☆やえニュース☆

  麻生総理の会見 (下)役人は手足麻生メルマガレビュー元幕僚長問題、中身の正否で判断するのは危険米国次期大統領選挙にオバマさん当選 米国次期大統領選挙にオバマさん当選 (下)お題3つ目的のためには手段を選ばない人たちちょっとひとこと

平成20年11月4日

 麻生総理の会見 (下)

 選挙と消費税の次に注目を集めているのが、おそらく交付金のお話でしょう。
 全体で2兆円のお金を世帯毎に配布するってヤツです。
 今のところ、これどういう形で交付するのか、現金なのか商品券なのかまだよく分かりませんが、うーん、これどうなんですかね。
 なんかこうここまでストレートだと、どう評価したらいいか分かりませんよね。
 確かに月数百円程度の減税をしたところで消費行動には全く繋がらないと思いますが、ここまでそれなりのお金が一気にまとまって入ってくるなら、どれぐらいかはともかく、効果が全くないコトはないでしょう。
 でもなんですかねぇ、実感という意味でしたら、正直微妙な気がしてなりません。
 どっちかって言うと、何かを買うときにいくらか安くなるってした方が、実感という意味では大きくなるんじゃないでしょうか。
 
 
 今回の対策で良く語られるのはこの3点当たりだと思います。
 しかしその他にも色々と麻生さんは対策を打たれていますので、気になるところをいろいろと見てみましょう。
 
 
 引用もと記事の一覧で「社会保障」という部分についてですが、この辺やえがあまり情報を持っていないので、具体的にどうなるのかまだちょっとよく分かりません。
 その中で、どこで聞いたのか忘れたのですが、妊婦さんの定期検診を数回までタダにするっていう話があったかと思います。
 やえは妊娠したコトないですので、この検診代がいくらかかるのかよく知らないのですが、でもこれはちょっとうれしい措置ですね。
 それから医療対策は、この前も述べましたように、行政が出来るコトは少なくないワケで、その中で具体的且つスピーディーに実施してもらいたいです。
 この辺、一体何が必要で行政は何が出来るのか、そして今の行政では何が出来なくて何が足りないのか、この辺を浮き彫りにしてほしいと思います。
 
 「働く」の項目に、「中小企業向けの信用保証枠拡大」というモノがあります。
 これは簡単に言えば、貸し渋り対策です。
 確か先週から、8000万円までは国が保証協会に金を入れて、それで全額保証するから渋らずにちゃんと貸しなさいという制度が始まるのですが、これを3倍ぐらいまで拡大するという対策です。
 また合わせて、貸し渋り対策として経済産業省に専用窓口や電話を用意して、貸し渋りにあった人のための相談を受け付けるんだそうです。
 悪質な場合はこらって言うんでしょう。
 銀行そのものも大変なんだろうとは思いますが、しかしそもそも銀行とはなんのためにあるのかというところをシッカリと考えてもらって、行動してほしいと思います。
 
 高速道路のお話ですが、これはけっこう取り上げられていますね。
 最高1000円までにするっていうお話ですが、これ、例えば東京から広島まででも1000円なのでしょうか。
 もし本当にそうだったらスゴいですよね。
 むしろそんなコトして大丈夫なのかと心配にすらなってしまいます。
 でもこれ本当に実現したらドライブとか増えそうですよね。
 東京からなら富士山見に行こうとか、北関東の温泉に行こうとか。
 ……誰か連れて行ってください(笑)
 
 「金融市場安定化」ですが、中でも「格付け会社への規制検討」、これは大期待です。
 こういう言い方もなんですが、やえは格付け会社ほど不要な業種もない気がしてなりません。
 もちろん現代の複雑な経済システムになると、そういう会社を必要としている人や、実際にすでにかなり実際社会に根付いているというのも承知しているつもりですが、でもそれでもやっぱり、そんなモノが必要なのかやえは疑問でなりません。
 これは今回の対策には入らないと思いますが、特に外国の会社が日本に対する格付けなんて、本当にシッカリと調べているのか、(基本的に過小評価、批判しかしない)日本の新聞を流し読みしたぐらいで適当に決めているんじゃないかと思ってしまうような格付けをしているモノもよく見られるワケで、ますます不信感を持ってしまいます。
 今回どのような規制を考えているのか今はまだ分かりませんが、ここはすごく期待したいと思います。
 
 その他、非正規雇用対策ですとか、道路財源の一般化に伴う地方への1兆円交付ですとか、それなりに期待できる政策を麻生さんは打ち出しています。
 これが今後どのような具体案になっていくのか、そしてそれが現実的にどのように効果を上げていくのか、シッカリと見ていきたいと思います。
 
 その上で注目しなければならないのは、麻生さんの「全治3年」です。
 麻生さんは3年かけてトータルとしての経済対策を考えていらっしゃるんだと思います。
 ですから、今回の第二次補正予算にかかるこの対策をして、すぐに効果を期待するのは、ちょっと無理な話でしょう。
 今回の件だけで「経済は良くならない」と批判するのも違うと思います。
 そもそもこれは政治全般に言えるコトですが、政治にあまり特効薬を期待するのは無茶な話でしかないのですから、今回もじっくりと腰を据えて見る必要があると思います。
 まぁどちらにしても衆議院の任期が来年の夏あたりまでですから、それまでには必ず選挙はあるワケで、ですから結果よりも今回の麻生さんへの評価は「政策提示」の中身の評価になるんだろうと思いますが、それは野党にも全く同じコトが言えるワケで、この辺は焦らずあわてず、すぐ何でもかんでも批判すればいいっていうモノではないコトを考えて、評価していかなければならないのではないでしょうか。
 
 麻生さんの次の一手はどうくるでしょかう。
 

平成20年11月5日

 役人は手足

 今日はこちらのニュースです。

 「日本は北朝鮮と一緒だ」=問題論文めぐる処分に不満−田母神前空幕長が会見
 
 日中戦争での日本の侵略や植民地統治を正当化する内容の論文を民間企業の懸賞論文に発表したとして、解任後に退職を命ぜられた田母神俊雄前航空幕僚長=空将(60)=が3日夜、東京都内で記者会見し、「政府見解に対しひとことも言えないようでは、民主主義の国とは言えない。北朝鮮と一緒だ」と、不満を表明した。

 チラホラと話題になっているこの件ですが、事の経緯を簡単に説明しますと、この元幕僚長さんが現役時代に何かの雑誌かどこかの論文で「太平洋戦争は正義の戦争だった」と発表してしまい、それを知った防衛大臣など内閣が、「内閣の見解と違うコトを言うな」というコトでこの幕僚長さんを更迭したと、こういうコトになっています。
 そしてそれに対してこの元幕僚長さん、『自らの処分については「防衛相が決めたことに従う」と、争う意思はないことを示し』ているそうですが、心の中では不満たらたらのようである、というところです。
 
 しかしやえは、ちょっと乱暴な言い方しますが、役人ごときが何を勘違いしているんですか、と言いたいです。
 
 先に断っておきますが、やえの個人的な歴史観で言えば、おそらくこの元幕僚さんの見解と非常に近いモノがあるのではないかと思っています。
 論文を読んだワケではないので断定は出来ませんが、ニュースなどで聞く限り、かなり保守的な意見であると推測されます。
 先の大戦で日本が行ったコトは、歴史の大局から見れば必然の行為であり、決して一方的に悪だと断じるコトは出来ないコトだったと見るのが、ごく自然のモノの見方だとやえは思っています。
 ですから、この元幕僚長さんが公務員の立場ではなく、一民間人の立場でこのような言論活動をするというのであれば、応援したいとは思います。
 
 しかし今回の件は違います。
 この人は現役官僚として政府見解に噛み付いたワケで、これは内容の問題ではなく、内容がどうこういう問題とは全く関係なく、公務員としてやってはならない行為です。
 役人は政府の手足です。
 手足は自分で物事を判断して決定はしません。
 考えるのは内閣であり、政治家の仕事です。
 日本は民主主義の国であり、だからこそ政府のトップには選挙で選ばれた「国民の代表者」が就くコトになっていて、その人が考え指示を出すという形を取るコトで、行政を司っているワケです。
 これが、軍事だけにとどまらない広い意味でのシビリアンコントロールです。
 役人は考えるのが仕事ではありません。
 極論、どんなバカらしい命令であったとしても、例え決定したなら、それを黙って遂行するのが役人の役割であり、存在理由です。
 もし役人が勝手に判断をして行動をしはじめたら、それはいわゆる関東軍であり、民主主義の崩壊です。
 
 この元幕僚長さん「政府見解に対しひとことも言えないようでは、民主主義の国とは言えない。北朝鮮と一緒だ」と言っていますが、民主主義の意味をはき違えているとしか思えません。
 政府見解が公式の意味を持つ以上、それを対外的に遵守するコトは役人の義務です。
 もちろん内心までそれを信じる必要はありませんが、少なくとも外に向けては、役人は政治家の決定に背いてはなりません。
 背くコトは民主主義の崩壊を意味します。
 民主主義の国においては、真実が必ずしも正義ではなく、「民主的なコト」の方が重要視されます。
 ですから選挙さえ当選すれば誰でも国会議員になれるワケですが、一方当然役人はこの選挙という洗礼を受けていません。
 そういう人が公的な立場を利用して公的な見解に噛み付くというのは、民主主義の精神から大きく逸脱するのです。
 
 こうしたコトから、元幕僚長さんは『政府見解にひとこと言いたい』ようですが、選挙の洗礼を受けていない人が、何を思い上がっているのかと言わざるを得ないワケです。
 政府見解にひとこと言いたいのであれば、直接防衛大臣や総理大臣にアポイントでも取って直言すればいいんです。
 それで意見が通るとは到底思えませんが、内部の中だけで議論しよりよい政治に行政にしていこうという試みであればドンドンすればいいと思います。
 しかし論文を書いて広く公開するという手法は、外部の人間に広く「自分の考えは政府とは違う」と公言してしまうコトであり、役人の暴走としか表現できません。
 民主主義国においては、選挙を経るからこその権力の根拠であり、つまりその選挙を経た政治家は無条件で役人より上の立場なのですから、少なくとも外に向けては、政治家でない役人としての立場であればそれを遵守する義務を有するのです。
 役人の意見が政治家の意見を越えるコトは絶対にあり得ません。
 自衛官であるなら、上からの命令を忠実に遂行するというコトの大切さを誰よりも知っていると思うのですが、どうしてこう見苦しい言い訳をするのでしょうか。
 その辺の見識は、ちょっと疑ってしまいます。
 
 繰り返しますが、もしこの元幕僚長さんが民間人の立場で見解を述べるのでしたら、特に問題はありません。
 ですから、どうしても現役役人のままで論文を書きたければ、匿名にして肩書きも載せず職務上で知り得た情報などは一切加えない形で論文を載せるのでしたら、まだよかったでしょう。
 また、いまはもう公務員ではないのですから、これから「元幕僚長」という肩書きで論文を書かれるのでしたら、応援したいと思います。
 そしてその中身についても、読んだコトがないのでなんとも言えませんが、おそらく頷ける部分も多いのではないかと期待しています。
 
 しかし今回の問題は、そういう思想の中身は全く関係ありません。
 幕僚長という立場の人が上からの命令に従わなかったというところが問題なのです。
 そしてこれは民主主義の根幹に関わる問題であり、また幕僚長という高級官僚の立場からくる責任と影響を考えるのであれば、この更迭という措置は妥当だとやえは思っています。
 
 今回の問題の本質はここにあるワケですが、左巻きの連中は、どうしてもこの問題を大きくして政府批判の材料にしたいようで色々言ってるようですけど、しかしほとんどその批判の内容はトンデモばかりと言わざるを得ません。
 相変わらず左巻きの方面は理論が破綻していますねぇという感想しか出ません。
 しかしやえが気になるのは、保守系の方面でも今回の更迭の措置を批判している人が少なくないというコトです。
 
 おそらく論文の内容が賛成できるからというコトで、言論の自由とかいう権利を持ち出して擁護しているようですが、その見方は全然今回の問題の本筋ではありません。
 こんなコトを許していては、ではどこかの学校の教員が「憲法九条改正反対」とかいうTシャツを来て授業をしたり、国旗国歌掲揚斉唱をしないとかいう行為も許すというコトになってしまいます。
 これらのコトは、個人の思想云々はともかく、公人である以上は職務中は上からの指示に従わなければならないのであって、上が国旗掲揚や国家斉唱を指示しているのですから公務員はこれに従う義務がある、という筋の話です。
 決して、その教員の心の奥底までを縛る必要があるんだなんてコトは、誰も言っていません。
 そうではなくて、その指示の内容ではなくて、このお話は公務員であるなら上からの命令に従いなさいという話なのです。
 ですから構図的には、右も左も関係なく、元幕僚長さんの話も教員の話も、問題は全く一緒なのです。
 
 この元幕僚長さんが責められるべき点は、この「官僚という身分で内閣の政府見解に背いた」という一点のみです。
 右も左もこの点を忘れてはなりません。
 そしてやえは、この元幕僚長さんに対しては、もし政治を動かしたいのであれば、一民間人となって思想を説いて国民世論を動かすか、もしくはキチンと選挙に立候補して儀式を通過してから国会議員となってから中から政治を動かしてくださいと、そう言いたいです。
 しばらくは、これから一個人として思想活動を頑張ってください。 
 

平成20年11月6日

 麻生メルマガレビュー

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  ■○■○■    麻生内閣メールマガジン第5号    ■○■○■ 
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 ★☆今週号では与謝野大臣が「生活対策」について、また、九州商工会議所
  連合会会長の河部浩幸氏が地方の中小企業の実情について語ります。☆★
 
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 ●麻生太郎の「強く明るく」
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 [「生活対策」]
 国民のための経済対策、「生活対策」を決定しました。
 今回の対策の目的は、世界的な金融危機のなか、皆さんの生活の暮らしの不安を取り除くこと、生活の安全保障にあります。重要なのはスピードです。重点を絞り、バラマキにはしない。これまでにない大胆な対策としました。
 
 こんにちは麻生さん。
 今日も経済対策の話題ですが、このいわゆるバラマキ批判っていうのはあまり気にしない方がいいんじゃないかと、やえは思っています。
 ばらまくコトによって景気が回復するというのも事実なワケであって、また何をもってバラマキと定義するかという問題もありますから、考えすぎると結局中途半端になりかねないですし、もしやるなら開き直ってバラマキまくる、やらないならやらないとした方がいいと思います。
 多分一番最も効果的な景気対策は、昔のように建設関係の予算をドカスカつぎ込む方法だと思いますし。
 
 まず、ご家庭への緊急支援として、2兆円規模の給付金を実施します。4人家族で約6万円。できるだけ早くご家庭に届くようにします。雇用保険料も引き下げます。働く人の手取り金額を増やさねばなりません。年長フリーター、ロスト・ジェネレーションの方々の正規雇用化も支援します。
 
 別の報道では、この給付金、お金持ちの人には辞退してもらう方式にするとかしないとかいう話があるみたいで、うーん、やっぱりちょっと中途半端になってきつつある気がしてなりません。
 やるならもうバッとやっちゃった方がいいと思うんですけどね。
 
 これから年末にかけて、中小零細企業の資金繰りを万全のものとすべく、補正予算で措置した9兆円の融資と保証を、30兆円まで拡大します。
 
 これは前回言いました通りです。
 
 高速道路料金を大幅に引き下げ、地方の底力を発揮できるようにします。休日は、どこまで行っても最高千円。平日は昼間も3割引にします。道路特定財源の一般財源化に際しても、1兆円を地方が自由に使えるようにします。
 これらの対策を、すみやかに、できるものから実施していきます。

 
 あらら。
 本当にどこまで行っても1000円なんですね。
 これは行楽地にものすごく行きやすくなりますから、けっこうな需要拡大に繋がるのではないでしょうか。
 電車で行くよりもマイカーで行った方が安くなるケースもかなり出てくるでしょうからね。
 
 財源については、赤字公債を出さずに手当します。しかし、日本の財政は、依然として大幅な赤字であり、今後、社会保障費も増加します。この点について、皆さん、大きな不安をお持ちのことと思います。
 私は、歳入・歳出についての方針、財政の中期プログラムを年内に取りまとめ、皆さんの前にお示しします。
 その基本的な考え方として、景気が回復するまでは、減税を時限的に実施します。まず、景気を回復させることが最優先。そして、経済状況が好転した後に、安心な社会保障のため、消費税を含む税制の抜本的改革を行います。
 具体的には、政府・霞が関のムダを無くすことを大前提に、経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと考えています。
 
 これもこの前お話しした通りですが、やはりポイントは、3年で経済を好転させるというところです。
 経済が良くなれば税負担を増やしてもある程度は大丈夫だろうという、経済の基本というか、理に適った手法ではあります。
 ですからやはり、麻生さんが今後どのようにして経済を上向きにしていくのか、ここの腕の見せ所を期待したいところです。
 ところで、確かこの経済対策を発表した記者会見での質疑応答で、経済状態の指針をどこで図るかというような質問に対して、麻生さんは「GNPだ」と言ってました。
 何を持って上向きになったと言うかどうかという問題がありますが、まずはGNPがどうなるかというコトなのでしょう。
 ただ、どうなれば好景気だと言えるようになのかというのは、多分に気分的な問題もはらみますからなかなか難しいところではあるとは思います。
 とりあえずやえ的には、いまはまだ耐える待つというところなのではないかと思っています。
 なかなか短い期間で結果が出るようなモノではないですからね。
 
 中福祉でありながら、低負担を続けることはできません。増税は、誰だって嫌なこと。しかし、多くの借金をこども達に残していくということもあってはなりません。
 それが、政治の責任であると考えています。
 
 これも定義の問題になってきますが、低い負担しか払ってないのに、あれもやれこれもやれなんでもやれなんて言う方が無茶苦茶な話ではあります。
 聞いた話によると、日本は他国に比べて、負担が低いワリには福祉が充実している、ちょっと異常な国なんだと聞いたコトがあります。
 アメリカは低負担低福祉で自分で任意保険などを付ける自己責任型で、北欧なんかは高負担高福祉ですよね。
 多分日本の場合、低負担中福祉があったからこそ高度成長を成し遂げ、逆に高度成長があったからこそ低負担でも中福祉が実現できたという事情があるのでしょう。
 しかし今の時代はそうはいきませんから、そろそろここで、もうそういう甘い考えを捨てなければならないというコトなのではないでしょうか。
 
 世界経済が百年に一度の暴風雨に見舞われているからといって、萎縮してはなりません。台風が通り過ぎるまでじっとしているだけでもいけません。
 世界各国が、この困難な状況に対して協調していこう、自らできる限りの対策を進めていこうとしています。難しい舵取りですが、日本も、政府の総力を挙げて取り組んでいきます。
 
 麻生さんが総理になってから、メルマガももっとライトな内容になるかと期待していたんですが、最近は経済問題ばかりでやえは付いていくだけで精一杯です(笑)
 まぁ仕方ないんですが、たまには漫画のお話とかもしてほしいですね。
 今週ぐらいから各委員会が本格的指導し始めてます。
 消費者庁設置法案など重要法案が目白押しですが、どうぞ頑張ってください。
 
 
 
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 ●編集長のひとこと
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 先月30日、総理は、国民の皆さんのための経済対策「生活対策」について、策定にあたっての考え方や内容を自ら発表しました。
 今週は、与謝野大臣がこれについて説明しています。また、九州商工会議所連合会の河部浩幸会長に地域や中小・零細企業の実情を語っていただきました。河部会長が訴えておられる「待ったなし」の状況は、全国各地に共通する切実なもの。今回の対策には、中小・零細企業の資金繰り、家計や地域を支援する施策を盛り込みました。何としても期待にこたえたいと思います。
 
 ぷすぷす……。
 そろそろ限界が近いです(笑)
 
 総理は、「日本政府の総力を挙げて取り組んでまいります」と、記者会見場からあふれんばかりに集まった記者の皆さん、そして国民の皆さんに力強く表明しましたが、いかに自分らしい言葉で、わかりやすく伝えるか、直前まで原稿に手を入れていました。対策に沿った施策の1日も早い実現に全力を尽くします。
 同時に、金融の安定化のために国際協調を進めることも発表しました。折しも、米国ではオバマ氏が次期大統領に決まりました。15日にはワシントンで金融・世界経済に関する首脳会合(金融サミット)が開かれます。この危機に対して協調が進むよう、政府としてリーダーシップを発揮していきたいと思います。(松純)
 
 金融サミットでどのような話し合いが持たれるかは注目でしょう。
 そうそう、この前麻生さんの訪中を、初の外遊ですかなんて言ってしまいましたが、就任直後に国連で演説しているんですよね。
 いきなりマイクが壊れて、「これ日本製じゃないよね」とジョークをかました、あれです。
 麻生さん、外交ではかなり力を発揮できるタイプでしょうし、そういう分野で日本をもっともっとアピールしてほしいです。
 ご指摘ありがとうございましたー。
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、ローゼン閣下を応援しています。
 

平成20年11月7日

 元幕僚長問題、中身の正否で判断するのは危険

 いつも拝見しております玄倉川の岸辺さんが、この前触れました元幕僚長さんの論文の件について、ちょっとだけ触れておられました
 やえ的にはこの前の更新で語り尽くしたつもりだったのですが、どうもですね、この件に関わらず玄倉川さんの文章を読むといつもなんだかムラムラとそれについて書きたくなっちゃうんですよね。
 玄倉川さんは罪な人です(笑)
 
 というワケで、もう一回だけ、この件について触れておきたいと思います。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 まず例の論文を紹介していただきましたので、ザッと目を通してみました。
 その感想ですが、玄倉川さんがこの件で紹介しているブログのひとつが、この論文についての感想をこう評していました

 これは、雑誌『正論』辺りに載ったならば、航空幕僚長が書いたということを除けば、他の論稿に埋没するような「没個性的な」中身であるからである。とある漫画家の漫画に影響されて、保守論壇の作品に触れ始めた若者が、そういうものを必死になって真似して自前の論稿を書けば、こういうものができるという風情であろう。要するに、この論稿を航空幕僚長が書く「必然性」が、まったく判らないのである。

 すごく同感です。
 やえはこの前、もしこの人が論文を書きたいのであれば匿名にして肩書きも出さず職務上知り得た情報も書き入れなければまだいいんじゃないですかと書きましたが、もしそのようにしていたら、この論文は全く世に知られることなく埋没していたコトでしょう。
 やえにはその程度の文章としか思えませんでした。
 と言っても、やはり幕僚長まで勤め上げたという経験と知識は今後評論家として大きな武器になるでしょうから、そう言う方面で活躍されるのであれば、今回の論文についてはともかく、まぁ頑張ってくださいとは言いたいと思います。
 
 さてところで、今回の件でやえが気になったのは、思いの外、元幕僚長さんの論文の中身についてを評論し、「こんな内容ではダメだ、だからこの人の今回の行為もダメなんだ」という評価の仕方をしている人が多い、という点です。
 今回の件をこういう視点で評価するのは、本来かなり危険です。
 なぜなら、では中身が正しければこの人の行為は正当化されるのか、という話になってしまうからです。
 
 この問題の本質は、「役人が政治家の決定を越えようとした」という点にあります。
 日本は民主主義国であって、民主主義国であるから主権者による選挙によってその代表者を選び、その代表者が政治を司るというのが、民主主義の基本です。
 全ては、投票によって国民から政治を委任されたという形がまずあってからこそ、議員政治家は政治を実行するコトができるようになるワケです。
 ですから、政治決定は議員しか実行してはなりません。
 政治運動や政治決定の補佐をするコトは誰にでも出来ますが、最終的な決定権を持つのは、選挙という儀式を経た議員だけに与えられている権利なのであり、何人たりともこれを越えるコトはできないのです。
 元幕僚長は、この民主主義の大原則を破ろうとしたから、本来それを厳守すべき義務を負う公務員には相応しくないと評価され、更迭されたワケです。
 まったくもって当然の結果です。
 
 これには論文の内容は全く関係ありません。
 ですから、元幕僚長の論文が、論文として素晴らしいモノであってもそうでなくても、納得できるモノであってもそうでなくても、更迭そのものには全く影響を与えません。
 むしろ、今回の件について内容について触れるコトは、問題の本質を歪めてしまいかねず、あまりいい批判の方法ではないと考えます。
 もちろん中身について批判したいというのであれば、それは当然中身について触れるのが本筋ですが、しかしその場合は幕僚長の更迭という事案については一切関係なく触れてはなりません。
 もし「幕僚長の論文は陰謀史観ばかりでバカバカしい内容だ。この程度の認識しか持っていない人が幕僚長を務めているのは不適当で、更迭は当然だ」という批判をしてしまえば、案外この手の言い方は多いのですが、こういう言い方だと、では陰謀史観ではなくキッチリと科学的検証が出来ており、内容も納得いく内容の論文であれば、幕僚長の職を考察される謂われはないとなってしまいますし、これはつまり、内容さえ正しければ役人が政治家を超えても構わないという論理になってしまいます。
 そしてそれは、言うまでもなく民主主義の精神から逸脱する考え方でしかありません。
 
 昔、作家の三島由紀夫が、自衛隊に乗り込んで、自衛隊員に決起を促すクーデターまがいの事件を起こしたコトがあります。
 失敗したとみるや、その場で割腹自殺して果てたコトでも有名な、あの事件です。
 三島由紀夫は保守系の人たちにはかなり人気のある人で、中には神聖化している人もいるぐらいの人ですが、では三島由紀夫の“正しい”言い分であれば、この事件は正当化されるというコトになるでしょうか。
 それは決してなりません。
 一民間人には自衛隊を動かす権限は与えられていません。
 である以上は、いくら主張が正しかろうがどうであろうが、やはりあの場で自衛隊が動いてはなりません。
 そういう意味であの時の自衛隊は正しい判断をしたと評価できますが、これがもし仮に三島由紀夫が役人であり幕僚長であったとしても事務次官であったとしても、その主張の無いように関わらずその地位でいる以上は、政治家の決定を越える主張をしてはならないのです。
 
 逆に、例えどんな愚かな命令であっても、政治家がそれを決定したからには、少なくとも公務員にはその命令を遂行する義務が生じます。
 自分個人の思いだけで「無駄な命令だ」と思っていたとしても、それを拒否してはなりません。
 これを許していては、どこまでも程度の問題というモノが出てきますし、その「無駄な命令」と思う基準があいまいになり、最後には一個人の意見だけによって暴走してしまう可能性も否定できません。
 例えとして「誰しもが無駄だと思う命令」と言ってしまうと従わない方が賢いと思いがちですが、世の中にはそんな極端なモノは存在せず、だいたいにおいては賛否両論ある意見の方が多いワケで、これらを選挙を経ていない役人が自分の思いだけで勝手に判断してしまうというコトは、やはり役人の暴走としか言いようがありません。
 普遍的な正義などこの世に存在しない限り、公務員は国民の代表者である政治家の命令を、どんな個人的意見があろうとも、例えどんなにバカバカしいモノだとしても、守らなければならないのです。
 
 もちろん国民がそうい愚かな決定を下した政治家を批判するコトは必要なコトです。
 ですから、愚かな決定に対しては政治家に対して批判するべきです。
 しかしだからといって、手足である役人に対して「政治家の命令は無視しろ」と言ってしまうのは筋が通りません。
 また、「政治家が無能だから役人がもっと行動すべき」という理屈も筋が通りません。
 政治家が無能であると思えばもっと正しいと考える思想を国民が発言すればいいですし、最終的には有能であろう人間が立候補すべきです。
 他人の誰にも委任できないと言うのであれば、自分が立候補すべきでしょう。
 政治家が無能であるコトと、役人が政治家を超える行動をするコトは、これは全くの別問題です。
 中には「政治家が無能だから、軍事知識が皆無に等しいから、元幕僚長はこういう行動を起こしたのだ。国を思う気持ちを権力で抑えつけるな」と言っている人もいるようですが、完全に問題の本質を見誤っているとしか言いようがありません。
 本当に政治家が無能であったとしても、だからといって役人が国民の負託を受けている政治家の行動を越える行為をしていいという理由には全くなりません。
 政治家が無能であればその無能を批判するのが国民の役目であり、無能でない政治家を選ぶのが国民の義務であって、民主主義の本質を忘れて役人の暴走を後押しさせるコトが国民のあるべき姿とは絶対に言えないのです。
 結局こういう主張をしている人というのは、盲目的に元幕僚長さんの論文の中身を推進したいが為、というよりは、保守的思想を盲目的に推進したいが為に、問題の本質が全く見えなくなってしまっているとしか言いようがないでしょう。
 
 玄倉川さんもリンクしておられる、石破農水大臣のブログでも、今回の件を取り扱っておられますが、石破大臣の主張は至極当然であり、政治家としても筋の通っている、よい文章だと思います。
 特に一番最初に

 「文民統制の無理解によるものであり、解任は当然。しかし、このような論文を書いたことは極めて残念」の一言に尽きます。

 とありますように、今回の問題の事の本質をキッチリと見抜き(政治家なのですから当たり前ですが(もし理解していない政治家の方がいらっしゃったら、民主主義の議員として甚だ不適切なので即刻辞めていただきたいです))、更迭問題の理由をハッキリとさせているこの文章は、とても納得のいくモノです。
 ただひとつ残念なのは、その後に内容についての反論をしてしまっているコトです。
 キッチリと文章を全体として読める人はなんら問題はありませんが、元幕僚長さんの内容について石破大臣が反論してしまっているがために、結果として更迭の本当の理由が読み取れなくなってしまっている人が少なからず出てきてしまっています。
 今回の更迭問題は、幕僚長の論文の内容や、いわゆる村山談話の是非など、全くもって関係ありません。
 ですから石破大臣には、これらのお話をされるコトはとても有意義なコトですし、やえも今回の石破大臣のこの文章についてちょっと書いてみたいと思いましたが、更迭の件とは別で書いて欲しかったなぁとは思います。
 更迭の件は、どっちかと言えば民主主義の根幹に関わる問題であって、これはこれで相当に大きな問題だと言えますので、これはこれでここに特化して言及していただければ、もっと良かったのではないかと思っています。
 
 元幕僚長さんが、一民間人として論文を発表し持論を展開されるコトは至極自由なコトですから、大いにやってもらって結構だと思いますが、しかしその内容と、幕僚長という役職の更迭という問題は、全然全く別問題でしかありません。
 問題の本質を語るという作業はなかなか難しいコトではありますが、読み取るというコトもなかなかに難しいコトですね。
 

平成20年11月10日

 米国次期大統領選挙にオバマさん当選

 ちょっと出遅れましたが、アメリカの次期大統領を決める選挙が先日投開票され、その結果、アメリカ史上初の黒人候補であったオバマさんが当選したコトについて、ちょっと触れておきたいと思います。
 
 さきほども言いましたように、アメリカでは史上初の黒人大統領誕生というコトで話題になっているようですが、やえはアメリカ人…というか白人のどうしようもない差別意識を、実感としてはどれぐらいあるのかよく分かりませんので、黒人初という部分に関しては特に触れません。
 日本とはあまり関係ない話ですしね。
 それよりも日本と関係してくると思われるのは、小浜市の話……ではなく、オバマさんが民主党の大統領というコトです。
 日本の民主党ではなく、日本の民主党はこれにあやかろうとプライドなどかなぐり捨てて見苦しくもポスター流用しようとかしているみたいですが、そうではなくてアメリカの民主党です。
 
 かなりバッサリした見方ですが、アメリカの二大政党のひとつである民主党は、どっちかと言えば対日より対中の方を重視する政策をとります。
 逆に共和党の方は、対中より対日路線の方を重視します。
 例えば今の大統領であるブッシュさんは共和党でありかなり対日関係を重視しましたが、8年前の大統領であったクリントンさんは民主党であり対中関係を重視しました。
 クリントン政権の時の対日路線対中路線というモノは、「ジャパン・バッシング」ではなく、「ジャパン・ナッシング」という言葉が流行りましたように、アメリカは中国と仲良くし、日本に対しては批判をするというコトを越えて無視するという姿勢を取られてしまいました。
 中でも象徴的な出来事は、クリントンさんが訪中をしたのにもかかわらず、すぐ近くであるにも関わらず日本には一切立ち寄らずにアメリカに帰ってしまったという出来事です。
 この「ジャパン・ナッシング」の中、日本はこれからどうしたらいいのかと日本中が大論争になったモノです。
 
 オバマさんが日本や中国に対してどのような対策を取るのかまだ分かりませんが、日本としては民主党政権というコトで警戒する必要はあるでしょう。
 クリントン時代の時ぐらいな極端な政策がとられるコトも想定はしておく必要はあるかと思います。
 では、もしそれぐらいの対中偏重政策をオバマ・アメリカが取ってきたら、日本はどうするべきなのでしょうか。
 
 この件に関しては、右も左もよく分からない言説をとる人が多い気がします。
 例えば週刊ポストなんて、「オバマ「ジャパン・ナッシング」で日本は中国の軍門にくだる」というタイトルを付けて特集記事を書いてましたが、日本が中国の軍門にくだらないようにすべきと言いたいのか、それとも暗に軍門に下るコトがうれしがっているのか、ただ単に政権批判の道具にしたいだけなのか、よく分からない感じです。
 基本的に左方向は中国と仲良くしましょうというのが基本スタンスではありますが、8年前のクリントン政権の時代には、アメリカとの付き合い方も考えるべきじゃないかという意見が左方向からも出ていたという記憶があります。
 まぁこれも、政権批判の材料という側面はあるのでしょうけど。
 
 右関係で言えば、中国は敵だと思っている人も多いので、アメリカがどんな姿勢を取ろうとも中国に対しては強硬な姿勢で挑もうとします。
 ただ、味方が減るのはなんだって不利ですから、一抹の不安を覚える人も少なくないようです。
 しかし右関係はアメリカに対する姿勢においても、親米と反米とで分かれてしまいますから、それぞれの立場によって考え方もまた違ってくるでしょう。
 親米の方は、アメリカがオバマ政権になってもなんとか仲をとりとめようとするでしょうし、反米の方はブッシュであっても一定の距離を置こうとしていました。
 ただ、どちにしても、具体的にはどうしたらいいのかというところを言及しない人の方が多い、ただ「もっと仲良くしろ」と言ったり、ただ「独自外交をしろ」と言ったりするだけです。
 
 「独自外交をしろ」とは左関係の方面からもよく聞こえてくる主張ですが、では日本はどうしたらそのように出来るようになるのかという部分に関しては、右も左もあまり主張しようとしません。
 なぜ日本は独自外交が出来ていないのか、独自外交するためには何をしたらいいのか、独自外交とは具体的に何をするコトなのか、この辺の現実論がさっぱり抜け落ちてしまっているのと言わざるを得ません。
 
 外交における力とは、大雑把に言えば、経済力と軍事力です。
 この二つが大きければ、その国は大国または強国と言えるでしょう。
 日本は経済力が強い強国ですし、中国は軍事力が強い大国です。
 アメリカはどちらも世界一の超大国ですね。
 
 やえは、日本が独自外交を展開すべきという意見には賛成です。
 ぜひ日本はそうなるべきだと思っています。
 しかし、今の日本の現状のままでは、決してそれは絵に描いた餅、夢物語にしかならないでしょう。
 野球部に入っていないのに「イチローのようになる」と言っているようなモノです。
 
 ではどうするか。
 日本はもっと軍事力を身につけなければなりません。
 特に日本の場合は、ハードの面ではなく、ソフトの面が世界最弱の軍隊です。
 まずは憲法を改正し、日本の利益のためなら積極的に軍隊を他国に撃って出られるように法整備し、また集団的自衛権も普通に行使できるよう解釈も変更して、日本国軍として誇りある軍隊にしなければなりません。
 それから、ソフト面の変更に合わせてハードの面、つまり装備面も少しずつ変更しなければならないところもありますし、また憲法改正し国軍化が成されれば、最終的には核装備議論もしてもいいと思います。
 さらに、日本が国軍化するコトによって、軍事同盟もさらなる発展的展開を考えるべきでしょう。
 今日本はアメリカとしか軍事同盟を結んでいませんが、ヨーロッパや中央アジアなどの国、またアフリカ諸国とも、なんらかの軍事同盟を結ぶコトは、日本にとってメリットが生まれるのではないでしょうか。
 結びすぎると逆に動きにくくなりますから、これは広い視野を持って考えなければなりませんが、アメリカ一国だけに限定する必要もないでしょう、ここを考え直してもいいと思います。
 もちろん、何十年もアメリカと同盟を結んでいるという歴史的経緯を考えれば、対米同盟をある程度重視していくというのは自然なあり方だとは思いますが。
 
 結局今の日本は、自分だけでは自分の身を守れないからアメリカに守ってもらい、その代償としてある程度アメリカの言うコトを聞かなければならないという事情になっているワケです。
 本来装備的な意味、予算的な意味で言えば、日本は十分に軍事大国になれるワケですが、しかし日本自身が自らの鎖をかけて、自分で動けないようにしているのですから、アメリカ側から見れば日本側から「自分は戦いたくないから代わりに戦ってくれ」と言われているようなモノで、そうなればやはりある程度の不自由を日本は強いられても仕方ないと言えるでしょう。
 六カ国協議なんて、唯一日本だけが独自で戦う力を持たない中であれだけ独自性を発揮しているのですから、けっこうたいしたモノと言えるのではないかとやえは思っていたりしますが、日本が独自の軍隊、独自の交戦権を持っていれば、六カ国協議ももっと日本に有利に運んでいたであろうコトは、想像に容易いかと思います。
 
 ただひとつ忘れてはならないコトは、憲法改正の問題は、何よりも国民自身の問題だというコトです。
 政治だけに任せるのではなく、政治が動かないから出来ないんだと丸投げするのではなく、国民自身が改正しようと努力しなければ達成できない問題です。
 制度的にも憲法改正には国民投票が必要であり、つまり国民から憲法改正の気運が高まらなければなかなか政治側としては動議を出すコトは難しい問題です。
 特に安倍総理が憲法改正に意欲を見せていたにも関わらず、自民党も憲法改正案提出直前だったのにも関わらず、国民の方から安倍総理にNOを突きつけてしまったという事実はとても大きいですし、今の日本の雰囲気はまずは明日のためのお金が一番大事という雰囲気ですから、この国民の雰囲気の中では憲法改正はかなり難しいと言わざるを得ません。
 これは政治の責任ではなく、国民の責任です。
 憲法改正は日本の独自外交の必要最低限行わなければならないコトだとやえは思いますが、それを多くの国民がまず認知しなければ難しい問題なのではないでしょうか。
 
 
 (つづく)
 

平成20年11月11日

 米国次期大統領選挙にオバマさん当選 (下)

 もうひとつ、アメリカが中国寄り政策をした場合の日本の対処の仕方で、経済の問題があります。
 日本の一部の企業は、日本製品が中国で売るコトが出来なくなったら困ると考えているフシがありますが、まずはこの考え方を変えなければなりません。
 というのも、こういう考え方は、「中国に売らせてもらっている」という発想から生まれているワケで、こんなのはハッキリ言って奴隷根性以外何者でもないとしか言いようがありませんし、最終的には日本国内でしか経済活動ができないコトになってしまいかねません。
 国が違えば法律が違うのは当然なのですから、極論すれば「気に入らないから」という理由だけでその企業が追放されても、そう法整備されれば仕方ないとしか言いようがなくなってしまうのが外国です。
 特に中国という国は民主主義の国ではないのですから、民主主義の常識で考えてはなりません。
 案外ココを忘れてしまっているんじゃないかと思うような人や場面が多々あるのですが、もし他国が民主主義国、いえ民主主義というよりは自由主義国と言った方がいいかもしれません、そういう国であるのであれば、国際的な契約やWTOなどの国際機関の決定におおっぴらには反対しませんから安心は出来ます。
 しかしそうでない国は、為政者の胸先三寸で法律をどうにでも出来てしまうので、こちらの常識の中での契約などは通用しなくなってしまうワケです。
 この部分だけでも自由主義国とそうでない国との違いは大きいと言えます。
 アメリカと中国とを天秤にかける議論はよくありますが、日本が民主主義国であり自由主義国であるのですから、アメリカと中国とを対等に天秤にかけるというのは、ちょっと違うんじゃないかなとは思います。
 いくらアメリカが嫌いだからと言ってもですね。
 
 麻生さんの「自由と繁栄の弧」とは、おそらく基本的にはこういうコトも含まれているでしょう。
 
 中国は民主主義国でないので、この要素だけでも、他の民主主義国と相対する時とは違う態度を考えなければなりません。
 外国は皆同じという考え方は危険です。
 例えば中国は平気でこのようなコトをしてきます。

 トルエンしょうゆ3社公表 メーカー「該当商品名なし」
 
 中国に輸入された日本製しょうゆなどからトルエンと酢酸エチルが検出された問題で、北京の日本大使館は10月31日、中国国家品質監督検査検疫総局から通報を受けた製造元の会社と製品名を公表した。
 ヤマサ醤油の「NH小包日式醤油」、キッコーマンの「公務小醤油」、万城食品の「NH小包わさびペースト」の3品で、トルエンが0.0053〜0.00064ppm、酢酸エチルが0.537〜0.0796ppmそれぞれ検出されたという。
    ◇
 キッコーマンは31日、「『公務小醤油』という名前の商品はない。ただ(発表された検出量は)微量であり、人の健康に影響を及ぼすものではない」(広報)とのコメントを出した。
 業界団体の日本醤油協会と日本醤油技術センターも同日、ホームページ上で見解を発表し、トルエンについては「しょうゆの原料の麦に天然成分としてもともと含まれており、検出濃度は日本の水道水の管理目標値より十分に低い」、酢酸エチルについては「醸造中に生成される物質で、醸造酒などに一般に含まれる量に比べ、十分に低い」とした。

 理屈になろうとなるまいと、中国は自国の利益(またはプライド)のためには、なんでもやる、法律も平気で曲げる国です。
 これは民主主義国ではあり得ないコトです。
 例え自分達が不利になろうとも、法がある以上はそれを遵守するのが民主主義国です。
 でも民主主義国ではない中国では、これが出来てしまうんですね。
 
 中国という国に対しては、個人的感情が様々あると思います。
 どんな体制であっても歴史的な経緯を見て好きになれないという人も少なくないでしょう。
 また逆に、歴史的経緯を鑑みて、もっと親しくならなければならないと考えている人もいます。
 ただ、そういう個人的感情がどうであっても、中国という国は民主主義国でも自由主義国でもないという事実は絶対に頭の中に入れておかなければなりません。
 事実としてさっきの例のようなコトを平気でしてくる、それが出来る国なのです。
 一切付き合うなとは言いませんが、付き合うからにはそういう国であるというコトを念頭に置いて、ある程度構えて付き合う必要があるでしょう。
 価値観を共有する国という意味は、実質的な場面でも少なくない要素なのです。
 
 話がちょっとズレてしまいましたが、そもそも「中国政府に売らせてもらっている」という考え方が間違いなのです。
 モノを売るときの姿勢としては間違いではありませんが、しかし心の中の気概としては「売ってやっている」ぐらいの自信を持つべきだと思います。
 特に日本は技術力こそがウリであって、中国のように安かろう悪かろうがウリなのではないのですから、むしろ中国人から「買いたい」と思わせるような気概を持って商売をすべきなのではないでしょうか。
 はじめから日本製品は中国でも裕福層が買うような製品が多いのですし、これから中国はますますそういう層が増えると思われますから、そういう層が「買いたい」と思う製品を作る努力をすればいいのです。
 そうすれば、自ずと中国政府も、そう簡単に日本をシャットアウトはできなくなるコトでしょう。
 裕福層からの希望はなかなか無視できないでしょうし、さらにこの層は今後どんどん増えるのですから。
 日本も、奴隷のように「売らせてくれ売らせてくれ」と言うのはあまりにもみっともないと思います。
 
 もちろん中国が大きな市場であるというコトは事実です。
 人口が多いですし、裕福層も確かに増えています。
 それからなにより日本から近いというのは、おそらく企業にとって大きなメリットなんだろうと思います。
 輸送費が少なくて済みますからね。
 でもこれも、考え方を変えるべきです。
 日本はちょっと前まで貿易相手国の一位はアメリカでした。
 アメリカって十分遠いですよね。
 つまり日本は、地理的に近い距離の国としか貿易が出来ないというワケでは決してないワケです。
 オーストラリアともかなり多い貿易取引もあるワケで、こう考えれば何が何でも中国でなければという理由にはならないでしょう。
 世界にはあと中国しか市場がないというのなら話は別ですが、決してそうではありません。
 ヨーロッパも十分大きな市場ですし、昔よりはユーロでまとまっているのですから取引もしやすいでしょう。
 他にもインドとか東南アジアとか南米とか、まだまだ日本が進出できる余地のある市場はいくらでもあるのではないでしょうか。
 市場が中国だけしかないと思い込むような言動をしていては、それはむしろ自分のためにならないのではないかと思います。
 
 経済の問題はむしろ企業側の意識の問題が大きいですが、国民もこういう意識を持っておくコトは必要だと思います。
 また政治の側も、貿易対中国一辺倒にならないよう、ヨーロッパなどにも進出しやすい環境を整備してほしいと思います。
 
 アメリカの政権が変わるごとに日本が二転三転するのは、本来あまりにもバカバカしい話です。
 ではどうするのかと言えば、日本は自分の力だけである程度なんとかできる立場を作るコトです。
 アメリカは言うまでもなく世界大国ですから、何らかの形で付き合い続けていかなければなりませんので、日本が独自路線をとれるようになっても、それでアメリカと縁が切れるというワケではありません。
 しかし少なくとも日本のスタンスというモノは、アメリカの政権が民主党になっても共和党になっても、大きくブレず、日本の国益こそを最優先できるような立場を確立するコトが最も重要なコトでしょう。
 アメリカからの視点からしても、もちろん政権が交代したのですからアメリカ国内としてはある程度の転換はあるでしょうが、共和党だろうが民主党だろうが他の政党だろうが、日本と手をこれまで通り結んでいた方が有利だろうと思われるような体制を日本はとっておかなければならないのではないでしょうか。
 いつまでもアメリカの政権が変わるとマスコミとかが騒ぎまくるという姿は、滑稽としか言いようがありません。
 
 日本が自立するためには、日本人が自立しようと努力しなければならないのです。
 言葉にすると当たり前すぎる話ですが、残念ながら日本人はそれが出来ていません。
 自立するためには、それなりの責任と覚悟と努力が必要なのではないのでしょうか。
 

平成20年11月12日

 お題3つ

■政治がコントロールする文民統制が危ういものであることが浮き彫りになりました
 
 宗匠さんのところで、ある意味面白すぎる記事を見つけてしまいましたので、ちょっとご紹介したいと思います。

 ところで、自民党の国防関係合同部会では、冒頭、中谷安全保障調査会長が文民統制の観点から田母神氏を批判し、浜田防衛大臣が謝罪して始まりましたが、議論に入ると、田母神氏の歴史観を擁護する意見が相次ぎました。
 「常識的感覚を持っていれば、田母神氏の歴史認識になる」
 「何を持って侵略というのか」
 「衆議院の先生方、この村山談話のような歴史観で選挙が戦えるんですか」(自民党の国防関係合同部会での発言)
 文民統制をする政治の側にも田母神氏と同じ意見が根強くあることがわかり、政治がコントロールする文民統制が危ういものであることが浮き彫りになりました。

 これTBSの記事なのですが、すごいですね、政治がコントロールする文民統制が危ういって、じゃあ誰が統制するコトが危うくない文民統制なのか、ちょっと教えていただきたいです。
 貴族制とか、武士・幕府制の復活を言っているのでしょうか。
 やえにはさっぱり分かりません。
 
 まぁ多分、これは、「政治は国民ではない」という、もの凄い勘違いから出てきてしまった言葉なのでしょう。
 そしてこう考えている国民も、案外少なくないというところが頭の痛いところですが。
 
 本来言うまでもないコトですが政治家は国民の代表です。
 ですから、「政治家=国民」なのです。
 よく政治家と国民は乖離していると思っている人もいますが、それでは、逆にその国民というモノの主体は一体なんなのかという問いが生まれてきます。
 TBSは上記のように思っているかもしれませんが、ではTBSこそが国民の代表とでも、国民の意見の総意体であると言うのでしょうか。
 やえは、そういうTBSの欺瞞には賛成できません。
 TBSの意見は、あくまでTBSの個人的意見です。
 やえの意見も、もちろん一国民の個人的意見です。
 つまり、こういう一個人は、あくまで国民を構成するごく一部でしかないですから、そういう存在が政治の決定権を持つコトは許されません。
 それが許されれば、それはイコールで独裁になってしまいます。
 しかし議員や首長という存在は違います。
 国会議員は、選挙を通じて国民の附託を得ている国民の代表者です。
 国会議員の意見は、一個人の意見ではなく、多くの国民の声を代弁しているからこそ決定権を持ち得ているのです。
 少なくとも憲法や法律などによって、日本ではそうなっています。
 それが民主主義です。
 
 ですから、「政治家は国民」であるコトを否定するのであれば、それは民主主義の否定に繋がります。
 もちろん民主主義が絶対の正義ではないと意見するコトは自由ですから、そこを否定してもいいんですが、それはつまりTBSは民主主義は正しい国家の在り方ではないとまず言わなければならないでしょう。
 そうしていれば、論の筋は通ります。
 やえにはTBSがそう主張しているとは思えませんけどね。
 
 実際のところは、宗匠さんがおっしゃっているように、記者のレベルがひどすぎるというところなのでしょう。
 自分で自分が何を言ってしまっているのか理解できていないんだと思います。
 ちょっと話がそれますが、この元幕僚長さんの話はこの前2回の更新をかけて語りましたが、それを踏まえれば、議員の先生方がこのような主張をされるコトは大いに結構なコトだと思います。
 全く問題はありません。
 元幕僚長は現役高級官僚だからこそ問題であったワケであって、ですからやえもこの前の更新で、政治が決定したコトを越えたければ政治家になるという手段もあると言っています。
 政治家が政治を変えるコトは普通のコトですから、この自民党の部会での議論は、一点たりとも問題など存在しません。
 結局TBSという左巻きなメディアが、元幕僚長さんの主張の内容を否定したいがために、無茶苦茶な、民主主義さえ否定するかのようなイチャモンをつけてしまったというコトなのでしょう。
 自分の主張のためには手段を問わないという、典型的な例かもしれませんね。
 
 
■国民は何をすべきか
 
 御意見板でのご意見です。

 今回のエントリの話・・・に限らず前からやえたんの意見聞いてて思ってたんだが、いきなり国民の意識を変えるのって難しすぎやしないかい?
 よほど差し迫った状況でないとなかなか「国防が必要」って考えないと思うんだ。さらに全くといっていいほど現在の状況の危険性が国民皆に伝わってないのも問題だと思う。
 国民の努力に期待したかったら「国防の意義をより大勢の人に伝える」という作業と「世界の状況をもっと詳細に伝える」ということがまずもって必要だと思う。存在意義を示さないことには誰も必要だと思わないから。
 問題はそのために取れる手段がなにかってことなんだよな・・・

 今回の問題に限らずですが、ではどうするコトが一番有効な手だてだとお考えでしょうか。
 もっと具体的に狭く考えてみますと、ではどうすれば最も憲法改正に近づける有効な手だてとなるでしょうか。
 
 この問題、このというのは思想・政治などの問題という意味で、この問題、やえはやえなりの考えをもってるつもりではあります。
 それが今現在どれぐらい効果的に進んでいるかは分かりませんが、やえはいまのところ、それが最も有効で、且つ唯一であり、正道であり王道である方法だと思っています。
 しかしもっとよい方法があるかもしれません。
 やえがどう考えているかは、次回お答えするとして、ではどうすれば「国民の意識を変えるコトができるのか」というところのお考えを是非お聞かせいただけますでしょうか。
 批判とかではなく、純粋にやえは聞いてみたいと思います。
 よろしくお願いします。
 
 
■国籍法改正の件
 
 本日最後の話題です。
 ちまたで話題になっているこの国籍法改正の問題については、とりあえず耳にはしているんですが、正直ひとつの法案についてどうこういうのは、特にこういう、なんて言えばいいんでしょうか、民族派系の話題についての法案を取り扱うというのは、人権擁護法でちょっと嫌気がさしているので、やえはこの件について特に何も調べようとはしていません。
 こういう言い方は申し訳ないのですが、今後も詳しく調べようと思いませんので、もし間違いや、やえが疑問を提示した場合、積極的な方は指摘をしていただければうれしいです。
 ただまぁ、何も知らないままで意見を書くのもどうかと思って、いま軽く検索をかけて調べてみたんですが……えーと、なんて言いましょうか、危険性ばかり列挙して、「なぜそうなるのか」という具体的根拠や法案文の引用等が全くないサイトばかり目にしてしまって、かなりイヤな感じでデジャブってます。
 ごめんなさい、やっぱりやる気が出ません。
 
 その上で、ちょっとだけやえのいまの考え方を示しておきます。
 これらはワリと大まかな視点での考え方ですから、あまり具体的な細かい部分は必要ないと思いますし。
 
 国籍法をなぜ改正しなければならないのかと言えば、これは最高裁が違憲判決を出したからです。
 その裁判の詳しくはニュースなどを参照していただければと思いますが、ですからとにかく、今の国籍法を改正しなければならないのは絶対とは言えます。
 ただやえは、必ずしも最高裁の違憲判決が国家の最上位決定だとは思っていませんので、国権の最高機関たる国会が裁判所の判決を無視して、それを選挙の最も重要な争点として国民が賛成すれば、最高裁の違憲判決も覆していいとは思っています。
 が、まぁ、なかなかそれは現実的に難しいですから、ここは国籍法は改正するのが妥当な判断でしょう。
 
 では何が問題なのかと言えば、この改正案に反対している人の理由は、簡単に言えば「日本国籍の安売りになってしまう」というコトを懸念しているようです。
 簡単に言えば、「我々夫婦の間に出来た子供だ」とウソをついて外国人が日本国籍を安易に取得できるようになってしまう、というコトのようです。
 こういう事態を想定した上で、特に国家主義的な考えを持っている保守層から、この改正案に反対している公が出ているというのが今回の経緯のようです。
 
 やえが今のところ認知している、ではどうすれば納得できる改正案になるのかという、対案は
 
 ・親子関係を証明するためのDNA鑑定がない
 ・偽装の場合の罰則が「20万円以下の罰金、懲役1年以下」と軽いので、もっと強化すべき
 
 この2つかと思われます。
 逆に言えば、DNA鑑定をして、罰則を強化すれば、けっこう多くの人が納得する改正案になるんじゃないかと思います。
 
 あまり長くなるとアレですから、簡単に話を進めますが、DNA鑑定については、それは法律に載せるような案件ではないとやえは思います。
 この辺は感覚の問題というか、なんというか、法律とかの問題というのは、不文律で規定する場所というモノがなんとなく決まっていたりします。
 ものすごく簡単な例えを使うと、日本の中で最も大雑把な決まり事は憲法で、その次に法律があって、さらにそれを捕捉するために省令とか訓告とか規定とか続いていきます。
 選挙に関する決まり事で言えば、まず憲法で国会議員は選挙によって選べと規定してあって、その次に法律で具体的な選挙の方法が定められています。
 そしてその下にさらに、運用の方法について、省令などがあります。
 法体系とは、基本的にこのような作り方になっていますから、自然と「法律に書くべきコト」と「その他で定めるべきコト」と分かれるくるワケなんですね。
 
 勘違いしてはいけないコトは、DNA鑑定というのは手段であって目的ではないというコトです。
 国籍法のそもそもの存在理由は、適切な人に正しい国籍を与えるというコトであって、一番の主旨は「国籍を与える」という部分です。
 ですから法で規定する部分というのは、「適切な人に国籍を与える」というところだけでいいワケで、偽装する人をどう見破るかというところまでを法で規定する必要は、必ずしもないんじゃないかと思います。
 
 また、法に明記してしまうと、DNA鑑定に縛られるコトにもなってしまいます。
 例えば将来DNA鑑定よりもっと迅速で確実な鑑定方法が編み出された時でも、法で規定されるとそれに縛られてしまいます。
 この意味からも、DNA鑑定は運用の問題ですから、法に明記する必要性を感じません。
 
 やえは、DNA鑑定をする場面ではするべきだとは思いますが、法に「必ず鑑定書を出さなければいけない」とまで規定するのは、法の趣旨や法体系の観点から、必ずしも適切であるとは思いません。
 まぁ法に書いてはならないという法もありませんから、あってもいいとは思いますが、「無ければ法として片手落ちであり断固反対する」という言い方は適切ではないと思っています。
 
 さっきも言いましたように、これは運用の問題です。
 一言で「認知」と言っても、行政や法律の中では、どの程度の行為のレベルを指すのかやえはちょっとよく知らないのですが、今でも子供の認知という問題はそれなりに存在する問題でしょうから、ある程度の行政の中の一致した「認知という行為の範囲」の見解はあるんじゃないかとは思います。
 それらをよく踏まえた上で、ではどうすれば出来るだけ偽装を防ぐコトができるのか、ここを運用の中で形作っていくコトが必要なのではないでしょうか。
 
 結局、国籍制度を悪用してはならないというのは法律上制度上から当然の話であり、よって運営する行政が悪用されないように運用していくというのが、当然の前提です。
 であるなら、それで悪用されたら、それを運営している行政が失策したというコトであり、それは「行政は何をやっているんだ」という批判になるコトでしょう。
 そしてその批判は当然だと思いますし、そうならないよう行政は細心の注意を払って新しい国籍法を運用していかなければならないと思います。
 行政が全力を尽くすというのは、これはこの法律に限らず、全てのコトに関して言えるコトでしょう。
 
 だいぶ長くなったので、書き出すとなかなか言いたいコトが色々出てくるんですが、今日はこの辺にしておきます。
 罰則の問題については、これも書きだしたら長いんですが、一言で言えば、罰則は他の法律とも比べて、ある程度相対的な側面からも検討しなければなりませんから、他の法律もしっかりと見てからでないと何とも言えません、というところでしょうか。
 例えば万引きが社会的に横行して大問題になったと言っても、さすがに強盗より重い罰則にするコトは無茶な話でしょうからね。
 
 この件、ご意見のある方は、ぜひお聞かせいただければと思います。
 

平成20年11月13日

 目的のためには手段を選ばない人たち

 今日は麻生メルマガの日なんですが、ちょっと今日は、どうしても言っておかなければ気が済まない案件がありますので、また後日というコトにさせていただきます。
 とりあえず麻生メルマガになってからまだ一回もレビューをお休みしていないので、なんとかこの記録は守ろうと思っているんですよね(笑)
 
 当サイトを長年お読み下さっている方は、やえが「目的のために手段を選ばない方法」というモノをかなり嫌っているのをご存じかと思います。
 例えばテロリストなどはまさにその典型ですし、人権擁護法案の多くの反対論も目的を達成するために論が理屈だってないメチャクチャなコトを意図的に言っている人や、この前の元幕僚長さんの行動もそうです。
 やえは、その主張の中身はともかく、中には賛成できる主張があるコトもあるのですが、それでも手段を間違えた方法や人は一切応援しません。
 むしろ、せっかくいい主張しているのに、その方法では逆に主張そのものが白い目で見られかねない、足を引っ張るだけなのでやめていただきたいぐらいに思っています。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 最初にも言いましたように、やえはこのお話、どうしても許せません。
 これが、まだ無責任政党民主党の議員さんであれば「また民主党か」ぐらいで終わるのですが、よりによって与党自民党の議員さんであるというコトがなおさら許せません。
 世界トップの強国である日本の、その代表者である国会議員が、まして与党第一党である自民党そのものの信用すらこれでは失いかねない、日本の民主主義を疑わせるかのようなこの書き方は、やえはどうしても許せないのです。

 全く関係ない会合ではなかったですが、きのう出席した自民党法務部会は河野太郎PT座長による重国籍を取上げた会合でした。それとは別に、今回の「国籍法の一部を改正する法律案」は、今週中に衆議院法務委員会で審議され、来週に本会議にかけられるスケジュールになっていることが分かりました。
 「なんでこうなったのだろう」と何人もの議員が首を傾げていました。人権擁護法の反対で一緒に戦った議員です。おそらく、選挙騒ぎで選挙区と国会を行ったり来たりしている間に話が進んでいたようです。
 (中略)
 「近いうちに部会で議論の場が設けられるだろう」と思っていました。ところが、多くの自民党議員が知らないうちに、この改正案の手続きはかなり進んでしまっています。でも、やれることはやってみます。それから、この後に議論されると思われる、重国籍のことについては絶対反対します。

 これは一行でも教えていただきました、自民党の馬渡龍治議員のブログの一節なのです。
 まず該当する文章をパッと読んだら、普通はどのような印象を受けるでしょうか。
 この文章を素直に解釈すれば、「国籍法改正法案が何者かの陰謀によって秘密裏に自民党を通り、もうすぐ衆議院を通って可決成立しそうな情勢である。大変だ」と読むのが自然でしょう。
 確かにこれが本当なら大問題です。
 でも、残念ながら、やえは人権擁護法案の時にもいろいろと調べた身として、このような「秘密裏に自民党内を通過していく」なんてという事実はまず無いと思うしかありません。
 なぜ馬渡議員がこのようなコトを書いてしまったのか、本当に根拠があってそう言っているのか、色々と調べてみました。
 
 これはワリと知られてる話ですが、自民党国会議員さんの事務所には、毎日のように党本部から会議情報のメールが入ってきます。
 いま自民党では、会議情報もサイトで公開していまして、ここでは2日先の会議情報だけですが、さらに国会議員の事務所には、だいたい一週間ぐらい先の確定している会議の情報メールが流されているそうです。
 そのリンク先を見て頂ければ分かりやすいですが、その情報メールには、各部会や調査会・党の委員会などの開始時間や場所、そして予定されている議題まで載っています。
 ですから自民党の議員さんは、それを見て、また本会議や委員会のスケジュールも確認しながら、先々のスケジュールを組んでいくのでしょう。
 たまに緊急に入る会議もあるようですが、その時は緊急情報として、定期メールとは別に個別の情報メールが流されるコトもあるんだそうです。
 
 その上で、では馬渡議員が言う「国籍法の一部を改正する法律案」、つまり政府提出法案のコトですが、これが本当に自民党内で議論されていないのか、部会が開かれていないのかという問題を調べてみました。
 自民党内で議論されずいつの間にか衆議院に本当に提出されていたら、確かに自民党所属の議員としては納得できないモノがありますよね。
 やえ、調べました。

 婚外子にも日本国籍 自民PT、法改正案の骨子了承
 
 自民党は10日の「国籍問題に関するプロジェクトチーム」(河野太郎座長)で、婚姻を国籍取得要件とする国籍法の規定を違憲とした今年6月の最高裁判決を受け、法務省が作成した同法改正案の骨子を了承した。
 最高裁判決は、フィリピン人女性と日本人男性の子どもが出生後、男性に認知されたものの、父母が結婚していないことを理由に日本国籍を取得できなかったことは違憲との判断を示していた。
 改正案は、結婚していなくても子どもの出生後に認知されることで、届け出で日本国籍を取得できるようにする内容。あわせて虚偽の届け出には罰則を設ける。最高裁判決後、90人以上が全国の法務局に国籍取得届を提出しており、政府は改正案の今国会提出を目指している。
 
 中日新聞 http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2008101102000054.html (注リンク切れしてます)

 よく記事を見てください。
 『法務省が作成した同法改正案の骨子を了承した』とあります。
 つまり、二重国籍の河野私案のアレではなく、馬渡議員風で言う『それとは別に、今回の「国籍法の一部を改正する法律案」は、今週中に衆議院法務委員会で審議され、来週に本会議にかけられるスケジュールになっている』法案=政府提出法案は、このように、マスコミが堂々と記事を載せるぐらいオープンに議論され、そして正式な手続きに乗っ取って了承された案件だと確認できるワケです。
 よって、会議そのものが秘密裏だったというのは、あり得ないコトになります。
 
 次に、もしかしたらこの部会の開催にあたって、事前に議員さん達に伝えられていなかったかもしれないという可能性も考えられます。
 また、さっきの記事の会議の開催日は10月10日ですから、これはまぁなかなか議員さんにとっては忙しい時期と言える、いつ選挙になるか分からない、一番解散が叫ばれていた時期ですから、地元の活動も立派なお仕事だと、やえは思っていますので、例えば当日いきなり会議するぞと言われたら、それはちょっと強引だと言われても仕方ないでしょう。
 本当に事前に全く知らされていないという事実があれば、馬渡議員がああ言ってしまうのも仕方ないですね。
 これもやえ、調べました。
 
 さっき、自民党の議員さんところには毎日党本部から会議メールが送られてくると言いましたが、ちょっと調べてみたらですね、やえの聞いた限りの話では最低でも10月10日の国籍会議の情報は、10月7日のメールにて各自民党国会議員さんの事務所に流されていたんだそうです。
 3日前ですね。
 やえの知る限り、3日前の情報というのは自民党の会議においては決して急な知らせとは言えません。
 さらにこれが月曜の朝というならともかく、金曜の朝なのですから、もしこの問題に強い関心を持っておいででしたら、3日前に知れば仮に地元でスケジュールがかぶっていたとしても変更できたでしょう。
 馬渡議員はこの情報をご存じなかったのでしょうか。
 やえは当日どれぐらいの人数の議員さんがご出席されていたのかは知りませんが、しかし出席するための情報は前もってキチンと全自民党議員に連絡が入っていたコトは確かです。
 仮に見落としていたとしても、それは馬渡議員本人の不注意であって、もしくは秘書さんの不注意であって、その責任は全て馬渡議員にあるワケで、それを他人のせいにするのはあまりにも身勝手すぎる主張以外何者でもありません。
 
 さらに、やえがメールの件で調べている途中で偶然知ってしまったある事実があります。
 この政府提出法案はそもそも今年6月に出された最高裁判決がキッカケなワケですが、自民党ではそれを受けて、なんと6月11日に法務部会国籍問題プロジェクトチームを開催し、違憲判決について議論を行っているんですね。
 つまりですね、やえが確認できたのは6月11日だけですが、可能性としてはこの国籍問題について自民党で議論された機会というのは、6月11日と10月10日の少なくとも2日間、多くて約4ヶ月間の間のかなり長い時間をかけて議論された可能性もあると言えるワケなのです。
 このように決してこの国籍問題、いきなり沸いて出てきて不意打ちのように決定され、知らないままに通っていたなんて表現するのは、あまりにも不適切だと言わざるを得ないワケです。
 そもそも最高裁判決のニュースはかなり大々的に報道されましたし、そうなれば責任ある与党自民党としては検討しなければならない事案だというコトは、ちょっと考えれば分かるコトです。
 まして馬渡議員は、現職の国会議員ですよね。
 そういう発想がもし生まれなかったとしたら、それはそれで問題と言わざるを得ません。
 また、前の総理大臣の福田さんが辞任したのが9月ですから、6月というこの時期は、まだ自民党にとっては安定していた時期でもあります。
 この時期をもって選挙は言い訳にはならないでしょう。
 馬渡議員は一体この期間何をしていたというのでしょうか。
 
 まとめますと、国籍問題に関する自民党議論は
 
 1.10月10日、マスコミが堂々と報道するぐらいオープンな部会が開かれて、正式に了承をした
 2.その部会は少なくとも3日前には議員が知るコトの出来る状態にあった
 3.そもそも国籍に関する議論自体は6月から開始されていた
 
 とまとめるコトが出来ます。
 全く秘密裏でも何でもありません。
 いつもの、結構耳を澄ませばオープンな自民党の姿です。
 少なくともやえには普通の自民党の姿として違和感を感じません。
 
 でも馬渡議員はこう言ってます。

多くの自民党議員が知らないうちに、この改正案の手続きはかなり進んでしまっています。

 多くの、と言ってますが、実際どれぐらいの議員さんが知らなかったのかはやえには分かりません。
 分かりませんが、多かろうが少なかろうが、この一連の流れを知らなかった方が悪い、知らないのは議員の不注意だとしか言いようがないと、事実を調べてみてやえは感じました。
 もし本当にそんなに「多くの自民党議員が知らない」のであれば、自民党の質も落ちてしまったですねと言わざるを得ません。
 まぁ馬渡議員は一回生ですから、自民党と言うよりはチルドレンはと言った方がいいかもしれません……頑張っていらっしゃる一回生の先生もいっぱいいらっしゃるんですけどね。
 少なくとも馬渡議員本人は知らなかったというコトなのでしょう、しかしそれは、完全に馬渡議員本人の責任以外何者でもないのです。
 それを他人のせいにしたり、何か陰謀論めいたコトを言ってもいいコトには絶対になりません。
 国会議員としてというより、人としてやってはならないコトだとやえは思います。
 
 国籍法改正に反対されるコトは、まぁいいでしょう。
 馬渡議員のご意見ですから、そう主張されるコトは尊重します。
 しかし、その自分の主張を通すために、他人を貶め、まして自分が所属する団体までをも陰謀論で貶めてしまうその身勝手な言動に、やえは怒りを禁じ得ません。
 自民党がどうだとかではなく、これが馬渡議員が無所属であるならここまで言わないのですが、馬渡議員は自分が所属している団体すらを自分の主張の道具にして、しかも事実と反するコトを言って貶めているのです。
 これはもう人としてどうなんてしょうかと言わざるを得ません。
 
 馬渡議員が今までの会議を知らなかった事情は知りませんが、どのような理由があったとしても、それは誰のせいでもない馬渡議員本人の責任です。
 いくら陰謀論を唱えたところで、この事実はどうやっても否定できないでしょう。
 やえはこういう目的のために手段を選ばない人は大嫌いなのです。
 

平成20年11月14日

 ちょっとひとこと

 認知すれば結婚していない相手との子供であっても日本国籍を与えられるように改正する法案と、二重国籍を認めるようにするという案は、これは全く別モノの法案ですよ?
 前者は、提出者が政府(法務省)であり、10月10日に自民党の部会においてすでに了承されていますが、後者は、提案者が自民党の国籍問題プロジェクトチーム座長の河野太郎さんであり、まだ自民党は法案としては了承していない私案レベルのお話です。
 
 たまに「DNA鑑定無しで国籍を認めようとしている河野私案は許せない」なんて主張をよく見かけたりしますが、これは問題を正しく認識していないメチャクチャな言い方としか言いようがありません。
 法律の問題なのですから正確さは絶対に求められるハズなのですが、気分だけでワッと騒げばいいってもんじゃないコトぐらい分かってもらいたいです。