☆やえニュース☆

 人権擁護法案一問一答集 −魔女狩りが合法化される!?−公務員意識戦争を自国のために考えよう福田メールマガジン創刊準備号レビュー煽動報道年金は、宙に浮いてるが、消えてはいない検察・警察、そして裁判所の傲慢福田メルマガレビュー人権擁護法案一問一答集 −立ち入り調査−人権擁護法案一問一答集 −立ち入り調査− (後半)

平成19年10月1日

 人権擁護法案一問一答集 −魔女狩りが合法化される!?−

 最近にわかに人権擁護法案が再び提出されるのではないかという情報がネットの上で噂されています。
 これはおそらく、森さんから始まった、タカ派系の政権が福田さんによって終わってしまったコトが大きいのでしょう。
 同様に、外国人参政権付与法案も、一部ブログさんでは「野党とバーターのために出される」とかという噂があると警告しているようで、やえはそんな話聞いたコトないので本当かどうか分からないのですが、とにかく安倍さんが降ろされ福田さんが総理になったというコトが、また今までとは違う局面を迎えているというコトなのでしょう。
 
 で、人権擁護法案の方ですが、騒がれるワリには、相変わらず内容をデタラメにしか知らない人が多いというのが残念な現状です。
 いろいろな意見が言われるコトはいいんですが、しかしじっくりと内容を正しく議論するならともかく、デタラメなデマを撒き散らかすだけでは害悪にしかなりません。
 というワケで、僭越ながら当サイトも調べ物の対象になるでしょうし、またこの一問一答が一番まず開かれるページになるのではないかと思いますので、これから徐々に項目を増やしていきたいと思います。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 
 人権擁護法案に反対するもっとも多い理由に、「魔女狩りが合法化される」という感じのモノがあります。
 例えばこのような書き込みです
 

 これは、ほんの一例ですが人権擁護委員とその関係者が自分たちに都合の悪い
 報道・世論に対して人権という言葉を付けて有形無形の圧力をかけてきます。
 要するに人権擁護委員という秘密警察を
 つくり、国民を「人権」という言葉をこじつけて監視・取締りします。
 これでは人権擁護委員による独裁!になります

 
 ちなみに漫画まで載せていらっしゃるのですが、もう何から何までデタラメです。
 この手の主張を堂々と書いてあるサイトやブログもけっこうあるのですが、どういう根拠でこのようになるのか是非教えていただきたいモノです。
 
 この手のコトを書いているサイトやブログは、こういう結果だけを書いて不安をあおっているワケですが、しかしどうのようなプロセスを経てこのような結論が出てくるのかは全く書かれていません。
 公的機関が動くには根拠が必要です。
 法的根拠です。
 例えば警察には一般人にはない家宅捜索する権利や拳銃を持つ権限を持っていますが、これは決して「警察だから」という理由だけで権限があるのではなく、キチンと法律にそう明記されているから権限を持っているワケなのです。
 もっと分かりやすい例で言えば、他国の軍隊は集団的自衛権によって自国が攻撃されなくても同盟国が攻撃されれば反撃をするコトが出来ますが、日本の軍隊である自衛隊はそれが出来ません。
 もちろんそれは法律や憲法によってそう定められているからですね。
 つまり、軍隊だからという理由だけで様々な権限を持っているというワケではなく、それぞれの国でそれぞれの法律によって様々な権利や権限また規制などを受けて、法的根拠を持って、これらの公的組織は動いているワケです。
 全ての公的機関は法律によって規定されているのです。
 
 よって、人権擁護法案が成立し人権委員会が設立したら、それは人権擁護法に記載され規定されている法律によってその行動や権限が決まります。
 逆に言えば、法律に明記されていないコトは出来ないワケです。
 すなわち人権擁護法案をよく読めば、人権委員会や人権擁護委員は何が出来るのかというコトが全て分かるワケですし、逆に「○○が規制される」という書き込みは本当に正しいかどうかも法文を読めば明らかなのです。
 
 さっきの漫画によると、まず最初に「人権委員から委託された人権団体です」「立ち入り調査です。協力お願いします」というセリフとともに、無理矢理家宅捜索するかのような描写が描かれていますが、これはまったくのデタラメです。
 作者はいったい人権擁護法案のどの部分がこれに当たるのか明らかにしていただきたいモノです。
 
 まず、「人権擁護委員から委託された人権団体」という文言がいきなり意味不明です。
 人権擁護法案には、人権委員会が外部の団体に職務を委託できるというような文章は全くありません。
 よってこのようなコトはあり得ません。
 デタラメです。
 
 次に、この漫画では「人権侵害を犯すおそれがあると、委員会から通達があ」れば、即座に立ち入り調査ができるかのような描写になっていますが、これもデタラメです。
 立ち入り調査がされるような事案というのは第四十四条に定められていて、基本的には「第四十二条第一項第一号から第三号までに規定する人権侵害」と「前条(43条)に規定する行為」の場合に、「必要な調査をするため」に行えるコトになっています。
 では最初の「第四十二条第一項第一号から第三号までに規定する人権侵害」は具体的には何を指しているのかと言えば、特に簡単に言えば「公務員も民間も含めた公共的施設における差別的取り扱いの禁止」と「特定個人に対する酷い差別言動」そして「虐待」の3点です。
 また、「前条に規定する行為」は何かと言うと、簡単に言えば「部落名鑑のような物の存在と頒布」のコトを言っています。
 ちょっとだけ詳しく言うと、特に「前条」である43条に定められている具体的行為が記載されている「第三条第二項」をじっくり読むと、「前項第一号に規定する不当な差別的取扱いを」という文言があるのが分かると思いますが、「前項第一号」とは国や地方公共団体そしてお店の人間が消費者に対して不当なコトをしてはならないという条文ですので、「前条に規定する行為」にもどりまして、ここに該当するためには公的団体やお店の人が不当な取扱いが出来るようになるためのなんらかの言動が必要になるワケです。
 これはけっこう条件がきびしく、ここはほぼ「部落名鑑」の存在をねらい打ちしていると言ってもいいでしょう。
 ではなぜ「部落名鑑」と名指ししないのかと言う人もいるかもしれませんが、もしそれだと「同和地域地図」なんてコトにされると、法的にはすり抜けられてしまうからです。
 そして漫画では、立ち入り調査をした理由として、「メールでのセクハラを誘う履歴」「歴史を検証するサイトアクセスの履歴」「外国人が主人公に勝負で負けるシーンのある漫画の所持」「現状への疑問が唄われているCDの所持」というモノを挙げていますが、「セクハラ」以外はかすりもしませんね。
 そしてセクハラは普通に考えてダメだと思うんですが、しかし人権擁護法の特に特別救済の場合には「特定の者に対し、職務上の地位を利用し、その者の意に反してする性的な言動」と定められており、つまり「職務上の権力を利用してのセクハラ」でないと立ち入り調査はできないコトになっています。
 もしこの漫画の主人公が部下に対して「このノルマが達成出来なかったら明日は裸で一日中仕事だ」なんて言っていたらアウトですが、しかし仕事とは関係ない友達であれば少々のセクハラまがいな内容でもここには該当しないコトになります。
 ちょっと長くなってしまいましたが、さらに詳しい説明はこちらに法文を参照しながら詳しく書いてありますので、ぜひ一度読んでみてください。
 
 まして、この漫画では一部の人権団体が行っているようないわゆる“糾弾会”を委託された人権団体(という存在はありませんが)を人権擁護法に則って行うかのように、つまり人権委員会が行うかのように書いていますが、これも全くのデタラメですね。
 人権委員会は独立性の高い三条委員会であり(これを持って「三権から独立した存在」などと書いてある記述もよくありますが、これも全くデタラメです)公的機関であるワケで、私団体が行う糾弾会は全く関係ありません。
 むしろそのような過度な糾弾は人権侵害と当たるとも言え、それこそ人権委員会に訴えるべき事案なのではないかとやえは思います。
 
 さらに「また、人権養護委員への参加に、大いなる意欲を見せています」と意味ありげに書いてありますが、こんなのは、だからなんですか?で終わります。
 ここもよく誤解されているところですが、養護委員の権限はかなり限られています。
 それが人権擁護法案の定める人権侵害に当たるかどうかを判断する権限も無ければ、特別救済手続きに関わるコトも出来ませんし、当然立ち入り調査なんて以ての外です(特別調査 第四十四条第二項「人権委員会は、委員又は事務局の職員に、前項の処分を行わせることができる」)
 キャプションにあるような「要するに人権擁護委員という秘密警察をつくり、国民を「人権」という言葉をこじつけて監視・取締りします。これでは人権擁護委員による独裁!になります」なんて、全く根拠のないデタラメもいいところな文章でしかありません。
 
 この漫画にツッコみだしたらキリがないのでこの辺にしておきますが、まずしっかりと理解していただきたいのが、人権委員会が出来たとしても、委員会が出来る事は全て法律の中に記載されています。
 当然それは記載されていない事は出来ないというコトであります。
 よって、「この法律が成立したら○○されてしまう」という手の記述があったら、それは何条のどの部分に該当するのかを見てみてください。
 もしその記述にその部分が乗っていなければ、それはまず疑いを持ってください。
 そして人権擁護法案に該当する部分があるかどうか自分で調べてください。
 
 この法案が成立したら、なんでもかんでも人権委員会と部落解放同盟のような人権団体の思うがままのような書き方をしているサイトやブログか非常に多いのですが、それは法案の具体的にどの部分をさして、どのような法的根拠を持ってそう言っているのか、そこを読むようにしてください。
 そうすると、実に多くのデマがこの法案に対しては飛び交っているかというコトが分かると思います。
 

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平成19年9月18日

 麻生下ろし?

 最近やっきにテレビに出ている民主党の幹事長ぽっぽ鳩山先生が、安倍さんの退陣理由のひとつである健康問題について「キチンと自身の口で説明しなかったのは外国への誤解を生んで迷惑を掛けている」と言っていました。
 ええと、民主党はテロ特措法について、外国の迷惑など一切考えず、党利党略だけで反対しているクセに、どの口でその様なコトを言うのでしょうか。
 この前も言いましたように、テロ特措法は9.11を起因としたアフガニスタン戦争に関する法律であり、この戦争にはイラク戦争には反対しているフランスもドイツをはじめ、とても多くの国が参加している戦争です。
 外国のコトを考えるのであれば、まずはここを考えるべきなのではないでしょうか。
 まして民主党小沢代表の反対理由が「国会承認がない」です。
 もう何が何だかわけわかりませんね。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 ちょっと気になるコトがありますので、一言申し上げます。
 
 なんだか世論調査で麻生先生閣下より福田さんの方が支持率が高いコトに関して、一部では、特にネットや保守系の方からクレームがあがっているようです。

 この世論調査はね〜。ちょっと空恐ろしい感じが・・。というのはね。福田さん、この間までみんな人気がなくて誰も注目していなかった訳で、麻生さんの方が明らかに人気がある。 テレビで福田さんが優位だということを、ずっとインフォメーションし始めるとこれだけ世論が動いてしまうってのはね。ちょっと、空恐ろしい感じが私はしますけどね。

 あるローカルテレビ番組で評論家の宮崎哲弥さんの言葉です。
 つまり、テレビや新聞なんかで「自民党議員の間では福田支持が多数」という報道が多くなされたので、国民の雰囲気もいつの間にか福田支持に寄ってしまい、いつの間にか今のような状況が作られてしまった、という話です。
 しかしやえは、これはちょっと強引すぎる論だと思います。
 
 最近当サイトでは散々安倍下ろしの空気を気持ち悪いと表現し、国民の政治意識の低さを嘆き批判してきました。
 そしてマスコミにいとも簡単に乗せられてしまった体質も強く批判してきたつもりです。
 しかしさすがに今回のこれは、その構図とは違うのではないかと思います。
 
 安倍下ろしの時は、時には事実を隠し、時にはウソまで混ぜながら、マスコミが主体性を持って安倍はダメだと明確に主張していました。
 しかし今回はそうでなく、本当の事実をそのまま伝えていただけです。
 もし本当に国会議員の動向だけで世論まで変わるのであれば、では小泉さんが初めて総裁になったときのあのフィーバーはなんだったのか説明がつきません。
 あの時のマスコミは完全に橋本龍太郎さんが総裁に当選すると確信していて、小泉さんなんて泡沫候補であり、誰も見向きもしませんでした。
 ですから総裁公約では「靖国参拝」を小泉さんは言っていましたが、最初はだれもこれに注目する人はいなかったのが事実です。
 つまり、今の麻生さんよりも、当時の小泉さんは扱いが低かったのです。
 ですから、もし国会議員の動向と、それを大きく報道するコトが国民世論まで影響するというのであれば、当時の小泉劇場第0幕とも言えるあの大騒動は説明がつかなくなってしまいます。
 
 それとも、当時に比べて国民は格段におバカに・・・いえ、騙されやすくなったという主張なのでしょうか。
 やえはそれは全否定はしませんが、でもさすがに国会議員の動向だけで世論の全てが決まってしまうほど末期にまでは行ってないと思っています。
 選挙用語に「アナウンス効果」というモノがありますが、その効果の一つに、圧倒的有利と伝えられてしまった候補は苦戦や逆転されてしまう、というモノがあります。
 これは、有利とされた方の陣営が油断し「自分は入れなくても大丈夫だ」という心理が働き、また不利とされた陣営は一層力を入れ「自分が入れなければ負ける」という心理が働くコトによって、そのような現象が起こるコトを指します。
 よって、もし影響が出るならむしろ逆方向、つまり麻生さんに有利になるような結果がでるハズです。
 これが、議員票がわりと拮抗しているのであればまた別のアナウンス効果が見られるかもしれませんが、今回のようなわりと圧倒的な差への報道であれば、さらにそれを助長するような効果が表れるとはちょっと思えないのです
 
 またあわせて、この選挙にどれだけ主体的に考えられるのかというコトを考えたら、さらに国民煽動論は難しいのではないかと思います。
 どういうコトかと言いますと、もし直接的に投票者にメリットが出るのであれば、「勝ち馬に乗ろう」という意識が働き、投票行動に影響が出るコトもあると言えるワケで、これは実際議員さんの間では少なからず影響が出ているのでしょうけど、しかし今回の選挙は、国民にはそこまで今回の選挙にのめり込む理由がありませんので、報道が影響しているとは言いにくいワケです。
 公的な選挙、衆参の選挙や、地方選挙ならなおさらですが、その場合には当事者意識が強く働き、「この人いれれば自分が利益を得られる」と感じ、様々な外部の情報に左右されてしまいます。
 しかし今回の選挙は、自民党だけの選挙であり、また総裁選は議員投票の方が遙かに結果に大きく左右されるという変則的な選挙であり、「自分の一票」を強く意識しにくい選挙ですので、自分がこっちに投票した方が有利になるという思いが働きにくいワケであり、他人の投票行動が自分の投票行動に影響しづらいワケです。
 まして今回は党員投票は正式には行われないワケですし、さらに言えば世論調査は自民党籍を持っていない、つまり投票権のない人にまで調査の対象としているワケなのですから、自分の力が結果に反映すると思いづらく、党籍を持っていない人は100%結果に影響されませんしね、結果的に自分の気持ちが素直に投票行動に表れやすいと言えるのです。
 さらに言えば、今回の世論調査は第一回目のものと言え、なおさら他人の結果は自分の行動に影響なく結果が出ていると言えるでしょう。
 
 福田さんは、決して知名度の低い人ではありません。
 前回の総裁選、いわゆる「麻垣康三」の時には、むしろ「安倍か福田か」と言われたぐらいピックアップされたワケですし、また福田さんの人となりは官房長官時代に広く知られていますので、「あまり知られていなかった人をマスコミの報道によって認知され支持率が上がってしまう効果が出てしまった」とも言いにくいでしょう。
 あの飄々とした態度、そして歴代最長在位期間を持つ実績からして、安定感などを評価されて今の高支持率に繋がっているのは納得できるコトだとやえは思います。
 
 確かにやえは安倍さんが辞めると表明された直後は麻生さんが新総裁になると思っていました。
 しかしそれは、他の人が立候補するとは思っていなかったからです。
 今回は緊急事態というコトで選挙自体行われずに当時幹事長だった麻生さんにそのまま継承される形になると思っていたからです。
 だけどやえの予想は外れ、キチンと選挙をすると決まり、そしてこれも予想外なコトに福田さんが立候補すると事態は急変したワケです。
 こうなっては、その前の予想など全く意味を成しません。
 最初に紹介した宮崎さんの「この間までみんな人気がなくて誰も注目していなかった訳で」という言葉は、それは福田さんが立候補すると表明する前の雰囲気のコトを指しているワケで、今の調査の結果をそれと比べるのは適切ではありません。
 福田さんの立候補それ自体を報道されないのであれば確かに麻生さんが有利になっていた可能性は強いですが、さすがにそれはどうかと思いますよね。
 麻生さんが不利になって悔しいのは分かりますが、なんでもかんでも陰謀論で片づけてしまうのはいただけません。
 また、残念ながらまだまだネットは一般とは世論が多少乖離しているというのも事実なのであり、それは自覚する必要があると思います。
 
 ただひとつだけ言えば、選挙はマスコミの報道によって影響を受けるモノであるのは確かです。
 確かなので、やえはむしろ選挙報道は全面的に禁止した方がいいと思っています。
 これは以前にも更新で書いたコトがあります。
 もし本当に政治を良くしたいと思うのであれば、報道がなくても自分で考え自分で投票を決めるでしょうから、報道はむしろ邪魔なだけだと思っています。
 ですから、選挙に関する報道は一切禁止するという意見であれば、やえは賛成したいと思っています。
 
 ただ今回の選挙は、自民党の総裁を決めるという選挙であり、公的選挙でないので、ここまでを法律で縛るというのはなかなか難しいとは思いますが。
 

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平成19年9月20日

 マスコミにエサを与えた保守

 今日はこのニュースです。

 福田氏、村山談話の踏襲を表明=麻生氏は「歴代内閣と同じ」−自民総裁選
 
 自民党総裁候補の福田康夫元官房長官と麻生太郎幹事長は19日午後、都内の日本外国特派員協会で記者会見した。福田氏は、日本の過去の侵略と植民地支配を謝罪した1995年の村山富市首相談話について「首相が言ったことだから正しいものと考える必要がある」と述べ、踏襲する考えを表明した。麻生氏は「歴代内閣は皆、同じことを申し上げてきている」と述べるにとどめた。

 まったくネットを含めた保守系論壇はおバカなコトをしたものです。
 言うまでもなく、このマスコミの質問は、安倍さんが総理に就任した直後にも聞かれた質問です。
 そして、マスコミの思惑通り、一定の、いえ予想以上に効果を上げてしまった質問です。
 
 これについては以前詳しく書きましたが、もう一度簡単に言いますと、この手の談話というのは内容に如何に関わらず一国の総理大臣の話なのですから、ある意味法律に近いような扱いであって、つまり憲法法律を遵守する立場にある総理大臣が談話を踏襲するのは当然というか、義務のようにしなければならないモノだと言えるワケです。
 特に歴史の連続性を重要視する日本の制度下においてはさらにそれが謙虚だと言えます。
 仮に時の総理がある法律に対してそれは悪法だと感じ、改正しようと動く場合でも、正式に改正されるまでは存在する法律は遵守しなければなりません。
 「悪法だから守る必要はない」とは、総理大臣という立場にある人が言っていい言葉ではありません。
 つまりそれと同じように、仮に福田さんや麻生さんが村山談話を訂正しようと思っていても、今の段階で「踏襲するかどうか」と聞かれれば「踏襲する」と答えなければならない話なのです。
 
 そしてマスコミは、そう答えるのを分かっていて敢えて質問をしているのです。
 
 なぜか。
 それは、保守系思想によって村山談話は目の上のたんこぶであるワケですが、それを一見肯定するかのような言い方を自民党や保守系政治家に言わせるコトで、保守系思想の持ち主に幻滅をさせるためです。
 実際、最近の総理の中では最も保守色・タカ色の強いと評判だった安倍さんに対し、総理になってからまずはじめにこの問題をぶつけるコトによって、出鼻をくじきダメージを与えるコトに成功していますよね。
 安倍さんへの最初の期待が高かっただけに、案外この質問が与えたダメージというのは少なくありませんでした。
 そして保守側からバカのひとつ覚えのように「売国奴バイコクド」言ってましたね。
 
 このような、政治とはどういうモノかを知ろうともせず、政治と思想を混同してしまい、分けて考えるコトができない保守がバカ騒ぎしたから、このようにサヨクマスコミが勢いづいてしまっているのです。
 つまり保守の方からマスコミに保守叩きのエサを与えてしまっているワケです。
 もし保守が政治と思想をキチンとわきまえ、政治には政治のルールがあってそのルールに則らないと物事を変えるコトは出来ないと知って、その上で思想が政治を後押ししていれば、このような踏み絵的質問は全く意味をなさなかったでしょうし、冷静にコトを進めていたらもしかしたら安倍さんの代でこの談話を訂正するコトが出来た可能性だってあったと思います。
 本当に日本の保守は下手なコトをしたモノです。
 
 本来この手の問題は、思想的な問題であり、それを政治に求めるのは筋が違います。
 これは何度も言ってますが、政治が思想を作り出すのではなく、思想が政治を後押しするのです。
 政治がなければ思想が語れないかのような最近の物言いは、やえはとっても情けなく思います。
 つまり、もし日本国民の中で村山談話が間違っていたとなれば、当然政府も国会もそのような動きになっていくでしょう。
 その辺は法律とそう変わるモノではありません。
 しかし現状はと言うと、最近の保守は世論に訴えるというワケでもなく、サヨクにモノを言うワケでもなく、直接政治家個人を叩いてそれで満足してしまっています。
 こんなコトをしてもいっこうにこの問題が良い方向に進まないばかりか、むしろサヨクを助長し、日本を悪い方向にしか導かないと言えるでしょう。
 保守系の言論人やブログやサイトは、特に安倍さんが総理になってからというもの、自分で自分の首を絞めているばかりだというコトに早く気づいてほしいモノです。
 

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平成19年9月22日

 矛盾王民主党

 日本のコトも世界のコトもなーんにも考えていないんですね。
 あるのはただただ党利党略だけで、政権交代という名の権力奪取だけが目的なのが明白です。

 政府の働き掛けを批判=国連「謝意」決議採択で−民主・鳩山氏
 
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は20日午前、国連安全保障理事会がインド洋での海上自衛隊の給油活動に「謝意」を示す決議を採択したことについて「(給油活動が)果たしてアフガニスタンの平和にとって必要なのかという根底が問われている」と述べ、活動継続反対の方針に変わりはないと改めて強調した。都内で記者団に語った。
 また鳩山氏は、決議に「謝意」を盛り込むよう日本政府が働き掛けたことについて「感謝は強要するものではない。民主党を賛成に回らせる手段の一つだろうが、非常にみっともない」と述べ、政府の対応を厳しく批判した。

 ありとあらゆる矛盾がこの記事には詰まっています。
 
 まず、小沢民主党はテロ特措法の反対の理由として「国連の決議が必要」とずっと言っていて、どういう理由でテロ特に反対なのか民主党独自の意見としては全く聞かれず、ただただ国連という存在だけを判断基準にして、反対理由としていました。
 であるならば、決議の間にどんなコトがあろうとも、どんな事情があろうとも、形として出た以上は自分の思いなど全て捨てて賛成に回らなければ理屈として筋が通らないでしょう。
 いまさら「アフガニスタンの平和にとって必要なのか」なんてコト言い出しても、こんなの完全に“後出しじゃんけん”です。
 結局この態度というのは、なにをしようとも、どんな理由があろうとも、ただただ反対のために反対をし、自民党に対抗するコトだけが行動理由だったという証明だと言えるのではないでしょうか。
 非常にみっともありません。
 
 そもそも国連という場は、それぞれの国家の国益がぶつかり合う場であり、削り合いの場であり、調整をする場です。
 決して国連は、国家の上位機関ではありません。
 まして「正義」を体現する「正義の味方」でも「正義の使者」でもまったくありません。
 良いコトをすれば自分は何もしなくてもほっといても褒めてくれる評価してくれると思うのはおこちゃまの夢想であり、「褒められるためにするのではない」と思うのは確かに日本人の美徳ですが、それは日本以外では通用しません。
 まして民主党なんて年中自民党の足を引っ張るコトしか考えてないくせに、よく言いますよね。
 
 むしろ今回の政府、そして安倍さんの動きは、堂々と日本という大国が世界的に誇れる活動をしている姿を、形として誰の目にも明らかなように表せと胸を張って主張し、ロシアや中国のようなちょっとアレな国家に対しても屈することなく黙らせて、自らの手で勝ち取って実現させた成果といえるモノです。
 「力強い日本」「主張する日本」の体現ではないですか。
 それを誇らずにみっともないと表現するとは、いったい民主党はどこの国の政党なのでしょうか。
 それとも民主党は、湾岸戦争の時のように自衛隊を派遣せずお金だけ出して、しかしどこにも感謝されずむしろ軽蔑のまなざしを向けられたあの情けない日本をもって目指すべき姿としているのでしょうか。
 このような動きもあるようですが、これはもはやフランスやオーストラリアやカナダ、ドイツ、パキスタンまで巻き込んでしまい、民主党の説得という形というコトでしょう。
 ここまで多くの国に迷惑をかけてしまって、これほどみっともない話もないとやえは思います。
 
 だいたいにして、おそらくアメリカがなんらかの決議を提出し採択されたとしても、「アメリカの圧力だ」とかなんとかマスコミも民主党も言うのはないでしょうか。
 こっちの記事では今回の日本の外交交渉を直談判などと書いて日本を卑下するような言い方をしていますが、国連はそういう交渉事をする場であり、決議はその結果です。
 一部報道ではロシアが棄権したコトを、さも「世界が一致していない」と喧伝する材料にしていますが、民主主義で言えば完全に賛成票が勝っていたワケですし、また国連のちょっとゆがんだシステムからしても、ロシアは全てを完全無効に出来る拒否権を持っていてそれを発動していないのですから、この決議が持つ意味は小さくないと言えます。
 この記事は、他の多くの理事国の意見を無視して、ことさらロシアだけの意見を大きく採り上げるというフェアではない記事であり、卑怯な記事と言えるでしょう。
 だいたいロシアと中国が安保理で足並みを乱すのはいつものコトであり、しかしその中国は今回は賛成を投じたコトからも、中国大好きッ子な方々は中国様のご判断に頭を垂れて従わなければならないのではないでしょうか?
 
 やえはむしろ今回のコトは、もちろん謝意決議がなくても海外派遣はするべきだと思っていますが、この謝意決議を勝ち取ったという行為に対して、国内問題でしかない事情であるにもかかわらず日本が睨みをきかせれば決議だって動かせる力をついに持てるようになったという事実に対して、胸を張って誇りたいと思っています。
 金だけあればそれだけで評価されるというモノでは決してありません。
 行動をしなければ人は人を評価しないでしょう。
 世界に責任を持つというコトはまさにこういうコトであり、時には他国と手を結び、時には自国の利益を優先させ、国連の場で国力に見合った発言力を持つというコトです。
 やえは今回の動きを多いに歓迎します。
 
 実際この動きというのは民主党にとっても方向を修正できるいいキッカケだったと言えるハズで、これをキッカケにある程度の態度の緩和が見られればまだ「政権担当能力がある」と評価できたのですが、残念なコトです。
 結局民主党という政党は、党利党略しか見えず、矛盾に矛盾を重ねて、言動の一貫性が全く見られない、口だけ政党でしかないとしか言いようがありません。
 

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平成19年9月23日

 福田自民党総裁誕生

 というワケで、福田さんが自由民主党第二十二代総裁に選任されました。
 福田先生、おめでとーございまーす。
 これでほぼ間違いなく新しい総理大臣も福田さんになるコトになるでしょう。
 首班指名は25日に行われる予定で、新内閣もおそらく25日の深夜に発足という形になると思われます。
 
 まず注目は自民党三役と幹部人事です。
 おそらく、幹事長・総務会長・政調会長と、幹事長代理・国会対策委員長の五役ぐらいまでは明日発表というコトになると思われます。
 そして中でもやはり一番の注目は幹事長ポストです。
 
 マスコミ予想での最有力は、宏池会古賀派の領袖である古賀誠先生です。
 安倍さんが辞任を表明してからいち早く水面下で動き、福田さんの擁立と党内の大支持の動きの流れをまず作った、福田さんにしてみれば一番の功労者です。
 そういう意味でこの古賀さんを幹事長に処遇するかどうかが今一番注目されているワケですね。
 
 しかし古賀さんという人は、世間一般ではあまり人気のある方ではありません。
 それはおそらく今では珍しい、昔の古い自民党体質の人だと思われているからでしょう。
 そしてそれはあながち間違いでもないと言えます。
 民主党の小沢さんや、国民新党の亀井さんのような、今ではお二方とも自民党を離れていますが、そのような昔の臭いを感じる、もしかしたら自民党最後の大物議員さんと言えるかもしれません。
 そういう部分がいまの国民にはウケが悪いワケで、人気が出ないワケですね。
 
 しかしやえはひとつ古賀さんにとても期待している部分があります。
 それは選挙です。
 言うまでもなく、遠くないであろう衆議院選挙です。
 今回の新総裁は次の衆議院選挙が一番の山場と言われているだけに、その党内の実際のしきり役である幹事長にがどう対応していくのかという点において、もし古賀さんが幹事長になった場合を考えると、やえは期待できる部分も少なくないのではないかと考えているのです。
 
 自民党の古いタイプの議員さんは、確実な票の取り方を知っています。
 一般受けが悪くても、いざ選挙になるとご自分の選挙だと古賀さんは当選を確実に重ねていらっしゃいます。
 小泉さんのようなタイプだと一般受けはいいのですが、どうしても風頼みで気分によっては票があっちにいったりこっちにいったりしてしまう、いわゆる「都市型」となりますが、古賀さんのようなタイプではねばり強く地元にとけ込み着実に一票を得る硬い硬い「地方型」の選挙となります。
 そして、小泉さんは自分で自分の行く方向に風を吹かせられるというとんでもない方ですが、普通はこんなコトできないワケで、安倍さんは小泉さんの後継という形に収まりながら風を吹かすコトが出来ず、しかし風頼み選挙をしてしまい大敗を喫してしまったというワケなのです。
 しかしその裏では、実は風のせいだけではない別の力によって自民党は追い込まれていたと言っても過言ではないかもしれません。
 そうです、小沢さんです。
 小沢さんはさっきも言いましたように、自民党の古いタイプの政治家です。
 というか、旧型自民党の正当な後継者です。
 小沢さんは、今まで風頼みの野党方選挙をやってしまった安倍自民党に対し、それまで自民党が力を誇示してきた源である地方密着型の選挙を実行して、民主党に先の参議院選挙の勝利をもたらしたのです。
 
 すなわち、古賀さんならば、小沢民主党と手法が同系列なだけに、小沢さんに一番手堅く対抗できるのではないかと思うワケなのです。
 
 一部報道では、小沢さんは、麻生総裁より福田総裁の方がやりにくいだろうというコトを言っていますが、おそらくそれと同じぐらい古賀幹事長もやりにくいと感じているのではないでしょうか。
 小沢さんならば古賀さんとのタイマン勝負なら楽に勝つ自信を持っているかもしれませんが、しかし自民党には歴史があります。
 今回小沢さんが自民党の技を使いましたが、それをはじめたのはほんの数年のコトであり、まだまだ自民党が取り戻そうと努力すれば、そう難しいコトではないとやえは思います。
 ですから、その手法に長けている古賀さんが選挙のしきり役である幹事長に就く意味はとても大きいのではないかと思うのです。
 自民党の表の顔である総理総裁に福田さんが就きまず党内を安定させ、その中でじっくりと古賀幹事長が選挙のために地固めをすると、そういう形が小沢民主党にとっては一番つらい布陣なのではないでしょうか。
 
 先日も言いましたように、今のところやえは民主党になんの期待も持てません。
 せっかく民主党にも政権担当能力があるところをアピールできるチャンスがいくつかあったのに、それを自分の手で捨て去って権力闘争しかしようとしないのですから、どうしようもありません。
 確かに福田−古賀ラインの歴史観などはやえの考え方とはけっこう離れていますが、それでも民主党なんかに政権が渡るよりかは遙かに数万倍マシですし、このいったんは保守の側に振り子が振れた以上はまた必ず戻ってくると思いますので、その時に麻生さんにまだ目があるかどうかは分かりませんが、確実にまた保守政治が戻ってくるとやえは信じています。
 しかし民主党に政権が渡ってしまうと、それが少なくとも10年は遠ざかると思わざるを得ませんので、まだまだ自民党には頑張ってもらいたいと思っています。
 
 批判だけなら誰でもできます。
 ですから、やえは応援できる部分を出来るだけ見つけて、日本にとってメリットになる部分を伝えていきたいと思っています。
 新三役はどうやら明日のお昼前に決まるようで、まだ古賀さんが幹事長になるかどうか分かりませんが、もし古賀さんが幹事長になられたら、やえはこの部分を期待したいと思っています。
 

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平成19年9月24日

 どこが派閥力学選挙だったのか

 なんだか予想が外れてしまいましたね。
 古賀誠先生は幹事長起用ではありませんでした。
 でも就かれたポストは党の「選挙対策総局長」であり、公認権などの権限を有する選挙の現場責任者です。
 どうもはじめは福田総裁は古賀さんを総務会長にと言ってたようなのですが、古賀さんが是非と自らの要望で選対総局長を望まれたんだそうです。
 いろいろと思いがあるのだと思われます。
 特に閣僚ではなく党の役職は手腕こそが期待されるワケですし、まさに古賀さんにはうってつけだと思いますので、昨日やえが言いましたような選挙の腕を是非古賀さんには期待したいと思います。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 昨日行われました自民党総裁選挙ですが、蓋を開けてみると麻生さんがものすごく頑張ったと言える結果になりました。
 無記名投票なので正確には分かりませんが、だいたいの予想数を出してみると

 福田さん・・・議員票254+地方票76=合計330票
 麻生さん・・・議員票132+地方票65=合計197票

 という数がマスコミには出ています。
 麻生さん頑張りました。
 
 しかしこういう結果が出たにも関わらず、マスコミは相も変わらず「派閥政治だ」と言っています。
 一体これのどこが「派閥の締め付けによる結果」と言うのでしょうか?
 もし完全に派閥で締め付けていれば、麻生派は20人もいませんので麻生さんは推薦人20人も集められず立候補すら出来ないワケで、それだけでも現実は違います。
 また、前々から他派閥の一部の議員さん、例えば津島派である鳩山法務大臣などが、派閥を越えて麻生さんを応援すると公言していましたが、そういう人たちを含めた計算にしてみても、投票予想数と実際の投票数の結果はマスコミの全くの大外れの結果でしかありませんでした。
 議員票だけ見ると、その割合は「65対35」程度です。
 もちろんこの結果に一番驚いたのはマスコミです。
 つまりこれは、もはや派閥力学だけでは投票予想なんて出来ず、自民党は派閥力学だけでは語れないという表れと言えるでしょう。
 
 それを未だに「派閥力学選挙」なんてマスコミは言っているワケで、一体どういう根拠で言っているのでしょうか。
 ぜひ明確にどういう理由があってそう読んでいるのか根拠を示してもらいたいモノです。
 だいたいにして、投票前の予想もそんなのマスコミの勝手な予想にすぎず、それを「派閥力学」と言っているのもマスコミが勝手に言っていたに過ぎないモノです。
 勝手に予想して勝手にレッテルを貼って事実とは関係ないところで批判の材料を自分で作って他人を批判する。
 こんなの完全なマッチポンプですよね。
 
 まして、小泉チルドレンという特異事由があるにしても、無派閥の議員さんは71人もいるワケで、これは最大派閥清和会に次ぐ党内二番目の数となります。
 これだけの、派閥政治的に言えば「不安要素」が党内にはあり、さらにチルドレン達さえも福田支持に多く流れたとマスコミが言っていた中で、麻生さんが132票も取ったという事実に対して、どういう根拠で「派閥力学選挙」と呼ぶのか、やえには全く理解できません。
 「派閥力学」などという言葉はもはやマスコミの妄想脳内にしか存在しない概念としか言いようがないのではないでしょうか。
 もしそうでないなら、なぜ麻生さんが132票も取ったのか、「派閥の力」だけで説明をしていただきたいモノです。
 こんなのマスコミの悪意あるレッテル張りとしか言いようがありません。
 
 また後日詳しく書こうと思っていますが、派閥は派閥として存在理由があり、メリットもあるワケで、それを全て無視して存在を全否定するのはいかがなモノかと思いますし、派閥や色々な人の意見を聞きながら自分の意見を決めるというのも、それは人として当然のコトだと思います。
 そのような様々な理由を全てすっとばして、ただただイメージダウンを狙うようなレッテル張りは卑怯な行為だと言うしかほか無いでしょう。
 まして今回の総裁選は、「派閥力学選挙」とは言い難い結果も出ているワケですから、マスコミはまずはそこを改め反省して、正確に事実を伝えるよう努力すべきだと思います。
 
 
 
 追記
 
 どうも古賀さんは、今まであった選挙対策総局長という役職ではなく、新設された「選挙対策委員長」という役に就かれるようです。
 これは今まであった三役に匹敵する「四役」という形になるそうで、その権限も古賀さん本人曰く「総裁の直属機関」だそうなので、かなり大きいモノとなるでしょう。
 つまりこれは、今まで幹事長が担っていた選挙対策の多くの権限を選対委員長に移譲されるというコトであり、図らずもやえが先日更新しましたような古賀さんに最も期待する部分である選挙をそれ専門で担われるというコトですから、一層期待できるのではないかとやえは思います。
 どうぞ新四役の方々には、自民党の再建に頑張っていただきたいと思います。

 

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平成19年9月25日

 福田内閣組閣

 というワケで、福田内閣が組閣されました。
 蓋を開けてみれば予想以上に人事の変更が無く、顔ぶれが変わったという点で言えば、石破先生と渡海紀三朗先生だけという超小幅な変更となりました。
 正直なところ、鳩山さんや甘利さんなどの麻生応援組までそのままとは思いませんでした。
 何人か麻生派の人たちを入れるだろうとは思ってましたが、まさかそのまま留任とはかなり予想外です。
 また、福田選挙対策本部の本部長を務められていた橋本聖子先生が入閣されなかったというのも意外です。
 まぁこうやって見てみると、これが福田さんの福田さんらしいサプライズと言ってもいいのかもしれません。
 もちろんサプライズすればいいってモノではないですけどね。
 
 ほとんど変わらなかった顔ぶれの中、やはり注目なのは、石破先生の防衛大臣“新任”です。
 前回は防衛庁長官でしたから、防衛省となって防衛大臣となってからは新任となります。
 
 いままで石破さんについては当サイトでもよく取り上げてきましたが、国会議員の中では抜群の安全保障の問題や軍事の問題のスペシャリストです。
 石破さんが書かれた『国防』は、ぜひ読んでいただきたいとやえも勧める本のひとつです。
 そしてそのスペシャリストという評価は、まさに自他共に認めるコトでして、自民党内でも、その手の問題は石破に聞けと、半ば公然化してしまっています。
 自民党の防衛族の二大巨頭であり、もう一人は初代防衛大臣の久間章生先生なんですが、「軍事知識が無い人にも分かりやすく説明できる能力」というのは石破さんが飛び抜けているとやえは思いますので、例の独特の語り口で軍事の大切さをもっと国民に訴えていただきたいと期待していますし、さらに「強い自衛隊」を目指して手腕を発揮していただきたいと思っています。
 
 今国会の目玉は言うまでもなくテロ特措法です。
 基本的には外務大臣の所轄ですが、防衛大臣も負うところは少なくないでしょう。
 そういう点からも、テロ特措法の必要性を石破さんに訴えていただき、国民の目を覚まさせて、民主党の党利党略でしかない妨害行為を明らかにしてもらいたいです。
 
 とりあえずはこんなところでしょうか。
 福田内閣にはまずは党内を落ち着かせ、またマスコミの気持ち悪い雰囲気を打破して、じっくりと施策を前進させていただきたいと思います。
 
 
 あと、個人的な意見なんですが、やえ的には、メールマガジンを再開していただけるのかどうかが注目ではあります(笑)
 どうぞ再開を福田さんよろしくお願いいたします。
 

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平成19年9月26日

 給油活動も日本のため

 民主党や朝日系マスコミがあせってきたのか、最近にわかに「日本が給油した油をアメリカ軍がイラク活動でも使っている」という疑惑をあおり立て始めています。
 そして「テロ特措法はアフガニスタンへの活動を定めたモノであり、その範囲で給油された油がイラクで使われるのは違法」だというような論調によってテロ特措法に反対をしているワケです。
 まずはキチンとテロ特措法とイラク特措法を別物だと民主党や朝日が理解していたコトにまず驚きなんですが、まぁそれは置いておきましょう。
 
 この件について、安倍さん辞任でごたついていたためにちょっと前の記事になるのですが、コメント欄においていろいろと意見を情報をいただいているところなのですけど、そもそもこの件については前提が違うとやえは思います。
 
 まずそもそもの日本のあるべき姿勢というモノですが、日本のやるべきコトというは「給油をする」というコトであって、日本の感知する範囲はここで終わりです。
 日本の仕事は、アメリカの船に油を注ぐだけであり、その先アメリカ軍がその油をどう使うかというコトに関してまでは日本の責任範囲外と言えます。
 ですから、日本が入れた後にそれをアメリカがどう使うかなんてコトは、日本には関係のない話です。
 もちろん、もし本当にアメリカが意図的に悪意を持って油をイラクに使っていたら、それは日本としてはいい気持ちはしません。
 しませんので、なんらかの対応、抗議をするなり是正を求めるなり、必要ならすべきでしょう。
 しかしそれはその後の政府の責任においての対応であって、この段階ではテロ特措法の範囲外の話です。
 つまり、仮に本当にアメリカ軍が悪意ある流用をしていたとしても、それをもってテロ特措法の反対理由とはならないワケなのです。
 
 正直言いまして、日本人は情緒的になりすぎてしまっている部分があるように思います。
 民主党も急に「アフガニスタンのためにならない」とか言い出してますし、自民党やその支持者も「日本が活動するコトによってアフガニスタンのためになるんだ」という主張をもってテロ特措法に賛成している人もいます。
 しかしこれは違います。
 なぜ日本がテロ特措法を作り給油活動をし、言ってしまえば戦争に参加しているのかと言えば、それは日本のためになるからです。
 
 すなわち、日本が後方であれ戦争に参加すれば、それは他の国が日本を同じ戦いに参じる同志として見て、それは信頼に繋がりますし、また重要な役割を果たすことで国際的な発言力も高まり、そして日本軍はこれほどの力があるのだと誇示し他国に対して睨みをきかせるという効果も期待できます。
 特に自衛隊の紀律能力の高さは世界一と言っていいほどのモノがあり、他国軍から賞賛の声が上がる一方、裏では「戦ったらこわい」と思わせられているコトでしょう。
 日本は、このような効果を狙ってテロ特措法を制定し、自衛隊を海外に派兵したワケです。
 決してアフガニスタンの国家や国民に対しての100%の善意で自衛隊を出しているワケではないのです。
 結果的にアフガニスタンに利益が出るようなコトになっても、それは副産物でしかなく、もちろんアフガニスタンのためになるコトが日本のためになるコトも大きいので「アフガニスタンのため」という顔をするコトもあってもいいんですが、忘れてはならないのが一番の目的は日本のためというコトです。
 
 ここはどこまでもシビアに考えるべきだとやえは思っています。
 以前もそのような書き方をしたコトがあります

 前号の『SAPIO』にて小林よしりん先生はこんなことをおっしゃっていました。
 「日本のために「アメリカの若者よ死んでくれ。イラクの市民よ死んでくれ」と言うのでいいのか」
 これは今月の「朝まで生テレビ」でも同様のことをおっしゃっていました。
 
 うーん。
 やえはそこまでアメリカやイラクの人々に感情移入できないのですが。
 ハッキリと言っちゃいますけど、日本がそれで良くなるんだったらアメリカの人もイラクの人も死んでもらってかまわないです。
 やえは全く知らないアメリカ人やイラク人が死んだところで、いちいちそれを悲しむほど人類愛の境地には達していません。
 また、国際的な視野で見ても、やっぱり一番大切なのは日本ですから、長い目で見た時に日本の利になるのでしたら外国に害を及ぼしてもそれは全く問題ないと言えると思います。
 むしろ国際の場というモノはそもそもそういうところだったりします。

 もし本当にアフガニスタンのためを思うのであれば、むしろ自衛隊をアフガンまで派遣して、水や食事や毛布やドンジャカ送って、地震の時に活躍する仮設住宅でもドンドン建てて、建設業のノウハウでも教えて仕事が出来るように支援すると、ここまですればいいじゃないでしょうか。
 本当に100%の善意でアフガン国民のために尽くすというのでしたらですよ。
 でもここまではしないですよね。
 もしここまでやったら、「そこまでする必要があるのか」と必ず声が国内から出てくるでしょう。
 当然こんなコトする必要はありません。
 一国の軍隊を動かすのですから、そこに善意は全く必要ありません。
 必要なのは自国の利益、すなわち国益だけです。
 
 日本は自衛隊を出して、この「テロとの戦い」の一翼を担うコト、それが最も重要なコトなのであり、そしてテロ特措法はそのための法律であり、これにアメリカの黒い動きは関係ないのです。
 あればあったで日本は抗議等すればいいとは思いますが、しかしそれにテロとの戦いに参加するコトとそのためのテロ特措法は全く関係ないのです。
 一番大切なのは、テロとの戦いに参加したという事実です。
 テロ特措法は給油をするという事実までの話であり、その先それがどう使われるのか、テロ特措法とは関係ない話で、その議論はテロ特措法とは切り離して考える必要があるのです。
 

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平成19年9月28日

 弁護士の仕事は事実をねじ曲げてまで被告の利益を追求することか

 光市の母子殺人事件のお話です。
 最近一部では「弁護団はその職務を冷静に全うしているだけだ。それを罵倒しているのは感情論に過ぎない」と主張する人が出てきています。
 確かに世論の中には弁護士まで死刑にしろなどという、ちょっと公の場に公開するには不適切なモノもありますが、それでもやえは「弁護団批判は感情論」と切り捨てる批判も理解できないモノがあります。
 当サイトのスタンスとして、「世論の大部分が考えている方向とは違う考え方のモノを取り上げる」というところがありますので、「弁護団批判批判」のスタンスは理解できるのですが、しかしやえはそれを理解した上で、熟考えた上で、やっぱりそれには汲みできないと感じました。
 
 この問題については、かなり大局的な話になりましたが、この前長々と書きました
 今回は、もっとストレートにこの問題について、やえの被告弁護団への疑問を書いてみようと思います。
 
 やえの中で、なにが一番安田弁護士をはじめとする弁護団に対して理解できないのかと言えば、事実をねじ曲げてまで被告の利益を追求しようとするその様です。
 被告の弁護人が被告の利益を追求するという事実はやえは否定するつもりは毛頭ありませんし、前回も「弁護士として、弁護を受けた以上はどのような主張であれ最後まで依頼人を信じるというのは弁護士の基本行動なのでしょうし、そうしなければ裁判など行えないでしょう」と言いました。
 また法的にも重大裁判については弁護人がいなければ裁判が開けませんから、弁護士が弁護人として被告の弁護活動をし、できるだけ依頼人の利益を追求するという姿勢そのものについては、全く批判するつもりはありません。
 しかし今回の件については、中身が問題なワケです。
 弁護人が被告の利益を追求するために無罪を主張するのは構いませんが、しかしそのために事実をねじ曲げて、改竄してまで主張するというのは、社会正義として納得できないのです。
 
 被告とその弁護団は、いままで様々なトンデモ説を展開してきました。
 パッと思いつくだけでも
 
 ・被害者宅には訪問目的ではなく、ピンポンダッシュするためにチャイムを押した
 ・弥生さんには、レイプ目的ではなく、急に甘えたくなったので抱きついた
 ・弥生さんが暴れたので、口をふさごうとしようとしたら首を絞めてしまい死んでしまった
 ・弥生さんの死体をレイプ、つまり死姦したのは、生き返らせるための儀式を施しただけ
 ・長女の死体を押し入れに入れたのは、ドラえもんになんとかしてもらおうと思っていた
 
 これだけの、常軌を逸する論理を展開しています。
 
 まずこんな話、常識的な人間なら「ふざけるな」と言いたくなります。
 特に「口をふさごうとしたら首を絞めてしまった」なんて、こんなのはもはや「狂った人間の主張」ではなく、「豆腐で釘を打ち込んだ」というような人間科学的に不可能な屁理屈としか言いようがないワケで、ここにこれをそのまま主張する弁護人の常識と理性を疑うワケです。
 仮にも日本国内で最も取得が難しい資格のひとつである弁護士という肩書きを持つ人間が、「槍が空から降ってくる」などという手の主張を真面目な場においてしているその様は、弁護士の存在意義そのものを疑ってしまうかのような嫌悪感を覚えてしまうのはむしろ当然のコトでしょう。
 
 おそらく多くの人が憤りを感じているその一番の理由は、被告の態度の変節にあるのではないかと思います。
 誰がそう言わせているのか、本人が本気でそう思っているのかは分かりませんが、被告の言動はコロコロ変わります。
 被告は、弥生さんの死体をレイプ、つまり死姦したのは、生き返らせるための儀式を施しただけという主張をし、また長女の死体を押し入れに入れたのは、ドラえもんになんとかしてもらおうと思っていたという理由を明らかにしています。
 しかしこれが本当に最初からそう思っているのであれば、一審の時からそう主張しなければおかしいコトになります。
 なぜなら、この被告の行為は、悪意ではなくむしろ善意でそうしたワケなのですから、被告は「自分はいいコトをしたんだ」と、自分が思いもよらない罰を受けさせようとしている裁判所を含める勢力に対して声高らかに主張して誤解を解こうとしなければ主張は矛盾してしまいます。
 被告はレイプなんて行為はしていないハズです。
 あれは蘇生の儀式なのですから、性的な目的かどうかは初めから争点にすら本人の中ではならないハズなのです。
 例えば人工呼吸においてマウストゥーマウスを施した後に、「性的な目的でやったんだろ」と言われたとしたら、怒りこそすれ認める人間など存在しないでしょう。
 その時必死であるなら必死であるだけ怒りも強くなるのではないでしょうか。
 まして被害者に対してはじめから殺意はなく、甘えようと思った中での不幸な事故だと言っているワケで、その蘇生行為であるならその儀式行為の実在こそが殺意がなかった証明と言えるワケですから、本来この部分は一審からもっと主張し、むしろ主張の中心に置かなければ不自然だと言えるワケです。
 
 しかし被告は、近しい知人にこのような手紙も出しています。

 「犬がある日かわいい犬と出合った…そのまま『やっちゃった』…罪でしょうか」

 これのどこが儀式なのか、誰か本当に説明をしていただきたいものです。
 この手紙は一審である地方裁が終わった後に出されたモノです。
 もしこの部分が「自分は生き返らせようと思って弥生さんの死体と『やっちゃった』だけなのに…罪でしょうか」という感じの文章が書いてあれば、まだ主張の一貫性があると言えるワケですが、実際は真逆のコトしか書いてなかったのです
 
 多くの人はここに憤りを感じているのでしょう。
 被告は最初はこのようなふざけた極悪犯の模範解答をしていたのにも関わらず、いざ死刑の可能性が出てきたとなると、どこからともなく全国から弁護団が集まってきて、今までの主張も一転二転三転しまくった挙げ句に、この不自然さです。
 ここに、被告本人への侮蔑感は当然のコト、弁護団への嫌悪感を多くの人が募らせているのです。
 
 このように、被告の言動の事実すらねじ曲げてまで死刑を免れる行為に果たして正義はあるというのでしょうか。
 これすら「利益の追求」であり、弁護士の仕事だと言うのでしょうか。
 
 いったい弁護士は何のために仕事をしているのでしょうか。
 安田弁護士の弁護団は、「口をふさごうとしようとしたら首を絞めてしまい死んでしまった」というイッちゃっている理屈でもって、仮に本当に無罪や傷害致死になったとしたら、それで本当に満足するのでしょうか。
 そして本当にそれが事実だと信じられるのでしょうか。
 人間としての良心の呵責に苛まれないと心から言えるのでしょうか。
 
 と言うと、「それは感情論に過ぎず、弁護人は被告の利益を追求しているだけ」と言う人が出てくるのでしょう。
 しかしやえはそういう意味で言ったワケではありません。
 例えば「生き返らせの儀式のための死姦」だけを主張するのであれば、それは「魂の救済のためのポア」と同等の、主観の違いからくる主張であると言えるのですが、しかし「口をふさごうとしたら謝って首を絞めてしまった」などという主張は、これは事実の改竄です。
 試しに、いま他人の口をふさごうとしてみてください。
 今アナタの手はどんな形をしているでしょうか。
 おそらく、指と指の間がしまって、タマゴを持つように微妙に掌が丸まっている形になっていると思われます。
 そしてその手の形で果たして人の首を絞めるコトが可能で、まして死に至らしめるまでその形のまま力を入れるコトができるでしょうか。
 これには考え方とか主観とかという問題ではなく、現実として実行できない100%ウソでしかなく、よっていくら被告がそう主張してもそれを受ける弁護人がそのまま主張すべき内容ではありません。
 これが事実の改竄です。
 
 事実を改竄して結果的に罪が変わるという出来事を一般的になんと言うでしょうか。
 冤罪です。
 普通冤罪とは、無罪の人を有罪とするという意味ですが、事実を改竄し結果としての罰が変わるという意味においては、その構造は一般的な冤罪も今回の問題も変わるところはありません。
 つまり今回の弁護団は弁護士が自ら冤罪を作り出そうとしていると言えてしまうワケなのです。
 冤罪は、事実と違うコトで人の人生を狂わせるからこそ許されざる犯罪であるワケですが、今回のこのような主張すら許容してしまうのであれば、それは「罪が軽くなるというベクトルであれば冤罪も許される」なんて主張になってしまうワケで、こんな主張はあまりにも身勝手でしかありません。
 それは、結果が自分に有利であれば内容などどうでもいいという、ダブルスタンダードです。
 そして弁護したる者が、いくら自分の側に有利になるからといって事実をねじ曲げ冤罪行為に荷担するコトが、本当に正義であるのか、正しいコトなのか、弁護士として考えてもらいたいと思います。
 
 この事件の弁護団の“罪”がどんなモノであるかは前回の更新でじっくりしっかり述べました。
 その上で、それをさらに顕著にしているのが、この手のトンデモ論です。
 裁判制度上、加害者のための弁護士が必要であるというのは否定できないコトですし、安田弁護士はそのような道を歩んでこられたコトについては理解もできますが、他の事件はやえはよく存じ上げませんが少なくとも今回の件については、もやは常識をかなぐり捨て中身や事実や真実までをもかなぐり捨てて、ただただ結果だけを求めているようにしか見えません。
 そしてその結果の先には、完全な個人的理由、本来政治運動であるべき結果を、他人を犠牲にして求めているようにしか見えないワケなのです。
 それに対してやえはこう思うのです。
 
 場をわきまえなさい。
 

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平成19年10月2日

 公務員意識

 昨日ある人とこんなお話をしました。
 
 ある人「いつも仕事で商品の発送を郵便局に頼んでいるんだけどね」
 
 やえ「はい」
 
 ある人「だから会社に送付状をストックしてあるんだけど、今日もいつもの時間に郵便屋さんが来てね、発送してもらおうと思ったら、今日からその伝票使えないって言い出したのよ」
 
 やえ「ああ、それ多分、今日から民営化するからですよ」
 
 ある人「うん、そうなんだけどさー、それはいいんだけど、だったらさー、前もって伝票持ってこいよって話じゃない? 毎日毎日会社来て発送頼んでるんだからさー「ちゃーす。郵便局です。ご存じだとは思いますが来週から民営化されることになりまして、その際伝票が変わりますので持ってきました。10月1日からはこちらでお願いしますね」って言えばいいじゃないのよ」
 
 やえ「確かにそれはそうですね。新しい伝票になるコトぐらい郵便局員なら知ってるコトですし」
 
 ある人「そーでしょー。普通民間の企業だったら当たり前よねー。こんなんじゃ民営化したのに意味ないじゃないっ」
 
 やえ「あ、いや、そういう意識をつけるために民営化したワケですから、これからなんですよ」
 
 ある人「あ、そうか。そうよね。でももう何年も前から民営化するって分かってるし、公団化したわけだから、それぐらい出来ないのかと思っちゃうよ」
 
 やえ「公務員を甘くみちゃダメですよ。あの人達の常識はトンデモないですからね。公団職員に民間の常識を持てと言うのはもう無茶な話ですよ。無茶というか無理というか。別世界ですから」
 
 ある人「ええー、そうなの?」
 
 やえ「そうですよ。多分その郵便局員も「事前に持ってこい」と言われてはじめて「ああ、そうするコトがサービスに繋がるんだな」って気づいたんじゃないですかね。もうスタート地点の発想から違うんですから」
 
 ある人「むむう、そうなのかぁ」
 
 やえ「公務員は基本的に目の前の自分の書類を片付けるだけの発想しか出ないですからね。効率ではなく、コツコツと自分だけの目の前の仕事を片付けるコトだけが目標なんですよ」
 
 ある人「じゃあ、これからに期待するしかないのねぇ」
 
 やえ「そうしてあげてください。小泉さんも草葉の陰から見守っていますよ」
 
 ある人「まだ死んでないよー」
 
 
 話はちょっと変わるんですが、未だに年金問題を政府批判の材料としか考えていない人が多いワケですけど、これ本当に解決しようとするんだったら、どうしたら一番いいのでしょうか。
 
 社保庁のトンデモない実態はみなさんもよくご存じだと思います。
 最近全然聞かれない選挙キャッチフレーズだった「消えた5000万件」も、この数字や「消えた」という言葉はデタラメなんですが、これの原因を作ったのは職員の怠惰な仕事ぶりによって、昔の年金番号と今の年金番号の突合がほとんど出来ていないせいで出来てしまったワケです。
 また、内部情報を外部の人に流したり、さらに横領までも横行してしまっています。
 そしてこれらは、ほとんどは現場の人間が犯した罪です。
 特に最近さらに地方公共団体の職員による横領まで発覚し始めていますが、こんなの国会議員に防ぐ手だてなんてあるワケがありません。
 
 なぜこんなコトになってしまうのか、それはもう雰囲気というしかないのかもしれません。
 横領は普通に犯罪ですが、仕事をさぼって「消えた5000万件」を生み出したのは、もちろん労働組合との覚書もあるのですが、そういう雰囲気だったとしかいいようがないでしょう。
 まずいコトが起きても、それを誰も改善しようとはしない、指摘しようとしない、問題視すらしない、そんな雰囲気が蔓延していたワケです。
 「消えたなんちゃら」だって、実は労組幹部は早い段階に分かっていたそうなんですが、敢えて選挙の前の時期に出して政府批判の材料にしたワケで、もし安倍さんが社保庁の解体を目指さなかったら、いまでも未突合の年金番号は解決されないままだったでしょう。
 
 公務員独特の雰囲気は公務員のままではどうやっても晴らせません。
 そして公務員がぬるま湯だというコトだけは理解しています。
 公務員はそのぬるま湯につかる権限にしがみつくことにだけは全身全霊を傾け、ついに安倍内閣を討ち果たしてしまいましたが、でも、もはや社保庁と公務員のこの雰囲気を正常化させるには、公務員でなくすしかないとやえは思います。
 意識改革はそれでしかできないでしょう。
 
 こんなニュースを見つけました

 舛添厚労相発言:抗議文送った倉吉市長に激励メールや電話
 
 一方、東京都武蔵野市の邑上(むらかみ)守正市長も1日、舛添厚労相に「発言は市町村を含む年金行政全体への不信感を増幅しかねないもので、誠に遺憾」とする文書を送った。

 なんかやっぱりズレてますよね。
 「年金問題の適正の運用を徹底し、仮に横領等あれば断固厳しい対応で当たっていきます」ぐらい言えないのでしょうか。
 こういうところが、市長は本来政治家であるハズなんですが、公務員気質というか一般企業での社会常識が備わってないと言わざるを得ないところです。
 そういうのが分かんないんでしょうかね。
 
 分かんないんでしょうね。
 

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平成19年10月3日

 戦争を自国のために考えよう

 アメリカ追随とか、アメリカのポチとか、流行ってるじゃないですか。
 左も右も。
 アメリカ追随はダメだ、尻尾を振るだけが外交か、独自路線を示せ。
 このような感じで批判するワケです。
 
 しかし最近の、特にテロ特措法についての議論を聞いていると、果たして誰が一番ポチっているのか、やえはとても疑問なのです。
 
 今のテロ特措法の議論って、全部アメリカがらみばかりじゃないでしょうか。
 「どうせ“アメリカに”に命令されてやっているだけだろ」とか「日本が給油した油を“アメリカが”イラクで転用しているからダメだ」とか、小沢民主党などは「“アメリカが”主導しているからダメ」と言ってはばかりません。
 もともと気質的にアメリカが嫌いなヒダリの人も、いつもいつも言うコトは勇ましいいわゆる反米保守の人も、テロ特措法への言説はアメリカが基点となってはじまっています。
 
 正直やえはこの現状を情けないとしか言いようがありません。
 
 アメリカが嫌いだと言いながら、アメリカ追随はダメだと言いながら、しかしアメリカが存在しないと主張が組み立てられないのです、主張が出来ないのです。
 アメリカに反発しながら、アメリカに依存しているワケです。
 まるで反抗期の少年のように。
 
 どうして「日本のためにはどうすればいいのか」という視点で物事を語れないのでしょうか。
 
 例えば、アフガニスタン戦争は9.11同時多発テロから始まったワケですが、そこでは日本人も殺されています。
 また、あの建物は日系人の方の設計によるモノという縁もあります。
 この事実を前に、日本国家として、日本人として、どう考え、そしてどう行動すべきなのでしょうか。
 
 例えば、今世界は一体となってアフガニスタン問題にあたっています。
 アメリカやイギリスだけではなく、フランスやドイツ、また先進国でないパキスタンさえも、この問題に参加しているワケです。
 この事実を前に、世界トップの経済力を持ちそれなりの責任を背負わなければならない日本国家として、日本人として、どう考え、そしてどう行動すべきなのでしょうか。
 
 例えば、テロルに対して今後どのように対していけばいいのか考えなければならないハズです。
 テロルは時も場所も手段も選びません。
 確かに比較的日本は平和でありテロルの対象にもなりにくい、実際被害も出ていないワケですが、しかしそれが将来にわたって必ず保障されるモノでは決してありません。
 この事実を前に、なぜ日本がテロルの標的になりにくいのか、そして一方世界ではテロルが蔓延っている中において、日本国家として、日本人として、どう考え、そしてどう行動すべきなのでしょうか。
 
 アメリカアメリカ言っている間は、結局は最後はアメリカ頼りになってしまうでしょう。
 口とは裏腹に、いえ自分の言動こそがアメリカ追随の原動力になってしまっているのに気づかないままに。
 
 アメリカがどうと言うのではなく、日本という母国に視点を置いて、日本が主体的にどうすべきなのか、それを今考えるべきだとやえは思います。
 

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平成19年10月4日

 福田メールマガジン創刊準備号レビュー

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      福田内閣メールマガジン(創刊準備号 2007/10/04)     
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 ★☆ 福田内閣発足 ☆★
 福田総理が、所信表明演説を行った様子をご覧いただけます。
 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1421.html
 
 [はじめまして、福田康夫です。どうぞよろしく。]
 
 「政治家も役人も信用できない。」
 そうした国民の皆さんの不信の声を、私は、今、率直に受け止めています。
 
 ああああああああ、福田総理はじめまして。
 ・・・確かメルマガレビューでは初めてですよね?
 あれ?
 官房長官時代にお会いしましたっけ???
 
 ええと、とにかく、総理としてははじめましてー(笑)
 というか、もしかしたらメルマガは終わっちゃうんじゃないかと心配していました。
 
 メルマガ? そんなの不要ですよフフン
 
 とか言っちゃいそうだったもので(笑)
 とりあえず安心しました。
 木曜恒例のレビューもこれで安泰です。
 
 国民の皆さんの信頼なくしては、どのような立派な政策も実現できません。皆さんから信頼されるように、よい政策を実現するよう、一生懸命やっていく覚悟です。
 「信頼」を取り戻す名案はありません。
 国民の皆さんの気持ちになって、必要な政策を一つひとつ丁寧に積み重ね、さらに、その政策を皆さんに理解していただくことが、大事であると思います。そのためには、お寄せいただくご意見が大変重要であり、皆さんとの対話を重ねていきたいと考えております。
 
 準備号から飛ばしています、福田さん。
 まずはこれが福田カラーですね。
 世論を自らの手で引っ張り込んだ小泉さん、頑なに政策にこだわった安倍さん、そして世論に歩調を合わせようとする福田さん、です。
 それが成功したかどうかはそれぞれ様々ですが、とにかく今は、気持ち悪い空気の払拭と、落ち着いた政治を期待したいとやえは思っています。
 
 そうした思いから、小泉元総理、安倍前総理と続けたメールマガジンは、福田内閣においても引き継ぎます。
 メールマガジンは、皆さん一人ひとりとのホットラインです。色々なご意見やできごとなどを、是非ともお聞かせください。皆さんとの双方向の対話の場として育てていきたいと願っております。
 
 やえ的には、あまり国民本位的すぎる姿勢というのは国民を甘やかしすぎだとは思うんですが、しかしまぁ政治家の立場であれば、国民を立てなければならないというのも仕方ないコトなのでしょう。
 ただ、メルマガの続投はもちろん大歓迎です。
 メルマガは、マスコミの悪意ある切り取りやメチャクチャな解釈が入らない、生の声を聞くコトができますから、国民はこれこそ自分で読んで自分で判断してもらいたいです。
 そして、福田さんの人柄と、丁寧な態度によって、信頼を得られるよう頑張っていただきたいですね。
 
 どうぞ、来週からよろしくお願いします。
 
 
 [編集長のひとこと]
 官房副長官の大野松茂です。福田内閣メールマガジンの編集長を務めることとなりました。総編集長は福田総理ご自身が務めます。どうぞよろしくお願いいたします。
 総理はこれまでの内閣メルマガに寄せられた皆さんのご意見や評価をご覧になったうえで、福田内閣らしいメルマガを企画するように、との指示をされています。
 
 まつしげ先生はおひさしぶりでーす。
 前回、はじめましてでさようならって感じでしたが、まつしげ先生も再任なさったのですね。
 おめでとうございます。
 どうぞ末永くお付き合いできますよう、がんばってください。
 
 このメルマガでは、毎週、総理や各大臣に登場願うほか、全国の各地で頑張っている方々の生の声や魅力的な取組をお届けしたいと考えています。地方の再生は、福田内閣の重要な課題。ご期待ください。
 このメルマガを内閣と皆さんの対話の場として充実したものにしたいと思います。ご意見、ご感想をご遠慮なくお寄せ下さい。(まつしげ)

 
 はいー。
 やえもだいぶ長い間レビューをさせていただいておりますが、もちろん大臣さんの生の声も面白いですけど、一般の人の“ならでは”の声がすごく面白いんですよね。
 正直、小泉さんや安倍さんとはやっぱり福田さんはカラーが違いますから、今後どのようなメルマガになるのかとても期待しています。
 どうぞ来週からよろしくお願いします。
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、フフンを応援しています。
 
 フフン
 

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平成19年10月8日

 煽動報道

 今日はこのニュースです。
 長くなりますが、敢えてほぼ全文を引用させていただきます。

 中小企業向け退職金制度、49万人分・365億円が未払い
 
 厚生労働省が所管する独立行政法人「勤労者退職金共済機構」の中小企業退職金共済制度で、計49万2251人分、約365億9000万円の退職金が未払いとなっていることが3日、衆院本会議での長妻昭氏(民主)の質問で明らかになった。
 福田首相は事実関係を認め、「(制度などの)改善を図っていく」と答弁した。
 同制度は、退職金制度を持たない中小企業が任意に同機構と契約し、雇用する従業員を加入させる仕組み。企業が従業員1人当たり月5000円〜3万円の掛け金を納め、国からの掛け金の助成も加え、積立金を運用するなどして、従業員の退職時に一時金として支給している。
 未払い額は、制度が始まった1959年度〜2006年度末までの累計額。同機構は、06年度末までに計855万6027人分の約5兆8221億2800万円の退職金を支給した。
 厚労省は未払い問題について、「以前から事実は把握していた」としている。
 未払いが起こるのは、公的年金と同様に、退職金の支払いにあたって、従業員本人からの請求に基づく「請求主義」をとっているためだ。同機構は、従業員が退職後3か月以上請求してこない場合、請求手続きをとるように企業に通知を出すなどの通知を行ってきたが、従業員の住所は把握しておらず、従業員に直接通知できない状況という。
 このため、企業と従業員の連絡がうまくいかないと、退職金制度を知らないまま退職し、請求しない可能性がある。
 中小企業退職金共済法は、退職後5年以上請求がなかった退職金は「時効」として、従業員に受け取る権利が無くなると規定している。だが、「請求を忘れていた」「請求の仕方がわからなかった」などの理由があれば、時効を過ぎた退職金も支払いに応じているという。

 このニュースをパッと見たとき、果たしてどのような感想を持つでしょうか。
 おそらく「またか」というような感想を持つ人が多いのではないかと思います。
 つまり「年金未払い問題」と同種の、公的機関や役人が仕事をさぼって国民への支払いを滞らせていた、というような感想でしょう。
 
 ではこの記事を読んで下さい。

 請求漏れで366億円時効=中小企業退職金共済で49万人分
 
 中小企業向け退職金積立制度の中小企業退職金共済(中退共)で、2006年度までに49万2251人が退職金の支払いを請求しないまま時効(退職後5年)になっていることが3日、分かった。時効になった退職金は合計365億9000万円に上る。中退共を運営する厚生労働省所管の独立行政法人「勤労者退職金共済機構」は時効後も請求があれば支払いに応じている。

 実はじっくり本文を読むと、たいした違いはないのですが、上記のは読売新聞の記事で、今のは共同通信の記事なのですけど、この両者どこが一番違うでしょうか。
 それはタイトルです。
 この問題に対し、読売は「未払い」と表現し、共同は「請求漏れ」と表現しているワケです。
 新聞等を読む際にはタイトルだけを読む人が少なくなく、またタイトルこそが記事の内容を要約している決め手とも言える存在ですので、共同の記事を読んだときの第一印象は、読売の記事を読んだときとけっこう違ってくるのではないでしょうか。
 つまり、「未払い」なら中小企業退職金共済(中退共)がさぼっていたように感じますが、しかし「請求漏れ」なら請求しなかった方が問題があるのではないかと、そう思うからです。
 そして、よくよく記事の中身を読むと、むしろ読売の方が内容は充実しているのですが、本来この記事のタイトルには「請求漏れ」と表現する方が正しいというコトが分かると思います。
 
 日本に限らず、多くの国家では「請求主義」を採っています。
 これは国民の側からまずアクションを起こさなければ物事が動かないという仕組みで、この退職金の件でも、おそらく書類か何かを中退共に届けるコトによって退職金支払いが発生するという流れであるのだと思われます。
 最近、請求主義に対して異議を唱える人が増えてきましたが、しかし基本的に国民全てが対象である事案に対して政府側からひとつひとつアクションを起こしていたそれこそとんでもなく手間がかかるワケですし、そもそも国家にとって国民は「お客様」ではなく一員であるというのが本来の姿です。
 最近の日本人は自分を「お客様」だと勘違いしている人が多いようですが、国家とは国民ひとりひとりみんなが一緒に作り上げるモノであって、それは特に民主主義なら国家の大前提であるワケであり、本来は「国家が国民のためになにをするのか」ではなく「国民が日本という国をどうつくるのか」という視点に立たなければならないのですから、国家の一員として最低限自分の身の回りのコトぐらい自分でアクションを起こしなさいと言うのは普通であり当たり前の話であるワケなのです。
 寝っ転がっていればなんでも国がやってくれるというようなニート根性では国家は成り立ちません。
 
 その前提を踏まえれば、読売の記事はなにやら「福田首相は事実関係を認め」とか「厚労省は未払い問題について、「以前から事実は把握していた」としている」とか言って政府が全部悪いかのごとく印象操作をしていますが、実際のシステムの流れを正しく把握すれば、全く中退共には落ち度がないコトが分かります。
 
 簡単な話です。
 退職金をもらう資格を持っている人が請求しなかったから払わなかった、いえ払えなかった、と言うのが正しく、それ以上も以下もありません。
 システム上、そのように作られているのですから、それがあるべき姿です。
 システム的に請求されなければお金が出ないというコトになっているのですから、もしそれを越えて出してしまうのはそれこそ問題行為ですし、中退共はその職務に忠実に従っただけの話です。
 ただそれだけの話なのです。
 
 その上で、中退共はさらに踏み込んで、時効を過ぎていても支払うと言っていたり、また請求手続きをとるように企業に通知を出していたりしているようです。
 これは、通知を出すだけでもお金はかかるのに、それでもそのように国民により良い“サービス”を提供していたと表現するのが妥当な行為でしょう。
 これは、落ち度が無いというよりも、最善以上の仕事をしていたと評価するべき事案ではないでしょうか。
 
 読売は批判のための批判をしているようにしか思えません。
 通知を出していたコトに対して、なにやら、企業にしか通知をしておらず実際に受け取る従業員には通知していなかったからダメだ、と言わんばかりの書き方をしていますが、これは滅茶苦茶な理論です。
 なぜなら記事にもありますように、この契約は「中退共と企業とが契約を結ぶもの」であり、かつ「任意の契約」であるからです。
 よって、中退共としては直接の契約者である企業に連絡を取るのが当たり前であり、もしかしたらそれ以上のコトをするならば越権的行為であるとも言えるでしょう。
 同様に、「企業と従業員の連絡がうまくいかないと、退職金制度を知らないまま退職し、請求しない可能性がある」と読売は書いていますが、それは企業が従業員に説明をしなかったのか悪いのであって、中退共には関係のない話です。
 さも記事では中退共が従業員に説明をしなかったのが悪いんだと言いたげですが、しかし中退共は個人ではなく企業と契約を結んでいるワケなのですから、従業員に説明する義務があるのは企業です。
 中退共には責任はありません。
 
 このようになんら中退共には落ち度はないのです。
 本来記事にするコトすら間違いであると言える出来事でしょう。
 
 読売は、年金の問題にかこつけてついでに叩いてやろうと、そんな程度のノリでこの記事を書いたようにしか思えません。
 この記事をよく読めば制度をそれなりに正確に把握できるハズなのに、それを書いた記者がどうして恣意的な内容に仕立て上げ、タイトルも読み手を一定の方向に煽動するような書き方をするのでしょうか。
 悪意があるようにしかやえには思えません。
 
 また、民主党の長妻議員も、このような全く落ち度のない機構までを“利用”し、政府批判の材料を創り出している、そう、不正を“発見”したのではなく、“創り出している”のです。
 これは、正しく政府の業務を遂行しようとしている福田さんの足を引っ張り行為でしかないと言えるでしょう。
 政府批判のためなら、全く落ち度のない機構まで利用して、その材料に民主党や長妻議員はするワケです。
 そしてその一端を担っているのがマスコミなワケです。
 民主党がなんでもないところに火をつけ、マスコミがその火を煽って煙を国民にまき散らし、ボヤですらなかった出来事を大火事のように見せ立て創り上げるのです。
 最低ですね。
 

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平成19年10月9日

 年金は、宙に浮いてるが、消えてはいない

 未だに勘違いというか、民主党に乗せられたままというか、もしかしたら分かってて恣意的に政府批判のために使っている人もいるのかもしれませんが、間違った認識を持っている人が少なくない今日はこのニュースです。

 「消えた年金」1件あたり5万円弱 社保庁サンプル調査結果
 
 年金記録紛失問題で、基礎年金番号に未統合の年金記録約5000万件のうち氏名のない記録約524万件の1件あたりの保険料額は5万円弱だったことが9日、社会保険庁のサンプル調査で分かった。5000万件にそのまま換算すると「消えた年金」の保険料総額は約2兆3600億円に上ることになる。
 社保庁は同日の民主党厚生労働・総務部門合同会議で、東京社会保険事務局で実施したサンプル調査(150件分)の結果を明らかにした。
 それによると、150件の保険料総額は5527カ月分、708万1966円。1件あたりでは約36.8カ月分、約4万7200円だった。

 昨日と同じセリフになりますけど、このニュースをパッと見たとき、果たしてどのような感想を持つでしょうか。
 というか、もともと「消えた5000万件の年金」とは何を指しているのか、これを正しく理解しているかどうかによって、このニュースを読んでの受ける印象は大きく変わってくると思われます。
 
 もし「消えた5000万件の年金」を間違って認識している人は、おそらくこのニュースを読んで「2兆3600億円ものお金が社保庁と政府・自民党のせいで消えてしまった」と感じるでしょう。
 元々「消えた年金」なんて言うぐらいですから、さらに輪を掛けて2兆3600億円なんて巨額の金額を出されたら、これはもう大変なコトだと思わずにいられないのも、分からなくもありません。
 しかしですね、それは全くの誤解というか、嘘っぱちもいいところなのです。
 
 いかに「消えた年金」という言葉に惑わされて、この問題に対して根本から誤解している人でも、このニュースをじっくり読めばそれが誤解だと気づくハズです。
 この部分をよく読んでみてください。

 150件の保険料総額は5527カ月分、708万1966円

 もしかしたらこれではやえが何が言いたいのかよく分からないかもしれません。
 この記事はちょっと恣意的ですからね。
 ではこっちの記事を読んでみてください。
 この部分です。

 150件の総納付月数は5527カ月で保険料総額708万1966円

 単語の問題です。
 間違いではないのですが、上の産経の記事では「保険料総額」と書いてあって、これがなにを示すかちょっと分かりにくいですので、毎日の記事の「総納付月数」という単語に置き換えてみてください。
 そうです。
 この708万円という数字は「納付金額」を示しているのです。
 もっと分かりやすく言いましょう。
 納付金額とは払ったお金です。
 すなわち、約2兆3600億円という数字は(もっともこの数字もあまり正確ではないようですが)、5000万件の年金番号が今まで払ったお金の合計金額という意味なのです。
 社保庁かどこかが管理している年金にかかるお金の内、約2兆3600億円分はいわゆる「消えた5000万件」と言われる5000万件分の人が払ったお金であるというコトが指し示しめされたという事実を、今回の調査で分かったとこの記事は伝えているワケなのです。
 
 さてそれを踏まえて、それでもまだ「約2兆3600億円という大金が消えた」と言うでしょうか。
 言いませんね。
 そもそも「消えた年金」という表現が嘘っぱちなのです。
 
 この問題で言う「5000万件」という数字は、これは誰のモノか分からなくなってしまっている年金番号の量を指し示しています。
 社保庁がずさんな仕事をしていたのは今まで何度も言ってきましたが、そのせいで年金番号はひとりに何個も作られてしまっています。
 例えばあまおちという人物に対して11111という年金番号と22222という年金番号の2種類を過去にいつの間にか出してしまい、コンピューターへの移行作業かなにかの時に11111はあまおちさんのと確認したのに22222はその確認をせずにほったらかしにしてしまい、22222は誰のモノか分からなくなってしまったと、具体的にはそういうコトです。
 そして、その22222という番号がいわゆる「5000万件」のうちの一件であるワケなのです。
 
 ですから、いかにも支払われるべき年金に使われるお金が消え去ってしまっているような印象を与える「消えた年金」などという表現は、全く不適当なワケです。
 この問題に関しては、なんら消えたモノはありません。
 約2兆3600億円という大金も、誰に対してどのように使えばいいのか分からなくなってしまっていますが、しかし存在は確実にしていているワケで、年金番号が正しくひとりひとりにひとつずつ割り触れられれば、それだけでこの2兆3600億円というお金は適切に使われるようになるコトでしょう。
 お金自体はまったく実態として変わるモノではないのです。
 ただ「名前がつくかどうか」だけの問題なのです。
 
 もちろん社保庁がとんでもない組織であるコトには変わりありません。
 この「迷子の5000万件」という問題も、当然本来はあるまじき姿であるのはその通りです。
 しかしだからといって、いたずらに「消える」などという単語を使い国民の不安を与えるのは、ただ単に年金問題を解決したいのではなく政府批判の材料にしたいだけの態度と言わざるを得ないでしょう。
 そして年金制度の一番の今の問題は、国民が年金を納付しないという問題であり、その原因の一端はこのような恣意的な報道などによって不安を煽ったマスコミであるワケです。
 もちろん年金を払わない国民自身が一番悪いのは言うまでもありませんが、「消えた消えた」と騒ぎ立てるだけ騒ぎ立てて、「虚構の年金問題」を作り上げ、選挙活動に利用したマスコミと民主党、そしてそれに乗った一部の国民こそが、年金制度の根本を揺るがす存在だとやえは思います。
 
 最初の産経の記事もそうなのですが、ではいったい「何が消えた」のか、ハッキリと明確に答えてもらいたいモノです。
 社保庁がとんでもない組織であり、また横領や、ずさんな管理をしていたのはその通りですが、それはそれで別の問題としてひとつひとつを丁寧に対応していかなければなりません。
 横領は横領で、いま舛添大臣が憤慨しているように、法的措置などでキッチリと責任を取ってもらえばいいワケですし、またずさんな管理は安倍内閣の時に法案を通したように社保庁の解体等が始まるでしょうからそれで立て直しが図られると思います。
 もしそれで足りなければ、さらに追加の対策をしていけばいいワケです。
 労組なんかに負けないようにですね。
 そしてそれらは別々の問題であり、決して「消えた5000万件の年金」などと、実体のない選挙用スローガンでまとめていい問題ではありません。
 それはむしろ解決から遠ざける結果にしかならないでしょう。
 
 社保庁がトンデモないコトは確かですが、だからと言って年金問題の事実を歪めていいワケでは決してありません。
 批判するにも事実を正しく把握してからしてもらいたいモノです。
 

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平成19年10月10日

 検察・警察、そして裁判所の傲慢

 今日はオレがこのニュースに関して、一言言いたいことがあるので、聞いて欲しい。

 再審判決:強姦逮捕から5年半ぶり無罪確定 富山
 
 富山県警に強姦(ごうかん)などの容疑で逮捕され、服役後に冤罪(えんざい)と分かった柳原浩さん(40)の再審判決公判が10日、富山地裁高岡支部であった。藤田敏裁判長は「被告人が各犯行の犯人でないことは明らか」として、求刑通り無罪を言い渡した。検察は同日、上訴権を放棄し、逮捕から5年半ぶりに無罪が確定した。柳原さんは、拘置・服役期間の刑事補償を12月にも同支部に請求した後、国と県を相手取って国家賠償請求訴訟を起こす方針。
 
 「納得いかない」。富山地裁高岡支部で10日あった富山冤罪事件の判決公判。逮捕から5年半ぶりに無罪判決を手にした柳原浩さん(40)は、ぶぜんとした表情を浮かべた。再審には、自らが「容疑者」「犯人」とされた理由の解明こそを望んだ。この日の法廷で得たものは、わずか10分で読み上げられた判決と、心に響かない藤田敏裁判長の付言だけ。柳原さんの声は、またも司法に届かなかった。
 午後3時。紺のスーツ姿で入廷した柳原さんは被告席に着き、緊張をほぐすように肩を1度回した。裁判長が読み上げる判決を、じっと座って聴き入った。判決は、不適切な捜査には触れず、誤審への謝罪もなかった。

 この事件の詳しい経緯等は記事などを読んでもらいたい。
 問題は、検察・警察や裁判所の態度である。
 法廷外では、つまり口だけでは何度も謝っているフリをしているのだろうが、結局公的な場である裁判という場においては一度も冤罪の被害者である柳原浩さんに謝罪は無かったようだ。
 これはもう傲慢以外何物でもない。
 
 冤罪は犯罪である。
 法治国家では最も忌むべき犯罪である。
 しかし、警察も検察も裁判所も、この最も犯してはならない犯罪である冤罪の加害者になっているという自覚が全くないと言わざるを得ない。
 
 そう、警察や検察や裁判所は、加害者なのである。
 決して捜査の結果に不幸にして起きてしまった事故などでは全くない。
 意図的ではないにせよ、しかし少なくとも過失による犯罪を、警察や検察や裁判所は加害者として犯しているのである。
 この意識がこいつらには全くない。
 
 つまりこいつらは、自分らの仕事については、結果がどうなろうと絶対に正義の位置にいると頭から決めつけ、それ以外の存在になることを絶対に認めようとしないわけだ。
 いや認めようとしないだけでなく、そういう立場になったとしても、それを自らの権力を利用して否定するわけだ。
 ここがこわい。
 自分たちは絶対正義の立場にあるから、それが高じると、自分たちは何をしても許されるという思考になり、さらには自分たちの行動こそが正義だと勘違いするようになる。
 今回の冤罪事件はまさにそれで、自白の強要も、警官はそれが正義の行動と疑わずに行ったのだろう。
 どんな形であれ、事件を裁判所に持って行き結審されるコトが正義だと思い込んでしまっているからだ。
 そしてそれは裁判官も同様で、中身の議論などそっちのけで、ただただ裁判を終わらせて、事件を解決したと形づけることだけに腐心したのである。
 内容ではない。
 行動がイコールで正義となってしまっているのである。
 
 タイムリーな話題で言えば、ミャンマーの軍事政権なんて、まさにこういう思考パータンでの行動であろう。
 実際に暴力で権力を奪った軍事政権も、まさか自分のことを悪だとは思っていまい。
 むしろ自分たちは正しいんだと、正義の行動をしたんだと、祖国のために命を張っている自分たちが絶対正義だと、心の底から思い込んでいることだろう。
 自分が犯罪の加害者になっていることなんて、想像もつかないのである。
 
 こういう考え方は、いまの日本の法曹界にはびこっているような気がしてならない。
 例の光市母子殺害事件の被告への大弁護団の件では、最近一部からは弁護団バッシングへの批判も出てきているが、それは「弁護士が依頼人の権利を擁護する行為の何が悪いんだ」というものであるのだ。
 しかしこれはあまりにも的外れである。
 職務を全うすれば、それだけで自分は正義であり、何物にも批判される筋合いがないと言い放ってしまう考え方は危険であり間違っている。
 弁護団へのバッシングは、弁護士の行動についてのバッシングではない。
 弁護の中身へのバッシングなのである。
 言い換えれば、被告の利益を守るためには何をしてもいいと思っているその精神へのバッシングなわけである。
 被告の利益を守るために、嘘八百を並び立て人間の尊厳を貶めることすら平気でしてしまう弁護団に対して、バッシングをいま国民から巻き起こっている。
 そしてその具体的な行動として、懲戒処分という手段を用いようとしているわけだ。
 しかしそれを批判する人間というのは、「職務を行っているだけ」という理由で批判をする。
 そして懲戒処分請求は正規の手続きであるのにも関わらず、「職務の妨げになる」という職務遂行絶対主義思想によって、それを批判しているわけだ。
 全く理解が出来ない。
 そんなに「職務の遂行」は絶対正義なのだろうか。
 「職務の遂行」は何者にも批判されないサンクチュアリなのだろうか。
 オレには、とても危険な考え方にしか思えない。
 
 検察と警察は、この件に関して、自白を強要した現場の人間は、これは当然刑法にすら触れる犯罪なので、刑事告発も含めた処分をしなければならないハズだ。
 そしてその犯罪の温床となった検察と警察の責任も軽くない。
 ひとりの何ら落ち度のない人間を不幸に陥れ、取り返しのつかない時間を奪い去り、最も犯してはならない犯罪を犯したその責任は、形として目に見えるようにとるべきで、とらなければならない。
 そして裁判所の責任はもっと重いと考える。
 公平公正の、検察とはまた違う立場で、第三者的に全てに対してまず疑ってかかるぐらいの目で案件を見るべき裁判所が、検察の“犯罪”を見抜けなかったのだから、無責任でいられるわけがない。
 建前的には、裁判所は常に正しくなければならない存在であるはずなのに、後になってから「間違えました」だけで本当に済まされるとでも思っているのだろうか。
 最低限、冤罪という犯罪が起きてしまった原因、自白の強要をした“犯人”を裁き、その温床となった検察警察の体質を厳しく糾弾し改善させ、そして裁判所自身がなぜ間違った判断を下したのかその原因を事細かく明らかにするのが最低限の義務だろう。
 さらに言えば、この間違った判決を下した裁判官は、もう二度と裁判に関わらないような処分を下すようオレは望む。
 
 しかしそれらを放棄し、ただただ「職務を全うしただけで、結果的に不幸なことになってしまった」ぐらいにしか考えていない裁判所のこの態度は、法治国家として危険であるとしか言いようがない。
 日本の法曹界は「絶対正義病」「批判者は悪認定病」にかかっているようにしか見えない。

 

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平成19年10月11日

 福田メルマガレビュー

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       福田内閣メールマガジン(創刊号 2007/10/11)      
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 ★☆ 福田内閣メールマガジン創刊!! ☆★
 
 [福田康夫です。あっという間の1週間でした。]
 
 福田康夫です。あっという間の1週間でした。
 本会議での代表質問から始まり、予算委員会での質疑と、連日、国会審議での答弁の日々を送っています。
 
 こんにちは、福田さん。
 前代未聞の、一国会二回目の所信表明も無事終わりまして、本格審議がはじまりました。
 そして福田さん、歴代最長という記録はお持ちですが、大臣経験が官房長官しかされておられませんでしたので、国会答弁にはちょっと心配を僭越ながらしていたのですが、なにがなにが、相変わらずの福田節で安心しました。
 
 私が答弁している姿について、皆さんから「棒読み」や「早口で聞きにくい」といったご意見をいただきました。一つ一つの質問に丁寧にお答えしようと一生懸命でしたが、国民の皆さんにご理解いただくことが何よりも大切。今後、できるだけ気をつけて、分かりやすく答弁していきたいと思います。
 
 それが福田節だとやえは思うんですけどね。
 まぁ丁寧がテーマの福田内閣としては、そういう細かいところにも配慮が必要というコトでしょうか。
 しかしやえは、福田さんの独特の語り口である「〜〜と思いますよ↑」という言い方を、国会答弁でもしていたので、なんだかちょっとおかしくなっちゃいました。
 どこでも自分のペースを崩さないというのは、それはとても大切であり、なかなか難しいコトですよね。
 
  このほかにも、先週のメルマガに対して、合計で1000ものご感想やご意見をいただきました。どうもありがとうございました。中でも、国民の皆さんの信頼を取り戻したい、との私の思いに対しては、多くの皆さんからアドバイスをいただきました。
 
 「何事も隠さず、説明すること」
 「間違いがあれば、行いをただすこと」
 「社会的に弱い立場の人たちが、普通の生活をできるようにすること」
 
 「情報を隠す」、「従来の立場に固執する」、そして、「上からの目線」。政治や行政に対する皆さんのもっているイメージが、大変厳しいことを改めて感じさせられました。やはり、こうした当然のことを一つ一つ当然としてやっていくことが、信頼を回復するための道であると思います。
 
 うーん。
 やえなんかは、国民が図に乗りすぎなんじゃないかと思っちゃいますけど、それを福田さんは受け止めて実行されるとおっしゃいます。
 例えば、なんでも情報を公開すればいいっていうモノでもないと思うんですよ。
 極端な例で言えば、軍事機密とかですね、軍隊大嫌いっ子はそれすら公開させようとして自衛隊の崩壊を狙っているフシがありますが、そういう精査は必要だと思います。
 また政治資金の公開問題もですね、仮に国民がもっと賢いのであれば全面公開もいいとは思うのですが、現状では無理だとやえは思います。
 本当に国家のために必要かどうか、日本の政治のために必要かどうかで政治を考えるべきでなのですが、政治には黒い部分も必要だというコトを理解しない出来ない人、イメージだけで善悪を決めてしまう人がまだまだ多い日本においては、全面公開はしない方がいい、してしまうと国家のコトを考えればマイナスにしかならないと思いますので、やえは反対です。
 
 あと「従来の立場に固執する」っていうのが、ちょっといまいちよく分かりません。
 それって国民こそがそうじゃないんですか?
 あと民主党とその母体である労組こそがまさに立場に固執ですよね。
 社保庁解体法案に自治労の身分を守るために反対したのは民主党なんですから。
 
 一方で、総理就任についてのお祝いのメールや、「引き続き改革の断行を」といった激励のメールも、たくさんいただきました。忙しい日々の中、とても勇気づけられました。本当にありがとうございました。
 
 案外マスコミ調査の支持率が高くてびっくりしていたりするんですが、まぁあまりそういうのは気にせずに頑張っていただきたいと思います。
 時には支持率を根拠に解散しろとか、今は選挙を経てないから解散しろとか、なんだか批判の基準がメチャクチャで、例えば今まで民主党はマスコミの世論調査によってケチをつけていたんですから、50%を超える支持率を得た福田内閣は「信任を得た」と民主党的には言えると思うのですが、いまさらですが民主党は矛盾しまくりなんですよね。
 そもそも議院内閣制の制度によって今政治が行われているのですから、それに基づいてしっかりと福田さんは総理の職責を全うしていただきたいと思います。
 落ち着いた政治をお願いしたいと思います。
 
 いよいよ今号から、この福田内閣メールマガジンも正式に創刊されることとなりました。今後の意気込みなど各大臣からのごあいさつもありますので、皆さんにお楽しみいただければ幸いです。是非ともご意見、ご感想をお寄せ下さい。
 
 はい。
 これからどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 今週号は、大臣に新任された方と、役職が変わられた方が寄稿なさっています。
 今回は代表して、石破防衛大臣の寄稿をレビューしたいと思います。
 
 
 (防衛大臣 石破茂(いしば しげる))
 
 防衛省・自衛隊は、国民国家の最後の拠り所であるからこそ、日本国中のありとあらゆる組織から、「防衛省・自衛隊のようであれ」と言われる組織でなければなりません。
 日本国の独立と平和のために、国際の平和と安全のために、今日一日何ができたのか、どれだけ進んだのか、一人一人が省みて、これだけのことをやったと満足して退庁する、そういう組織でありたいと考えます。
 
 おひさしぶりです、石破さん。
 大臣就任おめでとうございます。
 この混乱した状況の中で、しかもテロ特措法という日本の今後の防衛にとって最も重要な問題を前にした時、石破さんこそ陣頭指揮を執る人物にふさわしい人はいらしゃらないとやえは思います。
 石破さんは常々、隊員さんに誇りを持てるような意識改革を口にしていらっしゃいますよね。
 今まで日本の戦後民主主義のせいで、むしろ自衛隊員は差別の対象であったとすら言える理不尽な扱いを受けていたワケですが、しかし国家において軍隊に誇りを持てないような国は普通の国とは言えないワケです。
 そもそも日本の自衛隊は世界一倫理観を持っている紀律が最も取れている軍隊であると断言できる存在です。
 国内においても国外においても、おっしゃるように「防衛省・自衛隊のようであれ」と言われるような組織に作り上げていただきたいと、期待しています。
 
 我が国に何ができて何ができないのか、論理的に検証し、法制、装備、運用、日米同盟、国際協力全ての面から、実効性のある防衛力を整備することこそ私の使命と心得ます。
 
 石破さんは軍人ではなく政治家です。
 政治家として、日本に益をもたらす軍隊を組織してください。
 改革するというコトは、外からも中からも激しい抵抗や批判等が巻き起こりますが、石破さんのあの独特の語り口と表情で、野党も国民も説き伏せていただきたいと思います。
 
 
 [編集長のひとこと]
 創刊準備号に対して、皆さんからさっそく1700件を超えるご意見をいただきました。ありがとうございます。
 今週号では、福田内閣の閣僚を身近に感じていただけるよう、新任された4閣僚全員からのメッセージを掲載しています。来週号からは、各閣僚が一人ずつ登場して、抱負や政策課題にどう取り組むかなどを語ります。
 
 はい。
 やえも出来るだけじっくりとレビューしたいと思っています。
 
 9日には、地域活性化統合本部会合が開催されました。地方再生に向けた戦略を一元的に立案し、実行する体制を作り、地方再生のための構造改革を強力に進めます。このメルマガでは、来週号から、地方の生の声や魅力的な取組を紹介します。
 
 この前も言いましたように、大臣さんの生の声もとても面白いのですが、それ以上に現場の人の声がすごくおもしろいんですよね。
 やっぱり普段自分が接しない現場とか仕事っていうのは、当然ですが知らないコトが多いワケで、その中で苦労されるコトや期待するコトなど、そういうのは人それぞれ多岐にわたるワケで、そういう声を直接聞けるっていうのは、やえとしても色々と考えさせられ、ためになります。
 そして、やえもがんばろうって思うんですよね。
 
 福田内閣の閣僚が各地を訪れ、担当のテーマについて皆さんと語る対話の第1回を27日に開催します。今回は上川陽子大臣が少子化対策について皆さんと語ります。参加者の募集を行っていますので、ぜひお申し込みください。(まつしげ)
 ※ 参加申込みはこちらから
 http://www8.cao.go.jp/taiwa/participant.html
 
 これはタウンミーティングの代わりのモノでしょうか。
 大臣に直接話ができるというのは、なかなか貴重なコトでしょうから、興味のある方は申し込んでみたらどうでしょうか。
 ただ批判だけをするのではなく、建設的な意見をするように、そういう会にしてもらいたいですね。
 
 まつしげ先生も、いろいろと大変でしょうけど、これからどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、・・・福田さんってキャッチフレーズがないですね・・・ええと、背水の陣突破を応援しています。
 

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平成19年10月13日

 人権擁護法案一問一答集 −立ち入り調査−

 Q6.結局立ち入り調査はどんな場面で使われるの?
 
 A.立ち入り調査が行われる場面は限られていて、どんな場面でも行われるワケではありません。
 人権擁護法案には、立ち入り調査を以下の場合において行えると規定されています。
 
 【虐待】
 【公務・業務上において職務における差別的な取扱い】
 【特定個人への属性を理由とする差別的言動があり、その相手が不快だと表明した場合】
 【特定個人への職務上の地位を利用したセクハラがあり、その相手が不快だと表明した場合】
 【部落名鑑やそれに類する文書の公開】
 【お店の人などが人種等の属性を理由として不当な取扱いをする意志を表示すること】
 
 
 では、具体的に詳しく法案を見ていきましょう。
 
 立ち入り調査が規定されている条文は第四十四条です。

 (特別調査)
 第四十四条
 人権委員会は、第四十二条第一項第一号から第三号までに規定する人権侵害(同項第一号中第三条第一項第一号ハに規定する不当な差別的取扱い及び第四十二条第一項第二号中労働者に対する職場における不当な差別的言動等を除く。)又は前条に規定する行為(以下この項において「当該人権侵害等」という。)に係る事件について必要な調査をするため、次に掲げる処分をすることができる。
 
 一 事件の関係者に出頭を求め、質問すること。
 二 当該人権侵害等に関係のある文書その他の物件の所持人に対し、その提出を求め、又は提出された文書その他の物件を留め置くこと。
 三 当該人権侵害等が現に行われ、又は行われた疑いがあると認める場所に立ち入り、文書その他の物件を検査し、又は関係者に質問すること。
 
 2 人権委員会は、委員又は事務局の職員に、前項の処分を行わせることができる。
 3 前項の規定により人権委員会の委員又は事務局の職員に立入検査をさせる場合においては、当該委員又は職員に身分を示す証明書を携帯させ、関係者に提示させなければならない。
 4 第一項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 発動条件の部分だけを簡単に抜き出しますと「第四十二条第一項第一号から第三号までに規定する人権侵害、又は前条に規定する行為」となります。
 なお「前条」とは、43条のコトを指し示します。
 
 では次に「第四十二条第一項第一号から第三号」を見てみましょう。

 (不当な差別、虐待等に対する救済措置)
 第四十二条
 一 第三条第一項第一号に規定する不当な差別的取扱い
 
 二 次に掲げる不当な差別的言動等
  イ 第三条第一項第二号イに規定する不当な差別的言動であって、相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの
  ロ 第三条第一項第二号ロに規定する性的な言動であって、相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの
 
 三 次に掲げる虐待
  イ 国又は地方公共団体の公権力の行使に当たる職員が、その職務を行うについてする次に掲げる虐待
   (1) 人の身体に外傷が生じ、又は生ずるおそれのある暴行を加えること。
   (2) 人にその意に反してわいせつな行為をすること又は人をしてその意に反してわいせつな行為をさせること。
   (3) 人の生命又は身体を保護する責任を負う場合において、その保護を著しく怠り、その生命又は身体の安全を害すること。
   (4) 人に著しい心理的外傷を与える言動をすること。
  ロ 社会福祉施設、医療施設その他これらに類する施設を管理する者又はその職員その他の従業者が、その施設に入所し、又は入院している者に対してするイ(1)から(4)までに掲げる虐待
  ハ 学校その他これに類する施設を管理する者又はその職員その他の従業者が、その学生、生徒、児童若しくは幼児又はその施設に通所し、若しくは入所している者に対してするイ(1)から(4)までに掲げる虐待
  ニ 児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条に規定する児童虐待
  ホ 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。次号において同じ。)の一方が、他方に対してするイ(1)から(4)までに掲げる虐待
  ヘ 高齢者(六十五歳以上の者をいう。)若しくは障害を有する者(以下この号において「高齢者・障害者」という。)の同居者又は高齢者・障害者の扶養、介護その他の支援をすべき者が、当該高齢者・障害者に対してするイ(1)から(4)までに掲げる虐待

 とっても長くなりましたが、少しずつ順番に見ていきましょう。
 
 まず第一号(一の部分です)ですが、なんとここにきて、さらに「第三条第一項第一号」という引用が出てきてしまいます。
 この辺が法文の難しさなんですが、まずはここは後回しにしましょう。
 そして第二号も同様ですので後回しです。
 
 で、第三号なんですが、ここもいろいろと長ったらしいのですけど、一言で「虐待」と言っておけばいいと思います
 イロハニホヘでは、その具体的な加害者と対象を書いているワケですが、分かりやすいところを例えば、ハやニは教員による学生や児童に対する虐待ですし、ホは配偶者に対する虐待すなわちDVですね、ヘは介護虐待を示していますように、これら全てはいわゆる虐待ですので、そこまで条文を解読する必要はないでしょう。
 
 というワケで、まず立ち入り調査の発動の条件の1つに【虐待】があるとここに定められているコトになります。
 
 
 では戻りまして、第一号を見てみましょう。
 第一号には「第三条第一項第一号に規定する不当な差別的取扱い」とありますので、今度は第三条を見なくてはなりません。

 (人権侵害等の禁止)
 第三条
 何人も、他人に対し、次に掲げる行為その他の人権侵害をしてはならない。
 
 一  次に掲げる不当な差別的取扱い
  イ  国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する者としての立場において人種等を理由としてする不当な差別的取扱い
  ロ  業として対価を得て物品、不動産、権利又は役務を提供する者としての立場において人種等を理由としてする不当な差別的取扱い

 まず(イ)ですが、これは読めばすぐ分かりますように、公務員に対する規定です。
 公務員が公務中に公務上において差別的な取扱いをしてはならないという規定です。
 
 次に(ロ)ですが、今度は「お店の人」に対する規定です。
 つまり、仕事中に職務上において差別的な取扱いをしてはならないという規定です。
 簡単に言うと、「アナタは黒人ですのでこの商品はお売りできません」という類のコトはやってはならない、という内容です。
 
 以上、2つ目の立ち入り検査発動の条件としては、「第四十二条第一項第一号」である「第三条第一項第一号」の規定により、【公務・業務上において職務における差別的な取扱い】となります
 
 
 ではまた42条に戻りまして、最後に残りました第二号について見ていきましょう。
 42条の中ではここが一番複雑ですので、もう一度、第四十二条第一項第二号を書き出します。

 二 次に掲げる不当な差別的言動等
  イ 第三条第一項第二号イに規定する不当な差別的言動であって、相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの
  ロ 第三条第一項第二号ロに規定する性的な言動であって、相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの

 この2号は、別の条を引用しつつさらに条件をつけているという文章になっているので、ちょっとややこしいコトになっているんですね。
 ですのて、さらに「第三条第一項第二号イ」を引用しなければなりません。

 イ 特定の者に対し、その者の有する人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動

 よって、第四十二条第一項第二号イとつなぎ合わせますと

 特定の者に対し、その者の有する人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動であって、相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの

 という文章になります。
 
 ポイントは「特定の者」と「人種等の属性を理由としてする不当な差別的言動」と「相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの」の3つです。
 まず「特定の者」ですが、これはつまり不特定多数への言動は当てはまらないコトになります。
 例えば「北朝鮮人は○○だ」というような言い方ではここには該当しません。
 
 次に「属性を理由としてする不当な差別的言動」ですが、これはつまり単に差別と言っても種類を限定しているコトになります。
 人権擁護法案における「人種等」というモノにはちゃんと規定がありまして、第二条第五項に当たります。

 5 この法律において「人種等」とは、人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向をいう。

 そしてこれらを「理由としてする不当な差別的言動」ですので、その言動にはこれらの属性が発信源となるような物言いでなければなりません。
 例えば昨日紹介しましたブログにあった漫画のような「外国人が主人公に勝負で負けるシーンのある漫画の所持」というモノは全く関係がありません。
 仮に「外国人が主人公に勝負で負けるシーンのある漫画を“描いた”」であっても、勝負に負けるという行為は外国人という属性には関係ない話ですので、この条項には当てはまりません
 
 最後に「相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの」ですが、わざわざ第三条の法文だけでなくこれをつけたという意味というのは、おそらく「被害者が申告する必要がある」というコトを示したいのではないかと思われます。
 逆に言いますと、相手が不快と思わなければこの条文には当てはまらない、というコトになります。
 つまり、該当するためには相手がまず「不快である」と言わなければならない、というコトなんだろうと思います。
 よって、人権委員会が独自に判断して、例えば「あまおちはエタヒニンのろくでなしだ」という書き込みがあったとしても、それだけをもって人権委員会が立ち入り調査を始めるというコトはないというコトです。
 仮にあまおちさんが「( ´_ゝ`)フーン」と言ってしまえば、少なくともこの条文には当てはまらないコトになり、立ち入り調査を始める口実にはならないコトになりますからね。
 
 以上まとめますと、3つ目の立ち入り調査の発動条件としては【特定個人への属性を理由とする差別的言動があり、その相手が不快だと表明した場合】となります
 
 
 
 (つづく)
 

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平成19年10月15日

 人権擁護法案一問一答集 −立ち入り調査− (後半)

 ごめんなさい、先日は前半で切る部分を間違えてしまいました。
 ちょっとテンポが変ですが、後半をどうぞ。
 
 
 
 では次に(ロ)です。
 (イ)と同様に、他の条の条文とくっつけた形で引用します。

 特定の者に対し、職務上の地位を利用し、その者の意に反してする性的な言動であって、相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの

 ここのポイントは「職務上の地位を利用し」と「性的な言動」と「相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの」です。
 まず一番大切なのは、この(ロ)は「性的な差別」だけを取り扱っているという点です。
 つまり、(ロ)だけを見ても、「あまおちはエタヒニンのろくでなしだ」という言葉は該当しないコトになります。
 また、「職務上の地位を利用し」というのも大切です。
 ただの友達関係での性的な差別は、ここの対象外です。
 
 まとめますと、「職務上の地位を利用した性的な言動差別」ですから、これを簡単に言いますと、セクハラですよね。
 例えば、電車の中での痴漢行為は、この条項には当てはまらないコトになります。
 当然刑法の法には触れる犯罪ですが。
 そしてこちらの方にも「相手を不快にさせるもの」という条文が入っていますように、つまりはですね、セクハラ的な言動であっても相手が嫌がってなければ、少なくとも立ち入り調査は行われないコトになります。
 スカートめくりをしても、まいっちんぐマチコ先生のような人相手なら、この条項には該当しないのです。
 
 以上、立ち入り調査の発動条件としては【特定個人への職務上の地位を利用したセクハラがあり、その相手が不快だと表明した場合】となります
 
 
 だいぶ長くなりましたが、これでやっと第四十四条に定める発動の2つの項目のうち「第四十二条第一項第一号から第三号」の部分の説明が終わりました。
 頑張って次の「前条(43条)に規定する行為」について見ていきましょう。
 
 第四十三条は、あるひとつのモノをねらい打ちした条文です。
 まずは引用しましょう。

 一 第三条第二項第一号に規定する行為であって、これを放置すれば当該不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発するおそれがあることが明らかであるもの
 
 二 第三条第二項第二号に規定する行為であって、これを放置すれば当該不当な差別的取扱いをする意思を表示した者が当該不当な差別的取扱いをするおそれがあることが明らかであるもの

 またまた該当部分の引用が必要になってしまいますね。
 第三条第二項の引用です。

 一 人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として前項第一号に規定する不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的で、当該不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を文書の頒布、掲示その他これらに類する方法で公然と摘示する行為
 
 二 人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として前項第一号に規定する不当な差別的取扱いをする意思を広告、掲示その他これらに類する方法で公然と表示する行為

 ごめんなさい、さらに「前項第一号」という指定が入ってしまいました。
 前項第一号とは、第三条第一項第一号の部分であり、最初の方に引用しました「公務員とお店の人が業務上に差別的な取扱いをしてはならない」という条項です。
 第四十三条一項の部分をまとめますと

 人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する者、業として対価を得て物品、不動産、権利又は役務を提供する者としての立場において人種等を理由としてする不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的で、当該不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を文書の頒布、掲示その他これらに類する方法で公然と摘示する行為を助長し、又は誘発するおそれがあることが明らかであるもの

 というコトになります。
 ちょっと難しい文章になってしまいました。
 しかし、さっき言いましたように、この部分はある存在をねらい打ちにした条文です。
 それは「部落名鑑」などと呼ばれるモノです。
 ひとつひとつ分解して解説していきましょう。
 
 まず「人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として」ですが、ポイントは「共通の属性を有する不特定多数の者に対して」という部分です。
 これは「部落民だ」というような感じの言動を指します。
 ただ「バカ」とか「アホ」といったような言葉ではなく、共通の属性を有する理由ですから、このようなあるカテゴリーを理由とする必要があるワケで、ここだけでかなり範囲が狭められていると言えるでしょう。
 
 次に「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する者、業として対価を得て物品、不動産、権利又は役務を提供する者としての立場において人種等を理由としてする不当な差別的取扱いをすることを助長し」ですが、これはもう説明しましたからいいですね。
 「公務員とお店の人が業務上に差別的な取扱いをしてはならない」という意味です。
 
 最後に「不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的で、当該不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を文書の頒布、掲示その他これらに類する方法で公然と摘示する行為を助長し、又は誘発するおそれがあることが明らかであるもの」を見てみましょう。
 長いですが、よく読んでみてください。
 「当該不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を文書」とありますように、この条項では「文書のようなモノ」で「公然と摘示する行為」が該当するコトになっています。
 では何を文章によって表明する行為がダメなのかと言えば、「当該不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報」です。
 これは「あそこの地域は○○という差別されている属性をもっている人の集まりだ」という情報の公開であるワケです。
 むしろそれ以外にはほとんど当てはまらない条文ですよね。
 
 このようなコトから、この条項に当てはまる存在というのは、まず部落名鑑ぐらいしか当てはまらないと言えます。
 他には「朝鮮人地域名鑑」なんてモノも、場合によっては当てはまる可能性はあります。
 そのためには、「公務員とお店の人が業務上に差別的な取扱いをしてしまいかねない文章」という条件が必要になってくるワケで、差別が明らかに目的な場合、例えば「この名簿を参考にしてここに住んでいるヤツは商品の売買を禁止しよう」などとまですれば、ここに該当するかと思います。
 結局は「不当な取扱い」をするかどうか、助長するかどうか、がポイントです
 また、これら以外であり得るとしたら、人種等には性的指向も含まれますので、「痴漢ビデオ所持者指名住所顔写真一覧表」なんてものがあったらアウトかもしれません。
 少なくとも現行法では「痴漢ビデオ」の所持そのものは合法であるワケですから、そのような性的指向を持っているという理由だけで、もしこの一覧表を見てJRや私鉄に「乗車拒否」をされそうなコトが明らかであれば、この文書の存在はこの条文に該当するコトになります。
 
 なお、間違えてはいけないのが、「痴漢犯罪者一覧表」ではないコトです。
 犯罪者は、これは犯罪を犯した者というカテゴリーであって、すでに「性的指向」を越えてますので、ここには該当しないと考えられます。
 つまり、そのような一覧を作って配布しても、少なくともこの法案には当てはまらないのではないかと思います。
 ただし、やえの考えでは、いくら犯罪者と言えども、刑に服し刑期を終えた後であれば、もはや犯罪者ではないのですから、痴漢的な性的指向を持っていたとしてもそれはやはり性的指向でしかないワケで、前科者というだけで差別的な取扱いをしてはならないと考えます。
 おそらく世論はそう考えないかもしれませんが。
 
 ちょっと話がそれましたが、まとめますと、立ち入り調査の発動条件としては、【部落名鑑やそれに類する文書の公開】となります。
 
 
 ついに最後です。
 残りの第四十三条第一項第二号の

 二 第三条第二項第二号に規定する行為であって、これを放置すれば当該不当な差別的取扱いをする意思を表示した者が当該不当な差別的取扱いをするおそれがあることが明らかであるもの

 です。
 では最初から、他の条を引用した形で引用します。

 人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として公務員とお店の人が業務上において差別的な取扱いをする意思を広告、掲示その他これらに類する方法で公然と表示する行為であって、これを放置すれば当該不当な差別的取扱いをする意思を表示した者が当該不当な差別的取扱いをするおそれがあることが明らかであるもの

 前号と似ている部分が多い文章ですが、違うところは「差別的取扱いをする意思を表示した者が当該不当な差別的取扱いをするおそれがあることが明らか」という、表示した人が実際に行動するという部分です。
 前号の場合は、「文書の頒布、掲示その他これらに類する方法で公然と摘示する行為」を禁止している、つまり部落名鑑を公開する行為を禁止しているワケですが、当号の場合は実際に「差別的取扱いをする意思を表示した者が差別的取扱いをするおそれがあることが明らかな場合」に該当するコトになります。
 簡単に言うと、「部落の人は入店お断り」という張り紙を貼り実際に入店させない、という場合が考えられるワケです。
 
 ここについて「では『朝鮮人お断り』はダメなのか」という意見がよくあるのですが、これはやえはダメだと思います。
 人権擁護法案の中でダメという意味ではなく、現在の憲法法律の中においてダメだと思います。
 つまりそれは差別だという意味です。
 と言うと「朝鮮人は部屋を滅茶苦茶にして貸し主が被害を被る」と実例を出したりする人がいるのですが、しかしそれは「朝鮮人がやった」のではなく「朝鮮籍を持っている、ある人間がやった」のです。
 悪いのはその個人です。
 ですので、当然その個人に対し損害賠償やもしくは刑事訴訟も視野に入れて対処すればいいと思いますが、しかしその例だけを持って朝鮮人全体に当てはめて不当な取扱いをしていいというコトにはなりません。
 また「キムチ臭い」という理由を挙げる人もいるようですが、ならば契約書に「キムチを漬けるコトの禁止」とでもつければいいでしょう。
 悪いのは朝鮮人ではなくキムチ臭なのですから。
 また、キムチには人権擁護法の定める「人種等」には該当しませんので、この法案だけを考えれば問題はないと言えます。
 
 まとめますと、立ち会い調査の発動条件としては、【お店の人などが人種等の属性を理由として不当な取扱いをする意志を表示すること】となります
 
 
 これで以上です。
 では最後に、もう一度条件をまとめましょう。
 立ち入り調査が発動するためには、以下のどれかに該当する必要があります。
 
 【虐待】
 【公務・業務上において職務における差別的な取扱い】
 【特定個人への属性を理由とする差別的言動があり、その相手が不快だと表明した場合】
 【特定個人への職務上の地位を利用したセクハラがあり、その相手が不快だと表明した場合】
 【部落名鑑やそれに類する文書の公開】
 【お店の人などが人種等の属性を理由として不当な取扱いをする意志を表示すること】
 
 よくこの法案の反対論として、「人権委員会が差別だと認定だけで立ち入り調査が行われる」という感じのコトを言っているところがありますが、これはかなり恣意的な書き方です。
 少なくとも立ち入り調査が行われる場合というのは、かなり“限定的な差別行為”だけを対象としています。
 そしてどれも、現行法下においてもかなり厳しい差別行為ですから、「この法案が通るととんでもない世の中になってしまう」と表現するのは、適切ではないと思います。
 

 

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