観戦記1 in 全日3

第七試合、待ちに待ったメインイベント。
川田利明、天龍源一郎vsスタン・ハンセン、マウナケア・モスマン。
試合前から会場は異様な興奮。
まずはモスマンから入場。
一人ずつの入場だった。
モスマンはちょうどオレが座っている席の対角線の花道から出てきたから、川田・天龍はオレ側から出てくる。
すでのこの時点で花道に群がる群衆。
その中の一人なオレ。
続いて入場はスタン・ハンセン。
ブルロープを振り回してのいつもの入場。
あのロープで殴られたい(笑)
そしておきまりのウィィィィィィィィィィィィィィ。
会場中一緒にウィィィィィィィィィィィィィィィィ。
オレも一緒にウィィィィィィィィィィィィィィィィ。
ハンセンが入場し終わった時、こちらの花道から多数の男どもがやってきた。
その手には天龍ののぼり。
会場がさらに興奮する。
そして何年ぶりかの天龍のテーマが流れる。
天龍が入場してくる。
いつもの不敵な表情。
眉一つ動かさない。
リングインしてハンセンと目線があったのか、ここからは天龍が背中で見えない。
大興奮のまま川田入場。
川田もいつものままだった。
ゴングが鳴り、はじめは天龍とモスマンのやり合いから始まった。
実際オレも興奮していて細かく覚えていない(^^;
とにかくミスタープロレスとなって帰ってきた天龍のプロレスは素晴らしかった。
天龍の代名詞ともいえる逆水平チョップは全然違う。
乾いたパチィィンという音でもない、ドスッという音でもない、
ドゴォォォンという骨にまで伝わりそうな、会場全体に響きわたらんかというほどのすざましいモノだった。
全日を離脱する前にも激しい戦いを繰り広げてきた天龍とハンセン。
どんなことを感じながらこの二人はリングに上がり、闘ったのだろうか。
数発のチョップでハンセンの白い肌が真っ赤になる。
ハンセンもキック、エルボーなどやりかえす。
共に50を過ぎる年齢なのに、すごい攻防を見せてくれた。
だが、この試合でのMVPはモスマンだった。
川田・天龍・ハンセンというビックネームに囲まれたモスマンがどこまでやれるかが一つの焦点だったが、モスマンは予想や期待以上のファイトを見せてくれた。
天龍に対しても全く臆することなく攻める。
キックの音が響く。
天龍とのチョップキック合戦にも負けなかった。
グーパンチも受けきった。
WARスペシャルも耐えきった。
ここまでモスマンがやれるとは誰が想像しただろうか。
天龍はモスマンにノーザンライトボムまで出した。
全日で出すノーザンライトボム。
その後乱戦になるが、不意にハンセンが天龍にラリアット。
予告無しのラリアットだった。
現在のプロレス界で唯一と言っていい「一撃必殺」のハンセンのウエスタンラリアット。
さすがにいかに天龍でもこの一撃でのびてしまった。
タッグ戦なのでカウント3まではいかなかったが、天龍のあの姿はそう見られるものでもない。
場外で天龍とハンセンがやり合い、リングでは川田とモスマンがやりあう。
川田のパワーボムが決まりこれで終わりかと思ったが、なんとモスマンは2カウントで返す。
最後まですごかったモスマンだが、結局川田の超高角度パワーボムによって沈まされてしまった。
しかしよくやったモスマン。
試合後モスマンは外人選手たちに肩車されていた。
その場にいる全ての者に認められた、いや認めさせたのだ。
この試合のMVPはモスマンだということを。

試合後、しばらく外人選手一同がマットに上がり、もしかしたら川田や渕が来るのを待っていたのかもしれないが、一向に現れる様子もなく、そのまま今シリーズの最終戦が閉会した。
やっぱりプロレスはいい。
ライブはいい。
全日も、また来たい、と思わせるような試合をしてくれた。
とても満足して家に帰ることが出来た。

しかし観戦記は難しいなぁ。
試合中にメモしながらでないと、ちょっと覚えていられない。
これを読んで少しでも雰囲気が伝わればいいのだが。
これからは遠い席でもいいから、チョクチョクいろんなプロレスを見に行こうと思う。
おきまりの言葉だけど、テレビで見るより迫力が全然違うから、興味がある人は絶対に見に行くことをお勧めする。
本当にプロレスは素晴らしいスポーツだ。
2000/07/31

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