日本プロレスか
頂上対決「川田vs健介」で幕を切った「全日vs新日」全面抗争。
これからは団体全てをかけた戦いになるだろう。
しかし、団体全てをかけた場合、あまりにも全日勢の人数が少なすぎる。
越中が助っ人となり、天龍が全日復帰を果たしたが、それでも二人とも昭和のレスラーであり、存在力は大きくとも、戦力としては必ずしも大きいモノではない。
それは渕にも同じ事が言えるだろう。
川田と太陽ケアの力がいかに強くとも、数の力により必ず新日に飲み込まれるだろう。新日としてもそうしなければ新日自体の存在意義に関わってしまう。
そうなれば全日の存在意義が危ない。
本当なら「川田vs健介」だけで終わらせ、いわば勝ち逃げすればよかったのだが、やはりそうもいかない。
だから多分、このまま抗争を続け、全日が団体として独り立ち出来るようになってから抗争を終了させるのだろうと思われる。
確かにそれが一番ベストなのかもしれないが、しかしオレにしてみれば、それは「全日の終わり」なのではないかと思ってしまう。
はっきりいって今の全日にも、昔の「古き良き全日」の面影はない。
唯一川田が馬場さんの魂を引き継いでいると言えるぐらいだろうか。
結局川田一人の馬場イズム全日でしかない。
「古き良き全日」を復興させたいのであれば、早く独立し鎖国しなければならないだろう。
“レスリングを魅せる”のが全日本プロレスなのだから。
オレはこんなことも危惧している。
もしかしたら新日は全日を吸収していまうのではないか、と。
先日放送された6人タッグの「川田vs蝶野」の試合は、なにか新日流のプロレスをしていたように見えた。
全日と新日の合体、「日本プロレス」の名の復活。
猪木は新日を離れ、馬場はこの世から去った。
確かに現実不可能ではないような気がする。
馬場の魂はNOAHにも引き継がれているため、断絶することはない。
しかしオレは寂しいとしか言えないのである。
新日にしてみれば、川田という戦力は非常に魅力である。
川田はもちろん三銃士と同じ世代。
しかもファイトスタイルも新日にかなりマッチしていると言える。
だから、新日の第三世代の壁に十分なり得る。
橋本、武藤がいなくても、世代闘争としての壁には十分だ。
G−EGGSは蝶野と川田が壁となり、T−2000は川田が壁となる。
もし蝶野と川田が組むことになるのであれば、これ以上の壁はない。
第三世代を二人だけで十分蹴散らしてしまうだろう。
これは見たい。価値としても十分。
橋本を切っても、川田を手に入れることの方が新日にとってはプラスとなるかもしれない。
日本プロレスの復活。
オレは寂しさを感じながらも、時代が駈ける面白さも魅力に感じてしまう。
全日は「鎖国」するか、「合併」するかしないと、その存在意義を失ってしまうような気がする。
ただのプロレス団体としての「全日本プロレス」だけにはなって欲しくない。
道を見誤らなければよいのだが。
2000/11/14
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