 これ前にも同じような更新を下と思いますが、例えば麻生総理向けられた多くの非難は、漢字の読み間違いですとか、カップラーメンの値段ですとか、仕事終わった後のバーの値段が高いですとか、そんな政策などとは一切関係ない、これらは無視してても行政としてはまったく影響のない事柄ばかりでした。
 一方鳩山内閣に対する批判はどうだったかと言えば、それは沖縄米軍基地の問題はまさに場所をどこにするのか、また日米関係はどうなのかという部分が大いに議論されたワケで、これら具体的中身を一向に決められない鳩山総理の考え方に批判が集中したワケですから、これは完全に政策の中身への批判です。
 移転をどうするのか、どこにするのかというのが、この米軍基地問題の本題なのですから、鳩山総理への場所を決められない態度に対する批判は、まさにこの問題のど真ん中に対する批判に他なりません。
 他にも例えば議論せずに強行採決を連発した件というのも、これはまさに民主主義そのものに関わる事柄であり、議論から逃げ回った民主党に対する批判は、まさに政治のど真ん中への批判だったと言えるでしょう。
 
 このように、どうでもいい事柄で、ただ叩くだけが目的で倒閣運動そのものが目的だった麻生総理の時の批判と、政策の中身について批判した結果として退陣してしまった鳩山総理とは、まるで理由が違うのです。
 これをごっちゃにして語るコトは、その方がむしろ民主主義と政治を悪い方向に持っていこうとしている悪意があるのではないかと言わざるを得ません。
 
 「一丸となって経済政策すべき、っていうんならもうちょっとは今のトップ応援しろや」というような意見はたまに目にしますが、これは決して、どんな中身であっても無批判に全てを受け入れろ、反対してはならないという意味には、絶対になりません。
 例えば緊急事態だからと言って議会や議論を無視できるような仕組みを作ってしまうというのは、それは戦前の日本であり(形的には議会はずっと生き続けてはいましたが)、その結果としては軍部が暴走し、むやみに戦線が拡大して日本の敗戦を決定付けてしまったという歴史を日本は持っているワケで、実はこの「中身に対しての批判もせずにただただ応援しろ」と言ってしまう言い方は、このように民主主義の危機だけでなく、国家の崩壊すら招きかねない大変危険な考え方でしかないのです。
 「応援しろ」というのは何を持って応援と言っているのかやえにはよく分かりませんが、確かにただの政争でしかない解散総選挙(解散しなければならないという法はありませんからね)を先送りにしてまで経済政策を打った麻生総理は、これは政策的に素晴らしいコトですし、それに対して「とにかく解散しろ」と言ってしまうのは罵詈雑言の類であって、政治を全く省みない、党利党略の我が儘な自己中な考え方でしかないでしょう。
 カップラーメンとかいちゃもんをつけるのではなく、トップを応援すべきでした。
 しかし鳩山総理のあの態度というのは、米軍基地問題が象徴するように、政治や国民を振り回すだけ振り回して結局何も決められなかったのですから、これを批判しないという方がむしろ国益を損なう行為でしょう。
 鳩山総理に対しては、退陣しろという結果は最初にはだれも求めておらず、まず先にあったのが内容に対する批判だったのであって、結局鳩山総理が退陣してしまったのは、ただ単に政策論争の末の結果としての政局になっただけでしかないのです。
 順番を間違えてはいけません。
 国益を損なっている政治家を前にして「応援しろ」と言うのは、もはや害悪にしかならない発言でしょう。
 
 批判と罵詈雑言は全くの別モノです。
 「総理が替わった」という結果だけ見て全て同じだと言ってしまうのは、それは政治を見る目としては甚だ不適切です。
 自分はあまり頭を使っていませんと自ら表明しているようなモノです。
 菅総理にしても、党内で一切議論しないまま消費税増税を口にして、ちょっと批判されたからと言って還付するとかまた適当なコトを言って、しかも民主党の他の候補が「増税反対」なんて堂々と言ってしまうのですから、国民としてはこれでは振り回されるだけで、とてもじゃないですけどプロの政治家が政治を真面目に行っている姿とは言い難い姿でした。
 一方自民党は、キチンと党内議論をまとめ、公約集にもかなり具体的に中身について明記している上での堂々と主張しているワケです。
 ですから、この自民党に対しては消費税増税について国民も堂々と正面から議論ができ、必要なら中身についての批判ができるワケです。
 しかし民主党に対しては、一体だれに対して消費税論議をすればいいのか、どの言葉を信じればいいのか、さらに言えば、党のトップであり総理大臣である人の言葉を本当に信用していいのか、それすら不安視するしかありません。
 前の代表が「自分が言った言葉はマニフェストには書かれていないし法律ではないから守る必要など無い」なんて平然と言ってのける政党ですからね。
 この「政治に対する姿勢」も、国民が判断した大きな要因であり、民主党が大敗した原因でもあるでしょう。
 これは正しい批判なのです。
 
 結局マスコミも民主党も、自分勝手に自分都合でその場その場で主張をコロコロ変えるので、信頼をどんどん失っていくのです。
 いま民主党は急に、「国民のために党派を超えて議論をする時だ」と言いだしていますが、こんなの選挙で負けて参議院で過半数割れしたから言い出しても、普通なら信用されないセリフです。
 果たして選挙でもし勝っていたら、おそらく絶対にこんなコトは言ってなかったでしょう。
 そもそも先の国会で好き勝手暴れまくって、野党を軽視し、いえ無視し、議論を無視しまくって、強行採決を連発したのはどの党でしょうか。
 よくそんな勝手なコトを言えるモノです。
 ホントみっともないです。
 
 本当に国民のためを思うのであれば、国家のための政治を行うのであれば、まず民主党は何をすべきなのか真摯に考えるべきでしょう。
 過去の自らの言葉を思い出すべきでしょう。
 今をときめく蓮舫大臣の昔の発言です
 
 直近の民意は4年前の衆議院議員選挙ではなく、2年前の参議院選挙であるにもかかわらず、麻生総理は解散を行わないまま衆議院の議決をもって参議院の議決を否定し続けています。
 
 もし本当に今回の選挙での敗北の原因が民主党に分からないのであれば、もはや末期でしょう。


メールフォーム作りました♪
ご意見・ご感想などはこちらから


誤字指摘はこちらまで
お願いします〜

 ■御意見ご感想等は「御意見板」へ
   (自分の主張や議論をする場合は一般的なルールやマナーを守って、署名をしましょう)
 ■やえちゃんにメールを送りたい場合は、「メールフォーム」へ
 ■短文をトップページへ公開する形で送りたい場合は、「一行メッセージボード」へ
   (同じ内容を何度も書き込むのはやめましょう)
 ■短文をやえちゃんに非公開で送りたい場合は、「web拍手」からどうぞ

TB跡地