☆ 過去ログ ☆

/ 全国総得票数という幻 /  地方議会は国政とは別問題 /  キムヒョンヒが突然来日したけど何の意味が? /  一票の格差と議員定数 /  議員は地元選出という点がまず重要 /  消費税がマイナスではなく、総理の総理としてのあり方がマイナス /  国会議員の定数


平成22年7月16日

 全国総得票数という幻

 ごめんなさい、すっかり忘れていたんですが、昨日は当サイトの設立記念日でした。
 なんと11周年ですー。
 いやー、10年までは節目なのでよくよく覚えていたのですが、それが過ぎるとなんか適当になってしまいました(笑)
 またやえが当サイトに初登場したのは平成14年ですから、ええと、何年経ったのでしょうか。
 良く計算できませんが、とにかく、これからもよろしくおねがいしまーす。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 さて。
 今日も選挙関係についてはちょっとお話ししておこうと思います。
 最近衆議院参議院に関わらず選挙が終わりますと、よく総得票数の話が出ます。
 例えばこんな感じです。
 
 総得票数は自民党より民主党のほうが多い。しかし議席数は自民党のほうがかなり多い。なんか変だ。参院選とはいつもこういうものなのだろうか。とすれば今の選挙制度でいいのだろうか。それとも今回の得票数と獲得議席数の逆転現象はめったにない特別な現象であろうか。そうだとすればめったにない特別な結果なので特に重要視する必要はないと思うのだが。私としては選挙制度を見直すことが重要だと思う。さらに言えば参議院は不要だ。ねじれてばかりで、思い切って政策が実施できない。自民も民主も政策に大差は無いのだから。
 
 簡単に言いますと、今回の選挙結果、選挙区で見れば自民39議席、民主28議席と大きく差を付けたワケですが、しかしこれらの候補者が取った全ての票を全国で足し併せると、実は民主党がとった票数の方が多いんだという話です。
 そしてこの結果を受け、民主党が大好きな人は、実は民意は民主にあるんだと言い、そしてこの選挙制度は間違っているんだと、そう主張するワケです。
 
 しかし問題はそう簡単な話でないでしょう。
 比例とは違い選挙区というのは、結果に関してその選挙区事情というモノが一番多く働きます。
 こんなのは選挙の基本ですが、本当は政党を選ぶのではなく立候補者という人を選ぶのが選挙です。
 政党というのは本来立候補者に付随する背景の一つであって、それも含めた上で、自分の意見を託せる人物を選ぶというのが選挙のそもそものあり方と言えるでしょう。
 「あの党は嫌いだけど、この人だけは応援したい」と思って投票する人は少なくありませんし、また政治家というのはそう思わせてナンボというところは必ずあるモノです。
 郵政選挙の時の小選挙区で当選した民主党議員、または政権選択選挙の時の小選挙区で当選した自民党議員というのは、基本的に「地域に愛されている政治家」であり、これこそ「国民を代表する人」である政治家と言えるワケで、これが政治家本来の姿のハズなのです。
 
 であるなら、「全国総得票数」というのはあまりアテにならない数字であるコトは容易に想像が付きます。
 その選挙区で得た得票数というのは、政党としてカウントするというよりも、その候補者に入った得票数と見るのが当然であり、すなわち、これを全国でごちゃ混ぜにして合計して考えるのは、かなり実情からかけ離れた数字にしかならないのです。
 
 例えば、今回の東京選挙区ではなんと170万票もの得票を得て、蓮舫議員がトップ当選を果たしました。
 やえは選挙前に蓮舫議員への批判を載せましたが、まぁ国民の判断は国民の判断です。
 今回もっとも多い得票数を得て当選したのは事実です。
 ただ、果たしてこの170万人あまりの人が全て「民主党だから」という理由で蓮舫議員に入れたかどうかというのは、かなり疑問です。
 少なくとも民主党の候補者はもう一人いて、この人も当選しているワケですが、こっちの人とは100万票もの差がついているワケですから、「他の人ではない蓮舫候補だからこそ投票した」という人がたくさんいると言えるでしょう。
 そして、こういう人はもし、蓮舫候補が東京ではないところで立候補していた場合、もしくは蓮舫候補に投票した人が東京ではない土地に住んでいた場合、果たして民主党候補者に投票していたかどうかは、もちろんいないとはいいませんが、全ての人がそうだとはちょっと言えないでしょう。
 
 山梨と比べるとおもしろいかもしれません。
 山梨での民主党の候補者は、あの日教組の輿石民主党参議院会長でしたが、あの人を推す層と、蓮舫候補を推した層は、かなり違うんじゃないかと思わざるを得ません。
 どちらかと言えば、自民党候補のこちらの人の方が、見た目の印象で言えば、蓮舫議員に近いような気がしますので、もしかしたら蓮舫候補を入れた人がもし山梨に住んでいた場合、自民党議員に入れていた可能性というのも捨てきれないでしょう。
 まぁもちろん選挙はやってみないと分かりませんから断定的なコトは言えませんが、しかしこれは公明や共産のような独裁政党以外の全ての政党に言えるコトで、やはり議員や候補者によって考え方やイメージというのは様々違うワケですから、同じ政党でも応援している層が一緒かどうかは別で考えなければならないでしょう。
 もし全国総得票数を有効なデータとして使う場合、蓮舫議員ではなく他の民主党候補であっても170万票取れたと言える場合にのみ、使えるデータと成り得るのです。
 しかし、それはあり得ないと全否定していいでしょう。
 よって、「全国総得票数」とはかなり無理のあるデータでしかないのです。
 
 比例は確かに民主党の方が、自民党に比べれば多いです。
 ですから、自民党に比べれば民主党の方が、政党だけのイメージで言えば上回ったというのは確かです。
 もちろん与野党で比べれば野党の方が多かったですから、与党にNOなのは変わりませんけどね。
 しかし、人物本位で考えれば、民主党よりも遙かに自民党の方が優れていたというコトに他ならず、またこういう選挙制度の上で、その制度をはじめから公開して公平に選挙をしているのですから、その結果として民主党よりも自民党の方が獲得議席は多かった以上は、それは事実として国民は受け止めなければならないのです。
 
 東京での選挙区への一票と、山梨での一票と、広島での一票と、それぞれの都道府県での一票とは、その内容が全く違うのです。
 選挙区での得票というのは、その選挙区事情によって一票の内容が変わってくるのですから、これを全国で一律一緒にして合計していいモノではないのです。



平成22年7月20日

 地方議会は国政とは別問題

 ごめんなさい、微妙に忙しいので今日は簡単に。
 
ダディとやる夫で振り返る政権交代
 
169 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:39:38.27 ID:BNaUWhr+0
>>159
>現政権がいい仕事したという情報誰か下さい。
・ごく一部の国民に危機感を抱かせ、政治に興味を持たせたこと。
・AA文化の発展に寄与したこと。
・企業が国離れを起こして少しずつ景気回復に向かっていること。
 
あれ?政府の仕事じゃなくて、国民側が勝手に(ry
 
 
171 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 00:44:36.64 ID:D2QjoqxNP
>>159
・表現の自由にも関わる東京都の非実在青少年の条例を民主の反対多数で否決にしたこと
これくらいしか浮かばん いや、これはこれで結構重要だけど
 
 これリンク元のまとめスレの本題ではないのですが、ちょっと気になりましたのでとりあげておきます。
 ちなみにこのスレ自体もけっこうおもしろいので読んでみてください。
 まぁ多少物足りない感じがある人もいるかもしれませんが、政治に興味を持つ導入としてはかなりいい出来だと思います。
 
 で、この東京都の条例の話なのですが、これ、ちょっと前にあまおちさんがツイッターで書いていましたように、結局これ簡単に言いますと、「非実在青少年の条例」の件は地方議会である都議会での話ですので、国会は全く一切何も関係ないというお話です。
 結構これ、勘違いしているというか、理解していない人が多いんですよね。
 この前の鳩山民主党が大勝した政権選択選挙で民主党が圧勝し与党になったから、この法案は民主の多数で否決できたというお話ではこれはありません。
 そう思っている人がいるのでしたら、それは完全な思い違いです。
 もしこの前の政権選択選挙で民主党が勝てずに野党になっていたとしても、この「非実在青少年の条例」は否決されていたでしょう。
 なぜならこの条例案は都議会のお話ですから、国政は全く関係なく、衆議院選挙とは別の都議会議員選挙で選ばれた都議さんたちの数によって賛成多数が決まるからです。
 そしていま都議会では、民主党所属の都議会議員が一番多いので、この条例案が否決されただけに過ぎないのです。
 国政の国会と、都政の都議会は全く別物であり、国会での与党と地方議会での与党や野党という立場はリンクしません。
 民主党所属議員がすべて与党というワケではないのです。
 別に自民党政権だったとしても、仮に社民党政権やみんなの党政権だったとしても、国政の状況とは一切関係なく、この条令は否決されていたコトでしょう。
 上で引用したレスでは、現政権(菅総理による民主党政権)のいいところとして「非実在青少年の条例を民主の反対多数で否決にしたこと」となっていますが、これは全然菅内閣や菅民主党は関係ないお話なのです。
 
 そもそもこの条例に限らず、地方議員と国会議員とでは、考え方自体もかなり違います。
 自民党に所属しているからと言って、中央の政策に100%追従している地方議員というのはおそらくいないでしょう。
 自民党所属だと、抽象的に「自民党らしい議員」であるのは確かですが、必ずしも政策的に全く一緒というコトはありません。
 むしろ地方議会によっては自民党系の議員が多すぎて(いまでも地方議員で言えば全国を合計すると圧倒的に自民党系の議員の方が多いです)、自民党の中で分裂しているようなところがあり、一方の自民党系は野党的なポジションで、一方の自民党系は民主党と連立を組んで多数与党を形成しているなんて地方議会もあったりします。
 最近は知事も目立つので少なくなりましたが、知事選挙では自民民主相乗り候補なんてよくいましたように、これはこのような地方議会の事情があったりするのが大きな理由だったりします。
 ここからも、国会と地方議会はむしろ全く別物と考えた方がいいと言えるワケです。
 
 また、法律と条令は別物です。
 規定上で上下関係はありますが(憲法>法律>条例……)、しかしそれを制定している議会が違うワケですから、国会議員であったとしても一地方の条例をどうこうする権限は持っていません。
 簡単な話、その地元選出の国会議員であったとしても、地方議会に出席して議論に参加し、賛否を投じるコトはできないワケです。
 まぁ狙い打ちのようにある地方の条例に矛盾するような法律を作れば条例を無効にするコトは出来ますが、これだって条例そのものをいじるワケではありませんから、制度的にはこれは全くの別問題なのです。
 
 さらに言えば、地方議会というのは行政機関のようなモノを知事や市長などの首町ひとりだけに集めているという大統領制であり、ここでも、内閣という複数人の合議制という機関に行政権を持たせている国政とは違うのです。
 総理大臣とは内閣のトップという立場であって、決して総理一人で行政権を持っているワケではないのです。
 であるなら、もし条例のコトまで当サイトが取り扱おうと思えば、それはまず(法律と条令を同じモノと見なす場合に)総理大臣より全然大きな権限を持っている首長のコトを一番知らなければなりませんし、また当然その地方の議会の議員さんとその勢力図も詳しく調べなければなりません。
 さっき言いましたように、地方議会の勢力図は国会の勢力図とは全く関係なく、いまでも自民党が与党の地方議会はたくさんありますし、自民党(の一部)と民主党(の一部)が連立している地方もあるワケですから、地方議会の議員と勢力図を調べなければいけませんから、国会を知っていればいいというワケには到底いきません。
 さらに政策的にも、党の本部の政策を知るだけでは不十分なワケです。
 このように、もし地方議会マターである条例まで取り扱おうと思えば、1から調べなければならないコトが山のようにあるワケで、正直ちょっとこれは、国会のコトをよく追いかけているやえにはかなり難しいお話になってしまうのです。
 
 政治を語る場合、もちろん中身のお話こそがもっとも大切なコトではありますが、しかし思想と違い政治ともなれば、法律や条令など現実世界に形として存在するモノになるワケですから、形式的な部分は必ず必要になってきます。
 例えば政治家本人ですとか、政党ですとか、議論するためのルールですとかです。
 思想だけでなく政治を語るのでしたらこれらを無視するのは不可能ですので、ぜひここの部分についてももっと知ってもらいたいと思います。
 逆にこの部分が政治のおもしろさになる場合もあったりしますしね。


 

平成22年7月22日

 キムヒョンヒが突然来日したけど何の意味が?

 最近のもっぱらの話題は、北朝鮮の元工作員で、日本中を震撼させた大韓航空機爆破事件の実行犯のキムヒョンヒが来日しているニュースですね。
 彼女の肩書きが新聞社やテレビ局によって「元死刑囚」と「元工作員」とバラバラなのが面白いですが、死刑判決自体は韓国国内でのものですから、日本での呼び名は「元工作員」の方が適切かもしれません。
 というか、日本国内においてはスパイ容疑というか、旅券法違反などの容疑者であるハズなのですが、今回その辺は問われないのでしょうか。
 まぁどらちにしても、今回の来日はかなり高次な政治的配慮が働いてのコトであるというのは、鳩山前総理の別荘を会合場所にしているというコトを見るまでもなく、あの辺の意志が働いているのは目に見えて明かでしょう。
 
 横田めぐみさんの両親、金賢姫元工作員と初めて面会「特別新しい情報はなかった」
 
 拉致被害者横田めぐみさんの父滋さん(77)と母早紀江さん(74)が金賢姫元工作員(48)と21日に初めて面会した。
 長野県軽井沢町の施設で22日、記者会見を行った父親の横田滋さんは「特別新しい情報はなかったが、めぐみが日本語を教えていたスクヒという女性工作員を通じて、彼女は1回だけ直接めぐみに会ったということです」と語った。
 母親の横田早紀江さんは「すぐにうちとけて話すことができた」と話した。
 面会には横田めぐみさんの両親とめぐみさんの双子の弟拓也さん(41)、哲也さん(41)も同席し夕食を挟みながら北朝鮮でのめぐみさんの生活状況を中心に話を聞いたとみられる。
 東京に移動、午後には他の拉致被害者家族とも面会、23日帰国する。
 
 しかし連日連夜マスコミが騒いでいるわりには、全く新しい情報、特に「日本にとって有益な情報」がまったく出てきていません。
 今回のコトで国民が新たに知ったコトと言えば、やっぱり鳩山前総理はお金が山のようにあるんだなというコトでしょう。
 これでどの口で麻生さんのコトを「庶民感覚が分からない人」と言っていたのかと言いたくなりますが、まぁ今更言っても詮無いコトですね。
 ともかくそれぐらい今回のキムヒョンヒが来日した意味は分からないとしか言いようがないワケです。
 
 そもそも日本政府や警察が、拉致問題についてどうしてもキムヒョンヒに情報を求めたいというのであれば、わざわざ超法規的措置でキムヒョンヒを日本に入国させるのではなく、警察が韓国に行って事情を聞けばいいだけの話です。
 キムヒョンヒの居場所は韓国の警察か公安かが必ず把握しているでしょうし、北朝鮮の事件のコトで事情を聞くのであれば、日韓政府の交渉はそう難しいモノではないハズです。
 少なくともキムヒョンヒを来日させるよりは遙かに簡単なコトだったコトでしょう。
 それなのにわざわざ日韓ともの超法規的措置を執り、また来日させなければ得られない事情もなく、日本国内ではおそらく未だ現在進行形で犯罪容疑者であるキムヒョンヒを来日させたというのは、もしかして北朝鮮拉致事件以外の別の事情があるのではないかと疑いたくなってしまいます。
 
 まぁ1つ思い当たるとすれば、いま日本国内でこのニュースばかりがとりあげられているせいで、全く伝えられなくなったニュースがあるというコトでしょうか。
 それは「参議院選挙で民主党が大敗した」というニュースです。
 さらに言えばその責任論ですね。
 普通ここまで大敗すれば、いくら衆議院で与党が多数を占めているとは言え、安部総理や橋本総理の例を見るまでもなく、総理大臣の責任論が出て当然です。
 特に安部総理の時など、マスコミは安部総理の功績を一切伝えるコトなく、しつこくしつこく退陣を迫ったモノです。
 衆議院選挙は自分が総理の時に得たモノではないというコトも今の菅総理と全く同じ境遇なのですから、あの時並のバッシングが菅総理に向けられてもおかしくないワケです。
 それなのに今の世論というのは、むしろ「今の総理ってだれだっけ」なぐらい、総理大臣の名前が出てきません。
 むしろ軽井沢でマスコミにキレていた中井洽国家公安委員長の方が目立っている有様ですよね。
 参議院選挙なんてもはや忘れ去られた存在になってしまいました。
 
 先ほどのニュースで、キムヒョンヒが都内に入り、なぜかヘリコプターで遊覧飛行機を行ったようですが、一体こんなコトをして、多額の税金をつぎ込んで、日本政府は何が得られるというのでしょうか。
 本当に日本にとって国益にかなう情報などが手にはいるのであれば、日本の警察が韓国に行くのでは得られないような情報があるのであれば、多少お金と時間が支払われても問題はないでしょう。
 しかし今のところそのようには全く思えません。
 あるとしたら、参議院選挙が終わりマイナスのイメージがあった民主党に対するニュースが無くなったコトです。
 そもそも菅総理自体が総理大臣をやっている正当性が無いと過去に自ら言っているのですから、やはりこれは功を焦った&マイナスを隠すための民主党菅内閣が党利党略のためにやっているコトではないかと勘ぐってしまいます。
 いまのところそれが成功しているワケですしね。
 
 確かに今回のキムヒョンヒの来日は、民主党が言う「政治主導」でしょう。
 こんなコトは官僚だけの力ではどうにもできません。
 しかしその政治主導で得られた結果とは、民主党に対する参議院選挙でのマイナスイメージのニュースを払拭したぐらいでしょう。
 そして民主党のマイナスを払拭するためのニュースを見ても、「横田めぐみさんとは1回だけ会った」とか「数年前は元気だった」とか、今の状況が進展する話が全然ないワケです。
 だいたいにしてキムヒョンヒはもう長い間韓国にいるワケですから、リアルタイムの北朝鮮の情報なんて持ってるとはちょっと思えません。
 これらを考えた時、果たして今回のコトはここまでする必要があるのかどうか、やえには全く分からないのです。
 
 今の状況は、気付いたらキムヒョンヒが来日していて、いつの間にかそのニュースばかりになって、なんだか参議院選挙が無かったかのようになっていた、という感じです。
 しかしこんなコトで果たして日本のためになるのかどうか、キチンと考えてもらいたいです。



平成22年7月26日

 一票の格差と議員定数

 菅内閣の支持率が順調に落ち続けていますが、それでもやっぱりマスコミはだんまりを決め込んでいますね。
 そもそも支持率以前に「衆議院選挙で国民の信を問うていない総理」とか「直近の選挙での民意」とかいう言葉が最近全く聞こえてこなくなっているという事態が、あまりにも不自然なワケです。
 果たして麻生内閣の時の大バッシングはなんだったのでしょうか。
 もしあの時のバッシングが間違っていたというのであれば、まずそれを謝罪すべきでしょう。
 それすらせずだんまりを続けているというのであれば、マスコミは民主党に肩入れをしている、民主党の擁護機関でしかないと言うしかないワケです。
 ただひとつ理解しておかなければならないコトは、このようなひどい内閣を延命させていればいるほど、それは民主党を助けているというだけでなく、国民自身が不利益を被り続けているというコトに他ならないというコトです。
 一時期「自民党にお灸を据える」なんて今世紀最大のバカバカしいネガティブ選挙キャンペーンが張られたコトがありましたが、それでお灸を据えられているのは実は国民というオチであるというコトは知っておかなければならないでしょう。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 さて。
 参議院選挙が終わり、最近は選挙自体が無かったかのように参議院選挙が語られなくなってしまいましたが、ちょっと前まで「一票の格差」という話題があがっていました。
 例えば今回の参議院選挙で最も「その選挙区にいる議員1人に対する有権者の数」が少ない選挙区は鳥取県の290,656人なのに対して、最も多い選挙区は神奈川県の1,599,437人と、その差は実に5倍近くあります。
 もっと簡単に言えば、同じ参議院議員を投票させようと思っても、神奈川県の人は鳥取県の人よりも5倍ぐらいは得票しなければ当選できない、という感じと言えばいいでしょうか。
 これを「格差」として、是正しなければならないと、最近の最高裁も判決を出しているというのがこの問題です。
 
 問題や視点は様々ありますが、とは言ってもこの前言いましたように、選挙区には様々な事情がありますから、単純に神奈川県の人は鳥取県の人に比べて権利は1/5しかないというような言い方は間違っているでしょう。
 鳥取県がもっとも選挙に通りやすい選挙区と言えるモノではありませんしね。
 確かに民主主義の観点から最高裁も認めるように格差は無いに超したコトはありませんが、それが選挙の結果を否定するモノではありません。
 それを放置しておくというのも不自然と言わざるを得ないでしょうというぐらいです。
 
 しかしこの問題、よく格差格差という言葉は出るワケですが、では具体的に果たしてどうすればこの格差が無くなるのかという点についてはあまり語られません。
 なぜでしょうか。
 それはおそらく、この格差を是正する方法を考えると、とてもマスコミや一部の国民的にまずい結論が出てしまうからです。
 
 ちょっと考えてみてください。
 神奈川県選挙区では議員定数は3人、鳥取県では1人、しかし神奈川県の方が5倍も有権者が多いワケですから、これを是正しようと思えばどうすればいいでしょうか。
 簡単な話ですよね。
 鳥取県の議員定数を1/5にするか、もしくは神奈川県の議員定数を5倍にすればいいのです。
 そうすれば、神奈川県の有権者に対する議員数と、鳥取県の有権者に対する議員数はほぼ同じぐらいになるワケです。
 しかし鳥取県の議員定数は1人ですからこれを減らすコトは出来ません。
 よって自動的に格差を無くすためには、神奈川県の定数を5倍するしか手はないワケなのです。
 
 つまり全国の一票の格差を無くすためには、少なくとも一人区が大半を占める参議院の場合は議員数を増やすしか手はありません。
 また衆議院にしても、最も区割りが少ない県は鳥取県などで2区しかなく(つまり県内の衆議院議員は比例を除けば2人しかいないというコトです)、議員を減らすという意味でこれを1区にしてしまうと全県が選挙区になってしまい、これでは参議院選挙と同じになってしまい小選挙区制という意味合いが薄れてしまいますのであまり現実的とは言えないでしょう。
 これらを考えると、どうしても「一票の格差」を是正するためには、衆議院においても東京や神奈川の区割り数を増やす、イコール議員を増やすしか手段がないのです。
 
 どれぐらい議員を増やすのかというのは、格差の差をどれぐらいまで許容するかによります。
 全体を見なければいけないので単純な話ではありませんが、先ほどの神奈川県と鳥取県の例を見れば、今は5倍ですが、2.5倍なら許容できるというのであれば、神奈川県の議員定数を倍の6人にすればいいワケです。
 もちろんこれだけでなく、これだと神奈川県より人口の多い東京都(定数5)の方が議員数が少なくなってしまいますから、東京都選挙区の定数をある程度増やさなければならないでしょう。
 もし2.5倍でも格差が大きすぎるというのであれば、もっと増やさなければならないワケです。
 
 結局このような結果、つまり議員数を増やすという手段しかないので、マスコミもあまり格差については報道しても、それを是正させる方法については言及しないのでしょう。
 なぜかいまの日本は、議員数を減らすコトが正義になっていますからね。
 
 では次回は、なぜ議員数を減らさなければならないのか、議員数を減らすデメリットはないのか、議員数を減らすコトが絶対正義になってていいのかという点について語りたいと思います。



平成22年7月27日

 議員は地元選出という点がまず重要

 今日は議員数の多い少ないについて書いていこうと思ったのですが、格差についての選挙区のあり方という点を昨日の更新に対していろいろとご意見いただきましたモノで、先にこっちを触れておきたと思います。
 
 昨日の更新では1票の格差を是正するためには議員数を増やすしかないというコトを書きました。
 なぜなら、参議院の場合ですと定数1の選挙区が大半を占め、その選挙区の定数を減らせない以上、人口の多い選挙区の定数を増やすコトでしか格差を是正するコトができないからです。
 衆議院にしても有権者数の少ない県の選挙区は2つしかなく、これを1にするコトは衆議院議員の意味を無くしてしまうコトになってしまいますから、やはり減らすコトは難しく、となればやっぱり東京や神奈川などの人口の多いところの選挙区を増やす=議員を増やすしか格差を是正するコトが出来ないワケです。
 例えば参議院の場合神奈川県選挙区の定数を3倍の15人にすれば鳥取県選挙区との格差はほぼなくなりますが、当然ここだけでは済まないワケで、これを多くの県で実行していたら議員数がもっと増えてしまうコトになるでしょう。
 
 ただし、これはあくまで現在の選挙法の制度の下の話です。
 確かに別の方法を採れば議員数を減らしつつ格差を解消させるコトができます。
 それは、人口が少ない県同士を併せて1つの選挙区にするという方法です。
 
 今の制度では、例えば参議院の場合は、まず最初に必ず都道府県に1の定数を起き、その上で人口に比例させて上積みの定数をおいていくという手法をとっています。
 つまり参議院の1人区は、法律で定められている最低限の定数なので、これを減らすコトは出来ないのです。
 ただし法律はあくまで法律、改正されるコトは可能です。
 ですからここを変え、格差是正のために都道府県を越えて選挙区を定め、例えば鳥取県と島根県を併せて1つの選挙区として定数を1にすれば、神奈川県との人口比が少なくなり、自動的に一票の格差は今よりは確実に少なくなるコトでしょう。
 格差の是正という観点から見れば、これは有効な方法だと思います。
 
 しかし現実的にはどうでしょうか。
 やはり国会議員と言えども、それは「地元の代表者」という意味合いが強いのが議員というモノです。
 もちろん外交など時に地元の利益に反するコトをも決断しなければならない時があるというのも国会議員の努めですが、地元の様々な細かい陳情事を国政に上げて反映させるというのも国会議員の仕事の大きな1つでしょう。
 例えば口蹄疫事件における自民党の江藤先生です。
 口蹄疫が宮崎で発生してから、国会議員である江藤先生はすぐに現地に入り、実態を調査して地元の人の声を聞き、それを国会の農水委員会で報告して、早急な対策を取るよう政府に提言しました。
 残念ながら民主党政府はこのような「地元代議士の声」を無視し、大臣が外遊を強行するという愚劣極まりない行為を取ってしまったために口蹄疫が拡大してしまったワケですが、もしこれが自民党政権だったらもっとマシな対策が取れていたコトでしょう。
 それは十年前の口蹄疫発生の時に証明されています。
 
 
山田副大臣
 十年前、十二年のときには初めてだったのでまだ何にもできていなかったんですが、江藤隆美先生、お父様のときに頑張っていただいて、そのときにできた制度等々、そのときの教訓といいますか、そういったものをもとにしたものが今あります。それを即座にやろうということで、今始まっているところなんです。

 
江藤委員
 対策本部を霞が関につくったってしようがないんですよ、正直言って。現場の対策本部が動かなければだめなんです。
 例えば、畜連で話をずっと朝から聞いていましたけれども、十年前は、発生した日の朝から農水省からファクスでいろいろな資料ががんがん届いて、いろいろな指示が飛んだそうです。きのうの昼の時点で農水省から児湯畜連にファクスはゼロですよ、ゼロ枚。何の御指示もない。そうしたら、現場の人たちが初動が遅いと感じるのは当たり前じゃないですか。一体国は何をやっているんだと感じるのは当たり前じゃないですか。これは私が感じているんじゃなくて、現場の人たちが感じている声ですから、しっかり受けとめてください。
 そして、一番の問題は、行政の指導によりまして、いわゆる排せつ物、廃棄物、これが今農家で全部滞ってしまっています。
 おかしいんですよ。豚が生まれれば、死産もありますよね。生まれてから死んでしまうものもある。後産もあります、胎盤が出ますから。そして、ふん尿も出ます。そういったものを、今、養豚農家は自分の敷地から出せないんですよ。どうしてですか、行政の指導によって。これは絶対おかしいですよ。新富町の松本さんという人がこういう事業をやっていらっしゃるので、きのう電話して聞きましたけれども、やはりだめだと。一生懸命かけ合うけれども、行政指導でやれないと、きのうの夜の段階ではおっしゃっていました、松本さんが。
 これはパニック状態に今陥っておりますけれども、副大臣の御認識をお聞きします。

 
 これは衆議院の農林水産委員会の4月22日の議事録なのですが、このように地元をよく知っている議員がいたからこそ、ほぼ初めての事態に対しても迅速に対応するコトができたのではないでしょうか。
 そしてこれは、決してその場だけでいきなり地元に入ったからという結果論ではありません。
 普段からよくよく地元の事情を知り、どの人がどこにいてどんな役割を担っているのかを理解し、そのネットワークも構築しているという「地元の代議士」だからこそ為し得たコトなのです。
 一朝一夕で出来るモノではありません。
 
 そして果たして、このようなコトを「二県にまたがる広い選挙区の議員」が行えるでしょうか。
 また、有権者側からしても、こんな広い選挙区では「自分たちの代表」という意識が持てるかどうかというのも難しい問題だと思います。
 ただでさえ今の都道府県という分け方も、日本人というか人間としての感覚としては「地元」と感じるには広すぎる、いまでも県内であっても昔の藩政の時代の区分で住人の意識が違っていたりするワケですから、これをさらに2県や複数県をひとまとめにするというのは、ちょっと無理があるような気がしてなりません。
 
 結局この問題は、選挙のあり方だけではなく、都道府県のあり方、道州制とはなんなのかという部分に深く関わる問題ですから、色々と複雑な問題であると言えるでしょう。
 ただやえとしましたら、先ほども言いましたように、日本人の感覚としてこれ以上選挙区を広げるというのは難しいのではないかと思っています。
 もちろん衆議院と参議院では役割が違いますから、参議院はもっと広げてもいいだろうという意見も間違いではないかと思いますが、1票の格差問題は衆議院にもあるワケで、では果たして鳥取県の衆議院の区分を2区から1区という全県選挙区にしてしまっていいのかという問題を考えなければならないでしょう。
 
 そしてそれは、全体としての議員の定数という問題に最後は突き当たるワケです。
 定数の適正数はどれぐらいなのか。
 本当にいまの日本の国会議員は減らさなければならないぐらい多いと言えるのか。
 ここを考えなければならないでしょう。



平成22年7月29日

 消費税がマイナスではなく、総理の総理としてのあり方がマイナス

 わわわわわわ。
 いや、今日は1票の格差シリーズの続きを載せるつもりだったんですけど、書いてた文章を入れていたUSBメモリがどっかいっちゃって、行方不明になっちゃいました。
 いやぁ〜。
 ま、まぁたぶんあそこに忘れたんだろうという目星はついているので大丈夫だとは思いますが、これでは今日の更新分がありません。
 というワケで、適当にニュースを読んだ中で即興で簡単にひとつ書いてみようと思います。
 ニュースはこちらです。
 
 責任論続出、退陣要求も=菅首相、消費税発言で陳謝―再選出馬を表明・民主両院総会
 
 民主党は29日午後、大敗した参院選を総括するため両院議員総会を東京・永田町の憲政記念館で開いた。菅直人首相(党代表)は、公約になかった消費税増税を自身の判断で掲げたことを「不用意な発言で、重い、厳しい選挙を強いたことを心からおわびする」と陳謝。その上で、9月の党代表選に触れ「わたし自身の行動を含め、判断してもらう」と述べ、再選を目指して出馬の意向を事実上表明した。一方、出席者からは、首相の退陣を含め責任を問う声が相次いだ。
 
 参議院選挙において民主党が大敗した原因はいろいろなところで語られているワケですが、菅直人総理が自らの原因に言及したというのは、これが初めてかもしれません。
 まぁ予想はしていましたが、マスコミ等が言っているように、消費税について触れたコトが敗因だと自ら認めている格好になっています。
 
 しかし果たしてそうなのでしょうか。
 これはやえは何度も言ってますが、増税自体は自民党の方が先に、しかも具体的に言っていたワケですから、増税するというだけで民主党が負けたと言ってしまうのは無理があるでしょう。
 自民党も議席が伸びず民主大敗であればその分析も可能ですが、そうではありませんから、増税自体が国民に否定されたというワケではないハズです。
 ではなにがダメだったのかと言うと、それは増税がダメだったのではなく、消費税を巡る総理の態度がダメ、もっと言うと、一日ごとに消費税をどうするかという発言がブレまくったのが国民の目から見て総理としてふさわしくないと判断されたからなのではないでしょうか。
 
 象徴的だったのが、消費税は上げるけど、所得が低い人には還付するとかいう発言です。
 このデタラメ発言は、あまりにもデタラメ過ぎて覚えている人も少なくないと思います。
 税金を一回徴収してその後また戻すというのは、それだけで手間であり経費がかかりますし、どれくらいの所得の人までを還付の対象にするかというのもブレまくりましたよね。  結局菅総理が言うところの人までを対象にして計算すると、なんと国内の1/3以上の世帯が還付の対象になるとかが出たワケで、それは果たして税収となるのかすら疑わしいという発言となったワケです。
 
 この問題は、本質は消費税ではありません。
 総理としての資質の問題なのです。
 ある政策を実行しようとする場合、どのような効果が得られて、デメリットはどれぐらいあって、それに対するフォローはどのようなモノなのか、様々な角度から検証した結果、国家国民にとって利益となると結論づけられるのであれば、国民にそれを提示するというのが政治家の役割です。
 それなのに菅総理は、消費税を批判されたからというだけで、脊髄反射のように「還付カンプ」と言い出してゴマすりを始め、さらにその矛盾をつかれると、さらにデタラメなコトを言い始めたワケで、このようなその場限りの思いつきとしか思えない発言をする、その態度が国民にNoを突きつけられたのです。
 政治家としての最低限の仕事さえできない人が、どうして総理大臣という職が出来るというのでしょうか。
 ここを民主党は理解しなければなりません。
 
 またこれは菅総理一人の問題ではありません。
 なんと民主党は、候補者によっては消費税増税反対を堂々と訴えていた人がいたぐらいで、この問題についてまったく党内で議論がされていませんでした。
 党内が固まっていないのに、そのトップが思いつきだけで発言する、だから混乱するワケで、国民はそんな民主党の態度にもNoを突きつけたと言えるでしょう。
 そりゃ同じ党なのに、人によって言っているコトが違うのであれば、誰を信じていいのか分からなくなりますからね。
 そんなデタラメな政党に政権を任せたくないのは当たり前としか言いようがありません。
 
 民主党とその所属議員は、そういう自らの体質も反省しなければならないでしょう。
 しかし果たしてそれに気づいているのか、菅総理や執行部だけに責任を押しつけているだけのようにしか見えないところが、民主党らしいと言えばらしいところです。
 どちらにしても9月には民主党の代表選挙がありますから、ここでどのような民主党のあり方というモノを国民に示すのか、それによって民主党の将来が決まると言えるでしょう。



平成22年7月30日

 国会議員の定数

 では国会議員の定数について考えてみましょう。
 
 いまの日本国内においては国会議員の数を減らすコトが正義とされています。
 マスコミでは「いつ議員数を減らす法案が出されるのか」とか「なぜ国会議員の数が減らせないのでしょうか」とかそんな話を聞かない日はないと言えますし、当の国会議員本人達からもしばしば議員定数の削減が聞かれます。
 また政党のマニフェストにも最近は必ず出てくる要項ですし、公人私人に限らず公の場で「国会議員はもっと増やすべきだ」と言う人は皆無と言っていいのが現状でしょう。
 むしろそんなコトを言うと常識を疑われてしまうと言っていいほどの、最近の日本国内におけるこの問題に対する空気は「強ばっている」と言っていいと思います。
 
 ではなぜ議員を減らすべきなのでしょうか。
 その理由としては「議員を減らせば、その分かかっていた公費が節減できる」というのが挙げられるでしょう。
 日本の場合、国会議員1人あたり年間1億以上かかると言われていますから、10人削減するだけでも10億円以上公費を節約するコトが出来る計算になります。
 ですから、特に最近は日本の財政も良くないというコトもあって、国会議員の定数を減らそうと言う議論が盛んになっているのでしょう。
 
 しかしこの理由だけでは片手落ちです。
 なぜなら、お金だけが理由であれば、だったら国会議員なんて憲法の規定によって大臣の半分は国会議員と定められていますから、大臣の最大定数17の過半数で国会議員9人にすれば事足りると言えてしまうからです。
 では果たして「国会議員は9人でよい」と言って多くの人は納得するでしょうか。
 おそらくしませんね。
 さすがにそれは「少なすぎる」と言う人が大半でしょう。
 しかしそれはなぜなのでしょうか。
 どのような理由で「少ない」と言っているのでしょうか。
 経費削減だけが理由であれば、この9人案を否定できる材料にはならないでしょう。
 
 つまり、議員定数の議論をする場合、まず「どれぐらいの数が適正数なのか」という点を考えなければならないのです。
 もちろんその場合「なぜその数が適正数なのか」という理由こそを探らなければなりません。
 
 視点は様々あります。
 選挙や選挙区を視点にし、そして「少なければいい」という前提で考えるのであれば、まず最小定数選挙区を策定し、その後人口比率に併せて配分するという形が1つとれるでしょう。
 まぁこれはいまの参議院の形式ではあります。
 ですから比例を除けば、実は今の参議院はけっこうギリギリ最小限の定数になっていると言えるのではないでしょうか。
 そしてこれはおそらく衆議院もそうです。
 
 ただしこれは「一票の格差があってはならない」という前提の元です。
 例えばアメリカの上院では1州に2人の議員と決まっているため、州の人口比などは一切無視されている、つまり一票の格差がかなりある状態となっています。
 これは人間1人の一票よりも、それぞれの州がそれぞれに同格同等だという考え方からです。
 これはこれで一つの考え方でしょう。
 ですから、日本の参議院を各都道府県に2人ずつ(3年ごとに半数を改選)と決めてしまえば、これはこれで意味のある選挙区割りであり、また同時に定数を今よりは減らせられるコトができると言えるでしょう。
 
 アメリカの話が出ましたので、参考までに外国はどうなっているのかというのを調べてみました。
 ウィキペディアによりますと
 
 イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・ポルトガル・オランダ・オーストリア・スイス・ベルギー・スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・ポーランド・ハンガリー・チェコ・スロバキア・ギリシャ・ルクセンブルク・アイルランド・アイスランド・エストニア・スロベニアなどヨーロッパの国々や、カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・トルコ・イスラエル・メキシコ・韓国・チリなどでは、人口に対する議員の割合は日本より高いのが現状である。
 
 とありますように、実は大半の外国は日本に比べて人口比で国会議員の数は多いのです。
 この画像はちょっとどこが作ったのかが分からないので参考までにと思っていただきたいのですが、
 
 
 
 国によっては人口比で日本の3倍以上も国会議員が多い国があるというのが現状のようです。
 さらに言いますと、日本の場合二院制を採用していますが、例えば韓国は一院制ですから、1回の議論するのに韓国は日本に比べて倍以上の人数で行っているというイメージなワケで、それを考えてもかなり日本の国会議員は少ないと言えるでしょう。
 この外国との人口比で比べれば、日本の場合果たして何が何でも減らさなければならないと言えるのかどうかというのは、ちょっと疑問だと言わざるを得ません。
 
 
 (つづく)
 



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