敷金を返せ!!〜敷金返還闘争記〜


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第一章 予備知識

 立ち会いの日までにHP等で仕入れた情報によって、ある程度の法的知識を手に入れることが出来た。
 この時知ったポイントをいくつか書き出そう。

1.建設省(現国土交通省)が制作した「ガイドライン」というものがあること
2.ガイドラインは法律ではないこと
3.原状回復は、借りた当時の状態に戻すという事ではないこと
4.借り主の過失でない限り金を取られることはない、ということ
5.当然クリーニング代など払う必要はないこと

 このことからオレは事前の次のような文章を作って当日にあたることにした。

建設省作成「賃貸住宅標準契約書」より
第11条
 乙は、本契約が終了する日(甲が第2条第3項に規定する通知をしなかった場合においては、同条第4項ただし書きに規定する通知をした日から6月を経過した日)までに(第9条の規定に基づき本契約が解除された場合にあっては、直ちに)、本物件を明け渡さなければならない。この場合において、乙は、通常の使用に伴い生じた本物件の損耗を除き、本物件を原状回復しなければならない。
2 乙は、前項前段の明渡しをするときには、明渡し日を事前に甲に通知しなければならない。
3 甲及び乙は、第1項後段の規定に基づき乙が行う原状回復の内容及び方法について協議するものとする。

国土交通省HPより
○ガイドラインのポイント
原状回復とは
 原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる自然損耗、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃貸人負担としました。
原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明確化
経過年数の考慮
 前記BやA(+B)の場合であっても、自然損耗や通常損耗が含まれており、賃借人はその分を賃料として支払っていますので、賃借人が修繕費用の全てを負担することとなると、契約当事者間の公平を欠くなどの問題があるため、賃借人の負担については、建物や設備の経過年数を考慮し、年数が多いほど賃借人の負担割合を減少させるのが適当です。

 Yahoo!で「敷金返還」というキーワードで検索をかけてヒットしたページを読むと、そのほぼ全ての業者が、不当にクリーニング代やフローリング張替代を請求している、ということだったので、オレもその点を特に重要視し、これらは絶対に払わないと心に決め何度も頭の中でシュミレーションを繰り返して当日を待つことになった。

 しかし、立ち会い業者全てが悪徳な手口で来ると思っていた点が間違いであるということに、この時点ではオレは思いもつかなったのである…。


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