煙草
オレは煙草を吸う。
銘柄は「DUNHILL」というヤツで、国粋者のオレとしては珍しく国産の煙草ではない。
煙草というモノを20歳になってから吸う人間なんて滅多にいない。オレの知る限り、知人では一人だけそういう人がいたが、まぁ例外中の例外だろう。
オレはどうなのかと尋ねられたら、ここでは黙秘させていただく(笑)
多くの人間はほとんど必ずと言っていいほど中学か高校の時に一度煙草を口にするだろう。好奇心やら見栄やらで。
しかしオレは、幼い頃から異様にクールで、悪い言い方をすれば冷めていたため、このような「儀式」的なことはアウトオブ眼中だった。
オレの言葉をそのまま引用すれば、「そんなことして何の意味があるんだ。ただイキがってるだけじゃねぇか。バカみてぇ」となる。
もちろんこれは標準語に翻訳しており、訳前は広島弁であるが。
妙に冷めており、クールで、悟っていたのが幼きオレである。
まぁ、この「イヤなガキ」の話は後日にすることにして、とにかくこのような形での煙草の吸い方はオレはしなかった。
では、なぜ現在オレが煙草を吸っているのかと言えば、煙草は便利だからである。
1.待ち合わせ中等、時間つぶしになる
2.無意味な時間つぶしでも、ただボーッとするより格好が付く
3.格好を付けることができる
4.気分転換が出来る
5.集中力を高めることが出来る
6.酒の席
便利な理由はこれぐらいだろうか。
1・2番の説明はいらないだろう。
3番は、ガキのイキがりでは絶対無いことを宣言したい。単に煙草を吸っていること自体がカッコイイなどというバカなことは言いたくないし思いたくもないし思えないし、そんなこと言うヤツは反抗期が終えないガキなだけだと軽蔑する。
オレはよくこわいなどと言われるが、やはり見てくれも「優しそう」とは言えない。
幼いときのクールさから考えれば容易に想像できるかと思うが、昔は笑顔を作ることが苦手だったために、不機嫌な顔がニュートラルになってしまっているのだ。
初めてあった人に後から聞くと必ず「機嫌が悪いのかと思ってた」と言われる。
まぁ、人見知りするという理由もある。意外かと思われるが。
また、体つきも痩せている方ではないし、どこか風格があるのではないかと自負している。させてくれ。
だから「煙草が似合う男」なのだと自分で思っている。思い上がりも甚だしいのだが、そう思わせてくれ。
実際に女にもよく言われるのでそういうことにしよう。
オレが煙草を吸うことにより女に受けがいいのだからこれを使わない手はないだろう。
4・5番はよく似ているし、こういう人は多いだろう。
後で述べるが、オレはニコチン中毒者ではないのだが、それでも集中力が高くなるような気がする。気がするだけでも集中力が高くなるのだからそれはそれで結果オーライである。
実際に物事を書いたり考えたりしている時はオレは煙草が増える。
6番もこういう人多いと思う。
酒を飲む時だけ煙草を吸う人という人も、意外に結構多いと思う。
オレは計略的な性格のため、酒も強い方だと自負はしているが、体調が悪いときやあまり飲みたくないときや一休み置きたいときなど、煙草を吸う。
周りももちろん酔っているため、さすがにボーッとしているだけでは「飲めよ」と言われるが、煙草を吸っているとそう言われることはない。
煙草を吸い、酒を飲む、という行為を繰り返すことにより、飲んでいるように見せかけて一呼吸置いているので楽に多く飲めることが出来るのである。
女の子と飲むときはこれは非常に使える手である。
自分は飲んでいるように見せかけているので、同じ“ような”ペースで女の子に飲ませれば、イイ感じである。
悪用しないように(笑)
もちろん自分がある程度酒に強くないと意味無いし、女の子も煙草を吸っている場合、なかなか高度なテクニックを要するので、素人は安易に手を出して火傷しないようにすることをお勧めする。
このように煙草はポリシーを持って吸えば“使える”
但し、良く言われるように煙草には害もある。
「体に悪い」とか「成長が止まる」とか「他人の迷惑になる」とかである。
他人の迷惑は、もう自身で気をつけるしかない。
成長が止まるというのも、オレが煙草を吸いだしたのは成長が止まってからなので関係ない。
体に悪いと言われても、体に良いことだけをして、人生を楽しく過ごすことに阻害されるようであるならば、そんな健康などいらないと思う。
もちろんそれは人それぞれだし、その程度にもよるだろう。オレは煙草程度ではメリットの方が多いと思ったからこそ吸うことにしたのである。
オレの煙草を吸う動機としてはこのような完璧な計画とポリシーを持って吸い始めたのだ。
もう一つ煙草のデメリットがある。
それは金がかかることである。
現在の日本の煙草は安くて250円である。一日一箱吸えば一ヶ月で約7500円。
これはちょっと高い。
しかしそれでも喫煙者が吸わざるを得ないのは、中毒症にかかっているからである。
ニコチン中毒である。
しかし、さっきも言ったようにオレはニコチン中毒ではない。
オレという人間は尊大なヤツで、またオレの言葉をそのまま引用させていただくと、「ニコチン程度にオレを支配することなど出来ない(標準語訳済)」のである。
ニコチン程度の存在でオレを縛るにはあまににも「貧弱貧弱ぅ((c)DIO)」なのである。
オレが煙草を支配しているのだ。
だから、明日から禁煙することも可能だし、丸一日煙草を吸わないこともよくある。
「愛煙者による大禁煙大会」というものがあれば絶対優勝するだろう。
これこそ「煙草の正しい吸い方」だ。
人に迷惑がかかるところでは吸わなければよいのだし、煙草にかかる金も自分でコントロールできるわけだし、健康についてもやはり自分でコントロールできる。
オレは煙草の良いところだけを最大限に引き出しているのだ。
オレこそ愛煙家の鏡。全ての愛煙家はオレを倣って貰いたいものである。
愛煙家が全てオレのようになれば、過剰嫌煙家のヒステリックな声を聞くこともなくなるだろうし、愛煙家も心置き無く煙草を吸えるし、煙草業者も生き残ることが出来る。
全てがうまくいく。
あとはイキがったバカガキ問題をなんとかするだけだ。
「タバコを吸えば子供から超越できる」とか「タバコを吸うことがカッコイイ」とかいった、たわけたガキ妄想を消し去るのだ。
煙草を吸う人は格好悪い、というイメージを作り上げてもいい。公共広告機構が「タバコ格好悪い」というCMとかしてほしい。
オレは困らない。
いくらオレがパソコンオタクでも、少女マンガフリークでも、同人屋でも、それを知られたところで女を含めた周りの評価が変わらないのと同じように、“煙草を吸うオレ”に対する周りの評価は変わらないのだから。
人間には身分相当というものがある。煙草そのものに対する評価が変わるぐらいでその人が格好悪いと思われてしまうような人間ならば、初めからその人は煙草が似合っていなかったのであって、初めから吸わない方がよいのである。
そう、煙草のデメリットとしてもう一つこういうのもあることを忘れていた。
「煙草を吸う女はイヤだ」
こう言う男は結構いる。
これは差別でもなくでもなく、実際にそういう男は結構いるし、オレに言わせれば「煙草が似合わない“人間”が女に多いだけ」である。
「煙草を吸う女はイヤだ」と言う男は、それは認識間違いであり可哀想な男なのである。
「煙草が似合う女」に会ったことが無いのだから。
お水系だからとかそんな浅いものではなく、煙草が似合い吸う姿がサマになる女だ。
オレは会ったことがある、本当に“格好良く煙草を吸う”女に。
アレは本当にイイ女だった・・・。
2000/11/4
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