どこまでが今回の集団的自衛権の範囲内か

 あー、ついにゴールデンウィークが終わってしまいました。
 この焦燥感はなんなんでしょうかね(笑)
 と言っても現実はどこまでも追いかけてくるので、気合い入れてがんばりましょう!
 
 右も左も逝ってよし!!
 バーチャルネット思想アイドルのやえです。
 おはろーございます。
 
 では今日はちょっとしばらくお休みしたリハビリとして、この記事を簡単に取り上げたいと思います。
 

 集団的自衛権、自公の論議、法廷闘争の様相
 
 行使容認の対象とするのは(1)日本周辺の有事で米国が集団的自衛権を行使している際に、米軍への攻撃排除や攻撃国に武器供給する船舶への立ち入り検査を行う(2)機雷で封鎖されたシーレーン(海上交通路)の掃海活動(3)米国が攻撃を受け同盟国と自衛権を行使している状況下で、攻撃した国に武器供給する船舶を日本に回航する-の3つのケース。

 
 この記事の書き方では、引用した内容が政府案なのか自民党案なのか、それとも両者の折衷案としてこの辺に落としたいとしているという記事なのかちょっと分からないので、今後この内容も変わってくるのかもしれませんが、ここまで具体的に今回の集団的自衛権の範囲を明確に記してる記事はめずらしいので、今日はこれを参考に取り上げてみたいと思います。
 
 日本が今後集団的自衛権を認めるとなる具体的な3つのパターンが列挙されているワケですが、これザッと読むと、ほとんどがアメリカとの関係のみの内容になっていると言えるのではないかと思います。
 3つの内2つがアメリカがらみであり、そして共に「アメリカがすでに集団的自衛権を行使している際に」という条件付きです。
 しかもどちらも日本の自衛隊が直接攻撃するような内容じゃないんですよね。
 (1)も(3)も他国の船を検査して、必要なら日本国内に連れて行くっていうだけのお話であり(というかこの記事、132っていう順番で書くべきですよね)、これって国連軍という枠組みでは今までもやってきましたよねっていう程度のお話です。
 
 もちろんだからといってこの新しい集団的自衛権っていう枠組みを作るってコトは意味のあるコトだとは思います。
 日本はアメリカと軍事同盟を結んでいる以上は、軍事に関しては特にアメリカと共同歩調を取るのが当たり前と言えるのですから、なんでもかんでも国連だけを金科玉条にするのではなく、別の動きもできるようにしておく必要はあるでしょう。
 ハッキリ言えば、国連に絶対の正義があるワケではないのですから、日本は日本の正義と利益を追求出来るような動きを可能にしておくコトも必要かと思います。
 また特に日米安保なんていうモノは、これは不平等条約でしかなく、もちろんそれはアメリカにとっての不利な条約ですから、これをお互いに平等なモノに改めていくっていう作業は必要です。
 もし今回の集団的自衛権の内容がこれだと、まだまだ完全な平等ではありませんが、その一歩となるのは良いコトではないかとは思います。
 
 今回のこの3つのポイントで、むしろ重要なのは(2)でしょう。
 引用記事の次のページに詳しく書いてあるのですが、やえもこの事実は知りませんでした。
 

 たとえば、エネルギーの大半を輸入に頼っている日本にとって、シーレーンが機雷などで封鎖されれば、国民生活に深刻な打撃を与えるが、現在の憲法解釈では戦闘行為としてまかれている機雷を除去することは集団的自衛権の行使に当たるとしてできないことになっている。

 
 多分これは、つまりその海にある機雷は誰をターゲットにしたモノなのか明白でない以上、「日本や自衛隊を対象にした攻撃」とは断言出来ないので、その機雷をどうこうする権限が自衛隊にはない、という解釈でいままでやってきたんだと思います。
 日本の今までの制限されてきた自衛権では、日本自らをターゲットにした攻撃にしか対応するコトは許されていません。
 機雷、というか例えば魚雷が海上自衛隊に迫ってくるというコトが明白なら、その魚雷を追撃するコトはいまの自衛権でも可能なのですが、しかし機雷や地雷などのその場に留まり続ける兵器は自衛隊を対象としているとは明白には言えませんので、日本への攻撃とは認められず、日本は自衛権を行使するコトができなかったワケです。
 個別自衛権だけを持ち、専守防衛を旨としていたツケとすら言えるでしょう。
 ですから、集団的自衛権っていう「対象が日本でなくても自衛権を発動出来る権利」を行使するコトによって、機雷を取り除く権利を得ようというコトだと考えられます。
 
 これはむしろ、いままでこれが出来なかったのが国益としても、国際的な利益としても、ダメなコトだったと言わざるを得ません。
 というのも、日本の海上自衛隊の機雷除去能力っていうのは世界一だと言われていまして、元々日本は歴史的に海軍能力が高い国家ではあるんですが、その能力や統制された動きは他国も驚愕のレベルなんだそうです。
 でもこれはつまり、いままではその世界一の機雷除去能力を一切国際的には貢献出来ていなかったワケですから、すなわち、機雷を巻かれている国や、そのシーレーンを使う他の国からは、それだけの能力があるのになぜ除去してくれないんだと思われてしまっていた可能性もあるワケです。
 少なくとも、シーレーンの機雷除去の問題は国際的な問題としてずっと前から懸案事項として上がっていたワケで、それにも関わらず日本は今まで何も出来ていなかったのは事実であり、それはやはり印象はよくないでしょう。
 そもそも日本だってそのシーレーンは重要な航路であるのは同じなのですから、その意味からも、今までは大きな国益の損失だったと考えるべきです。
 
 ですからこの問題が解決する、解決するとまではいきませんが、日本が積極的に機雷の除去に当たれるようになれば、日本も直接利益を得るコトができるだけでなく、関係国からも大いに感謝されるというさらなるプラスアルファの国益を得るコトができるようになるのです。
 この意味を小さく取るべきではありません。
 とてもとても大きな利益があると言えるのです。
 
 集団的自衛権というと、すぐに戦争だ戦争だと騒ぎ立てる人も多いワケですが、具体的実質的に自衛隊が何をするのかというところを考えると、実は目立たないけど日本の国益にとって重要な面もあるワケですね。
 こういうところをもっと見ていかなければならないのではないのでしょうか。
 日本は自国のコトだけを考えていればいい、と言ってしまうのは、それはただの引きこもりの理屈です。
 しかしその引きこもりを支えてくれている人達がいるっていう事実、そして本来引きこもりは不正常な状態であるってていう事実をしっかりと見据えなければならないと思います。