政治家が夢を語って何が悪い

 これ先日あまおちさんがツイッターで言っていたコトなのですが、こっちでもやれとのコトですので、ネタがかぶりますが、改めてまとめたいと思います。
 
 ある自民党の国会議員さんが「ガンダム開発計画」なるものを発表したのですが、これについてけっこう多くの批判が寄せられたようなのです。
 記事にもなっています。
 

 自民党が「ガンダム」開発計画 ネット仰天、「消費税を使うのか?」「ふざけるな!」
 
 自由民主党がアニメ「機動戦士ガンダム」のロボット(モビルスーツ)ガンダムの開発に本気になっているという。
ネットでは、政局混乱の時期に「ふざけている!」「暇なのか?他に議論することがあるだろ!」などと怒号が飛び交っている。2012年6月26日には政権政党時代から目指していた消費税増税法案が衆議院を通過したこともあり、「まさかガンダムに税を使うつもりか!?」といった揶揄まで出ている。

 
 ハッキリ言います。
 いつの間に日本国民はこんなにセコくなったのでしょうか。
 こんなコトだから日本はどんどんちっちゃく狭く窮屈で貧乏ったらしい国になっちゃうのです。
 かなり厳しめに言いましたが、なんで政治家が夢を語ったらダメなんですかって言いたいのです。
 ましてガンダムを作るっていうのは、全く現実不可能なお話ではなく、完全フィクションの世界でしかないと言うほどではない、いつかは出来るんじゃないですかって思えるぐらいのの夢でしょう。
 そんな夢を政治家が語らないで誰が語るのですかと。
 目先のコトしか考えられなくなった人間はもはや進歩しませんよ。
 すごく先のコトを目標として持ってこそ、人間というモノは成長していくのではないのでしょうか。
 
 アシモをご存じですか?
 ってまず知らない人はいないと思います。
 ホンダが開発した、例の二足歩行するロボットです。
 ちょっと前傾姿勢になっているのがキュートなロボットですが、これのそもそもの開発動機と言いましょうか、目指したモノ、夢というモノは、鉄腕アトムにあったと言われています。
 つまり鉄腕アトムを作りたくて開発して、その結果としてアシモが誕生したんですね。
 こちらに記事にもなっています。
 

 「アトムを作れ!」
 
 「時期外れの中途入社で、たった1人で研修を受けていた私が、1番最初に言われたのが『アトムを作れ!』だった」(広瀬氏)。
 もちろんこれは、本当に“鉄腕アトム”を作れということではなく、一般ユーザーと同じ生活環境の中で、フレンドリーで役に立つロボットを作ろうという意味。ここから“一家に1台のロボット”を目指すHONDAの挑戦が本格的に始動した。

 
 『アトムを作れ!』です。
 いいじゃないですか、夢のある業務命令と、そしてその結果としてのアシモです。
 こういう人類初の試みとかそういうモノは、やっぱり最初は夢からじゃないですか。
 「月に行く」だって、最初は夢物語のお話だったハズです。
 でもいまは普通になりましたよね。
 科学というモノは全て、あんなコトが出来たらいいな、こんなコトができたら便利だろうな凄いだろうなっていう夢物語から始まっているのです。
 なにより、「アトムを作る」「ガンダムを作る」「ドラえもんを作る」という夢のために科学者を志した人っていうのはいっぱいいますよ。
 こういう夢が実際の原動力になって、いま日本には優秀な科学者がいっぱいいるワケなのです。
 
 それなのにどうしてそれを政治だけは認められないのでしょうか。
 なぜ政治が夢を語ったら批判されるのでしょうか。
 
 例えばロケットだって政治の力がなければ実現はできませんでした。
 そもそもいまの段階では打ち上げるだけでも政治の力は不可欠です。
 さらに言えば、仮に民間だけで出来るコトでも、そこに政治の力が加わればもっともっと早く力強く計画を推進させていくコトができるでしょう。
 そういう国において、ガンダムを作るという計画を科学者を志すコトで達成させようという人もいれば、同時に政治家を志すコトでその夢を達成しようという人がいてもいいハズです。
 科学者だけが志すよりも政治の側からのアプローチがあった方が早いですよ絶対に。
 この世の中には様々な方面からのたくさんのバックアップがあって実用化された技術なんていくらでもあるんですから。
 
 もし「ガンダム開発計画」と聞いて、ガンダムしか作らないという発想にしかならない人は、ちょっと冷静に立ち止まって考えるべきです。
 そんなコトあるワケないじゃないですか。
 仮に最終目標がガンダムだったとしても、その途中に新たに生まれる技術とか、さらに高まる技術とか、また現段階で作れる最高のモノの誕生、つまりアシモですね、とか、そういうモノを全部ひっくるめての計画ですよ。
 全ての科学とはそうやって生まれてきたのです。
 もし政治がガンダム開発計画を立てて、その結果としてアシモよりももっと高機能で画期的なロボットが誕生すれば、それはとてもとても素晴らしいコトだと思います。
 
 それでも政治が「ガンダムを作る」と言うコトに批判しますか?
 
 政治が夢を語るコトを批判するコトは、国を小さくするコトにしかなりません。
 発想がせせこましくなるからです。
 夢ですら小さくて現実が大きくなるワケがないじゃないですか。
 さらに最悪なのが、政治が目先のコトしか考えなくなるコトです。
 その最たるモノが「2番じゃダメなんですか」でしょう。
 目先のコトしか考えずに、大きな夢や目標を立てられなくなれば、それは2番だけでなく結果としてはもっと小さなモノしか生み出すコトはできなくなってしまうでしょう。
 1番を目指すからこそ2番を得られるという場合だってあるのです。
 1番を目指すからこそ副産物的に別の新たな発見が生まれる場合だってあるのです。
 やるからには広く大きく目標を立ててこそ、国は大きくなっていくのです。
 
 政治がガンダムを目指すコトを批判する人っていうのは、結局のところレンホウ議員ですよ。
 レンホウ化してしまっているとしか言いようがありません。
 政治がガンダムやアトムやドラえもんを目指してもいいじゃないですか。
 それによってますます科学技術が進歩すれば、そしてそれを政治が国がバックアップするっていう宣言なのですから、それはもう喜ぶべきコトなのではないのでしょうか。
 科学技術なんてどうでもいい、目先の生活のコトだけ考えていればいいと言ってしまう人は、それは国をちっちゃくする戦犯だと言うしかありません。
 まったく現実不可能なハチャメチャなモノならまだしも、現在の日本をもってすればガンダムもアトムもドラえもんだってハチャメチャと言うほどではありませんし、実際にそれらを目指して科学者になった人もいるのですから、それを政治がバックアップするのは、むしろ政治の通常業務とすら言えるでしょう。
 こうやって国は大きく強くなっていくのです。
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、自民党の「ガンダム開発計画」を応援しています。