昨日から今日にかけて色々とニュースになっているのでご存じの方もいると思いますが、やっとこさ、二次補正予算案が成立しました。
まだ関連法案が通っていませんので、具体的に執行はすぐには出来ませんが、とりあえず見通しが立ったというところでしょうか。
ところで、この補正予算案が通るまで、国会ではとんでもなくゴタゴタしました。
ねじれ国会ですから衆議院では政府与党案、参議院では野党案が可決されたワケですが、このような場合というのは、憲法の規定によって両院協議会が開かれるコトになります。
両院協議会とは、まぁ簡単に言うと、衆参の議院の代表者が集まって、違う結論が出ましたけどどうしましょうかというコトを話し合う会議です。
ただ、お互いに歩み寄りすればまた別ですが、そうでない場合は一方が完全に妥協するというのはあり得ない、妥協してしまうと自分たちの院の存在意義が失われてしまいますから、お互いが妥協し合わなければ合意などあり得ないというのが、そもそもの両院協議会というモノの性格とも言えます。
その中で特に予算というモノについては、衆議院に優越があると憲法に記載されているので、平衡性になればもう両院協議会で議論するコトは時間の無駄で規定通りに粛々と進めるのが筋というモノでしょう。
憲法に定められている以上は、それが正論と言えるワケです。
しかし、さすがは民主党、ついに両院協議会でもゴネはじめました。
詳しい経緯の中身は説明し出すと大変なので省略しますが、しかしなんなんでしょうかね、民主党は年末あれだけ「二次補正を早く提出しろ。年内に提出しろ。それが国民のためだ」とか言ってたクセに、いざ出すとこれです。
両院協 新たな「牛歩戦術」? 政策調整機能が未確立
08年度第2次補正予算案の定額給付金部分を削除した民主党などの修正案可決を受けた26日の両院協議会は、手続き論で紛糾し、開会が大幅に遅れた揚げ句に27日に持ち越しとなった。詳細な議事進行ルールがない点に着目した民主党が「成案を得る」との大義名分を盾に実行した、新手の「牛歩戦術」といえる。
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もうはじめから、中身の議論ではなく、戦術論で民主党は結論を得ようとしてしまっています。
日本の国会は二院制を取っていますので、この精神を尊重するなら、確かにキチンと話し合って、お互いが妥協し合って、折衷案を模索するというのが一番いい方法で、本道と言えるとは思います。
ですから、民主党も、そして政府・自民党も、両院協議会で出来るだけ中身についての議論をしてもらい、妥協しあってよりよい予算の中身にしてもらいたいとは思います。
しかし今回の騒動は、民主党の動きというのは、はじめから運営論ありき、つまり政争ありきの動きでしか無かったと言わざるを得ません。
この記事をご覧下さい。
<両院協>引き延ばし、民主内にしこり残す
両院協を舞台に引き延ばしを思いついたのは菅直人代表代行だ。しかし、実行には参院側の協力が不可欠。菅氏の意を受けた石井一副代表が25日夜、東京都内のホテルに輿石東参院議員会長、西岡武夫参院議運委員長と集まり、委員の顔ぶれなどを相談した。
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引き延ばしを「思いついた」とは何事でしょうか。
もうハナから予算の中身なんて二の次三の次、ただ政府案が通るまでの時間を引き延ばすコト、政局が混乱するコトしか考えてなかったとしか言いようがありません。
しかもその後、旗色が悪くなったと見るや
26日夜の幹部会では、仕掛け人の菅氏自ら「もうそろそろいいんじゃないですか」と打ち切りを提案。「あなたが火を付けたんじゃないか」と反発した輿石氏が「政府4演説を強行してきたら本会議に出席するのか」とただすと、鳩山由紀夫幹事長は「衆院は出たいという人が多いですよ」とあっさり。衆参のちぐはぐぶりが際立つ場面だった。
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と、方針一転。
民主党の中ですらコンセンサスが取れていない、ちぐはぐなドタバタ劇で一番迷惑を被るのは国民だと思うのですが、菅直人議員はそんなコト、思いもしないんでしょうね。
逆に、菅直人議員以外の民主党で「本会議に出たい」と言っているとされる衆議院の議員さん達は、自分達の案が否決されるのを分かった上での発言でもありますし、この態度は評価できるとは思います。
これはいかに今の民主党が、党内の意志決定ルールが定まってないのか、上の人間だけで右往左往されてしまう政党なのかの表れなのでしょう。
一部の真面目な議員さんが可哀想です。
そして極めつけはこれです。
国会内で記者団に「消費税の問題、定額給付金も終わっていない。民主党政権でこういう日本になるというものも提示したい」と強調した。
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民主党政権下では、こういう日本になるようです。
つまり、政策ではなく政局で動く政治です。
やえは、そんな日本はごめんですね。