イランとの関係も冷静に考えて

2012年4月15日

 日本とイランとの関係は少し冷静に考えてみるべき問題です。
 日本とイランは友好国です。
 主な理由は石油なワケですが、例えばイランがアメリカに表立って批判された後からでも、イランの要人が訪日したり、日本の要人がコンタクトを取ったりというコトは、それなりによくしています
 

 2007年2月28日、麻生首相は財団法人中東調査会・特別講演会の演説の中で、イランの外相と首相とが電話で簡単に話のできる現在の関係を保っていきたい事、広い中東のどの国とも話ができる国として、日本は世界で稀な地位を占めている事を日本外交がもつ貴重な資産であると述べ、「技巧(アート)による説得」を外相達に期待した。
 
 2010年2月23日、イランのアリー・ラリジャニ国会議長が衆議院の招待で来日した[7]。議長は、同月24日に岡田克也外務大臣と会談[8]し、同月27日には長崎市を初めて訪れ、長崎原爆資料館を見学した。議長は記者団に「世界に一つでも原爆が存在すれば人類への脅威だ。人々は、核のない世界に向けて立ち上がるべきだ」と感想を述べた。見学後、田上富久長崎市長らと共に、資料館近くの爆心地公園にある原爆落下中心地碑に献花した[7]。
 
 イランの大統領のモハンマド・ハータミーは2000年10月に日本を訪問した。

 
 もちろんだからといって国際協調の枠組みを壊せというコトでは決してありません。
 国連安保理決議の経済制裁には日本も加わっているワケですし、そんなの外交ですからね、1つの態度しかないっていうコトではなく、表も裏も右も左も色々と使い分けて場面場面で態度を変えてやるっていうコトが、本来は重要なコトなんだと思います。
 むしろ他国に対して1つの態度だけっていうのも、ある意味危険な行為でしょう。
 対米だってそうです。
 もちろん基本は友好関係、日本にとっては唯一の軍事同盟相手国でもありますから友好関係が望ましいのはその通りですが、しかしだからといって言いなりではいけません。
 TPPとか日本にとって不利なコトがあるのであれば、それを頑としてはねのけるコトも当然として必要です。
 1つの国に対して1つの態度しかないと決めつけるコトが最も危険なコトだと言えるでしょう。
 
 ですから、イランとの関係も同じように、いろいろな顔があって当然でしょう。
 特にですよ、日本にとってのイランというのは、直接の利害関係が何かあるっていう相手でもありません。
 例えば北朝鮮なんかは日本にとっては、あんなのは犯罪国家であって、到底今のままではつきあえる国ではありません。
 拉致問題という主権を侵している問題や、核ミサイル問題も直接の問題ですから、到底看破し得る国ではありません。
 というか国家としてすら認めていないワケですし。
 しかし北朝鮮と直接利害関係が無い国にとっては、実際に北朝鮮と国交を結んでいる国もあるワケです。
 それはそれで、まぁ仕方の無いコトです。
 それが外交なワケですからね。
 だから、日本も国際社会の場ではイランに対しては厳しい態度を取るのは当然としても、それだけをもって全てのチャンネルをシャットダウンするというのは、むしろ愚かな行為と言うしかないでしょう。
 
 イランだって分かっています。
 あの国はいま国際社会で孤立していますので、自分達の置かれている立場は十分分かっています。
 ですから特に先進国である日本が国際社会と協調する立場を表向きは取るっていうのは、イランも分かっていますよ。
 だからいくら表向きに経済制裁しても、それだけをもって向こうからシャットダウンはしてきません。
 むしろイランはいま友好国が欲しくて欲しくて仕方ないですからね。
 しかもキチンと歴史ある文明国ですから、国連決議をもってどっかの国みたいに「無慈悲な制裁を加えるコトだろう」とかおバカなコトは言いません。
 よってそれも計算した上で、日本は日本の利益を追求するコトをまず考えるべきで、国連決議に参加するのも結局はそれは日本の利益の追求の為なのですから、そこは柔軟な対応を、表は表、裏は裏でイランと付き合えばいいのです。
 
 こういうコトを考えれば、まぁ議員外交自体はいいんですよ。
 場面によっては元総理という肩書きの人でもいいでしょう。
 本当はちょっとそれは控えるべきで、本来なら例えば昔からシッカリとパイプを繋いでいた友好議員連盟の幹部みたいな、そういうチャンネルがある人が行くのが一番、それだとキチンと理由になりますからね、議員外交っていう、ですがまぁいいです。
 でも与党の外交担当最高顧問はナシですよ。
 しかもそれプラス「元総理」ですからね。
 こんなの誰がどう見たって日本政府としての特使としか見えません。
 
 なにより、「鳩山由紀夫」がダメです。
 日本史上最低の外交オンチ総理と言っても過言ではない人物です。
 この人が国会議員をしているだけで国益が失われるっていうのに、さらに外国に出すなんて正気の沙汰じゃないですよ。
 だから自民党の山本一太参議院議員も「羽交い締めにしてでも止めろ」と言ってたのでしょうけど、どちらにしても議員外交としては下の下策としか言いようが無かったワケです。
 だから今回のこれはダメなのです。
 
 しかしだからといって、イランと付き合うコト自体がダメっていうコトではないのは、ここは認識しておくべき事柄です。
 極端はダメですよ。
 国連決議があるから一切合切シャットアウトっていうのはダメです。
 一番重要視すべきは日本の国益です。
 日本の国益に叶うのであれば、国連決議には従いつつも、水面下での友好は保っておくというのは必要なコトです。
 なにやら鳩山問題に関連して「イランと付き合うなんてとんでもない」とか言っている人をちょくちょく見るので、ひとこと言っておきたいと思います。