なぜ抗争を2

新日の「お得意商品」の中で唯一潰されなかった男がいる。
それはミスタープロレス天龍源一郎である。
彼は強かった。強すぎた。
天龍が新日のリングに殴り込んだ当初、誰も天龍に勝てなかった。
橋本も藤波も長州もやられるだけだった。
しかし長い時間をかけて新日は天龍を攻略していった。
それでも天龍は強すぎた。
攻略はされても潰されはしない。
新日は長期戦にもっていった。
これが成功し、いつしか天龍は「新日の人間」になったのだ。
長い期間試合をしていれば、天龍だけが勝つこともなくなり、絶対的な勝者ではなくなったので、どちらもドロをかぶることがなくなったのである。
そして「新日の人間」とすることで「勝ち逃げ」されることもなくなったのである。
さらにいつしか天龍はミスタープロレスと呼ばれるようになり、あの天龍に負けたのであれば仕方ない、と思わせるようにまでなった。
外来のミスタープロレスだが新日の人間だから、そう思わせられるのである。
もしかしたら今回の全日vs新日の決着はここにヒントがあるかもしれない。
だがここで得するのはやはり新日側であり、全日側はそれ以上は得られないだろう。
体力が落ちている全日側としてはそれでもいいのかもしれないが。

オレは全日(系)ファンである。
どちらかといえば全日を応援する。
だからこの戦いは無用で無意味であると思う。
一番良いのはやらないのが一番いいはずである。
全日のフロントは安易な方法に頼らず、もっと違う再生方法を考えて欲しかった。
オレとしては複雑だが歴史的なことには変わらなし、これからの全日の行方を決める事になるだろうから、応援しつつ見守っていこうと思う。
この抗争、始まった以上どうやったとしても止められないのだから。


追記
*コレより下の文章は邪推以外何者でもなく、「プロレス」とは言いにくい事なので、何を書かれても怒らない方だけ読んでください。

この抗争で全日側に得があるとしたら、(興行収入以外で)1つだけある。
それは話題を独占することにより、三沢新団体「NOAH」を話題の蚊帳の外に追い出すことができるということである。
まぁまだ本格的に興行を始めていないせいもあるが、あれだけ盛大だった旗揚げ戦から比べれば、今は静かなものである。
今のプロレスの話題は全て全日vs新日に目が向けられている。
やはりメジャー団体は新日と全日だ、とアピールしたいのかもしれない。
しかこんなことしても時間が経てば「NOAH」も始動し始め話題も増えるてくるだろう。
体力時には「NOAH」の方がある。
一時的な焼け付け刃は全く意味をなさないだろう。
もしそんな冷静な判断も出来ず復讐の鬼に駆られていたとしたら・・・。
やはり邪推以外何者でもない。
2000/09/06

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