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2015-09

外交は国民の溜飲を下げる場ではない


 今日はこちらのニュースです。
 

 社説:日露外相会談 領土打開の戦略見えず
 
 岸田文雄外相がこの時期にロシアを訪問する選択は、正しかったのか。そんな疑問の残る会談だった。
 岸田氏とロシアのラブロフ外相が会談し、中断していた外務次官級による平和条約締結交渉を来月8日に再開することで合意した。
 会談後の記者会見で、岸田氏は「北方領土問題について突っ込んだ議論をした」と成果を強調した。ところが、隣に座っていたラブロフ氏は「ロシア側は北方領土について協議しなかった。議題は平和条約締結交渉だった」とけん制した。岸田氏はぶぜんとした表情を見せた。
 平和条約締結問題は領土問題そのものであり、ラブロフ氏の指摘は当たらない。実際、両氏は4時間半の会談の半分を領土問題に費やしたという。岸田氏は会談の翌日、記者団に「要は言い方の問題だ」と食い違いの理由を説明したが、記者会見の場で直ちに反論すべきだった。

 
 これ、ちょっと勘違いしているんじゃないかとよく思うのですが、記者会見が外相会合の場ではないんですよね。
 そして同時に、記者会見は外相会合の中身を全て伝えている場でもありません。
 記者会見はあくまで記者会見、極端なコトを言えば、自分の国の都合のいいコトを言うだけの場でしかないのです
 
 こういう記事もあります。
 

 【政治クリップ】 日ロ外相会談の成果は?
 
 会談の半分以上の時間を、領土問題を含む平和条約締結交渉に注ぎ込んだと、成果を強調する岸田大臣としては、ラブロフ外相のこの発言はとても看過することはできなかったようで、翌日、記者団に、このように訴えました。
 「要は言い方の問題、言葉の使い方の問題ではないかと思っている。4時間あまりのうち、半分は領土問題について議論をしておりました。これが実態であります」(岸田外相)
 ラブロフ外相の発言の真意について、外務省幹部は、“ロシア経済が低迷する中、国民の愛国心をかきたてながら政権を運営するロシアとしては、日本と領土問題を議論したとは国内向けにはとても発表できないからだ”と説明します。

 
 もし本当に日本の外務大臣がロシアに行ったのにも関わらず、領土問題を一切協議しなかったのであれば、確かに問題でしょう。
 でもそんなコトはあり得ないワケで、それはちょっと取材すれば分かりそうなモノで、結局事実としては違うワケですよね。
 で、今回何が問題なのかと言えば、毎日新聞のこの文言
 

 記者会見の場で直ちに反論すべきだった。

 
 これはあまりにも感情論じゃないですか。
 繰り返しますが、記者会見というのは外相会合の場ではありません。
 記者会見の場で議論してどうするんですか。
 そりゃ見ている側はそれで面白いのかもしれません。
 長州力と橋本真也のコラタコ会見は確かに面白いです。
 でもそんなコトして果たして国家としての利益になるのでしょうか。
 
 外務大臣や政治家には、それぞれの立場による仕事があります。
 特に外相会合という場においては、外務大臣は交渉官になるワケじゃないですか。
 そして政治家を通じて相手を評価するというのは、それは国民の仕事です。
 記者会見では日本は日本の立場を表明し、ロシアはロシアの立場を表明した。
 内容に食い違いがありましたが、それは記者会見とは外相会合の中身をつまびらかに明らかにする場ではなく、あくまで自らの主張を表明する場でしかなく、今回も「自らの立場を表明した」からこその違いです。
 その上で、そういう態度を見せるロシアをどう評価するのかっていうところが、国民こそがすべきところなんですね。
 
 もしこのロシアの態度を見て、やはりまともに付き合うべきではないと国民が判断すれば、日本政府もそのように動くでしょう。
 それが民主主義ってモノじゃないですか。
 それなのに、外相会合をした直後の記者会見で無意味なタココラケンカをしてしまえば、そういう判断すら出来なくなってしまうでしょう。
 
 なぜ毎日新聞が社説で「記者会見の場で直ちに反論すべきだった」と書いているのか、やえはそれは、マスコミの傲慢さだと思っています。
 マスコミは記者会見こそが外相会合の全てだと勘違いしてしまっているのではないのでしょうか。
 政治家は芸能人とは違います。
 芸能人はカメラの前が全てかもしれませんが、政治家はむしろカメラがないところこそが本来の仕事です。
 マスコミはここをはき違えているのではないのでしょうか。
 
 最もまずいコトは、記者会見の場だけで国家の勝ち負けを決めてしまう行為です。
 多くの場合外交に勝ち負けはないハズで、あるのは「自国に利益があるかどうか」であって、他国の利益はあればあれでいいし、なければなけれでいい、出来ればお互い利益があればいいですねって程度であって、「勝ちと負け」じゃないんですよ。
 まして正式な外相会合の場ではない記者会見なんかの場でそれが決まるハズもありません。
 でもこれ、よくあるパターンだったりしますよね。
 「自分が気に入らない発言を相手国がしたから負けだ」と思い込んで、自国政府批判する国民。
 よく見ませんか?
 でも外交は、国民の溜飲を下げる場ではないのです。
 
 歴史を振り返れば、先の大戦だって一番政府を煽っていたのがマスコミであり国民であったのです。
 結局、自分たちの溜飲を下げるために戦争に突っ走ってしまったという部分は否めないでしょう。
 戦争の原因をそれだけとは言いませんが、それも確かにあったコトは否定できないハズです。
 それなのにまた外交を国民の娯楽にするかのようなこの感情的な一文に、やえは強い違和感を覚えるのです。
 

対等な関係は対等な制度から


 ごめんなさい、シルバーウィークを満喫してしまいましたー。
 ダメですね、この連休は人をダメにしてしまいます(笑)
 というワケで、気持ちを切り替えて、また今日から頑張っていきましょー。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 さて。
 安保法制も可決しましたし、これが最終目標ではありませんけど、とりあえず一段落というところです。
 なので、しばらくこのお話もするコトがなくなると思いますので、最後にひとつ言っておこうと思います。
 
 似たようなコトはこれまでも何度も言ってきていると思うのですが、日本が国連憲章に基づいた国防政策をフルバージョンで行使できるようになるコトこそが、当面の日本の目標だとやえは思っています。
 なぜなら、それこそが真の意味での「自立」だからです。
 今回の安保法制の議論でもよく聞かれたのが、「結局はアメリカの言いなりになるだけだ」という批判ですが、しかしこの批判で一番間違っているのが、その言い方だとさも現状がアメリカの言いなりにはなっていないと言わんばかりの物言いだという点です。
 違いますよね。
 現状の日本は、アメリカに守って貰うコトが前提の国防体制を敷いています。
 他国から戦争をふっかけられても、火の粉を払うことは出来ても、自分からは相手を叩くコトが出来ないという、世界でも希有な縛りを持っているのが日本です。
 しかしそれではまともな国防なんてできるハズもないと現実問題としては分かっているからこそ、日本が自ら縛っている部分をアメリカに肩代わりして貰っているワケですよね。
 そして一番重要な点は、これは正式な条約によって公的な制度によって担保されているという点です。
 二国の間でなんとなくそういうパワーバランスになっている、なんていう類いのモノではなく、法律よりも上位にある条約によって、それが形作られているのです。
 安全保障問題を考える上では、まずはこの意味を考えるべきなんですね。
 
 制度として正式に「自分が殴られたら、お前が反撃されるかもしれないけど、代わりに攻撃してこい」という制度を敷いているのに、それで対等な関係だと思う方がどうかしてますよ。
 日本はアメリカに守られているんですよ、庇護されているんですよ。
 この現実から目を背けてはなりません。
 たまに「アメリカは本気で日本を守る気なんて無い」とか言う人がいますが、そういう問題じゃいなんですね。
 「条約でそう決まっている」のです。
 「法律で決まっている」よりも上位の決まり事であり制度なんですね。
 制度でそうなっている以上は、正式に制度によって「日本はアメリカの庇護下にある」と定められているのです。
 
 この時点で「アメリカの言いなりになるだけだ」という批判は的外れもいいところなんです。
 むしろ今も「アメリカの言いなりになりかねない制度を日本は正式に採用している」のであり、今回の安保法制によって、そこからちょっとだけ前進したというのが正しい認識でしょう。
 
 アメリカとは対等な関係になるべきです。
 いやそれはアメリカだけのお話ではありません。
 全ての国と、同じ権利を行使できる、それを背景に外交ができる国になるべきだと思っています。
 だからこそ、国連が認めるフルバージョンの集団的自衛権を行使できる国にする必要があるのです。
 
 国同士だって人間同士だって、お互いの関係性の中で微妙なパワーバランスは生まれるモノです。
 それは色々な事情があるでしょう。
 しかし少なくとも制度の上で対等にならないと、そんな関係性の中におけるパワーバランスを語る以前の問題じゃないですか。
 制度で日本はアメリカの庇護下にあるんですよ。
 対等だなんだを言うのであれば、まずここから脱却しなければお話にならない、それが最低限のスタートラインなんですよ。
 
 安保法制と集団的自衛権の問題には色んな視点がありますが、そもそも国連が認めている権利であるという点からして反対する理由がいまいち分かりませんし、また一方、アメリカと対等な関係になるという点で反対する人は少なくともやえは見たコトないワケですけど、でもそれなのに、それを実現する方向を歩き出したら批判し始めるというのは、ちょっと理解に苦しむワケです。
 目標があって、しかし現実にはその1から10を一度に全部同時に達成できるコトなんてまずないのですから、段階を踏んでコツコツやっていくしかないのは、キチンとした生活を送っている人なら簡単に分かるコトなのですから、そうやってやっていくしかないじゃないですか。
 安倍総理の意志がどうであれ、少なくとも形式上は集団的自衛権の一端を行使できるようになっている以上、日本がより強固な力を持つようになった、そしてアメリカとの差が小さくなったと言えるのは確実なのです。
 これがゴールでは全然ありませんが、その怪談の一歩を踏んだだけでも、十分評価に値すると思っています。
 0か100しか評価しないと言ってしまうのは子供の理想論だけですしね。
 
 日本が強くなる。
 結局はこれだけでいいんですよ、評価の基準としては。
 安保法制は現状よりも確実にそうなると思っているからこその評価なのです。
 

議論が出来ない人間とはまさにこのこと


 なんだか国会では色々と大騒ぎですが、まぁ当サイトとしては淡々と行きましょう。
 やえとしましたら、日本もフルバージョンの集団的自衛権を持つべきだと思っていますから、これはまだ道半ばだと思っていますしね。
 
 もう一回、山形市長選挙の結果にからんでのお話ですが、それにしても自ら争点として持ち出したのですから、選挙という結果が出た以上、自ら敗北宣言すべきではないのでしょうか。
 やっぱり見苦しいですよね。
 自分たちで争点に持ってきたのですから、その責任は最後まで取るべきでしょう。
 
 デモっていうモノの効果は、つまりは「見た目だけの数の多さ」に意味があるワケです。
 決してデモは言論ではありません。
 言論には人数は必要ないですからね。
 ですから数頼みなのがデモなのであって、今回の山形市長選挙も、その数の力を背景に公職の選挙を勝つコトで、その「こっちが多数派だ」というコトを知らしめて、より一層自らの正当性を誇示しようとしたワケです。
 でも市長選挙に勝つコトができませんでした。
 つまりこれは、「安保反対派が多数だ」という論拠の瓦解、すなわち「安保法制反対」という結論に対する論拠の瓦解を意味しているワケなのです。
 
 議論とは論拠の応酬です。
 そしてデモによる数の力を背景にした主張の論拠は、「それだけ反対する人数が多い」という部分なのですから、この論拠が崩れた以上は、議論としては終了なんですね。
 「デモというモノが主張する安保法制反対論」は完全に論破された形になるワケです。
 ですから、まずはデモは一度敗北を認めなければならないハズなんですよね。
 議論とは結論のやりとりではなく、論拠のやりとりですから、議論としてはデモという形については終わってしまっているのです。
 
 でも相も変わらずデモやってますよね。
 これがまさに「議論が出来ない状態」なのです。
 繰り返しますが、議論とは結論の応酬ではないのです。
 だってそれは、「安保賛成だ」「安保反対だ」と言い合うだけにしかならず、これがクロスするコトはありません。
 議論とは、「なぜその結論なのか」という論拠の部分でクロスさせるコトを意味するのです。
 例えば人数を論拠にするのであれば、「デモに何万人集まった」という論拠と、「自民党には何千万票集まっている」という論拠が出されるワケで、これで意見をクロスさせるコトができますよね。
 このやりとりを議論というワケです。
 よって、いままだ相も変わらず行っているデモというのは、もはや議論を放棄した「主張の押しつけ」にしかなっていないんですね。
 言い換えるなら、お話にならない状態と言えるでしょう。
 
 議論できない人間とは何も話し合いなんてできません。
 そして議論できないのであれば、民主主義の政治なんてできるハズもありません。 
 主張の押しつけだけでは何も生まれないのですから。
 いま国会で何が起きているのか、知性のある冷静な国民はシッカリと観察しておく必要があるでしょう。
 

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