一番分かりやすいので今週の『SAPIO』よりよしりん先生を例にとりますが、このように思ってしまっている日本人も多いのではないでしょうか。
ニューヨークが狙われたという事態ならともかく、日本が核攻撃で灰燼に帰したとしても、皇居が狙われたとしても、「核による攻撃」だけは結局は思い止まるのがアメリカの理性である。
日本はアメリカの同胞ではない。よその、ちっぽけな国だ。
やがてアメリカの政権が民主党に移ったら、さらに日本など鼻にもかけない。
日本にはアメリカの「核の傘」など、効いていない!
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今、日本が世界に訴えねばならぬことは・・・
「あくまでも、拉致や、工作船や、航空機爆破テロや、ニセ札などの国際犯罪を犯す狂気の国が・・・
そして国内においてはホロコースト並みの規模で人民の強制労働・虐待・虐殺を行っている独裁国家が・・・
日本のすぐ隣で核保有するという未曾有の危機に直面し、我が国は安全保障上、止むを得ず、核武装する!」
・・・という静かな宣言である。
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つまり、北朝鮮という危険な国が核兵器を持ってしまった以上は、所詮アメリカだっていざとなったら助けてくれるハズがないんだから、自分で核を持って守りましょう、という主張なワケです。
確かにこれだけを見れば、一見まともな意見に見えます。
なるほど、自分の国は自分で守るのが普通の国なんだから、核兵器を身近な、しかも前科ありまくりの危険な国が持ってしまったんだから、それに対応するため自衛のため核を持つのも当然だと、そう思いたくなるのもよく分かります。
しかし、しかしですね、よくよく考えてもらいたいコトがあります。
というか、このように考えている人に聞いてみたいんですが、なぜ日本が核を持つと絶対に北は日本に対して核を撃たなくなると言い切れるのか、そこの根拠はどこにあるのか教えて頂きたいのです。
よしりん先生をはじめ、このような主張をしている人は、核さえ持てば核の攻撃がされるコトは絶対になくなるという感じで論を進めるのですが、やえにはこれがどうしても理解できません。
北はよしりん先生のおっしゃるとおり狂気の国です。
いつ核が飛んでくるか分かりません。
しかしそれは、いくら日本が核を持ったとしてもやっぱり同じコトでしょう。
だって北は狂気の国なんですから。
核兵器は迎撃システムではありません。
核発射の動機が狂気であれば、相手がどんな装備を持っていようとも、どんな国であろうとお構いなく撃つでしょう。
やぶれかぶれで撃つのであれば、相手に核があろうが無かろうが関係ありません。
そして一度撃たれた以上は、MDAが完成していないのであれば、核を持っていようが持っていまいが、あとは落ちるのを待つしかないのです。
である以上、どうして核を持つことがイコールで核を撃たれないコトに結びつくのか、是非教えて頂きたいと思います。
本来、もし核が撃たれてしまう可能性を少しでも少なくしたいと願うのであれば、冷静に現実を分析する必要があるでしょう。
よしりん先生はこうもおっしゃっています。
核攻撃で壊滅した日本の報復は、核に頼らずとも、中国・ロシア・韓国とアメリカの連合軍で行われる。
もちろん、金正日体制は倒されるだろう。
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これはその通りだと思います。
アメリカの本音は確かに「日本はアメリカの同胞ではない。よその、ちっぽけな国だ」と思っているかもしれません。
しかし、本音はどうあれ、確実に連合軍の攻撃は起きるでしょうし、そうなれば確実に北朝鮮は崩壊するでしょう。
では聞きたいのですが、この連合軍による攻撃と、核による攻撃と、一体何が違うのでしょうか。
どっちにしても狂気の国である北朝鮮という体制は崩壊します。
ならば、手段が違ったところで結果は全く同じにしかやえは思えません。
よしりん先生はなぜか
だがそれはあくまでも、朝鮮半島を巡る、戦後の北東アジアの覇権の奪い合いと、核の管理が目的である。
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なんて言ってますが、どうしてここまで核による報復だけが正当的だと信じ切ってしまっているのでしょうか。
日本が核武装し、核による北の体制崩壊をなし得たら、「戦後の北東アジアの覇権の奪い合い」は起きないとでも言うのでしょうか。
どうしてここまで核だけを神聖視しているのか、まったくやえには理解できません。
冷静に現実を分析するなら、ジョンイルが一番恐れているコトは何かなんて簡単に分かるでしょう。
そう、自分ひとりが自らの手足のようになんでもできるジョンイル王国というモノの崩壊こそが、ジョンイルにとって一番の恐怖なのです。
こんなコトはむしろ常識ですよね。
ならば、やはり、核であろうが通常攻撃であろうが、北の崩壊が起こればジョンイルにとっては恐怖でしかないのです。
よって、核兵器だけにこだわる必要など全くないのです。
核兵器を持っても、それだけで相手の核を100%防げるようになるワケでは全くありません。
同時に、核兵器を持っても、それだけが相手への抑止力となるワケでもありません。
確かに持てば強力な抑止力になるコトは確かですが、日本にはそれ以外の選択肢もあります。
もし今の体制のまま北と戦争になったら、ひとつだけ日本に不利益になるコトがあります。
それは、北東アジアの覇権争いに、日本が参加できないコトです。
なぜなら連合軍に日本が参加できないからです。
日本が攻撃されたのに、日本が反撃できないというのは、かなり滑稽極まりないお話です。
ですから、日本独自の手で抑止力を持ちたいというのであれば、それは自衛隊の国軍化のお話をするべきでしょう。
憲法改正の議論をするべきでしょう。
日本一国だけで北を滅ぼせるぐらいの軍事力を持てば、核を持つコトと同等の抑止力を得るコトができるのです。
今の日本の現状を見るのであれば、まずここからはじめるべきでしょう。
よしりん先生をはじめ、一部の人がなぜ核武装を絶対化して、これをしなければ日本は滅びる、これをすれば絶対に核は落ちてこないと信じ込んでいるのか、やえには全く理解できません。
日本は普通の軍隊すら持っていないというのに、それを越えて核を持ちたい持ちたいと言うのは、それは子供が力への憧れだけで鉄砲を持ちたがるような、安易な幼い発想と同じようなモノでしかないでしょう。
特によしりん先生など、「国のために悪人を引き受ける度胸はないか?」などとカッコつけてますが、それこそガキの遠吠えでしかありません。
今やるべきコトが確実にあるハズなのに、それを見て見ぬふりして見た目だけの格好を追い求めてもなんにもなりません。
いい加減「核信仰」をやめて、現実的な道を模索する大人になりましょう。
バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、自衛隊の国軍化を応援しています。
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