田原総一郎さんがお怒りでした。
「成果がないとか言っちゃダメだよ。まして小泉さんの事を卑怯者だとか言ったら絶対ダメだって。子供達を取り返してきたんだから成果はあった。それを否定してもダメなんだよ。その辺はちゃんと評価しないと」
やえは正直ビックリしました。
小泉さんが二度目の殴り込みをかけて、その結果を発表してから、なんだからマスコミとか批判一色だったので、もうなんて言いましょうか、ちょっとうんざりしていたんです。
あまりにも批判一色だったからです。
でも、今日までいろんな所の意見や感想を見たり聞いたりして、そして田原さんのこのような言葉を聞いていたりしていたら、思ったより世論は冷静なのかな、というか、けっこう二分されていたりするんだなぁと思って、ちょっとホッとしていたりします。
今日の各社朝刊でも内容はともかく「評価する」という人が6割を超えていたりしますので、やえが思っていたより世論は冷静なのかもしれません。
と言うか、マスコミがヒートアップしすぎていたと言えるのでしょうか。
右も左も逝ってよし!!
バーチャルネット思想アイドルのやえです。
おはろーございます。
とりあえず。
なんか色々言いたい事があって、逆に何から言えばいいのかちょっと整理できていない状況ではあったりするんですが、まず、さっき「世論は以外と冷静」と言いましたけど、前回の小泉さんの殴り込みの時は本当にもうスゴイ世論のヒートアップでした。
そして世論が要求するレベルがどんどん際限なく高くなってしまっていました。
まず、小泉首相に対してはかなり高い評価を与えていいと思います。
拉致問題に対して訪朝前では「数名だけの情報が出るのではないか」という見方が大勢を占めていたんですが、結果は全員の安否の情報を得ることが出来ました。
正直これだけでも小泉首相が自ら訪朝した成果があったと言ってもいいと思います。
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平成14年9月18日にやえが書いたモノです。
この時の事はやえはよーく覚えています。
小泉さんが突如北朝鮮に行くって発表して、色々と各方面はビックリして、でもマスコミとかは冷静に受け止めてはじめて、では北に行ったらどのような成果が期待できるのかと予想をしはじめましたけど、それらを集約すれば、小泉さんが行く前まではやえが書きましたように「数名だけの情報が出るのではないか」という見方が大勢を占めていました。
これは誇張でもなくでもなく歴然たる事実です。
そもそも北朝鮮は拉致自体を認めていなかったのですから、そんなモノは存在しないとつっぱねていたのですから、だからこそ情報すら出でくる方がおかしいんですね。
だって情報が出てきたら拉致を認めるということですから。
だから当時としては、情報が出てくるだけで万々歳、という空気だったのです。
それが小泉さんが殴り込みをかけて帰ってきて世論は一変したのです。
たった一日です。
たった一日で世論がものすごい変化を見せました。
新しい情報が出ない17日の夜のテレビ等のニュースでは、繰り返し繰り返し被害者の家族の方の記者会見を流していますが、もちろん当事者ですから冷静になれというのは酷です。無理でしょう。
でも我々受け止める側は、どうか冷静に受け止めて欲しいと思います。
今の状況では、政治的レベルから見ればこれが精一杯だと言えます。
というより、予想以上の成果があったんですからこれ以上を今の段階で望むのは難しいです。
そもそも家族の方も当初は「安否だけでも知りたい」と言っていたのですから、それが100%現実したことで今は十分のはずなのです。
もちろん生きていたら言うことは無かったんですが、残念な結果であったので感情的になって、さらにその時を望むような発言、そして日本政府をも批判するような発言をしてしまっていますが、政治の世界で外交の世界で全ての問題が一度に一気に解決することなどほぼ無いのですから、初回の交渉でここまで情報が出せただけでも十分なのです。
だから、当事者の方々に冷静になれとはとてもじゃないですけど言えないですが、受け止める側は冷静に受け止めて欲しいです。
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さっきと同じ日のモノです。
そして次の日天堕さんがこうおっしゃっています。
ネット思想家の天堕 輪です。
まずオレから、ネット思想家系の者達に一言言いたくて冒頭に出てきました。
ちょっと言わせてください。
おい、お前ら落ち着け。
お前らが冷静さを無くしてどうするんだよ。
怒りにまかせて書き散らすのも、それはそれで一つの手法だと思う。
小林よしりんがやっているようにあえてよい評価を避けて悪い部分だけをあげつらってケツに火を焚き付けて世論を押す方法もある。
でも、今君らがやっているのはそういう手法的手段か?
怒りにまかせて公の場にぶちまけるのは見苦しいからやめろよ。
何やったって、「これじゃダメだ、アレじゃダメだ、全然評価できない」って言うだけだったら、まんま万年野党の社会党と何ら変わらないじゃないか。
我々が現実を無視してどうする。
もう少し冷静になって落ち着いて、そして世論を押すために冷静な怒りを込めた文章をアップするなり、完全な実務論的な現実論をアップするなり、各自の得意分野にて活動してほしい。
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当時天堕さんはネット思想家系の人たちに呼びかけていますが、この言葉は日本人全ての人たちに対して、今一度、全く同じ事が言えるのではないでしょうか。
増元さんなんかものすごい冷静さを失っていて、「一度目の訪朝にも二度目の訪朝にも小泉さんには裏切られた」とかなり厳しい事をおっしゃっていて、確か「救う会」の会長も「これなら私が行っても出来ていた事」なんておっしゃっていましたが、これはさすがにちょっと言い過ぎです。
二度目の訪朝はこれから検証して評価していくモノだとは思いますが、しかし一度目の訪朝までこのように言ってしまうのは、それは絶対違います。
当時のあの時点でのあの状況では、「安否だけでも知りたい」と願う事が精一杯だったというのが現実だったワケで、だからこれだけの成果が得られた事自体がスゴイ事だったワケであって、あの当時全てが解決できたハズがないのです。
政府は願えばどんな事だって100%叶えてくれるスーパーマンではありません。
蓮池さんと違って、目に見えた効果が得られなかった増元さんの苛立ちはよく分かりますが、しかしここまで言ってしまうのは、やえから見れば困惑しか覚えません。
今回の殴り込みについても、そういう面はかなりあります。
みなさん覚えていますでしょうか。
ちょっと前まで「原則論」というものがありました。
日本側は、北朝鮮に残された家族の「無条件帰国」を要求。
これに対し、北朝鮮は「日本は被害者をいったん戻すという約束を破った。五人を戻すことが先決で、子どもら家族の意思確認を北朝鮮ですることも必要」と反論。
この応酬を「原則論」と呼んでいましたよね。
それに対し蓮池薫さんはこうおっしゃっていました。
「原則論をぶつけ合う時期ではなく、早く拉致問題を解決して(国交)正常化に向かう道筋でお互いが臨んでほしい。原則論の応酬はもううんざりだ」
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いま世論の多くに「犯罪を犯した北朝鮮に譲歩するべき点など何もない。ヤツらに得をさせるようなことはしてはならない。だから小泉はダメだった」という意見がありますが、しかしそれなら日本は原則論を貫くしかありません。
あくまで何もこちらが動くことなく、「無条件帰国」ということだけをずーっと主張するべきだったでしょう。
しかし家族会も世論もそれを是とはしませんでした。
だから「原則論の応酬」という全く動かない事態を打破するための方策として小泉さんの再訪朝というものが出てたワケで、またそのために山崎拓先生とかが動いてみたりしてみたワケで、そして今回の再訪朝でやっと事態が打破できたのです。
「原則論を堅持しつつ、何年かかってもいいから相手がしびれを切らすまでじっくり待つべきだった」というのであれば、それは一つの論としては正しいです。
やえとしましてもこの論は正論だと思います。
しかしそうではなく、原則論はもうやめてこっちから動けと言いつつしかし北には譲歩するな強行に行け、と言ってしまうのは、そんなのハッキリ言って滅茶苦茶です。
「相手がいる」ということを完全に無視したワガママ的な論でしかないでしょう。
まして相手は国家犯罪を平気で犯し、逆ギレも罪悪感無しにやってしまうキチガイ国家です。
キチガイに対して交渉するという事はとても難しいと前回の更新で言いましたけど、ましてキチガイでなくても「相手がいる」という事を無視したようなモノの言い方では、どんな問題にしたって事態の解決など出来るハズもないでしょう。
あ、一つだけ方策がありました。
戦争をするという事です。
ちょっと長くなりましたので、他にも色々あるんですが、それは次回以降にしまして、後もう一つ最後に書いておきます。
御意見番のご意見をちょっと引用させてもいます。
>>日本政府に対する世論の要求がどんどん際限なくエスカレートしているから
>当然の話でしょう?
>5人かと思ったら調べたら沢山出てきた。出てきた方たちは救わなければならない。
>拉致被害者の家族以外にも犠牲者は沢山いるのです。その人たちへ目が向くのも当然。
>それを「贅沢な世論」と呼ぶのは、あまりに道理が通りません。
やえはその人達へ目を向けてはいけないとは全く言っていません。
むしろ救う会認定の人たちや特定不明者のコトもしっかりと見て欲しいと何度も訴えかけています。
で、その上で「どんどん際限なくエスカレートしている世論の要求」とは何かと言いますと、つまり簡単に言うと「一度の事で多くを求めすぎる」ということです。
一度目の殴り込みではもう多大な成果があったワケですが、しかし世論はそれを評価しようとしないんですね。
どんな成果を得ようと、さらにその先の成果を追ってしまい、そしてそれが達成できていないからと言って批判をするワケです。
これはいけません。
一歩一歩進んでいるのは事実なのですから、そもそもそ外交に限らすどんな事でも言えますけど、その時点で出来るコトっていうのは限られているモノなのですから、今の段階で出来たコトっていう部分は正しく評価しなければならないハズなのです。
小泉さんを批判すれば問題は解決するのでしょうか。
小泉さんだけを責めれば全ての拉致被害者は帰ってくるのでしょうか。
責めるべき人を間違えていませんか?
「よくやってくれた小泉さん。よくぞ家族達を取り戻してきてくれた。ありがとう。しかし問題はまだ山積している。これからも頑張って取り組んで欲しい」
どうしてこれが言えないのでしょうか。
やえの「原則論」はここにあります。
北朝鮮は日本国民の「反北・嫌北感情」に対して非常に警戒感を持っていました。
だから少し前まで何度も日本に対してそんな空気をどうにかしてくれと、特に平沢勝栄衆議院議員を介して訴えていました。
だから日本の世論の北に対する怒りのような感情はものすごい武器に、言い換えれば外交カードに、最も強い交渉手段になるハズなのです。
それなのに国民はそのカードを手放そうとしています。
だから怒りを小泉さんの方に向けてしまうというのは、北朝鮮にしてみればしてやったりなのではないでしょうか。
小泉さんを責めてそれで解決するのであればそれでもいいんですけど、やえは決してそうは思いません。
対話だけで解決するのであれば十年単位の時間がかかるでしょう。
短い時間に経済制裁や船舶の規制などをするのは得策ではありません。
それは戦争に導く手段です。
日本がアメリカ等にされたようにですね。
そして今の日本には戦争をする覚悟も整備もされていません。
だから対話をするのであれば段階を徐々に踏んで十年単位でモノを考えなければならないところだったのですが、しかし世論や家族会がそれを是としなかったために、こんな中途半端な時期に小泉さんが訪朝してしまったと言えるでしょう。
「原則論」からの打破のためには譲歩も含めての行動しか無いのにもかかわらず、打破はしなければならないけど譲歩してはならないと言ってしまったので、こんな中途半端な結果になってしまったのではないでしょうか。
このように際限ない要求、そしてそれに答えられない政府という理由での批判というモノは、結局解決への正しい道筋が立てられなくなってしまうおそれがあります。
どうすれば拉致問題が解決するのか、その道筋を国民一人一人が具体的に考える必要があるのではないでしょうか。
十年単位を念頭にしてねばり強く交渉するのか。
戦争する覚悟を決めて、日本国内においてハード・ソフト共に整備していくのか。
自分たちの都合のいい事だけをあげつらってその1から10まで全て履行しなければならない、もし他の不具合な事が出てきたら全否定する、といったような滅茶苦茶な事だけ言ってしまうだけでは、解決するモノも解決しないのではないかと思います。
バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、現実論を応援しています。
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