派閥を悪にして人気取りに使うのはもうやめよう

2013年2月5日

 やっと体調が戻りました。
 けど微熱が続いていたのでガッツリと体力が奪われちゃいました。
 インフルエンザとかじゃなかったので、それは不幸中の幸いだったんですけど、ともあれ皆様にご迷惑をお掛けしてしまいました。
 ごめんなさい。
 今日からまた通常運転していきますのでよろしくお願いします。
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 さて。
 体調不良によりちょっと古い話題になってしまいましたが、今日はこちらの記事です。
 

 「脱派閥」の石破氏、「無派閥連絡会」で派閥?
 
 自民党の石破幹事長の側近議員らが「無派閥連絡会」を結成し、31日から定期的に会合を開く。
 党内では、次期総裁選をにらんだ「事実上の『石破派』結成ではないか」と見る向きもある。石破氏は「脱派閥」を唱えているだけに、矛盾するかのような動きは波紋を呼びそうだ。
 「派閥に入っていない人は情報過疎になっている。ご飯を食べながら情報交換しようという趣旨だ」
 無派閥連絡会の呼びかけ人の一人で石破氏に近い鴨下一郎国会対策委員長は29日の記者会見で、同会結成の趣旨をこう説明し、新たな派閥の結成には当たらないとした。石破氏も同日の記者会見で「いろんな情報を共有するために会合をつくるのは、何ら妨げになるとは思っていない」と語った。

 
 何かと悪く言われる「派閥」ですが、その派閥を否定している石破幹事長の口からまず派閥のメリットが提示されているという、奇妙な記事です。
 「派閥に入っていない人は情報過疎になっている。ご飯を食べながら情報交換しようという趣旨だ」
 つまり、派閥は情報交換がスムーズに豊富に出来るというコトを脱派閥主義者の石破さんが認めているという記事ですよね。
 最近の世の中派閥を否定する人は多いですが、ここの事実はちゃんと理解しているのでしょうか。
 
 この前の自民党の総裁選挙の時に散々言いましたけど、もはや派閥の負の部分っていうのは自民党には残ってないんですね。
 というかやえとしては、派閥の負の部分も本当に負だと言うべきかどうかという点は大変に疑問なのですが、例えば派閥の領袖の鶴の一声で全てが決するようなコトとかは、前回の総裁選では全くなかったワケです。
 派閥が一枚岩でひとりの候補を推していたっていうのは、パッと思い出すだけでは麻生派だけだった気がします。
 もちろん派閥の領袖が出馬すれば派は一枚岩になるかもしれませんが、というかそれは当たり前のお話であって、つまりそうでなければもはや「鶴の一声」はなくなっているというコトです。
 また「カネとポスト」もよく言われるところですが、政治家になればお金が儲かるなんて思っている人はもはや政治の実情を知らない人でしかないワケですし、ポストもむしろ与党議員300人以上の個人個人の能力を総裁ひとりで全て把握しているという方が異常ですから、日頃から密に接している人が推薦するっていうのは、むしろ効率的と言った方が適切でしょう。
 また別の面から見ても、今回の第二次安倍内閣はなかなか安定感のある陣容ですが、結果的には派閥均衡型の陣容になっていますように、結局自民党の中で各議員さんが日頃から勉強して切磋琢磨しているのですから、安定感を出そうと思ったら結果的にそうなるのです。
 派閥を悪のように言う人は、派閥が悪いという結果でしか見ようとしませんが、でも仮に派閥の推薦があったかなかったかは内閣の能力に直結するワケではなく、今回の第二次安倍内閣のように派閥均衡型でも素晴らしい陣容で安定感のある仕事ぶりが続いているのは結果として出ているワケなのですから、内閣の能力を言うのに派閥の力を言う方がこじつけだと言うしかないでしょう。
 
 こういうメリットを積み重ねていけば、やはりある程度気の置ける人間を中心にしてある程度のグループを作る方が、政治活動する上において有用だというコトになるワケです。
 デメリットがもはや存在しない上に、そもそも派閥は入会するも脱会するも自由なのですから政治家が他者に縛られるワケでもなく、その上で情報交換や人間関係の構築や勉強会や政策提言がなされるのであれば、それは派閥が政治に果たすべき役割は小さくないと言えるでしょう。
 だから無派閥だと言う石破さんも、こういうグループを作るのです。
 石破さんにとっても、そこに集まる“無派閥議員”にとっても、グループ=派閥があるコトの方が政治活動において有用だと判断するからこその今回の集まりなワケです。
 これは自然なコトですよ。
 もし派閥が無用なモノであれば、そもそも既存の派閥もとっくになくなっています。
 何度も言いますが、派閥入会は任意ですからね、強制されるモノではないからです。
 その上でまだ派閥は存在する。
 つまりはそういうコトなのです。
 
 そもそも派閥は、今回の石破さんのような動きから生まれてきたモノです。
 例えば麻生派だって、まぁもとは河野派ではありますが、いまは麻生さんの個人を慕って集まっているという風潮が強いですよね。
 麻生さんに付いていけば、情報やその他のコトで政治活動でプラスになると思うからこそ集まっているのであり、それが派閥になったのです。
 そしてそれはいつか麻生さんが引退されると誰かに継承されるのでしょう。
 他の派閥もそうやって継承されてきたワケです。
 だからもしかしたら、“石破派”だって、それが派閥として機能し、いつか誰かに継承されるようになるのかもしれません。
 もちろんされないかもしれませんが、しかしこれは派閥の発生という観点からは今回の石破グループ発足はそのものなのですから、この時点で派閥を否定するコトは矛盾しているワケなのです。
 
 派閥を悪玉にして、それを攻撃するコトで人気を得る手法というのは、やえは感心しません。
 また同時に、こういう論調に何も考えずに悪玉論に乗っかるというのも感心しません。
 マスコミが煽るせいもあるワケですが、では本当に悪なのかどうか、政治にとって不要なモノなのかどうか、自分で考えて判断してもらいたいと思います。