天堕が作成した文書

FAXその二
平成13年○月×日
T◎HT◎不動産 山田様

 諸事情により返事が遅れましたことをお詫びいたします。
 八王子の○○に住んでおりました天堕 輪です。

 先日のそちらのご報告を受けまして、今までのこととこれからのことについて行政書士の先生にご相談を致しました。
 行政書士の先生からは、

「タバコのヤニについては、通常の喫煙であれば、こちらが負担する必要はありません。よほどのヘビースモーカーでない限り、通常の使用にもとづく減耗と考えられます。」
「特約などがあっても、賃借人に不利な特約は無効だという判決がよくだされますよ。私も何度も経験しています。」

 というご返事を頂きました。

 私は、一日一箱吸うかどうかという、ごく一般的な喫煙者です。
 判例から見ても、行政書士の先生の見解から見ても、やはり私が住んでおりました部屋の煙草のヤニはこちらの過失とは見なされないものと思います。
 よって、私からの敷金の全額返還という要望は前回と同じです。

 ただし、前回のお電話の時も立ち会いの時もそうだったのですが、そちらとの話し合いでは、言ってみれば口論まがいになってしまい、私としてもそういうのは不本意です。
 もちろんそちらもそうだと思います。
 そちらは中間の立場に立っておいでですので、なかなか話がスムーズに行かないことも仕方ないのですが、それでも私としましては精神的にも肉体的にも心労が溜まりますし、時間的にも割ける時間というものは限られています。
 ですので、行政書士の先生と話し合い、そして私が考えた結果、裁判(少額訴訟)という解決方法をとりたいと思っております。

 しかし、裁判というのもやはり時間がかかるものです。
 先ほども言いましたとおり、私と致しましてはなるべくこのことで時間的に拘束されたくはないのです。
 ですので、もし次のご連絡で解決できるのであれば、それは私としましても望むところであります。

 日本の民主主義の原則は多数決でありますが、裁判、特に民事裁判であれば和解という名の妥協案が用いられることが多々あります。
 全ての問題が話し合いだけの結果で終われるのであればそれは素晴らしいことでありましょうが、そうもいかないのが人間です。
 だから双方が歩み寄るという形で、和解というものが存在しているのでしょう。
 ですから私の和解案と致しましては、

1.室内清掃代はこちらが100%負担する
2.それ以外の工事費等は100%そちらが負担する

 という形での和解案を提案いたします。
 つまり、室内清掃代3万円と消費税を合わせた31500円をこちらが負担すると言うことで、敷金と返却家賃分を合わせた12万円の中から室内清掃代31500円を差し引いた、8万8千円を私に返却していただくということになります。
 この和解案に同意していただければ、私と致しましてもこれで納得するつもりであります。

 最後にご無理を言って申し訳ないのですが、前回のようにお電話で回答していただくと、そちらにその気はないことは十分承知していますが、私の不徳の致すところで、やはり口論まがいになってしまう恐れが非常に高いと思われます。
 もちろんそれはそれで分かり合える部分もありますが、それでも言い忘れたこととか、言い足りなかったこととか出てきてしまっています。
 繰り返しになりますが、私と致しましてはそのようなことは出来るだけ避けたいと思いますし、もし主張が足りないようでしたら裁判で行った方が有意義だと判断いたします。
 ですので、結果だけ書けとは申しませんので、次のご連絡は出来るだけFAXでお願いしたいと思います。
 もし法律等で、口頭での回答しか認められないのであれば、そのように明記していただけばこちらから折り返しお電話差し上げます。

 重ね重ねお手数とは思いますが、こちらからは以上のことでよろしくお願いしたいと思います。

天堕 輪

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