蝶野の本心を見た

新日・T2000のドン蝶野正洋が産経新聞の広告に出ている。
テレビCNなど、かなりかっこいい。
そのせいかたまに、産経新聞に(スポーツや夕刊ではなく朝刊に)蝶野自身が書いた文章を載せている。
少し前など、フジテレビのアナウンサーと対談という形で2ページを使っていたこともあった。
プロレスのことが一般紙に載るのもすごいし、レスラー自ら書いた文章を載せるのもすごい。
そんな中、9月7日の産経新聞のスポーツ欄に蝶野があの全日で行った試合のことについて自らの文章を載せていた。
読むにつれてオレはうれしくなった。
まさしく彼の本心がここに綴られていた。

オレは思い違いをしていたらしい。
スポーツ新聞の蝶野の全日(ファン)に対する罵倒は本気でそう思っていたのとオレは思っていたし、前回書いた『なぜ抗争を』でも新日は全日を本気で潰そうと思っているとオレは思っていた。
しかし蝶野の本心は違っていた。
新聞を一部引用させてもらうと、

全日のファンにしてみれば、馬場さんが築いた28年間の歴史をオレみたいな若造に、汚されたくないと言うだろうな。
全日ファンの気持ちはよく分かるね。
全日は窮地に立っている。そのピンチをファン自らが守ろうとしているんだ。
この前の武道館の試合も、ファンがいい雰囲気を作ってくれた。うれしかったね、感謝してるよ。
熱い思いを持ち続けているファンがいる全日は大したもんだよ。

何カ所か箇条書きに書き出したが、プロレスマスコミにしゃべっている内容と全く逆のことを言っている。
別にプロレスマスコミが悪いわけではない。
蝶野もああいう態度を示すことでさらに雰囲気を盛り上げる。
これもプロレスなのである。
これにはオレも全くだまされてしまった。
そういう意味でも蝶野は本当にすごいと思う。
そして蝶野は全日を潰そうとは全く思っていなかったことも分かって本当に良かった。
力道山亡き後、馬場さんと猪木が日本プロレスを支えてきたという歴史を認識し、全日本プロレスというものの重みを理解し、自分がそれを助けられるなら助けていこうという気持ちが分かった。
産経新聞のおかげで本心を知り、それを実践するために悪役に徹する姿をプロレスマスコミのおかげで知った。

川田vs健介戦はどうなるか分からないが、少なくとも蝶野は全日を潰そうという気は無いし、多分新日にも無いと思う。
それが分かっただけでもオレはとてもうれしいし、これからの全日本プロレス、そして日本プロレス界は大丈夫だろうと思える。
そしてプロレスとは、会社、レスラー、ファン、マスコミ全てがそれぞれ自ら創っていく素晴らしいスポーツだ、ということも再認識することが出来た。
2000/09/08

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