タイトルが『涼宮ハルヒの憂鬱』みたいになってしまいましたが……ごめんなさい、どうでもいいですね(笑)、今日は、昨日の夕方麻生総理が記者会見で発表しました緊急経済対策などについて、やえの感想を述べていきたいと思います。
まずはその記事の引用です。
首相、追加景気対策を発表…年内の衆院選は見送りに
首相は現在の経済状況を「百年に一度の暴風雨が荒れている。金融災害ともいうべき米国発の暴風雨だ」と表現し、強い危機感を示した。追加景気対策の裏付けとなる2008年度第2次補正予算案の編成への着手を表明し、赤字国債を財源としないと明言。その上で、「大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたい。私が目指す日本は中福祉・中負担だ。中福祉で低負担は続けられない。多くの借金を子どもたちに残すこともやめねばならない。増税は避けて通れない」と述べた。
衆院解散の時期は「しかるべき時期に私自身が判断する」と強調。「(第2次)補正予算案が通るか通らないかが解散の時期には関連してくる。ぜひ実現して、結果として国民の生活不安に応える必要があるというのが優先順位一番だ」として、第2次補正予算案が成立するまでは解散を行わない考えを示唆した。
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どの報道もほとんどこのニュースの柱を解散時期にしてしまって、なんとも相変わらずマスコミは政策より政局なんですねとしか言いようがないところですが、とりあえず引用先の読売新聞のリンク先には、画像で経済対策の主な項目を一覧化していますので、そっちもちょっと引用させていただきましょう。
●家計
・2008年度に2兆円の定額給付金
・2009年度に雇用保険料を引き下げ
・住宅ローン減税の延長・拡充
●社会保障
・都道府県に「安心こども基金」設置
・2008年度に「子育て応援特別手当」支給
・介護現場の処遇改善と10万人の人材確保
・医療対策の推進
●働く
・中小企業向けの信用保証枠拡大
・中小企業向けの減税
・非正規労働者の雇用安定対策強化
●地方
・高速道路料金の大幅引き下げ
・道路特定財源の一般財源化で地方に1兆円
・地域活性化・生活対策臨時交付金を交付
●金融市場安定化
・金融機能強化の特別法の活用・改善
・証券優遇税制を3年間延長
・格付け会社への規制の検討
●成長力強化
・省エネ・新エネルギー投資推進税制
・海外子会社利益の国内環流
・世界最先端の研究開発
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まず昨日の記者会見で最も注目されるところは、やはり消費税増税を明言したコトでしょう。
プラスの部分だけではなく、国民にマイナスの部分もキチンと提示をすると言うコトは、政治家として正しくあるべき姿だと思います。
少なくともいつまで経っても財源を明らかにしない、何を聞かれても政権交代としか言わない民主党とは大違いです。
ただやえが気になるのは、このニュースを報じる際に、「3年後」という言葉が一人歩きしてしまっているというところです。
「3年後に増税を明言」なんてタイトルを今日のニュースではよく見かけたのではないかと思うのですが、しかし「なぜ3年後なのか」という部分をキチンと説明している記事はあまりありません。
これでは片手落ちです。
なぜ3年後なのか。
これは当サイトをよくお読みの方は聞くまでもないでしょうけど、この3年というのは麻生さんの持論で「日本経済は全治3年」の3年です。
つまり、麻生さんは自分が3年かけて経済対策をすれば日本の経済は良くなると言っているワケで、そして経済が良くなれば税金の負担を上げさせてもらうと、こう言っているワケです。
ですから一番のキモは、麻生さんが3年で日本経済を復活させると明言しているというところなのです。
もし注目し、野党とかも騒ぐなら、本来はココのハズです。
「本当に3年で出来るのか?」
こう問うのであれば、正しい批判とも言えます。
しかし民主党は、
3年後の消費税引き上げを明言しておきながら、その前にバラマキの減税、定額給付を支給したからといって国民の購買意欲は向上しない
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なんて言っていまして、これはそもそも日本語として成り立っていない、麻生さんの発言とは全く噛み合ってない発言だと言えるワケです。
重要なのは3年後に増税するのではなく、3年後に経済が回復するというところです。
今回の消費税増税の話の発端は、経済が回復すれば増税しても大きな負担にはならないだろうというところであって、そして経済が回復するかどうかは麻生さんのこれからの腕の見せ所です。
ですから麻生さんに言葉をぶつけるのであれば、「どのように経済を復活させるか?」です。
「増税するな」では全く噛み合いませんし、「3年後に経済が回復するコトを前提としての消費税引き上げ論」に対して、「増税したら購買欲は向上しない」でも、前提が違うために会話が噛み合わないのです。
聞くなら「どのようにして3年後に経済を立て直すか?」です。
やえも「3年で経済を立て直す方法論」是非聞いてみたいので、野党や専門家が具体例や対案などを出しながら総理に信を問うていただければ、とても分かりやすいですし、国民のためにもなるでしょう。
そしてそういう態度であるなら、やえは民主党もちゃんと評価するコトでしょう。
しかし今の民主党の主張は、相変わらずですけど、メチャクチャだと言うしかありません。
同様にマスコミも、ただ単に「3年後に」というフレーズを安易にばらまくのはやめていただきたいところです。
一番のキモは、「3年で経済を復活させる」というところであり、そして「復活するなら税負担を大きくしても耐えられるだろうだからよろしくお願いします」というのが麻生さんの主張なのですから。
次に解散の時期についてですが、麻生さんは明言しませんでした。
これについても一部マスコミや野党からは批判が出ているようですが、これそもそも麻生さんが時期を明言すると思っていた方が間違いだとやえは思います。
だってあの麻生さんですよ?(笑)
というのは冗談ですが、もし仮に昨日の段階で解散時期を明言していたら、そっちの方が混乱していたコトでしょう。
なぜなら、その時期になれば選挙になるのですから、野党は確実にその時期まで国会では頑張ってゴネ続けるからです。
ゴールが見えるのですから、ゴネやすいワケです。
そうして盛り上げて、さあ時期がきたぞ解散だ選挙だ民主党だワーってするのが、参院選挙をはじめとするいつもの民主党の(必勝)パターンなワケで、こうなれば麻生さん自身の経済対策が立ちゆかなくなってしまうワケで、よって麻生さん自身が解散時期を言うハズがないのです。
解散というモノは総理大臣に専任事項であり、伝家の宝刀というぐらいの最も奥の手である武器です。
この武器は時に自分すら傷つけるコトもありますが、それでも最も力を持っている武器には違いありません。
おそらく日本の憲政史上最もこの武器を有効に使ったのは小泉さんでしょう。
麻生さんとしては、この武器をさっさと使ってしまうのではなく、「使うぞ使うぞ見せちゃうぞうりうり」としていた方が使ってしまうよりは武器になるので有効だと言えるワケで、そういう意味からも時期を明確にするのは全く麻生さんにとってプラスにはならないワケです。
このコトからやえは、「明日解散する」と言い出す可能性も3%ぐらいはあるんじゃないかと予想はしていましたが、それ以外で解散時期を明確にするとは全く思っていませんでした。
さっきの消費税の話ともからみますが、選挙の際の国民としての判断材料としては、この麻生さんの経済対策をどう評価するか支持するか、というところにあるのではないでしょうか。
麻生さんは「3年」という期間を限定しています。
3年間かけて日本経済を立て直すというコトは、これは逆に言えば、少なくとも3年は自分に総理でいさせてほしいという願いだとも言えるでしょう。
3年未満だと麻生さんの真価は問えないというコトになりますから、次の選挙は「麻生さんに3年託すかどうか」の選択と言えるでしょう。
「政局よりも政策」「日本経済全治3年」
麻生さんの説明が納得できるかどうか、中身が分からなくても騙されたと思って3年我慢してみるかどうか、この辺がポイントではないでしょうか。
(つづく)