敷金を返せ!!〜体験に基づくアドバイス〜


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3.文章(手紙・FAX等)で返還要求する場合

 とは言っても、特に気をつけなければならないようなことはない。強いて言えば、主張の主文となる部分は明確に分かりやすく書けばよいだろう。オレのFAXもそうだが、主文を箇条書きにするのが一番分かりやすく、また書きやすいだろう。
 主張の説明の部分は具体的な例を入れると説得力が出る。「ガイドライン」や判例などを引用しながら書こう。<「煙草のヤニは通常使用である」という判例が出ています。><原状回復とは「賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない」(建設省HP「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の概要」より)とあるように>というように、当然その場合は引用元をちゃんと明記すること。
 はじめから裁判をチラつかせるのは得策ではない。契約書に詳しく書いてあったり、よほどひどい損耗がある場合以外は、やはり賃借人の方が勝訴する場合が多いようなので、これは最終手段で十分である。そのことは業者の方が良く承知しているはずである。少額訴訟などほとんど金がかからず時間もかからない裁判もあるが、誰だって裁判はしたくないだろう。話し合いで済めばそれで良いと思う。まぁ、業者が大嫌いで話し合いすらしたくないと言うのであれば即刻裁判に持ち込んでも良いだろう。もちろん準備はしっかりやって、そして最低でも一回は業者にその旨を伝えよう。それだけで業者が引っ込む可能性もある。その場合は内容証明郵便を利用することを勧める。内容証明郵便とは相手にその郵便を確実に渡したと国家機関である郵便局が認めてくれる郵便手段である。ただしそれだけなのでそれ以上は期待できないが、それでも内容証明郵便を送ることで相手はしらばっくれることは出来なくなるし、こちらも本気だと言うことを間接的に伝えることが出来るので非常に有効である。千円程度の出費となるがそれは仕方ない。書き方はこちら等に詳しくあるので参照して欲しい。
 また、レポート中にも書いたが「こちらの言い分を聞かないのであるならば裁判をする」みたいな書き方をすると脅迫罪に当たる可能性が出てくるのでそれはやめよう。「円滑に事を進めるために裁判という手段をとります」と、あくまで早期解決を図る手段として用いる、という形にしよう。裁判を行うという趣旨の文を書く場合、必ず、無理と思っていても最大限(出来るなら全額)の金額の返還を求めよう。裁判では原告が求めているモノだけを最大としか見なさないので、仮に裁判をして勝てるような事項があったとしてもそれを原告が求めていない場合は、裁判所の方から親切にそれを含めてくれることはない。刑事裁判でも検察が無期懲役を求めたのに裁判所が死刑判決をすることは法律によって出来ないことになっている。だからその部分は負けると分かっていても裁判ではそれを求めると書こう。裁判で負けたから罰金なんてことはないので、ダメもとでも構わないのである。またカードが多い方が和解するときにも有利に働くのでその方が良い。負けると思っているカードは和解の時の交換条件になるからである。裁判は勝つか負けるかの(言い方は悪いが)ゲームなのであるから、高い戦略を持って当たった方がいいのだ。
 当然のことだが、FAXの場合は気にする必要はないが、郵便で送る場合は必ず原稿の控えを取っておこう。ワープロならいくつもプリントアウトできるが、手書きの場合はコピーを取っておこう。
 内容証明郵便は最終手段でよい。一回出すだけでそれなりの金がかかり何回も出してれば結構な出費になってしまうので、はじめは普通の郵便やFAXで送って、もし相手が無視しているようであるなら、「次は内容証明郵便で送ります」と書いて送ろう。
 レポート中に書いてあるオレが不動産屋に送ったFAXは別項にて載せているので、文章を書くのが苦手というのであれば、大いに参考にして欲しい。そのまま使ってくれても構わないが、オレと全く一緒の状況にはならないだろうから、その部分だけ変えて使ってくれてもいい。ただし結果には責任を持てないので、出来るだけ自分の文で書いた方がいいだろう。


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