敷金を返せ!!〜敷金返還闘争記〜


序章第一章第二章第三章第四章第五章|終章|

終章 停戦条約締結

 繰り返し分析してみよう。

交渉回数別に番号を付ける。
立会日(1)→立会を受けての回答(2)→天堕一回目のFAXの回答(3)→天堕二回目のFAXの回答(4)

敷金返金金額の推移(約)
(1)▲2万5千円→(2)▲1万3千円→(3)3万7千円→(4)6万2千円
単純計算8万7千円の差が交渉によって出たことになる

裁判を行った場合の天堕の有利な条件
1.司法書士から勝てるだろうというメールをもらっている
2.判例的にも勝てる見込みアリ
3.煙草はヘビースモーカーではなく、ライトスモーカーである
4.一カ所クリーニングで取れる汚れを取れないとT◎HT◎不動産は判断している

不利な条件
1.一部ではあるが書類にサインしている
2.負担割合についての合意書類にも、説明は受けていないがサインしている
3.それに伴い、不動産側はかなり法的根拠を持つ書類をそろえている
4.つまり裁判慣れしている
5.友人知人にヘビースモーカーが多い


 有利な条件4番はちょっと笑えるが、それ以外の有利な条件は抽象的なものばかりだ。
 また、悪徳業者ならいざ知らず、T◎HT◎及びセ○ワぐらいの大不動産会社が裁判をちらつかせても退かないと言うのは、やはりそれなりに準備は出来るのであろうそのためのいくつもの難解な書類だと思われる。
 まだ悪徳業者の方がやりやすい。
 裁判をやるのも経験になるだろうし、面白そうなのでやってもいいのだが、周りは相変わらずヤメロとうるさいし、特に不利な条件1が気になる
 不利な条件2は法的にも無効と判断されると思われるが、1の方が微妙である。もしこれで敗訴しようものなら(2)の1万3千の出費となってしまうだろう。いくら金のためにやってないとはいえ、それは痛すぎる。
 また前にも書いたが、半分で線引きするのであれば、それ以上までこぎつけたのだし、内容的にもほぼ煙草は過失ではないと言えるぐらいの内容にはなっていると言えるのではないだろうか。洋室の事はどうも腑に落ちないが。
 意固地にならず、冷静に判断するのであれば、ここで退くのが最善であろう。武士は退きどころが肝心なのである。

 オレは停戦することを決め、次のFAXを送った。

平成13年○月×日
T◎HT◎不動産 山田様


 八王子の○○に住んでおりました天堕 輪です。
 先日のお電話を受けまして、その返事をさせていただきます。


 今回は、セ○ワ不動産さんからの最終返答を受諾することに致しました。

 山田さんには色々とお世話になりました。
 今回のことでは、色々と勉強することができ、また今回のことがきっかけで勉強する機会が出来た事は、私にとって大変有意義なことだと思っています。
 これらのことは私の人生の糧に出来ればと思っています。


 では、6万2千円を返金ということで、誠に勝手なことですが、出来れば早めに銀行の方に振り込んでいただければ幸いかと思います。

 今まで、T◎HT◎不動産およびセ○ワ不動産、そして山田さんには大変お世話になりました。
 また何かのご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

天堕 輪

 この後、電話にて「書類を送るからサインして送り返してきてくれ」と言われ、その通り停戦条約に署名と捺印をし、これで長かった敷金返還闘争は終結したのだった…。

※本文中の帶刀氏との会話と中谷行政書士のメールは御本人のご了解を得て掲載させていただきました。


敷金返還記のトップへ