プロの王道

プロレスはプロのスポーツの中で一番「プロ」らしいスポーツである。
では、何を持ってして「プロらしい」というのか。
それは、「お客様が喜ぶことをする」のがプロである。
これはスポーツだけに関わらず、全てのプロ、つまり全ての商売共通の大原則である。
それから、プロスポーツでよく勘違いされがちなことだが、「プロとは勝つことが一番重要である」と思っている人がいるが、それは間違いである。
いくら勝ちだけを求めてプレイしても、客もファンも一人もいなかったらそれはプロスポーツとして成り立っていない。
ファンが真剣勝負を求めるスポーツというものは、「真剣勝負=面白い」と直結しているだけなのである。
そう、プロレスというのは、常にファンが求めていることをやり続けているスポーツなのである。
「プロレスは真剣勝負じゃないからスポーツではない、見せ物である」というのは、プロスポーツというものの本質を捉えられていない安直な発想だけで、言ってみれば全てのプロスポーツはショーであり見せ物なのである。

プロレスの素人が見ると不思議に映る部分があるが、そうした「本質を見る目」で見ると全て納得できる。
よく言われる、「なぜロープに飛ばされてそのまま跳ね返ってくるのか」という疑問も、答えは、「その方が面白いから」である。
相手が走っている方が技のバリエーションも増えるし、スピード感も出る。
プロレスに幅ができるのだ。
まぁあのロープというものは、中身はゴムではなくワイヤーでできているので、素人が下手にマネすると骨折してしまうこともある代物だ。
鍛えたレスラーがつっこむとホントに跳ね返ってしまうことは跳ね返ってしまうんだと思う。
これら両者のバランスがちょうど取れたところでプロレスというものが成り立っているのである。

プロレスの一番の目的は、「良い試合をすること」であり、お客様に喜んでもらうことである。
レスラーは、「今日もお客様に満足してもらえた」と思えることが一番であり、
ファンも、「今日も面白いプロレスを見ることが出来た」と思えることが一番なのである。
「プロ」の本質を知っているからこそオレは、プロレスが一番優れているプロスポーツだと思うし、プロレスファンは一番優れているスポーツファンだと思っている。
2000/06/20

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