安倍総理の「右翼発言」を開き直りと捉える人は、自分は日本語能力がありませんと自己紹介しているだけ

 放射能問題の途中ですが、今日はこちらの記事について一言言っておきたいと思います。
 
 こういうコトは、どんな思想を持っていたとしても決してやってはいけないコトのハズです。
 引用元の発言者の言葉を、別の意味に組み替えるという行為は、これはもう「捏造」と表現する以外なんと言えばいいのでしょうか、という問題です。
 

 安倍首相の「右翼と呼びたいなら」発言に孫崎亨氏意見
 
 安倍晋三首相(59)が9月25日、米・保守系シンクタンクのハドソン研究所で講演を行い、その中で「もし私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならどうぞ」と発言した。
 
 (中略)
 
 「安倍首相、ついに世界に向かって堂々のヒトラー化宣言!」「戦争に対する反省も、歴史認識もなく、アジア諸国と世界への挑発的発言。許せない」などの発言が紹介され、評論家の孫崎享氏もツイッターで「もう駄目だ。付ける薬がない」とコメントした。

 
 この話題けっこう大きく取り上げられてますのでご存じの方も多い方と思うのですが、どうもこれについては特に左巻き系のメディアからは「安倍が自分を右翼と呼べと開き直っている」かのように喧伝しようとしています。
 特にこの記事なんて顕著ですよね。
 孫崎亨氏っていう人がどんな人なのかやえは存じ上げませんが、なにがどう「もう駄目」で「付ける薬がない」のでしょうか。
 というか随分な言い方ですよね。
 完全に人を馬鹿にした言い方ですが、この記事の書き方も、『「安倍首相、ついに世界に向かって堂々のヒトラー化宣言!」「戦争に対する反省も、歴史認識もなく、アジア諸国と世界への挑発的発言。許せない」などの発言が紹介され』に続いて、『「もう駄目だ。付ける薬がない」』ですから、まさに「安倍が自分を右翼と呼べと開き直っている」と発言を捏造してのレッテル張りだと言わざるを得ません。
 
 それは安倍総理の前後の発言を見れば明らかです。
 安倍総理の発言の全文を探したのですが見当たらなかったのですけど、でもすぐ数行の前後を読むだけで、その安倍総理の「言葉」はハッキリと分かります。
 

 首相 「積極的平和主義」で世界に貢献
 
 また安倍総理大臣は「日本のすぐそばに軍事支出が少なくとも日本の2倍で毎年10%以上の伸びを20年以上続けている国がある。日本は11年ぶりに防衛費を増額したが、たった0.8%に過ぎない。私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、そう呼んでいただきたいものだ」と述べ、軍事費を増大させている中国を引き合いに日本が右傾化しているという見方は当たらないという考えを強調しました。

 
 これ、普通の日本語感覚を持っている人であれば、安倍総理が何を言っているのか、考えるまでもなく分かりますよね。
 義務教育期間の中で、こういう反語的な文章の読み方や、比喩的な文章の読み方って、習ったハズです。
 今回のこの安倍総理の言葉とはどういう意味でしょうか。
 言い換えるのであれば、「日本よりも軍事支出が長年に渡り莫大な国がすぐ隣にあるのに、それには何も言わずして自分を「右翼の軍国主義」と呼ぶのはおかしいのではないか」というコトですよね。
 まさに反語ですよ。
 教科書的に書くなら、「そう呼んでいただきたいものだ(いや呼べるハズもない)」と、こんなところでしょうか。
 
 つまり安倍総理の言葉とはこうです。
 「もし自分(安倍総理)を右翼の軍国主義と呼ぶなら、まず先に中国に向かって右翼の軍国主義と呼ばないとおかしいだろ」であり、もっと言えば「そう言わないのは偏っているんじゃないんですか」と、皮肉や問いかけを含めた言葉ですよね。
 決して、「自分を右翼と呼びたいなら呼べ」とかそういう意味は全くもって一切含まれていません。
 むしろ「呼べるハズが無い」と言っているのです。
 それなのに安倍首相、ついに世界に向かって堂々のヒトラー化宣言!」とか言ってしまうのは、まったく安倍総理の言葉を真逆に捉えてしまっていますよね。
 
 これは「安倍総理の真意」ですらありません。
 「真意はこうだった」と言う場合は、だいたいにして「発言の裏に隠されている本当の意味」というような場合に使われる言葉ですから、この場合は「真意」という言葉を使うコトさえ不適切です。
 安倍総理は日本語として普通に「自分を右翼や軍国主義とはとても呼べないだろう」と言っているだけなのですから。
 それなのにこれを「安倍総理は自分のコトを右翼と呼べと言っている」かのように言う人というのは、果たして日本の義務教育の中で何を学んできたのか疑問に思わざるを得ません。
 
 報道の自由とか表現の自由には、他人の言葉を捏造していい自由なんて含まれていません。
 ましてここまでハッキリとした「言葉」の意味を組み替えとしまうなんて、捏造以外なんと呼べばいいのか、やえには他に適切な日本語を知りません。
 さらにタチが悪いのが、この記事には
 

 安倍首相は同講演で、日本の今年の防衛費の伸び率が0.8%だったのに対し、中国では毎年10%以上の伸び率であることを指摘。安倍首相に対する「戦争の道を目指す右翼」との批判に反論した形で、「もし私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならどうぞ」と続けた。

 
 と、ある程度の前後の状況をちゃんと書いているところです。
 普通これ書いたら日本語としての意味も分かるハズですから、後半の文章には繋がらないですよね。
 それなのにこんな記事になるっていうコトは、つまり意図的に文章を捏造しようとしているのか、もしくは日本語能力がものすごく低いかのどちらかでしょう。
 本当に恥ずかしくないんでしょうかね。