解散は総理の専権事項だが、それを売り払ったのが野田総理

2012年10月24日

 「解散は総理の専権事項だから解散時期を言うはずがないだろ」っていう意見があります。
 これは間違いではありません。
 厳密には解散権も内閣の権限ですから本来は総理だけのモノではないのですが、まぁ実質的には総理一人で決められるので総理の専権事項と言っていいでしょうし、解散は行政の内閣に対する監視機能の大きなひとつですから、その解散をいつするかを口外しないのは当然っていうコトも一般論では正しいです。
 確かに解散権は総理大臣の専権事項です。
 
 しかしこれはあくまで一般論です。
 
 間違えてはいけないのが、これらのコトは義務でもルールでもないというコトです。
 あくまでこれは一般論です。
 つまり一般的にはそう言えますけど、これが全ての個別案件に必ず当てはめられるっていうワケではありません。
 同時に当てはめなければならないというワケでもありません。
 一般論はあくまで一般論です。
 それは個別事情の方が優先させられるのは当然のお話です。
 
 野田総理は、その解散権を自民党との交渉の中で引き換えの材料としました。
 消費税増税法案に賛成してもらうために「近いうちに解散する」と、自民党と約束をして自民党の賛成の約束を取り付けたのです。
 ですから、取引の材料として引き替えたのですから、改作を口に言うっていうのは、むしろ当たり前のお話になりますよね。
 解散について言うっていうコトは、それはつまり約束を守るっていうコトとこの場面では同義なのです。
 そして今その当たり前の約束を守るっていうコトを民主党と野田総理がしないから、自民党は「民主党は約束を守れ」と言っているのです。
 どちらかと言えば「解散時期を明言しろ」というよりは、「約束を守れ」なのです。
 その約束を守るコトが解散時期を明言するコトにつながるだけで。
 本来、このお話っていうのは、ただこれだけのコトなのです。
 
 もし解散時期を明言したくないのであれば、それは自民党との交渉で解散を材料としなければよかっただけです。
 でも解散を条件に自民党に自らの希望を飲ませたのは誰でもない野田総理自身ですよ。
 野田総理は自分で解散権を引換材料にしておいて、自分の希望が通った後は一般論を振りかざして条件を無視するっていのうは、あまりにも卑怯です。
 こういうのを詐欺って言うんですよ。
 確かに一般論で言えば、解散時期を総理が明言するコトはありません。
 しかし今回の件はその一般論には当てはまりません。
 なぜなら、野田総理自らが解散時期を自民党の交渉材料として売り飛ばしたからです。
 総理が自分自身で解散時期を引き換えにしたのですから、そんなの一般論に当てはまらないのは当然であり、よって解散時期を明言するコトこそが「約束を守る」という人として当たり前の行為に繋がるのです。
 
 解散時期を明言しないのは義務でもルールでもありません。
 ただの一般論です。
 そして現状というのは一般論に当てはまらない場合になっています。
 それは野田総理自身がそうしたからです。
 ここの当たり前のお話を勘違いしてはならないのです。