マスコミは聖域ではない

 さすがにこれはちょっとひどすぎるので、記録という意味においても、一言言っておきたいと思います。
 
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 これは先日行われた自民党の党大会の様子を報道する日本テレビのテレビキャプチャー画像ですが、この2つのキャプチャーを見たら、視聴者は普通はどう受け取るでしょうか。
 普通の日本語感覚を持っていれば、安倍総理が「選挙のためならなんでもする」と言っている、つまりかなり悪いコトまで想定するなら例えば「賄賂をばらまいてでも選挙に勝つ」というような、選挙のためには手段を選ばないんだと安倍総理が言っているように見えるでしょう。
 この画面を見れば、そう取るのが普通ですし、そしてもし安倍総理がそう言ったのであれば、これはかなりイメージの悪いお話となります。
 「選挙のためには手段を選ばない」なんて言って好意的に受け取られる政治家なんているでしょうか。
 これは安倍さんにとっては、本来はかなりマイナスになる発言をしてしまったと捉えられる報道だと言えます。
 
 しかし事実は異なります。
 安倍総理の正しい発言はこうです。
 
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 「選挙のためだったら何でもする、誰とも組む、こんな無責任な勢力に私たちは負けるわけにはいかないんです」
 
 常識的な日本語感覚を持っている人がこれを見たらどう受け取るでしょうか。
 少なくとも「選挙のためだったら何でもする、誰とも組む」というのは安倍総理自身や自民党の行動を指す言葉ではなく、むしろ「自分たち以外の勢力」がこういうコトをしているから安倍総理はそれを批判している、と受け取るのが普通でしょう。
 「何でもする」へのとらえ方が、こっちでは完全否定の意味で使われているワケですよね。
 むしろそれ以外のとらえ方なんてちょっと考えられません。
 
 では、最初の日本テレビのキャプチャーはなんだったのでしょうか。
 全く意味が真逆じゃないですか。
 方や「自分は選挙に勝つためには何でもやる」という宣言と、方や「選挙のためになんでもやるような勢力には負けない」という批判と、とてもじゃないですけど同じ発言と言うコトなんてできません。
 
 ハッキリ言って、こんなの捏造ですよ。
 なにがどうすれば発言が180度ひっくり返るんですか。
 後で大バッシングを受けてからミスだと謝罪したようですが、これをミスと言う方が無茶ですよ。
 まして仮にこれが本当にミスだったとしても、こんなの1、2回謝ったぐらいで済む話じゃないですよね。
 最低でも、同じ時間帯に一週間続けて訂正放送をその報道と同じ時間かけて放送し続けて、これで最低限の謝罪と言えるモノとなるでしょう。
 それなのにちょっと一回サラッと謝ったからと、許されるモノではありません。
 
 例えば、単純ミスで食中毒が発生したとしたら、しかしそれはミスだからと謝罪だけで済むのでしょうか。
 そんなコトはありません。
 この場合、営業停止などの行政処分や、賠償など、起こしてしまった結果に対して責任を取らなければなりません。
 マスコミだって同じですよ。
 ミスだからって謝罪だけで済む話ではありません。
 ミスだろうがなんだろうが、起こしてしまったコトに対する責任を取る必要があります。
 まして一国の行政のトップの発言を180度ねじ曲げ、何百何千万人という人間に大きな誤解を与えたコトにより、下手すれば民主主義を破壊する行為ですらあるワケですから、その影響は、10人程度の食中毒を起こしたなんて比にもなりません。
 タイムリーな話題ですが、一週間の停波なんて、むしろこれ軽いんじゃないですか?
 日本テレビはそれぐらいのコトをした自覚がないのかもしれませんが、むしろその自覚がない方が間違いだと言うしかないでしょう。
 
 だいたいにして、これ、どうやったらこんなミスが生まれるというのでしょうか。
 聞き間違いとかというレベルじゃないですよ。
 日本テレビの報道を作る人間やチェックする人間は、かなり日本語能力の乏しい、片言の日本語しかできない人間ぐらいでないと、こんなミスは生まれません。
 そんなミスをする人間を報道の場に置いているコト自体がもう報道として失格だと言わざるを得ません。
 
 この際、ミスかミスじゃなかったかなんてどうでもいいのです。
 一国の総理の発言を180度ねじ曲げて多くの国民に伝えた。
 この結果だけで十分に報道機関として失格の烙印を押されるコトに十分でしょう。
 どうもこの問題、既存マスコミはだんまりを決め込んでいるようで、ネット以外ではほとんど話題になりませんが、しかしそれはむしろマスコミの自殺行為だというコトを自覚してもらいたいです。
 このような捏造をもはや国民は許しませんし、捏造を黙殺するマスコミも国民はもはや許しません。
 これを自己批判できないマスコミは、同罪として国民から批判され続けるコトでしょう。
 マスコミは聖域ではありません。
 日本テレビが日本テレビである以上、失格機関として批判され続けるべきでしょう。