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平成20年11月17日

 国籍法改正についての考え方

 国籍法改正問題について、当サイトをリンクしていただいたり、参照していただいたりと、色々話が大きくなってきているようですが、ですのでここでいったん、今のところのやえのこの問題に対する考え方をまとめておこうと思います。
 この前お話ししたコトとかぶるところが多くなると思いますが、ご了承いただければと思います。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 さて。
 結局この国籍法の問題の争点は、結婚していない外国人の子であっても日本国籍が取れるようになるコトに関連して、その取得の際に偽装して日本国籍を取ろうとする輩があらわれる可能性があるので、その親子関係を証明するためにDNA鑑定を法律の中に盛り込め、という部分に集約できるかと思います。
 もっと簡単に言うと、法律の中に「DNA鑑定必須」という文言を入れろというのが、この法案に反対している人の主な主張であると言えるでしょう。
 よってやえも、今回は主にここに焦点を当ててお話をしたいと思います。
 
 ものすごく根本的なお話をします。
 当たり前すぎるお話ですが、偽装は犯罪です。
 許される行為ではありません。
 これは当然すぎるお話ですね。
 しかし、であるなら、この日本において偽装してもOKなんて言う人は、まぁ犯罪者を除いて、存在はしないと言えるでしょう。
 つまり、今のままの国籍法改正法案でも問題はないと言っている人でも、偽装を許そうなんて思っている人はひとりもいないというコトです。
 この法案は別に偽装が許されるようになるという法案では決してありません。
 どこをどう読んでも、偽装はダメとしか解釈できません。
 偽装は悪で、許してはならない犯罪であるというのは、どんな立場であったとしても当然の話です。
 
 となれば、結局この問題というのは、手段の問題です。
 偽装は許されないというのは当然の話なのですから、ではいかに偽装をさせないかという問題こそが本来の論点であるワケで、よってDNA鑑定を法に盛り込めという主張は、目的ではなく手段の問題を指し示していると言えるワケです。
 変な話、DNA鑑定をしても偽装できてしまったら、本来の「法で想定していない人間に対する国籍の付与を防ぐ」という大目的からは逸脱してしまうコトになるので、よってDNA鑑定そのものが目的ではないと言えるワケです。
 DNA鑑定を行うようにすればそれでちゃんちゃんなのではなく、DNA鑑定そのものが目的ではないというコトを忘れてはいけません。
 
 このDNA鑑定をするしないという問題は、運用の問題です。
 そもそも今回の国籍法改正の本義は、今まで国籍を与えていなかった人に対して条件が整えば与えましょうというところでありますので、偽装を見抜くかどうかという問題は手続き上の手法の問題なのですから、やはりこれは運用の問題であって、つまり行政の問題です。
 行政手続きの中で役所は、悪意を持ってこの制度を悪用しようとする偽装に対して、それを見破るよう努力する義務があります。
 というか、こんなのは国籍法に限らず、当たり前の話ですよね。
 ですからやえは、行政の段階において偽装を極力無くそうとする目的をもってDNA鑑定をするというコトには全く反対ではありません。
 予算や他にも様々な問題があろうかと思いますが、それらをクリアした上でDNA鑑定をするコト自体には、やえは全く問題はないと思っています。
 
 しかしそれを立法行為の中に求めるのが妥当なのかどうかというところが、やえはちょっと疑問なのです。
 これは日本の法律の体系のお話になるのですが、DNA鑑定を法律に記載するコトは、あまり法律というモノにはそぐわないのではないかと思うからです。
 
 一般的に法というと法律のコトを指し示しますが、日本国において国民が生活する上で存在する規則のようなモノは、法律だけに限りません。
 例えば他には憲法がありますが、憲法は法律と比べてかなり大まかな決まり事だけを記載しています。
 憲法には国会議員は選挙によって決めると定められていますが、しかし選挙に関する憲法の記載はこれだけしかなく、では具体的にどのような手続きを経て選挙となるのかというのは、法律である公職選挙法に書かれています。
 衆議院議員の定数は何人とする等ですね。
 しかし実は、公職選挙法だけではまだまだ具体性が足りません。
 これを補完するために、憲法と法律だけではなく、さらにその下に位置づけられている、省令や規則などと呼ばれるモノが存在します。
 そのひとつである内閣(内閣府ではありません)が制定している公職選挙法施行令というモノには、法律である公職選挙法だけではカバーされていない、さらに細かい決まり事がいろいろと書かれています。
 ご興味のある方はこちらを読んでみて下さい
 さらにさらに、その下には各省庁が定める省令(選挙に関することなら総務省が定めている公職選挙法施行規則等)と呼ばれるモノや、もっと下の規則(同様に、各都道府県市町村選挙管理委員会が定める公職選挙法等施行規程等)と呼ばれるモノなどあります。
 日本における公職の選挙におけるルールとは、憲法や法律だけでなく、政令や省令や規則なども合わせ、数多くの法律以外の決まり事が存在するコトで、これら全てによって形作られているワケなのです。
 もちろんこれは選挙に関する決まり事だけではなく、あらゆる決まり事も同様であり、このように日本には様々なレベルによる数多くの決まり事が存在しているのです。
 
 これらの決まり事を、法律を併せてまとめて法令と呼びます。
 
 お役所仕事と言えばそうなのですが、やはり国の仕組みを規定する以上、細かいコトまで規定しなければ巨大な組織は動きませんし、また法網の目をくぐり抜けようとする輩が出てきますので、どこかでなんとかして文章によって規定しなければいけなくなります。
 例えば、選挙によっては選挙期間中にビラを配布するコトができる選挙(国政選挙や知事選挙など)があるのですが、その配布方法は法律と制令によって定められています。
 そして公職選挙法では、ビラの配布方法を新聞の折り込みだけを明言していて、他の方法は政令で定められるコトになっています。

 公職選挙法第142条
 6  第一項第一号から第三号まで及び第五号から第七号まで、第二項並びに第三項のビラは、新聞折込みその他政令で定める方法によらなければ、頒布することができない

 では他にきどのようなビラの配布方法があるのかと言えば、政令を見れば明言されています。

 公職選挙法施行令第109条
 六  法第百四十二条第六項 に規定する政令で定める方法は、次の各号に掲げるビラの区分に応じ、当該各号に定める方法とする。
 一  法第百四十二条第一項第一号 のビラ 次に掲げる方法
 イ 当該ビラに係る候補者の選挙事務所内、個人演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布
 ロ イの候補者を届け出た候補者届出政党の選挙事務所内、政党演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布
 ハ ロの候補者届出政党である衆議院名簿届出政党等の選挙事務所内、政党等演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布
 ニ イの候補者が所属する衆議院名簿届出政党等(法第八十六条第七項 (同条第八項 においてその例によることとされる場合を含む。)の規定により当該候補者が所属するものとして記載された政党その他の政治団体に限る。)の選挙事務所内、政党等演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布

 これだけでなく、この省令にはあとこの3倍ぐらいの文章で、配布方法が定められています。
 正直読む気がしません(笑)
 しかしこのようにキチンと定めておかないと、極端な話、ヘリコプターなどで空からビラをまくなんて迷惑きわまりない方法をとってもOKという解釈になりかねませんから、やはり規定は必要なワケです。
 
 このように、日本の決まり事、法体系とは、憲法と法律だけでなく、その他の方法による法令によって定められており、これら全体でもって日本の国家としての形を作っているワケなのです。
 
 国籍法の話に戻しますが、もしDNA鑑定が必要であるとした場合であっても、それは行政が行う運用の問題であり、すなわちそれは行政の、もっと言うと役人を縛る規則であると言えるでしょう。
 であるならば、これは改正手続きがめんどくさい法律で縛る必要はあまりなく、省令や規則、もっと言うと、厳密には法令ではない訓令でも十分ではないかと思うのです。
 訓令とは省庁等の長、主に大臣とかがその行政機関や職員を対象として業務に関する命令を行うコトで、当然ですが職員はこの訓令に逆らうコトを許されていません。
 ですからもしどうしてもDNA鑑定が偽装防止に必要と結論づけられるなら、この訓令でも十分であると言えるのです。
 
 逆に言えば、法律で定めるのは縛りが強すぎるとも言えます。
 もし科学技術が発展して、DNA鑑定より迅速で正確な親子関係を証明する方法が確立されたとしても、法律で規定されていては、絶対にDNA鑑定を行わなければならなくなります。
 これはちょっと本末転倒ですね。
 またDNA鑑定と一言で言っても、かなり簡易なモノから、それなりに時間をかけて正確性を期すモノまで様々あり、DNA鑑定と一言規定すれば安心とは決してならないでしょう。
 となければどうしてももっと細かい規定が必要になるワケで、やはり法律だけにこれを求めてもあまり意味のないコトだと言えるのではないでしょうか。
 
 行政が禁止事項以外の範囲内で最大限努力するというのは当然の話です。
 例えば、殺人は言うまでもなく犯罪ですが、それを防ぐために警察の行動をどこまで規定するかという話と同じで、場合によっては警官は拳銃を発砲しなければならない場面も出でくるでしょうけど、しかし犯人がどういう行動を取れば拳銃を発砲していいかという問題を法律にまで定める必要があるのかどうかはまた別問題です。
 もし警官が殺人を現場にいながら防げなかったら、何をやっていたんだと批判されて当然でしょう。
 しかしそれを、法律に発砲基準が書かれていなかったからだと言うのは、それはちょっとズレてると言わざるを得ません。
 法に書かれていようがいまいが、犯罪を防ぐとう努力するのは当たり前の話なのです。
 まぁたまにものすごい細かいところまで書いている法律もあるコトはありますので、どうしてもと言うなら法律のDNA鑑定を記載してもいいとは思います。
 思いますが、書かいてないから反対という言い方も、ちょっとどうなのかと思わずにはいらないワケなのです。
 
 最初にも言いましたように、これは運用の問題であって行政の問題ですから、ようは行政がどのように犯罪を食い止めるのかという問題です。
 方法の問題です。
 DNA鑑定はその方法の一手段に過ぎず、他にも数ある鑑定方法のひとつに過ぎないワケです。
 やえは、国籍や戸籍に関する行政手段については詳しくないので具体的に今後どのような方法がとられるかはちょっと分かりませんが、犯罪が起きないよう努力するのは行政として当然の話ですから、今後行政は努力するのは当たり前のコトだと思っています。
 ですから立法行為の問題とはちょっと外れると言えるでしょう。
 やえは、行政に対してこれからどのように偽装を防止していくのかを求めるのは自然だと思いますし、仮に行政が偽装を看破できないという事態がありましたら、役所は何をやっているんだと責められて当然だと思います。
 もし現行のこの手の行政手続きに詳しくてそれでは生ぬるいとお考え方は、ぜひ行政に手段をもっと正確性が高い手段に改めるように主張して頂ければと思います。
 
 繰り返しますが、DNA鑑定は、手段であって目的ではありません。
 DNA鑑定を法律に記載するコトはゴールではありません。
 ゴールは、(どのような手段であっても)偽装されない、妥当な人間だけに妥当に日本国籍を与える仕組みのあり方です。
 本来資格がない人間に国籍を与えるようなコトは許されませんし、そもそもそれを悪意を持って実行しようとする輩が一番言語道断です。
 そういう事態に陥らないように、現実的に冷静に考えていきたいですね。
 

平成20年11月18日

 法案の中身はどこで見れる?

 ご存じの方も多いかと思いますが、本日の衆議院本会議において、国籍法改正法案が全会一致で可決されました。
 まだ参議院での審議が残っていますので法案成立ではありませんが、まぁ各党共産党も含めて賛成しているので、法案成立は時間の問題でしょう。
 前回言いましたように、やえは立法のレベルではこれは問題があるようには思えませんので、別にふつうの国会だったと思います。
 ただまぁ、法案の中身についてはこれ以上手を入れようとは思いませんが、政治や行政の観点から、もうちょっとやえが言えるコトはあると思いますので、もうちょっとだけ引き続きこの問題に関連した更新は続けていこうと思っています。
 よろしくお願いします。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 今日は、一行で頂きましたご質問にお答えしようと思います。
 お返事が遅くなってごめんなさい。
 
 自分で国籍法改正案読んでみようかと思ったけど見つからない。こういう情報はどこをあたると良いですか?
 
 で、この手の法案文ですが、まず、正式に議院に法案が提出されれば、必ずサイトに載せるコトになっています。
 法案は衆議院と参議院両方に同時には提出されませんので、まずどちらかに先に提出されます。
 実際のところほとんどは衆議院が先に提出されますから、基本的には衆議院のサイトを見れば早いでしょう。
 そして、衆議院サイトの「議案」というところに、提出された法案の文章と、また現在衆議院ではどのような扱いになっているのかという情報を見るコトが出来ます。
 ちなみに、国籍法改正法案はこちらです。
 
 また、政府提出法案でしたら、その法案を作成した省庁のサイトで法案文を載せているコトもあります。
 今回の国籍法改正案で言えば、これは法務省が所轄ですから、法務省のサイトの「国会提出法案など」で見るコトが出来ます。
 ただし、議員立法の場合は、提出者が役所ではありませんから、役所のサイトを見ても載っていないません。
 もちろんこの場合も、提出されれば議院のサイトに載りますので、衆議院か参議院のサイトで探してみてください。
  
 しかし一点だけ注意がありまして、どの法案にしても、おそらく議院に提出してからのサイト公開となると思います(特に衆議院や参議院のサイトは当然)ので、提出前に法案を見るコトは難しいかと思います。
 
 これはちょっとしたマメ情報ですが、衆議院もしくは参議院のサイトには、提出された法案を載せるというコトですから、必ずしも成立した法案ばかりではなく、提出された法案は全て載っているます。
 例えば人権擁護法案は未だに成立していない案件ですが、しかし実際過去に衆議院に提出されたコトがありましたので、衆議院のサイトにはこの法案の内容が今でも見るコトが出来ます。
 このように成立されなくてもサイトには残り続けていますすから、過去どのような法案がどの政党から提出されたのかというコトを調べる時には便利です。
 さらに、成立した法案を調べると、その法案に賛成した会派(≒政党)と反対した会派も載っていますので、これもちょっと便利です。
 
 法文はかなりややこしい書き方をしているので、最初はちょっと読むのに手間取るかもしれませんが、当サイトの人権擁護法案の特設サイトをご覧になって頂ければ分かるように、頑張れば日本語なのですから読めますので、もし法律に対する主張があるのであれば、ぜひ読んでみて下さい。
 

平成20年11月19日

 全会一致ってなに?

 昨日、国籍法改正法案が衆議院にして可決されましたが、その際、採決が「全会一致」だったコトに対して、どういう仕組みなのか疑問に思っている人がけっこういるようです。
 また一部自民党議員が採決の前に本会議場を退席したらしく、それも含めて、「一体全会一致ってどういう意味だろう」と思っている人もいるんじゃないでしょうか。
 というワケで、簡単に解説をしたいと思います。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーこざいます。
 
 まず本会議における採決の方法が実は3種類あるというところから説明しなければなりません。
 これは衆議院と参議院と微妙に違うのですが、今日はとりあえず衆議院だけを説明します。
 その3種類は、以下の通りです。
 
 1.起立採決
 2.記名採決
 3.意義の有無を取る採決
 
 1は分かりやすいですね。
 賛成の人は起立し、反対の人は座ったままで、どちらが多いかを見分けるという採決の方法です。
 この光景は見たコトあるという人も多いのではないでしょうか。
 この採択方法では、一応どの議員さんが賛成もしくは反対したのかというコトは見れば分かりますが、けっこう立っている間の時間は短いため、また過去において立ったり座ったりごまかす議員さんがいたりしたコトもありますので、ちょっとあやふやであるという部分も含みます。
 しかし短時間で採決ができ、与野党で対応か別れても可決か否決かは分かりますので、もしかしたら一番多く使われている採択方法かもしれません。
 
 2もよくテレビで見ると思います。
 賛成の人は「白票」を、反対の人は「青票」を、ひとりずつ本会議場の正面の演壇にいる職員に渡して採決する方法です。
 この採決をとる場合、事前に議員さんには自分の名前が書かれている白い木札=白票と、青い木札=青票が配られていて、そのどちらか1つを投票するコトになります。
 木札には自分の名前が書かれていますので、どの議員さんが賛成を投じたのか反対を投じたのか明確に分かるというシステムです。
 また票を渡すときに、木札の色と、渡す職員が賛成用職員と反対用職員の2人に分かれているためにどちらの職員に木札を渡したかで賛成か反対かが分かりますから、もし“造反”をするとその場で一目瞭然で分かるワケで、郵政法案の時はこれを見て野党側から大きな拍手が巻き起こっていたワケです。
 しかし、衆議院では480人がひとりひとりがわざわざ移動して投票しますので、とても時間がかかってしまうというデメリットがあります。
 このデメリットを悪用したのが、かの牛歩戦術ですね。
 この採択方法は、特に重要な法案などを採択する時に採られる方法です。
 
 3はもしかしたらあまり馴染みがないかもしれません。
 というのも、この場面を見ても採決をとっている風には見えないかもしれないからです。
 そして今回の国籍法改正法案はこの方法で採られました。
 この採択方法は、まず議長が
 
 「この件を可決するにご異議ありませんか?」
 
 と議場に向かって発言します。
 そして基本的には全ての議員さんが
 
 「異議なし」
 
 と言います。
 これで終わりです。
 もちろん異議がないのですから、議長の言う通りに可決した(まずありませんが「否決するにご異議ありませんか」と動議する可能性もあります)コトになります。
 「全会一致」とは、この採択方法により、全ての議員はこの件に関して異議が無いと確認を取るワケですので、これをもって全ての議員が賛成したと言えるワケです。
 これが「異議の有無を採る採決」です。
 だいたい「全会一致」と言われる場合は、この採択方法を採られた時に出る言葉です。
 
 では次に、どうしてこのような3パターンがあるのかを解説します。
 
 その前にちょっとだけ国会の仕組みを説明する必要があります。
 国会の中に設置される会議には、大きく分けて「本会議」と「委員会」があります。
 本会議は全ての議員(もちろん衆議院には衆議院議員、参議院には参議院議員)が出席する会議で、国会の決定は全てのこの本会議の決議を取らなければ可決や否決したコトにはなりません。
 つまり日本における法律は、全て本会議で可決されたモノであるワケです。
 それに対し委員会は、20〜40人ぐらいの議員さんだけで構成されており、少数で専門的かつ具体的に議論する場と言えます。
 衆議院議員の定数は480人ですので、480人全ての議員が出席する本会議ではなかなか時間を掛けて具体的に議論するコトが難しいですので、これに変わって委員会にて少数精鋭で議論するワケです。
 
 この委員会のひとつに「議院運営委員会」というモノがあります。
 呼んで字のごとく、議院を運営するための委員会です。
 本会議が開会される前には必ずこの「議運」が開かれるのですが、実はだいたいここで、その日に採択される法案などに対する各会派(≒政党)の賛否はどうなのかというコトを確認するのです。
 (実際は理事会などもあるんですが、とりあえず今日は省略です)
 すなわち、この段階で与野党の賛否が分かるワケなんですね。
 で、その結果、賛否がバラバラなら記名採決もしくは起立採決を採ろうと議長が決め、もし与党も野党も共産党まで一致で賛成(もしくは反対)であれば、時間短縮のために議長が「異議無し採決」を採ろうと決めるワケです。
 このように、採決方法は法案によって変わってくる、政党の対応によって変わってくるのです。
 
 ちなみに国籍法改正法案の場合は法務委員会でも審議され、全会一致で採択されていますので、全ての会派が賛成であるというのはここの段階でも確認はされているコトになります。
 となれば当然議院運営委員会でも各党全て賛成であるというのが確認されるコトになるワケですから、本会議では「異議無し採決」で採決をしようと決まったというコトなのでしょう。
 「異議無し採択」が採られ、「全会一致」と表現されたのは、このような背景があったからです。
 
 昨日の本会議では、一部自民党議員さんが本会議を退席されたというコトですが、しかしそれぞれの政党は党の正式決定として今回の法案の態度を決めているワケなのですから、反対意見が言えない「異議無し採決」なのはけしからんとか、本会議の前に結論が決まっているようなシステムはけしからんとか言うのは、ちょっとズレている意見と言わざるを得ません。
 退席したコトも、むしろ政党所属議員としては褒められた行為ではないと言えるでしょう。
 これはいわゆる「党議拘束」と呼ばれるモノです。
 この前やえは馬渡議員の行動を批判した更新を書きましたが、あそこで書きましたように、今回のこの法案については少なくとも自民党は、自民党国会議員なら誰でも出席できて誰でも発言できる部会という民主的な手法による党の正式な会議において規則に則って通しているワケで、キチンと党として法案に賛成すると決定しているのですから、これは政党人としては従わなければならないハズです。
 もし通常の党内手続きを経ずして、一部の議員だけで勝手に決めていたのであれば反発するのは理解できますが、しかし今回はそうではありません。
 党に所属する限りは、この決定に従わなければならないワケで、自分だけがそれに従わなくても許されるなんていう行為はただの我が儘だと言わざるを得ません。
 前にも言いましたように、自分のミスは自分のミスでしかなく、それを他人のせいにしたり、陰謀論でごまかそうとするのは、国会議員としてというより、人としてどうなんだと言わざるを得ないのです。
 
 党議拘束については、また後日詳しく取り上げましょう。
 
 まとめますと、「異議無し採決」が採られ、「全会一致」だった背景というのは、議院運営委員会という国会の正式な会議において、各党が党を代表して(=党所属議員全員を代表して)正式に国会に報告した結果であり、本会議の場でもそれを踏襲しただけというコトなのです。
 

平成20年11月20日

 麻生メルマガレビュー

 ついに先週のメルマガをレビューできませんでした。
 連続レビュー記録が途絶えてしまいました。
 麻生さんごめんなさい。
 そのせいがどうか分からないのですが、なんか今日メルマガが届かないんですよね。
 もしかして今週はお休みなのかなと思って官邸のサイトを見に行った、これがなんとちゃんと発行していました。
 えーと。
 今週はちゃんとレビューするから、来週からまた送って下さい(笑)
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
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  ■○■○■    麻生内閣メールマガジン第7号    ■○■○■ 
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 ●麻生太郎の「強く明るく」
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 [日本のリーダーシップ]
 先週末、先進国のほか、インドや中国など新興国も加わった、20カ国の首脳による金融サミットに、参加しました。
 あのバブル崩壊を独力で乗り切った、日本の「経験」への期待。世界第二位の経済大国である、日本が「果たしうる役割」への期待。
 私の演説が終わった直後、インドのシン首相や、イギリスのブラウン首相らが、「内容が極めて具体的でよかった」と言ってくれました。
 
 おひさしぶりです(笑)
 さて金融サミットの話ですが、あまりこれニュースで取り上げられませんよね。
 まぁいまはなんだか厚生労働省の元事務次官さんの事件があるので仕方ないのかもしれませんが、しかしこういう日本の存在感を発揮しているニュースというのは、一番日本人自身が知るべき事柄だと思いますので、もっと報道してもらいたいモノです。
 特に麻生さんの演説の巧さは有名な話だけに、演説している姿はもっと報道すべきなんじゃないでしょうか。
 なにも自民党の街頭演説を報道しろとは言いませんが、こういう国際的な会議で、しかも日本が世界の2番目に位置する力を持っているという会議なのですから、こういうときに日本の総理大臣は何を世界に向けて発信しているのか、日本人は知っておくべきなのではないかと思います。
 
 わずか2日間の限られた時間ではありましたが、公的資本投入の重要性をはじめ、日本の「経験」に基づいた具体的な提言の数々は、首脳会談の宣言にも反映されました。
 アメリカのように、市場原理主義だけでは、モラルハザードを含めて今回のような問題を防げません。一方で、ヨーロッパのように、規制を強化するだけでは、自由経済が失われてしまいます。
 その中間に答えがあるのではないか。金融の規制・監督をめぐる議論でも、日本の提案は、各国首脳の支持を得ることができました。
 
 やえは最近よく思うんですが、サブプライム問題って、日本の「不良債権問題」と同じなんじゃないんですか?
 もちろん細かいところではいろいろと違う部分があるんだろうとは思いますが、基本的に回収できない債権が大量に出てきたっていうコトですよね?
 まぁだからってどういうコトでもないんですが、しかしそれならやっぱり日本の経験ってけっこう貴重なモノな気がします。
 そしてだからこそ、日本はいま世界に比べれば煽りが少ないと言えるのではないでしょうか。
 
 さらに、今、大きく伸びているのは、インドなど新興国の経済です。ここを支えていかなければ、世界経済全体のパイは大きくなっていきません。
 新興国の経済を支えるため、日本として、IMF(国際通貨基金)に対して最大で1000億ドルの資金を融通する用意があることも、表明しました。
 「金融・資本市場の安定維持に大きく貢献するもの」IMFのストロスカーン専務理事も、特別に日本のリーダーシップを高く評価する声明を出しました。
 百年に一度とも言われる金融危機。しかし、危機は、同時に、次なる時代へのチャンスでもあります。これまでの歴史は、危機を克服したときに、新しい秩序ができることを示しています。
 
 このIMFに対する貸し付けは、分かりやすい解説のスレのブログを教えていただきました。
 とても分かりやすいです
 これがこの通りであれば、これこそもっとマスコミはこの“功績”を報道すべきなのではないでしょうか。
 ホント最近のマスコミは麻生さんの言葉狩りばかりで、なんとか支持率を下げようと必死で気持ち悪い限りですが、本来マスコミの役割というのは、こういうあまり一般国民になじみのないIMFという存在を解説し、また今回日本が決定したこの行動にはどのような意味があるのか、メリットがあるのか、それを分かりやすく伝えるコトなのではないでしょうか。
 総理の足を引っ張っていては、それは実は日本全体の足を引っ張っている、最終的にワリを食うのは国民自身だというコトを忘れてはならないと思います。
 情報ありがとーございまーす。
 
 今回のサミットでは、世界が協調してとるべき具体的な行動について、合意することができました。
 その実行が何よりも重要であることは言うまでもありませんが、世界が、この危機を共に乗り越えていくため、少なくとも、大きな一歩を前に踏み出した歴史的なサミットであったと考えています。
 
 今回の問題で、麻生さんが言ってますようにこれをチャンスに変えて、新しい秩序の際には日本がもっともっと“大きな顔”が出来るようになれればいいですね。
 
 帰国した翌日、急遽、民主党の小沢代表から面会要請を受けました。中身は、新たな補正予算を今国会に提出すべき、提出しなければ新テロ法案などの参議院での採決には応じられない、というもの。
 しかし、新テロ法案は、インド洋での給油活動を継続することにより、国際社会によるテロとの闘いの一翼を、日本が担うための法律です。新たな補正予算とは、何ら関係はありません。
 
 関係ないんじゃ……と言おうと思ったら、麻生さんご自身が言っちゃってます。
 まぁこんなの普通の常識的感覚を持っていれば当たり前すぎる話ですよね。
 この法案を触れるときに毎回毎回やえは言ってますが、このテロ特措法というのは、アフガニスタン戦争に対する自衛隊の派兵です。
 イラクではありません。
 そしてアフガニスタン戦争に対しては、ちゃんと国連決議も出ていますし、イラクの時には反対したフランス等の国も、こっちには賛成しているんですよね。
 ですから、テロ特措法に反対するなら、かなりの理屈を用意しなければ納得できないハズなのですが、その理由をやえは民主党から聞いたコトがありません。
 中身もなく、自分の我が儘だけで参議院をおもちゃにする。
 そんな審議拒否とか言って逃げるんじゃなくて、小沢さん、早く党首討論してくださいよ。
 国民の前で堂々と政策論議をしてほしいです。
 正面から国民に政策を訴えてください。
 それで納得できる言葉が小沢さんの口から出れば、少なくともやえは評価しますよ。
 でもはじめから党首討論に逃げているようでは、これはもう小沢民主党には政策は存在しないと言われても仕方ないのではないでしょうか。
 
 結論を出すことを拒絶する政治では、一歩も前に踏み出すことはできません。党首討論もいまだに応じていただけない状態が続いています。政局ではなく、民主党も国民のことを第一に考えるならば、国会の場で正々堂々議論し、国民のための結論を共に出すべきと考えます。
 
 っと、党首討論の話も麻生さんが言ってますね。
 そう言えば民主党の最近のテレビCMでは、永田町が現場ではないとかいうような感じのコトを言ってますが、だからといって永田町から逃げてもダメでしょう。
 日本の中で最も責任の重い場である国会において、お互いの主張をぶつけ合うという最も分かりやすい手段が用意されている党首討論において、麻生さんも小沢さんもシッカリとした議論をしてほしいと思います。
 
 
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 ●編集長のひとこと
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 13日夜から16日深夜まで、金融・世界経済に関する首脳会合(金融サミット)に出席するため米国を訪問した総理に同行しました。過密なスケジュールであったにもかかわらず元気に日程をこなす総理のタフさには改めて驚きました。
 また、私も、総理の名代として、オバマ次期米国大統領から代理として指名されたオルブライト元国務長官、リーチ元下院議員と会談しました。とても緊張して臨みましたが、日米間で緊密に連携して対応すべき様々な課題についての総理の考えを伝えるという重責を果たせたと思っています。
 
 松純先生、仕事してますねー(笑)
 しかしオルブライト元国務長官、オバマさんの代理としてというコトは、次のオバマ政権でも重役を担うというコトでしょうか。
 やえはあまりアメリカの政治には詳しくないのですが、これって案外珍しいコトなのではないでしょうか?
 アメリカって政権が変わると、役人も含めて陣容がガラッと変わりますから、ブッシュ政権の中心人物だったオルブライトさんが引き続き政権の中心にいるっていうのは、珍しい気がします。
 松純先生も負けずに頑張ってくださいね。
 
 今週は、佐藤国家公安委員会委員長が、振り込め詐欺の撲滅に向けた警察の対策と被害に遭わないために注意していただきたい点について語っています。家族と普段から話して近況を伝え合うことは、いざという時に「変だな、おかしいぞ」と気づくきっかけになると思います。家族と話す機会を増やしてみてはいかがですか。
 日本には、人の住んでいる離島が約400あるそうです。島根県の中ノ島(海士町)にお住まいの後藤隆志さんには、離島で特産品を育てる活動について語っていただきました。こうした地域の特色を活かした取組と、その情報や経験の交流がこうした離島の活性化につながることを期待しています。(松純)
 
 田舎には田舎の良さはもちろんあるでしょうからね。
 そして日本の力というモノは、本来こういう特色ある地方が多様に存在するというところこそが源なんだと思っています。
 いま地方は疲弊していると言われていますが、これからこそ地方の時代だと思いますので、どうかがんばってもらいたいと思います。
 
 ※今週の麻生メールマガジン
 http://www.mmz.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2008/1120ob/1120.html
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、ローゼン閣下を応援しています。
 

平成20年11月21日

 国籍法改正案反対論に対して

 今日はこちらのサイトさんを取り上げようと思うのですが、こちらのサイトさん、シスプリサイトのくせに(褒め言葉です(笑))真面目な話をするコトも少なくなく、しかもその内容が勢いで始めたとしか思えないような自称言論系ブログなんか比べものにならないぐらい筋が通っていて素晴らしいモノばかりで、やえはよく拝見させてもらっています。
 またいつぞやは、あまおちさんがフィギュア萌え族の時にお世話になったコトもあり、個人的にはとても親しみを持っているサイトさんのひとつです。
 けど、まぁ今回の件はちょっとどうかなと、また、その考え方がとても「よくある一般人の考え方の典型」のような感じでしたのでサンプルとしてはちょうどいいので、それで取り上げさせてもらうコトにします。
 特に思想言論サイトでもありませんし、決して個人を攻撃しようとか、どうこうしようとかというワケではないコトだけは、誤解なきようご理解をお願いしたいと思います。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 今回取り上げさせていただくサイトさんは、こちら「赤の7号」さんの08/11/20(Thu)の記事です。
 よろしくお願いします。
 今回MAS-Rさんは今回の国籍法改正について以下の3点について「ひどい」と評価しておられます。
 

 1.改正案自体がずさん。
 2.十分に審議がなされていない。
 3.そのことが報道されていない。

 
 この点について、次から具体的に指摘されておられますので、引用しながら、それについてやえの知るうる限りの範囲内でお答えしていきたいと思います。

 まず、1の「ずさん」ということですが、上記の判決を受けて「じゃあ、父母の結婚を要件から外そう」というところまではいいものの、単に「父の認知だけでOK」としている点。
婚姻も必要なし、DNA鑑定も必要なし。単に「父」とされる日本人男性が、外国人女性の連れ子を認知すれば、その子は日本国籍を得ることができ、そしてその女性も「日本人の配偶者等」として、日本の在留資格を容易に得ることができるのです。
 それだけなら大変結構な話ですが、頭の回転の速い方ならもうお分かりのように、こんな仕組みではいくらでも悪用可能で、
 「貴女の子供を認知します。1人1万ドル」
 という商売を、いとも簡単に立ち上げることができます。

 やえは今回様々な事情により、中身について具体的に調べようとする気が起きませんモノで、あまり深くは中身について触れようとは思わないのですが、少なくとも「単に「父の認知だけでOK」としている点」と言ってしまうコトは大きな事実誤認であると言わざるを得ません。
 法とは、単に法律のみを指し示す言葉ではありません。
 日本における法、特にその運営に関わる部分については、決して法律に書かれている文言だけで動くのではなく、もっと具体的に行政の行動範囲を規定した決まり事も存在します。
 それが「法令」です。
 法令の詳しい説明はこちらをご覧下さい
 その上で、では国籍法(改正案ではありません)を見てみてください。

 (省令への委任)
 第十九条  この法律に定めるもののほか、国籍の取得及び離脱に関する手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、法務省令で定める。

 よく法律文は難しいと言われますが、ここはとても簡単な、ごく普通な日本語ですね。
 「手続きについては法務省令で定める」です。
 ですから結局、国籍を与えるにその手続きが簡単すぎて、時に商売すら成り立ってしまいかねない事態に陥るかどうかという判断は、この法務省令を見なければなんとも言えないのです。
 
 また、これは何度も言ってますが、偽装を許していいなんて思っている人は、この法案に賛成している人でも、そんなコトは全く思っていないワケで、どんな人でも偽装は罪であり許してはならない行為だと言うでしょう。
 となれば、偽装が行われないよう、実際にその審査などの業務に当たる行政がシッカリすべきであると、これも全ての人が当然思っています。
 つまりこの問題は、行政の運用の問題であり、立法行為の問題ではないのです。
 この問題の本質は、「偽装されないよう行政はシッカリと働け」と言うところにあるワケです。
 ですから、前提として行政が偽装されないよう努力するのは当然、もし偽装されたらそれは行政の責任として追及するべき問題で、DNA鑑定が法律に記載されていないからといって努力しないというコトにはなりませんし、どのような手段を用いるかは具体的な行政行為を見なければ分かりませんが、出来うる限りの手段を用いて偽装を防ぐ義務が行政にはあるのですから、DNA鑑定という文言がないからという理由では行政は真面目にやらないという結論は、ちょっと結びつかないでしょう。
 国民はですから行政を監視する必要はあります。
 しかし、DNA鑑定を法律に載せてはならない法はありませんが、載ってないから立法に反対と言うのも、論拠がかなり薄い主張だと言わざるを得ないワケです。

 100人だろうが200人だろうが、
 「いや、実際、海外で種を蒔きすぎたんで、我が子ですよハッハッハ」
 と言い張れてしまいます。

 現実的に考えてください。
 ここまで極端なコトをすれば、普通の感覚を持っていれば疑問に思うでしょう。
 となれば、捜査対象です。
 刑事事件になれば、それが捜査の段階か裁判の段階かは事案によって変わってくるのでしょうけど、自ずとDNA鑑定というとろこには行き着くでしょう。
 ちょっとこのような極端な、現実的にあり得ない例を持って不安を煽るというのは、いただけない手法だと言わざるを得ません。

 もちろん、虚偽認知の罰則規定もありますが、1年以下の懲役か20万円以下の罰金では、実効性はないでしょう。

 どうもこの件に関する罰則は、最大はもっと大きくなるようです。
 というのも、偽装するコトはイコールで公文書への虚偽記載に必ずなるコトになりますから、公正証書原本不実記載罪と公正証書原本不実記載罪に問われるコトにもなり、それらを合併すると「七年六ヶ月以下の懲役または百二十万円以下の罰金」になるようです。
 また、罪に対する罰が大きいか小さいかは、他の刑罰との比較も重要な要素です。
 というワケで、この罰則が適当であるかどうか、抑止力と共に他の法とも照らし合わせながら考える必要があるでしょう。
 
 では次に2についてです。

 さて、そんな法律改正案ですが、これがまた、どういうわけか、非常に拙速に衆議院を通過しました。
 それが「2.十分に審議がなされていない」です。
 実際は、法案提出から3日、審議に3時間で通過だというから、驚きます。
 私でなくても、
 「なんでそんなに、急いでいるの?」
 と思うに違いありません。
 まあ、そこには、我々庶民には計り知れない上に、知らされない意図があったりなかったりもするのでしょうが、引用元にも記載があるように、どの議員も法案の内容をろくに理解しないまま、ワケもわからず賛成し、見事に全会一致で通過したというのだから、驚きです。
 「ああ、民主主義のなれの果てとは、このことだなぁ」
 と、日本の将来の暗澹たるを思うにつけ、どこかに逃げ出したくなった次第。

 早い遅いという表現は、何かと比べてはじめて表現できる言葉です。
 例えば一般的に亀の歩みは遅いと言われていますが、しかしカタツムリよりは早いでしょう。
 多分亀が遅いと言われるのは、一般的に人間やウサギとを無意識にでも比べているから、遅いと表現しているモノだと思われます。
 では今回のこの法案、一体何と比べて「早い」と言っているのでしょうか。
 
 国会は法律を作るところですが、実際、通常国会(基本的に1月〜6月の間)だけでも成立する法律というのは100本ぐらいはあります。
 この中100本に及ぶ法案には、じっくりと審議されるモノ、あっさりと通るモノ、各々様々あり、何日何時間かけて審議されて議決されるのかというのは、法案によってかなりの差があります。
 そしてこの早さの差というのは、だいたいにおいて与野党の対応が違うかどうかが大きなファクターを占めます。
 すなわち、与党は賛成で野党が反対ならこれは審議に時間がかかり、それなりの長いと表現できるぐらいの審議時間になるワケですが、一方与野党が、さらに共産党までが賛成するような法案の審議時間は、だいたいはこんなもんなのです。
 
 例えば、「発達障害者支援法案」というモノが平成16年に衆議院に提出されて、いまは法律として成立していますが、これもとても早い衆議院の通過でした。
 こちらは衆議院の法案ごとの概要が載っているページですが、よく見てみてください。
 提出日が24日で、議決日も24日です。
 ご丁寧に開会数まで書かれていて、ちゃんと1日ってなってますね。
 時間までは書いてないのでさらに調べましたところ、こちらのページに発言者ごとの時間が載っています。
 一番上の24日の分ですね。
 全部足してみてください。
 だいたい3時間です。
 この法案も、与野党共産党も含めて賛成の「全会一致」の法案ですが、この手の法案はこのように、委員会の審議時間はこんなもんなのです。
 確かに法案の重要度の感じ方によって審議時間の長短の感じ方は人それぞれだとは思いますが、しかしひとつ確実に言えるコトは、
 
 別に国籍法改正法案が他の法案に比べて格段に審議時間が短かったワケではない
 
 というコトです。
 ですから少なくとも「そこには、我々庶民には計り知れない上に、知らされない意図があったりなかったりもするのでしょうが」などと言ってしまうのは、ごめんなさい、根拠の全くない陰謀論を全く越えない陰謀論でありデマゴーグでしかないとしか言いようがありません。
 
 ちなみに、そもそも「法案にDNA鑑定を」という主張がはじめから立法行為に対する議論にはふさわしくないモノでありますので、この法案で全会一致になったコト、そして審議時間がこれぐらいだったコトには、やえは違和感を覚えません。
 まして違憲判決が出た上での改正案です。
 これを受けた民主主義の上に成り立っている全ての政党が可決に向けて努力したコトには、なんら違和感はないでしょう。
 さらに言えば、その違憲判決は6月に出たモノですから、逆に言えばそれから成立に(まだ成立してませんが)半年もかかったというのは、むしろ遅すぎるぐらいだと言われても仕方ないと言えるかもしれません。
 そういう意味において各党の努力によって、いまやっと成立しかけているという状況ではないのでしょうか。
 
 もっと言えば、この時にもお伝えしましたように、自民党自体は、違憲判決が出た直後の6月11日に、党の部会において議論を始めています。
 もちろんこれは、国会の公式な機関での議論ではありませんので、これをもって審議していると言うつもりは毛頭ありませんが、少なくとも与党自民党の国会議員同士の議論という意味においては、結構長い時間かけて議論していた形跡はあるという事実だけは、改めてお伝えしておこうと思います。
 
 最期に3についてです。

 で、まあ、いつものことですが、「3.そのことが報道されていない」と。
 しばらくテレビを見ていましたが、この法案のずさんさや、国会対応のまずさを指摘する番組などなく、ネット上で騒いでいるのは2ちゃんねると、産経新聞くらい。

 さっきも言いましたように、やえは別にこれを取り立てて騒ぐような事件であるとは思えません。
 違憲判決が出た段階で改正されるのは決定事項なワケですし、内容にも変なところはない、ネットで言ってるDNA鑑定は立法段階で騒ぐコトではないですし、それは多くの政治家や官僚やマスコミ関係者も肌で感じる部分でもありますので、「よしじゃあ今回は紙面を割いてこの問題をとりあげよう」というところまでのエネルギーとはならなかったというだけのコトでしょう。
 またこれもさっき言いましたが、一回の国会で成立する法律は100本ぐらいはあります。
 しかしその全てをマスコミは伝えているワケではありません。
 まして今回はまだ衆議院を通過したという段階の話です。
 違憲判決が出た上での改正なので、他の法律とはまた事情が違うという部分を加味しても、成立時に報道するのは理解できますが、衆議院通過だけの段階で、さらに与野党が一致して参加しているので参議院で否決されて衆議院で2/3再可決というモノでもありませんから、いまの段階でニュースバリューがあるとはやえには思えません。
 
 まぁ成立した法律を全て伝えないという態度が、公器であるマスコミの正しい姿かどうかという議論はあるとは思います。
 思いますが、しかしそれは今回の話とは直接関係する話ではありませんね。
 それはマスコミ論として別で議論すべき事柄でしょう。
 
 
 さて、MAS-Rさんが示しました123には直接関係が無い、もっと大きな問題提起だと思うのですが、後半の文章に気になる点がいくつかありますので、指摘しておきたいと思います。

 しかも、与野党ともに大賛成の全会一致で通過だというのだから、救いようがありません。
 どこかの党が反対でもしてくれれば、まだ政権選択の余地はあったのに。

 やえは、必ずしも与野党がぶつかり合う必要はないと思います。
 むしろ民主主義的に言えば、与野党が協力し合う方が理想的だと思っています。
 
 まず、与党と野党というモノは、はじめから決められて分かれているワケではありません。
 ではどうして分かれているのかと言えば、それは選挙によって国民の判断によって与野党が分かれ、その数も決まるワケです。
 天から与えられているモノではないワケです。
 であるなら、国会で与野党が共に賛成であるという法案は、どういう意味を持つと言えるでしょうか。
 これは、国民の全てが賛成している法案、と言えるのです。
 
 もちろんこれは建前です。
 実質はそんなコトあり得ないコトぐらい分かっています。
 でも、建前ですけど、大切なコトです。
 結局ひとり残らず全ての人間が細部にわたるまで反対のない賛成案なんて存在するハズがなく、だからこそ選挙という決められたルールによって多数決が取られて、その結果として国会という場で公的に議論がなされ、こうして国家というモノが形作られているワケです。
 実質どうなのかという部分はどこまでいってもありますが、でも実質的な賛成の割合なんて、現実的にどう形にすればいいのか、マスコミの支持率調査だってアテになりませんし、これは難しい問題です。
 その中での現実的な策としての選挙なのですから、いくら建前でも、これは大切な建前です。
 議席の割合は、国民判断の割合なのです。
 
 その上で、少なくとも与野党が割れる案よりは、合意している案の方が、納得している人も多いというのは確かなコトでしょう。
 ですからこれはやえはいつもよく言っているのですが、本来なら、政党の議席に応じた主張を法案に盛り込んで、それで全会一致で通すコトが、やえはもっとも民主的な議論ではないかと思っています。
 衆議院で言えば、自民党の意見は3/5ぐらい、民主党は1/5ぐらい、あとの1/5を公明党や社民党や共産党などの割合で割るワケで、これぐらいの比率で意見が反映するような法案作りこそ、もっとも民主的な法案と言えるのではないでしょうか。
 これだと少数の意見も取りこぼすコトがほとんどありませんし。
 そして、このように努力しても、どうしても意見の一致が見られないのであれば、仕方ないので多数決を取るという方法を使おうというコトになるワケです。
 ですから多数決は最終手段であると、やえは思っています。
 多数決だと、ざっくりと少数意見がこぼれ落ちるコトにもなるワケですしね。
 
 もうひとつ、これだけは言っておかなければなりません。

 よく「若者は選挙に行かないからケシカラン」などと、テレビで評論家が言ってのけたりしますが、「あんたらジイサン達が選んだ議員は、このザマですよ」と。
 むしろ、「こんなのが当選するようでは、あんたらの投票行動自体が、有害なんじゃないですか」と。
 ともすれば民主主義の否定にもつながるような思いが、脳裏をよぎります。

 MAS-Rさんは「民主主義の否定にもつながるような思いが」とおっしゃっているので、自戒として理解はされておられるのでしょうけど、でもそう言っておいても、この発言はいけません。
 こう思ってしまっている人が多いようですが、投票しなかったコトを「棄権行為」と定義づけるコトが、もう全くもって間違いなのです。
 本当は、投票しないというコトは、「どんな結果になっても無条件に従いますよ」という、結果への委任行為でしかありません。
 つまり、投票率がどうであったとしても、選挙の結果というのは投票しなかった若者も含めての有権者全員が選んだ議員と言えるのです。
 
 政治や選挙は現実的手法です。
 憲法でも定められていますように、必ず議員を選ばなければなりません。
 「議員は存在しなくていい」とは決してなりません。
 であるなら、投票しなくていいとはなりませんし、棄権でもいいともなりません。
 投票しないのであれば、投票した人だけで決まった決定に無条件に従う、という意味にしかならないのです。
 ちなみに、国民にはもうひとつ選択肢があります。
 立候補するという選択肢です。
 もしどうしても誰にも投票したいと思わないのであれば、完全に自分の意見にありとあらゆる分野において考えが一致する人でないと投票したくないと言うのであれば、自分で立候補すべきです。
 しかし、投票しない、立候補もしない、でも結果にも従いたくないというのは、完全に我が儘です。
 それはもう最期の選択肢しか残っていないでしょう。
 日本を出る、という選択肢です。
 
 一回の更新にしてはかなり長い更新になりましたが、最期にこれに触れて終わりたいと思います。

 ただひとつ言えるのは、我々、民主主義国の国民は
 「ワケの分からん法律を、ワケも分からぬまま成立させる権利」
 までは、国会議員に委ねていないということです。

 かと言って、法案を読まずに考えもせずにワケのわからぬまま批判するコトが、果たして責任ある国民の姿かどうかは疑問です。
 国民が騒げばそれが無条件で正義であるとは、やえには思えません。
 
 そして本当に国会議員が全く無理解であるかどうかも、やえには疑問です。
 一回の国会には100本近くの法律が成立する中、その全ての法案の隅々までひとりで熟知しろというのは、人間の能力を超えているとしか言いようがありません。
 ではどうするかと言えば、専門家が専門的に議論したり、全体の大まかな説明で判断したりするワケです。
 実際国会には、少数の人数で具体的に議論する場である委員会というシステムが存在します。
 そしてこんなのは国会だけに限らず、多少大きな会社とかでも同じコトが言えるのではないでしょうか。
 資料無しに大会社の社長が、ごく小さい地方の営業所の住所と従業員の氏名や年齢まで言えるかどうか、そんな人はおそらくいないでしょう。
 人間には分業するという知恵があるハズです。
 
 また、これは感覚の問題ですが、熟知していなくても、だいたい法案を流し読みして、概要を役人から聞けば、それに問題があれば気付くモノです。
 それが政治家の感覚というか、嗅覚みたいなもんです。
 まして今回の騒ぎの発端は、DNA鑑定をしろという、立法に求めるべきコトと行政に求めるべきコトとをごっちゃにしてしまっている、ある意味的はずれな意見です。
 やえも一番最初にこの問題を取り上げた時に言いましたけど、感覚としてこの法案が問題として大騒ぎになるコトの方がよく理解できませんでした。
 そしてそれが長年政治家をされている議員さんであればなおさらでしょう。
 つまり、言葉の上で「全部を理解している人」と、政治家としての「問題があるかどうかのバランス感覚」は別なのです。
 もちろん感覚だけでOKと言うつもりはありませんし、議論するためには中身を知るべきなのは当然ですから所属委員は中身を知っておくべきだと思いますが、全ての国会議員が中身の1から10まで熟知しておかなければならないというような言い方は適切ではないと思います。
 そして結果としては、政治家の感覚としてこの法案にはたいした問題はないと通しているコトは、間違いではなかったと言えるでしょう。
 
 
 もの凄く長くなって恐縮ですが、やえの考え方を反論という形でまとめさせていただきました。
 部分によっては厳しい言い方になったかもしれませんが、これは個人宛の文章ではなく、広く一般的な、引用はひとつの例に過ぎないと思って読んでいただければ、そして参考にしていただければ幸いです。
 今回のお話というのは、国会の仕組みや、法の仕組みというモノを、あまり理解していないが故の誤解が多い気がします。
 デマに騙されずに、冷静に自分の頭で、そして常識で考えてもらいたいと思います。
 

平成20年11月25日

 マスコミはミスリードをする生き物です

 なんだか各地で大人気の以下の記事ですが、えーと、この前も言いましたように、もうちょっと冷静に常識で考えられませんでしょうか。
 もちろんこれはこの記事を書いた記者と産経新聞が煽りすぎで、ほぼデマゴーグの様相を呈しているせいなのですが、普段から、マスコミは信用できないとか、悪意で記事をミスリードしているとか、マスゴミだとか言っている人は、どんな記事だって一歩身構えて記事を読もうと思わないのでしょうか。
 その記事の内容が自分の考え方にあってるからミスリードじゃない、自分の意見にそぐわないからミスリードだ、なんて言っているようでは、マスコミのコトをゴミと言う資格はないでしょう。
 冷静に、自分の頭で、そして常識で考えてください。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 まずその記事の引用です。

 国籍法改正 誰も理解せぬまま参院も審議入り
 
 「この中で、国籍法改正案を全部理解している人は手を挙げてください」
 20日昼の自民党津島派の総会で、戸井田徹衆院議員はこう呼びかけたが、手を挙げた議員は1人もいなかった。改正案は国会議員も内容をよく把握しないまま、成立へと向かって突き進んでいるようだ。

 担当の役人じゃあるまいし「全部を理解している人」と言われて、そう簡単に手があげられるモノでもないでしょう。
 やえだって、こんな風に言われても、人権擁護法案ならまだ手をあげる自信もありますが、国籍法も含めて他の法案では手を挙げようとは思いません。
 だってもし手を挙げてたら、戸井田議員に質問攻めにあうんでしょうからね。
 だいたい、手前みそで申し訳ありませんが、やえぐらい人権擁護法案を詳しく知っている人は、日本でもおそらく数人しかないと思いますし、今回の国籍法改正法案に反対している議員さんの中には人権擁護法案にも反対しておられる方がかなり重なっていると思いますが、正直、人権擁護法案に強固に反対している議員さんが、ものすごく詳しく法案の中身を知り尽くしているとは、やえにはちょっと思えません。
 やえはあの時相当の時間と労力をかけて調べて勉強しましたが、それぐらい調べきって、理解して、どんな質問にもすぐに反応できるようになるには、「全部を理解している人」と言われて堂々と手を挙げるぐらいになるには、それだけに集中するぐらいの相当の苦労と時間をかなければ人間には無理です。
 ちょっと不意打ちに近いような形で挙手を求め、手が上がらなかったからといって「理解している議員はいない」なんて言ってしまうのは、かなり卑怯なのではないかとやえは思います。
 
 また、国会議員さんが、一回の国会で100本近く提出される法案の全てに精通している必要があるのかどうかという点もあります。
 この辺はこの前の更新を読んでいただければと思いますが、では戸井田議員は、今国会で審議中の「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律等の一部を改正する法律案」に、全ての事柄に関してどのような質問でもその場で瞬時に100%回答が出来る自信があるぐらい精通しているとでも言うのでしょうか。
 世間でも注目の法案である消費者庁設置法案もありますが、この法案に対して「全部を理解している人」と言われてすぐに手を挙げるだけの自信が、例えばどの法律がこれから消費者庁に移管・共管されるようになるのか、いきなり質問されて今すぐその場でその全てを答えられるとでも言うのでしょうか。
 今国会で審議されている議案はなんとこれだけあるのですが、この全てに対して、やえの人権擁護法案と同じぐらいの詳細さで戸井田議員は回答出来るとでも言うのでしょうか。
 もし出来るのでしたら、やえは戸井田議員をこれから大注目して追っていきたいと思います。
 
 また誤解をおそれず言うなら、戸井田議員のこの派閥でのこの発言は、ちょっとKYな気がしてなりません。
 派閥の総会って、ひとつの法案に対して議論する場じゃないですからね。
 そもそも、おそらく今回の一部議員の行動に対して、自民党では正式に通過しているという点も含めて、冷ややかに見ている議員さんも少なくないでしょう。
 だって、「自分達の主張のためにルールを破って、自分の言うコトだけを聞いてくれ」と、戸井田議員や馬渡議員は言っているコトになるワケですからね。
 そんな中、まだ当選2回の戸井田議員の突拍子もない発言に対して、それをまともに取り上げるかどうかなんて、かなり疑問と言わざるを得ません。
 それは、この法案が審議されるべき場の法務部会で言うべきでしたと言ったところでしょうか。
 戸井田議員がどうしてその部会にいなかったのかは知りませんが、もしかしたらいらっしゃったのかもしれませんが、それでもその場で正式な手続きとして通ってしまっているのは事実です。
 どちらかと言えば、まともに取り上げる方が筋が通らない行為と言えるワケなのですから、むしろ他の議員さん達の反応の方が当然とも言えるでしょう。
 しかも、これは自民党での発言ではなく、党から一歩離れた派閥の総会という場での発言です。
 戸井田議員はいったい派閥の総会という場で何がしたかったのか、何を求めていたのか、よく分かりませんが、ちょっとこれは「場違い」な発言だったと言わざるを得ません。
 
 この程度のコトで「誰も理解せぬまま」なんてタイトルを付ける記者もどうかと思います。
 戸井田議員のこの発言で、派閥の総会の場が国籍法の議論になるとでも思っていたのでしょうか。
 しかし派閥の総会を取材する記者であれば、普段の派閥に出入りしている、いわゆる「派閥番」(津島派なら「平成研番」などと呼ばれます)の記者なのでしょうから、普段の雰囲気をよく知っている人のハズです。
 そんな人が、2回生議員の発言で紛糾するぐらいの雰囲気に派閥の総会がなると思っていたなんて、ちょっとやえには想像が付きません。
 そして、戸井田議員の発言に反応しなかったからというこの事実だけをもって、「他の議員は法案を理解していない」と言えてしまう神経には、かなり違和感しか覚えません。
 実際どうなのかはともかく、この程度の事実であれば、法案をよく知っていてもただ単に戸井田議員の発言をスルーしただけっていう議員がいる可能性を全く否定できないワケで、その程度ではこのようなタイトルを付けようとは思わない、そもそも記事にしようとも思わないというのが普通ではないのでしょうか。
 よくこの程度で「誰も理解せぬまま」なんてタイトルを付けたと、逆に感心してしまいます。
 やえには、悪意を持ってミスリードしているようにしか思えません。
 
 記事では他にも、なにやら現役閣僚が、保守層の支持を失いたくないためなのかどうなのか、国の仕事を貶めてまで保身に走っているとしか思えないみっともない発言をしているようですが、平沼さんの発言が事実であればですけど、なんとまぁ、お粗末としか表現しようがないですね。
 結局、議員も記者も読者も、冷静に自分の頭でそして常識で物事を考えてもらいたい、といったところでしょう。
 

平成20年11月26日

 自民党の申し入れ

 メールいただきました。

 こんにちは。
 国家公務員で法律を作っているものです。といっても、今回の法律を所管している省庁じゃないので、騒動に関しては傍観していました。
 深く調べなかったので、なぜこの騒動が起こっているのかよくわかりませんでしたが、やえさんのブログを見て納得しました。
 法令の仕組みが一般に浸透していないために起こった勘違いである可能性もあるのですね。
 とてもわかりやすく私たちの仕事を説明されているので、感激のあまりメッセージを送ってしまいました。
 ありがとうございます。

 なんと現役官僚さんのようです。
 しかもどうやら今国会ではちょうどあたってしまった部署のようで、大変そうです。
 ちゃんと寝れてますか? お家に帰れてますか? お体には気をつけてくださいね。
 
 しかし今回の騒動は、これは一番最初にやえも言いましたように、こういう法令や立法や行政にそれなりに詳しいと、今回の騒動が理解できなかったりするんですよね。
 DNA鑑定というモノが法律に記載するようなモノではないというのが、雰囲気というか感覚で分かっているので、法案を見てもどうしてこれが問題になるのか理解できないワケです。
 一部の議員さんが今問題化させていますが、そもそも自民党の部会でこの法案が通っているというのも、まずこの辺の感覚があるのだと思われます。
 パッと法案を読んでも、この辺の感覚が身に付いている議員さんなら問題だと思いませんからね。
 つまり、この騒動ははじめからかなり歪んだ形での騒動と言えるでしょう。

 国籍法について調べてみたんですが、申請手続きに関しては第十九条があるんですね・・・
 
 (省令への委任)
 第十九条  この法律に定めるもののほか、国籍の取得及び離脱に関する手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、法務省令で定める。
 
 法律からいきなり省令に委任するとは知りませんでしたが、やえさんのおっしゃるとおり、この省令を改正することによって日本人と実際に血がつながっているか否かを検査する手段を記載するのでしょうね。
 これは、法律の段階でどうのこうの運動するより、省令案が公表され、パブリックコメントを募集する際、DNAおよびその他血がつながっているかの確認手段が示されていなかったときに、特に運動を行うべきでしょうか。
 (おそらくは何らかの方法で確認するんだとおもいますが)

 今のところ省令がどういう形になるかはやえは分かりませんが、今日はちょっと見方を変えて、では行政にどのような形でアクションを起こせるのか、テクニックと言うほどでもないですけど、ひとつの永田町の手法というモノを紹介しようと思います。
 ただし、これは後日詳しく書こうと思っているのですが、本来国民が政治に与える影響というモノは、思想や言論といった、大きな意味での世論で変えるというのが、本来の道だと思っていますので、ある種の抜け道であるというコトは忘れないでいてほしいと思います。
 例えば仮に誓願署名が1万通集まったとしても、確かに1万通は多いように見えますが、しかし選挙においては1万なんて衆議院小選挙区では当選に全然足りません。
 まして一地方の選挙区からだけではなく全国から1万では、ますますその力の大きさというのは小さいとしか言いようがないでしょう。
 ですからそういう意味で、署名やメールで集まった1万という数は、決して多いと呼べるシロモノではなく、やはり本来は、世論によって政治に国民は影響を与えるべきなのです。
 拉致問題であれだけ小泉さんが頑張れたのは世論の力ですし、しかし過去朝鮮問題が政治においてもアンタッチャブルになっていたのも世論の力です。
 世論とは、政治をどんな方向にもコロッとひっくり返すコトの出来る力を持っている、それこそが民主主義政治の本道であるというコトを忘れてはいけません。
 
 よって、今回ご紹介する方法は、ある意味裏技というコトを念頭に置いておいてください。
 最近流行っているメール攻撃FAX攻撃も、確かに政治を動かす力にはある程度なっていますが、しかしその場合というのは、内容の正偽が問われないという大きな欠陥をはらんでいます。
 もちろん最終的にはそれを受ける議員の良心によるワケですが、しかしだからといって国民も無責任のままでいいとはやえは全く思いません。
 全く法案の中身を読んでいない人が、全然筋違いの要望を直接議員に送るコトは、それで議員が動いたら議員の責任は大ですが、国民の責任も皆無とは決して言えないでしょう。
 まずそのコトを認識しておいてほしいと思います。
 
 では本題です。
 
 行政と立法って、行政の方が国民にとっては身近のように感じるかもしれませんが、役所の窓口とかで接する機会がありますからね、でも実際のところ、行政の行動そのものに対してどうこう言う場合は、案外壁が高いと言えます。
 なぜなら役人に意見を言っても、行政全体の行動を変えるコトは役人には出来ませんから、実際役人や役所に文句を言う人はおそらくいるんでしょうけど、これはほとんど無意味と言ってもいいです。
 ではだれが行動を変えれる権限を持っているかと言えば、そうです、大臣です。
 しかし大臣という存在は、やっぱりどうしても一般人からすれば遠い存在ですから、直接アクションを起こすのも大変です。
 
 一方立法府は、あまりなじみがないようで、しかし三権の中では最も身近な存在だと言えます。
 なぜなら、立法府を構成するのは国会議員だからです。
 もちろん国会議員もあまり身近でないというのは確かですが、しかし大臣と違って、必ず自分の住んでいるところに1人は代表者としての国会議員がいるのですから、日本にたった十数人しかいない大臣よりはよっぽど身近と言えます。
 ですから、政治になんらかのアクションを起こしたいのであれば、議員にお願いするというのが一番近道だと言えます。
 
 今回は行政に対しての行為ですが、しかし幸いなコトに日本は議院内閣制です。
 大統領制のアメリカとかだと、そもそも議員が行政にアクションをするコト自体が禁じられていますが、日本の場合は両者が結構密接ですので、議員や政党に行政に対する要望をするのは、けっこう有効だと言えるでしょう。
 
 では具体的にどうするかですが、永田町の手法で、自分達とは違う組織に何かのアクションを期待するための要望方法のひとつに、「申し入れ」というモノがあります。
 例えばこのようなモノです。

 事故米の食用への横流し事件について決議、政府へ申し入れ 動植物検疫及び消費安全に関する小委員会
 
 工業用途に限定して政府が売却した事故米が食用に横流しされた事件について、動植物検疫及び消費安全に関する小委員会は16日、再発防止と安全・安心なシステムの確立のための具体策を取りまとめた。同日午後、総理官邸で太田誠一農林、舛添要一厚生労働、野田聖子消費者担当、町村信孝官房の各大臣に申し入れた。

 「動植物検疫及び消費安全に関する小委員会」というのは、自民党の会議機関の一つなのですが、この記事はその小委員会がひとつの結論を小委員会としてまとめ、それを各大臣に申し入れた、という記事です。
 自民党では、部会や調査会などいった会議がありますが、それらもよくこのような申し入れ活動はよく行っています。
 今回の国籍法の件で言えば、「法務部会として法務大臣に申し入れをする」または、「国籍問題プロジェクトチームとして法務大臣に申し入れをする」という形になると思います。
 
 ではどうすれば申し入れを行えるようになるのかと言えば、当然部会やプロジェクトチーム(PT)として申し入れを行うのですから、一度会議を開いて決議を採らなければなりません。
 部会やPTは党の正式な機関ですから、その手続きはキチンと行わなければなりません。
 手続きを踏まなければ、ただの1議員としての申し入れ程度ですが、ここでちゃんと手続きを踏めれば「党を代表したPTとして申し入れを行う」と言えるので、これはかなり重みが違うと言えます。
 そしてPTで決議を取れれば、それをPTの幹部やメンバーが大臣に直接会って、決議文を渡すという流れになります。
 
 一連の流れを分かりやすく書きますと
 
 自民党の国会議員が国籍問題PTに対して動議を行う(座長(PTの議長のようなモノです)でも可)
  ↓
 PTとして取り扱うことを座長が決める
  ↓
 PTを開催して議論を行う
  ↓
 会議で異議無しとなれば正式にPTの決議となる
  ↓
 PTの幹部や議員が大臣を訪れ、決議文を渡す
 
 こういう流れです。
 ほとんどの大臣は、自民党に所属する議員なワケですから、党として出された決議を申し入れられると、そう簡単には無視できないと、こうなるワケです。
 
 ただし、これらは特に法的拘束力があるワケでありませんので、必ず実行されるという保障はありません。
 ただ、現実的に出来るコトというのは、この辺が限度な気がします。
 法務大臣にメール攻撃をしても、法務大臣一人の一存で法律や省令を好き勝手に出来るモノでありませんし、場合によっては「法律を知らない人の感情論」程度で流される可能性だってあります。
 まぁ事実そんな意見はかなり多いですし。
 しかしPTの決議であれば、それは国会議員の議論を経た意見ですから、これは全然重みが違うと言えます。
 ですから行政を動かしたいのであれば、やえは政党として働きかけるという方法が一番スマートではないかとやえは思います。
 
 やえが疑問なのが、どうして馬渡議員や戸井田議員は、この手法を使おうとしていないのか、というところです。
 法案に反対し、成立を阻止するコトばかりに目がいって、いかに制度としてよりよいモノを作り出そうかという視点が全く抜け落ちているようにしか見えません。
 反対だ反対だと騒ぎ立てれば確かに注目されて、選挙のためにはいいんでしょうけど、でもそれは、責任ある政治家、まして責任与党自民党としての議員の行動ではないと思います。
 
 この申し入れという手法は、最初にやえが表明した懸念をある程度緩和できるという利点もあります。
 一議員の申し入れならともかく、党の機関を通しての申し入れであるなら、必ず国会議員同士の議論が不可欠です。
 ですから、一般人からの感情論が出発点であったとしても、決議に至るまではそれだけではない論として筋の通っている意見になるコトでしょう。
 そういう意味でもこの手法はとても有効だと思っています。
 もちろん、馬渡議員や戸井田議員がPTで動議して、PTで議論しても、他の議員から同意が得られないというのであれば、それは仕方のないコトです。
 結局それは、尖った人の一部の意見でしかなかったという意味になるワケですからね。
 人権擁護法案の時に自民党の部会の様子を色々と聞かせてもらった身として、いくら世間が騒いでも、国会議員の良心として、ただの感情論ではない筋の通った意見を言う先生もたくさんおられるのをやえは実感していますので、ひとつの結論を出すのであれば、こういう正式な場でシッカリとまずは議論してもらいたいと思います。
 
 身近な国会議員さんに、「自民党PTで慎重な運営を法務省に求めるよう決議文を申し入れしてください」とお願いしてみるのも一つの手かもしれません。
 

平成20年11月27日

 今回の国籍法騒動の問題点

 まず御意見板のツッコミに対する捕捉からいきます。

 >やえぐらい人権擁護法案を詳しく知っている人は、日本でもおそらく数人しかない
 
 工エエェェ(´д`)ェェエエ工工
 つまり、実際にこの法律の運用に関わる人の殆どはやえたん未満の理解レベルであると。
 行政だけでなく、司法すら怪しいのか…
 そんな危なっかしい法律、とても運用させられないってば。

 まず司法ですが、これは次の書き込みでも捕捉していただいていますけど、裁判官が全ての法律を端から端まで事細かに知り尽くしているワケではありませんので、この法案の専門家という裁判官はまだいないでしょう。
 というか、それはちょっと人間の能力を超えています。
 この問題で訴訟が起こされると担当官は詳しく調べるのでしょうけど、今の段階ではそのような人はいないと思います。
 そもそも人権擁護法案はまだ成立していない法律ではない存在ですから、裁判官が今の段階で詳細に知っておく必要性がないというか、そんなコトをしても無駄だとしか言えないワケなんですね。
 さらに言いますと、人権擁護法案は行政の行動のための法律であり、新たな罪が増えるなどのような刑法や、新たな概念が発生して損害賠償訴訟が増えるような類の法律ではありませんので、さらに裁判官とはあまり関係のないモノと言えます。
 
 次に行政の方ですが、例えばこの法案は法務省の管轄ではありますけど、法務省職員が全てこの法案に精通しているかと言えば、まぁしてないでしょう。
 というか、する必要はありません。
 人権担当部署じゃなければ、自分の仕事の方が大切なのは当然ですから、いちいち仕事に関係ないコトで時間を費やすよりは、目の前の仕事をした方が、個人のためにも国家のためにもなるでしょう。
 また担当部署の役人さんですが、さっきも言いましたようにこれはまだ法案レベルですから、担当官であっても熟知しておく必要はまだありません。
 自民党での審議の中で、法案の中身が変わる可能性も十分あるワケですしね。
 さらに、現場の人というのも、そこまで法律に精通している必要はあまりない気がします。
 現場の人は、上から「こういう手法でやれ、こういうやり方はダメだ」と言われれば、それで十分ですからね。
 もちろん知っているコトに越したコトはないですから、知っておいてもらいたいとは思いますが、今の段階では、まずは目の前の仕事が最優先であり、中身が変わる可能性のある法案というレベルで精通しておく必要はないと思います。
 
 では誰が詳しいのかと言いますと、まずこの法案を、文字通り書いた人です。
 当然この人達は精通しています。
 この作業を何人ぐらいでされているのか分かりませんが、まぁそんなに多くはないハズです。
 そして、この担当の人の直接の上司で、自民党や議員さんに説明して回られる課長や審議官レベルの人たちは、当然議員さんからの質問に答えなければならないので、詳しくなっておかなければ仕事になりません。
 
 あとは、ネットの中でもほんの僅かな人数ですが、とても詳しく調べておられた方がいらっしゃいました。
 基本的にやえはこの辺の人たちを想定して「数人」と表現しました。
 おそらく合わせても10人いくかいかないか程度なのではないでしょうか。
 これが法律として正式に成立すれば、この数は増えていくでしょう。
 人権委員さんやその職員さん達が中心ですね。
 でも今はそうではないという段階です。
 
 よって、「そんな危なっかしい法律、とても運用させられないってば」というのは、今の段階で詳しく法案を知っている人が少ないのはむしろ当然ですから、それをもって危なっかしいと表現するのは適切ではないというコトなのです。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 もの凄い長い前置きでした(笑)
 では本題です。
 
 結局今回のこの国籍法改正の騒動、何が良くなかったのかと言いますと、
 
 ・デマを鵜呑みにして、自分の頭で考えようとも、調べようとすらせず、騒ぎまくるネット住人
 ・自分の主張のために他人を貶めた一部議員
 
 この2点です。
 御意見板でも「けれどその間違いを認めて見直しを行おうという動きがあるのは評価すべき点ではないかと思う」と書き込みがあって、それはもちろんその通りだとは思いますが、しかし特に他人を貶めようとした一部の議員は、結局自分の行為に対して撤回も謝罪もしていないワケで、そうであるなら、いくらこれから筋を通した行動をしたとしても、やえの中では「ああいうコトをしても、開き直っている議員なんですね」と思い続けるしかないワケです。
 やえは今回、もう議論するなとは一言も言っていませんでして、言っているのは、その主張は自分勝手すぎると指摘しているだけなんですね。
 
 そしてそれは、ネットの動きもそうです。
 散々やえは人権法の時にうんざりきていたハズなのですが、なぜか今回もそれなりに取り上げてしまっていて、自分でもなんだかなぁと思っていたりもするんですけど、やっぱりため息しか出ないというのが本音です。
 いまだにいるワケです、
 「麻生総理が外遊に出ている隙を突いて、不意打ち的に河野太郎がDNA鑑定無しのザル法を通そうとしている」
 なんて言ってる人が。
 もうツッコミどころが多すぎて、ツッコむ気が起きませんよね。
 
 今回の件で一番被害を被ったのは、やはり河野太郎さんでしょう。
 河野さん、自分のブログでなにかやらかしたそうですけど、少なくとも本業である政治の場においてはやえの知る限り一切問題のある行為はしていません。
 
 DNA鑑定無しの法案は政府提出の閣法であり、河野さんは関係ありません。
 政府提出なんですから、総理が全く知らぬ存ぜぬ状態なんてあり得ません。
 総理が外遊しているときの法案提出なんてよくあるありふれた話です。
 自民党国籍PT座長として、政府から提出された法案を、ルール通りに党内会議で扱っただけです。
 当然、通常のルール通り告知していました。
 そしてその職責において通常のルール通り、法案の決議を採って通しただけです。
 
 よくネットでは河野さんのコトを、国を売ろうとしている売国議員なんて言い方をしていたりしますが、やえは河野さんの本心なんて知るよしもありませんので本当のところは知りませんけど、でも仮に本当にそうだとしても、今回の件に限って言えば、その職責の中において全く通常の動きと変わらない、特殊な行動など一切していない、いつも通りの議員活動だったと思っています。
 自分のブログでの不始末はどうしようもありませんが、しかしそれは個人の問題で、それで読者が批判するは勝手だと思うのでやえはその件に関しては特段何も言うコトはありませんが、政治の場においては河野さんは何も変なコトはしていません。
 ですから中傷される謂われはないでしょうし、売国議員と言ってしまうのも、ただの誹謗だとしか表現できません。
 自分の頭で考えようとせず、相手を誹謗すれば問題が解決すると勘違いして騒ぐだけ騒ぐ人間が、日本にはいっぱいいるんだというコトが分かっただけでも、やえはとってもイヤな気分です。
 
 まして、責任ある国会議員がデマの流布に一躍買っているというのも、かなり最悪です。
 今回の国籍法改正案、悪意ある意図を持って秘密裏に成立させようとしている動きがある、なんて言われていたところですが、そのデマの発生源の大きなひとつが、馬渡議員のブログです。
 結局これは、全く根拠のないガセでありデマであるコトはやえがお伝えしたところですが、こんなコトを国会議員がしてしまうと、もう信用も何もないですよね。
 これで謝罪なりされたのであればまだ見方も変わりますが、いまのところ一切ありません。
 他人を貶めて、自分が所属する政党すら自分の主張のために貶めて利用する。
 国会議員としてというより、人としてどうなんだと思わざるを得ません。
 
 結局、ネット独特の閉鎖された空間での考え無しの大騒ぎに、国会議員という立場ある人間から発せられたデマが融合して、この騒ぎはさらにイヤな方向に大きくなったワケです。
 昨日も書きましたように、まだちゃんとしたやり方、法律の運営について国会議員の立場として、正式に筋の通ったやり方はいくらでもあります。
 でもそれをせずに、ただただ騒ぎ立て、いえ騒ぐだけならまだしも、身内すら売って騒ぎのネタにするというのは、それは本当に国を良くしようとしている行為ですか、それとも選挙活動ですか売名行為ですかと聞きたくなりますし、やえにはどうしても許せないのです。
 今回やえはあまり中身については触れませんけど、それはやはり、それ以外の騒動について見ていられないと思ったせいなんだと自分で思っています。
 一応ありがたいコトに当サイトは一日1000件ぐらいアクセスをいただいていますし、騒動の中でいろんなところからリンクされて4000ぐらいいった日もありましたので、何もしないよりはやってよかったとは思っていますので、少しでもほんの僅かでも風向きを変えられたのなら、バーチャルネットアイドル冥利に尽きるというモノです。
 でも、なんて言いましょうか、もうちょっと、冷静に自分の頭で常識で考えられる人がいてほしいなぁと思わずにはいられないのです。
 
 もちろん主張の中身を問わず、キチンと筋を通して理屈のあった議論をするのであれば、それはとても良いコトだと思います。
 決してやえは、今回の件で法案反対している人全てがメチャクチャだとは思っていません。
 そもそもやえは中身についてあまり触れていませんので、人権擁護法案の時と違って、そこまで言える立場でもないと思っていますし。
 どうか今後は、そういったキチンとした議論として成り立つ議論になってほしい、自分の意見をどんな形であっても他人が見るコトの出来る公共の場で表明するなら、それぐらいの最低限の責任を背負ってからしてほしいと、そう願わずにはいられません。
 
 やえも時には間違ったコトを言うかもしれません。
 その時はどうぞご指摘ください。
 ご批判下さい。
 間違いであれば、訂正をしますし、ご迷惑をかければ謝罪もします。
 公の場で発言をするというのは、そういう責任を背負っているというのが当然だと思っていますから。
 

平成20年11月28日

 補正予算を早く出せ、でも会期延長は反対

 ごめんなさい、ちょっと調子があまりよろしくないモノでして、今日は簡単な更新です。
 今日国会の方では会期の延長に関しての本会議が開かれていたのですが、そこでの民主党の主張があまりにも理解不能でしたので、ご紹介しておきたいと思います。
 
 与党としてはまだ引き続き審議したい議案があるので、今年もギリギリの12月25日まで臨時国会を延長しようと提案したのですが、民主党はそれに反対しました。
 しかしその理由が、「第二次補正を早く国会に提出しろ」というモノなのです。
 ごめんなさい、これだけでもうすでにやえには意味が分かりません。
 
 この二次補正をはやく提出しろという主張を、ちょっと前から民主党は言い出しているのですが、もし今国会に提出しろと言うのであれば、国会を延長しろと主張しなければ矛盾しますよね。
 国会が閉会していたら、提出自体は確か出来たとは思いますが、審議は出来ないワケですから、これは提出していないのとあまり変わりはありません。
 ひとつの法案や予算や議案は、当サイトをご覧いただいている方はよくご存じだと思いますが、それをつくるだけでも大変な手間ですから、物理的な問題や、またこの前一時補正が成立したのでタイミング的なモノもあるのでしょうから、提出すべきかどうかは意見が分かれるところだろうとは思いますが、しかし少なくとも早く提出しろと言うのであれば、それを受ける国会は開会しておくべきと主張するのが、筋というか、当然のコトのなのではないでしょうか。
 出せ出せと口では言っておいて、でもその窓口は閉めましょうと民主党は言っているワケで、やえにはなにがしたいのか全く分かりません。
 「第二次補正を提出しないから会期延長に反対」
 だれか、この日本語を解説してください。
 
 というか、そもそも民主党って補正予算に反対でしたよね。
 世界的金融危機の中、民主党は「そんなモノよりも解散だ」と言い続けていました。
 そんな民主党が、いまになっていきなり「二次補正を出せ」って言っているコトには、やえはどうも理解が出来ません。
 補正予算するべきなんですか?
 しないで解散するべきなんですか?
 それともさっさと国会を閉会させて今年はこれで終わりにしたいんですか?
 どうしたいのでしょうか。
 
 意見の違いというのは、違う人間ですから当然あるでしょう。
 意見や思想によっては自民党より民主党の方を応援したいと思う人がいるというのも、あって当然だと思います。
 でもやえは、民主党のこういうところが嫌いなのです。
 主張の中身ではなく、言ってるコトがコロコロ変わったり、態度に一貫性がなかったり、その行為はけしからんと他人には言いつつ自分は平気でその行為をしたりするという、こういう体質が嫌いなのです。
 どんなひどい失言をしてもマスコミが取り上げないというところもあるんですが、まぁこれはマスコミの問題ですから言いません。
 でもこの態度の一貫性の無さというのは、本当に見てて呆れるしかありません。
 
 こんな態度で日本の舵取りを任せられるとは、やえには全く思えないワケなのです。