敷金を返せ!!〜体験に基づくアドバイス〜


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2.立ち会い時に主張する場合

 まずで述べたように、主張するのは構わないが、全額返金の場合を除いて、結論は出さない方がよい。また主張は、必ず全額返金を求めよう。自分に非があると思う部分があっても、それは保留し、返還すべき部分は全額返金を求める。この時点では一部分でも自分が負担すると認めてはいけない。それは後でじっくりと考えてからでよいし、和解カードに使えばいいのであるから。
 さて、にも書いたが立ち会いの時に最も重要なのは明細を貰うことである。いくら業者が金額の内訳を口で説明してもダメだ。ちゃんと文章で明細を貰おう。明細を請求することで敷金を返還して貰うという意思表示にもなるので重要だ。
 その後明細を参照しながら交渉となる。先にも書いたが、借り主が不利になるような結論はここでは出さないこと。また、相手はプロだということを心に留めておきながら主張しないと相手のペースに乗せられてしまうので気をつけよう。こちらの主張はただ一つだけだ。「これらは通常使用の範囲内であり、原状回復には当たらないので、この項目はこちらが負担する必要も義務もない。」簡単な話、これだけを繰り返せばよいのだ。業者がヘコミを指摘しようが汚れを指摘しようが煙草のヤニを指摘しようが「通常使用である」の一点張りでよい。ここで結論を出す必要はないので少々強引でもこれでよい。
 「ガイドライン」や「借地借家法」のコピーを持っていくこともお勧めする。業者は当然これを知っているだろうが、とぼける可能性も無きしにも非ずなので用意しておくに損はない。「ガイドライン」と「借地借家法」は借り主の武器なのである。「ガイドライン」は法律ではないにせよ、契約書等がなければ「ガイドライン」が指針になるわけだし、裁判になってもこれが根拠にされるので「法律ではない」と相手が言っても、それはハッタリだと思っておけばよいだろう。
 当然弁護士や行政書士に知り合いがいればその人に頼むのが一番だろう。ただし正式に依頼すると敷金より高く付く可能性もあるので、あくまで個人的つき合いでタダで頼める人だけになる。まぁそんな人が知り合いにいればこのページなど見る必要はないだろうが(笑)
 万全の体制を作りたいのなら、テープレコーダーを持っていき会話を録音し、明細書を受け取り、不要なことは言わずに「通常使用である」とだけ主張し、結論を出さずにサインもせず「後で家族等と相談して決める」と伝えて、その場はそれで終わろう。焦ってその場で結論を出そうとすれば業者のペースにはまってしまい後で後悔することになりかねないので、この場はそれでヨシとしよう。


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