昨日はやっぱりちょっと頭に血が上りすぎていたようです。
よく考えたら、普通は高裁に差し戻しになる方が可能性としては高かったですよね。
また仮に異例の最高裁独自判断が下されたところで、それでもまだ特別抗告などの手段が残されているワケですから、まぁこれは判断が覆るコトはまず無いと言ってもいいんですが、それでもまだ「確定」の段階ではないのは無いワケで、昨日の発言はよほど頭に血が上っていたようです。
ここにお詫び申し上げます。
そして今日、最高裁の判断が下されました。
光市の母子殺害、無期懲役を破棄・差し戻し…最高裁
浜田邦夫裁判長(退官のため上田豊三裁判官が代読)は、「計画性のなさや少年だったことを理由に死刑を回避した2審判決の量刑は甚だしく不当で、破棄しなければ著しく正義に反する」と述べ、広島高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。
同高裁で改めて審理されるが、元会社員に死刑判決が言い渡される可能性が極めて高くなった。
判決はまず、「何ら落ち度のない2人の命を踏みにじった犯行は冷酷、残虐で、発覚を遅らせようとするなど犯行後の情状も良くない。罪責は誠に重大で、特に考慮すべき事情がない限り死刑を選択するほかない」と指摘。その上で、死刑回避のために考慮すべき事情があるかを検討した。
判決は、犯行の計画性について「事前に殺害までは予定していなかった」と認めたが、「主婦に乱暴する手段として殺害を決意したもので、殺害は偶発的とはいえず、計画性がないことを特に有利な事情と評価できない」と述べた。
また、2審判決が犯行時に18歳1か月の少年で更生の可能性があることを死刑回避の理由とした点について、「被告の言動、態度を見る限り、罪の深刻さと向き合っているとは認められず、犯罪的傾向は軽視できない」と指摘。「少年だったことは死刑選択の判断に当たり相応の考慮を払うべきだが、犯行態様や遺族の被害者感情などと対比する上で、考慮すべき一事情にとどまる」とした。
判決は、浜田裁判長、上田、藤田宙靖、堀籠幸男各裁判官計4人の全員一致の意見だった。
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正直、最高裁が独自判断をしてほしいという願いを持っていたんですけど、結果的には高裁への差し戻しでした。
ただ、最高裁が高裁へ差し戻し命令をした場合というのは、多くは前回の高裁の判決とは違う判断が下されるのがほとんどですから、今回の場合でもこれでほぼ高裁が死刑判決を出すモノと思われます。
これもやはり最高裁の重みと言いましょうか、裁判という三権のひとつの権威を保つためにも、最高裁だけが独自の判断を下すのではなく、裁判所という機能トータルにおいてキチッとした判断を下すべきだという、今回の最高裁の判断はそういうコトなんだろうと思います。
重大な事件、社会的にもとても大きな影響を与えたという事件だけに、ここは敢えて最高裁が独自判断を下してほしいと思っていたのですが、まぁやはりこの辺は整合性というモノも大切ですから、これは政治においていつもやえが言ってますしね、この最高裁の判断は当然だと思わなければならないのだと思います。
これで残念ながらまた1年近い時間が経ってしまうコトになるのでしょうけど、この辺はまぁ公の立場に立つなら致し方ないとしか言いようがないでしょう。
最高裁の下した判断の中身を見ても、ほぼ死刑になるのは確実かと思われます。
犯人の犯した犯罪は、日本の制度上では「死刑を選択するほかない」とまで言わしめさせた、最低最悪の犯罪であると断言しており、また年齢などの特殊事情もこの犯罪の罪深さに比べれば死刑を回避するほどの理由にはならないと言っているワケです。
しかもこれは最高裁裁判官4人全員が全会一致しているワケで、ここまでくると一体地裁も高裁もなにをやっていたのかと思わざるを得ません。
この最高裁の判断を重く受け止めて、広島高裁では適切な判決が下されるよう期待します。
ただ、この状態でひとつ言えるコトと言えば、ほぼ死刑が確実になったというコトで、しかし裁判の判決が確定するあと1年ぐらいは確実に執行されないワケですから、犯人は眠れない夜をその間すごすコトになるでしょう、それは自分が犯した罪の深さを再認識する大切な儀式となると思います。
この犯人、いろいろのところからの話によると、どうも自分が何をやったのか、どのほどの深い罪を犯したのか、被害者やその家族がどのような思いを持っているのか、全く理解していないようですから、そして関心は自分が死刑になるかどうかだけのようですから、このあと1年ほどの裁判でそれをじっくりと味あわせてやるいいキッカケになると思います。
無意味に死刑にしただけでは文字通り無意味です。
反省するかどうかはともかく、せめて死刑囚には自分が犯した罪の重さ深さを知った上で死刑になるべきだと、やえは思っています。
というコトで、今日はこれぐらいにしておこうと思います。
まだ、残念ながら判決が確定していない段階であり、この段階で言いたいコトというのは昨日頭に血が上りながらも言いましたので、これ以上はありません。
一応昨日の更新で事実誤認がありましたので、それを訂正しつつ、この裁判、見守っていきたいと思います。
ちなみに、死刑という制度についての所見は、以前こちらやこちら(トップの「ニュースフラッシュ」にも載せています)に書いてありますので、ご興味のある方は読んでみて下さい。
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